山添 拓 参議院議員・日本共産党

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2017年8月4日

リニア工事の始まる長野県大鹿村へ

リニア新幹線の建設準備工事が始まった長野県大鹿村を訪れ、実態を調査し地域のみなさんからお話をうかがいました。

中央道の松川ICからの県道が、他に通じるほとんど唯一の道。すれ違いすら難しい箇所も多い道を、工事が始まれば一日1350台のダンプが行き交う計画。過去に落石による死亡事故もあり、補強と拡幅が求められてきた県道でしたが、財政難で進まず。そこへリニア。JR東海が一部負担して工事をすることになり、村もリニア受け入れへと転じていきました。足元を見る露骨なやり方です。工事をしても全線2車線化はできず交互通行が必要な箇所が生じ、大渋滞は必至。

リニアが通る本坑をすぐに掘ることはできないため、今年4月以降、非常口と称した坑口から掘削が始められています。しかし、道路工事もまだなら300万立米に及ぶ残土の処分先も決まらない。後先を考えることなく着工を急ぐのは、ここが25kmに及ぶ南アルプストンネルの起点だから。かつてない難工事が予想される場所で、ここが完成しない限りリニアは走らない。すでに遅れがちの工期をさらに遅らせるわけにはいかないという焦りが、前日に通知して工事を始める事態につながっています。

大鹿村へは初めて行きましたが、山深く険しい谷に囲まれたところでした。人口1000人の町にコンビニはありません。
ただ、お話を聞かせてくださった方はいずれも地域に根ざし、村の歴史を本当によくご存知です。交通量の増加だけでなく、残土の仮置き場、集中豪雨など災害時に土砂がどうなるかの不安、保安林の指定解除による影響など、工事が始まったいま浮かび上がる懸念が様々に出されました。

住民の思いに対してJR東海はどんな姿勢か。今朝、南アルプストンネル長野工区分室を訪れたところ、説明を聞きに来たのに部屋には5人しか入れない。3兆円もの公的資金の投入を受けながら、国民に対して真摯に説明しようという姿勢を欠く有り様は、この間一貫しています。モニタリングの資料ですら出し渋る。二言目には「企業としての判断」と、民間事業であることを強調。
示される懸念がどれも「当たらない」とするのは、JRも村も同じ。まるでどこかの政権のような不遜さを感じました。

そうしたなかで、ねばり強くたたかう地域のみなさんには本当に頭が下がる思いです。大鹿村では、共産党の北島千良穂村議のほか、無所属の河本明代村議にもお世話になりました。託していただいた声に応える取り組みを、国会でも進めたい。リニア計画は、このままでは必ず破綻する、進めさせてはならないものです。

写真1枚目、指差している谷の下の方に、非常口の坑口がつくられ工事の音が響く。ほかには緑の山と空と雲しか見えない場所。
写真2枚目は、中央構造線博物館。100万年で4000m隆起した南アルプスをトンネルでぶち抜く計画がいかに無謀かであるかを、改めて目の当たりに。