山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2018年・第197臨時国会

洋上風力発電促進法案について質問

要約
  • 国交委員会で、洋上風力発電法案について風力発電の導入目標が小さすぎることを明らかにし、原発稼働を前提としていることが再エネ拡大を抑制していると質しました。またスーパー堤防について、越流水深15㎝という数値を示した文書は存在しないことが答弁で明らかに。事業は直ちに中止にと求めました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 北海道大地震による全道停電、ブラックアウトは、電力の安定供給のためには大規模集中から分散型への転換が必要であることを教訓といたしました。同時に、大出力で出力調整ができない原発に頼るエネルギー政策の危険性も浮き彫りにしたものと考えます。世界の流れは脱炭素、再生可能エネルギーですが、日本は実績でも目標でも世界に大きく立ち遅れております。再エネへの転換を大胆に進めるべきであります。
 本法案は、洋上風力発電施設の整備のために一般海域の占用ルールを定める法案であり、漁業者など先行利用者との調整や適切な環境影響評価を経た上で、洋上風力のための海域利用を促進することは重要だと考えます。問題は、政府が風力発電の導入拡大にどこまで本気かという点であります。
 今年七月に閣議決定されたエネルギー基本計画は、再生可能エネルギーの主力電源化を掲げながら、二〇三〇年の再エネ目標を引き上げることなく、二二から二四%といたしました。
 エネルギー庁に聞きますが、この目標は総発電量をどのぐらいと見込んだ上でのものなのか。また、その中で風力による発電量の割合は一・七%と先ほど来お話ありますが、それによる発電量はどのぐらいになるか。そして、それを達成するための風力発電が担当する設備容量はどれだけか。これ、数字をお答えいただけますか。
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 エネルギーミックスにおきまして、二〇三〇年度の総発電電力量一兆六百五十億キロワットアワー程度に対しまして、再生可能エネルギーの比率を二二から二四%と置いてございます。この総発電量の中の二二から二四%でございますので、電力量でいいますと二千三百六十六から二千五百十五億キロワットアワーの導入になります。このうち、風力発電は一・七%、百八十二億キロワットアワー、これを風力発電につきまして容量ベースで申し上げますと、一千万キロワットを見通しているところでございます。
○山添拓君 要するに、一千万キロワットで再エネ二二から二四%を達成するという目標であります。
 しかし、その中で、先ほど来お話ありますように、一千万キロワットというのは陸上を含む風力発電全体の目標であり、洋上風力の目標というのは八十二万キロワットにとどまるわけです。
 伺いますけれども、現在、事業化をされ環境アセスの手続中の洋上風力発電は、設備容量でいうと合計どのぐらいの規模が計画をされていますか。
○政府参考人(松山泰浩君) エネルギーミックスについては、洋上風力発電が八十二万キロワットと見通してございます。
 環境アセスメント中の洋上風力発電について申し上げますと、洋上で約五百四十万キロワット存在します。このうち、港湾区域のものが五十七万キロワット、一般海域のものが四百八十二万キロワットとなってございます。
○山添拓君 八十二万キロワットというのは、アセス中の洋上風力の一五%にすぎないわけです。既に五百四十万キロワットの導入計画があり、この法案でも新たな参入も促していこうという中で、目標は八十二万キロワットにとどまると。
 日本風力発電協会によれば、日本列島かいわいの着床式洋上風力だけでも、潜在的には約九千百万キロワットも可能だと言っております。
 大臣、伺いますけれども、目標値が余りにも低いのではないでしょうか。
○国務大臣(宮腰光寛君) KPIに掲げますこの五区域につきましては、二〇三〇年度において風力発電全体の設備容量一千万キロワットを目指す中で、現時点での陸上風力と洋上風力の設備容量の比率や具体化している洋上風力の導入計画の平均的な設備容量等から試算しているものであります。この促進区域は、風況、水深等の自然条件や系統接続が適切に確保される見込みがあることなどの基準に適合し、また、地域関係者との調整を丁寧に行った上で御理解をいただけた海域を指定することとなります。
 このために、まずは五区域の着実な指定に向けて取り組むこととし、これが風力発電全体の設備容量目標の達成に寄与することを期待をいたしている次第であります。
○山添拓君 いやいや、それより更に八十二万キロワットを超えて洋上風力の設備容量を増やしていくということも現状からすれば十分にあり得るし可能だ、こういうことですよね。
○国務大臣(宮腰光寛君) この五区域は上限ではありません。でありますから、条件に適合している区域があれば、五区域を超えて積極的に指定を行い得るということでありますので、上限ではないということを御理解いただきたいと思います。
○山添拓君 これ、実現していきますと、二〇三〇年の再エネ割合というのは、目標の二二から二四%を超えていくということになるわけです。当然超えていくことになるだろうと。
 先ほどの風力発電協会は、一・七%どころか将来的には二〇%以上を風力で供給すると、その半分を洋上風力で賄う計画も立てているといいます。
 大臣、伺いますけれども、エネルギーミックスそのものをやっぱり見直すべきじゃありませんか。大臣、答えてください。
○政府参考人(松山泰浩君) エネルギー政策の中で、エネルギーミックスの再エネ比率はキャップではございません。政府としては、再エネに関しまして、二二から二四%という再エネの比率、一・七%の風力発電の比率、さらには洋上風力の導入量も含めまして、このミックスの水準を超える導入を追求していきたいと考えてございます。
 一方で、ポテンシャルはたくさんあるわけでございますが、環境アセスメント手続での規模の縮小や地元との調整、あと系統の問題の克服、様々な課題がございます。まずはミックスを達成するために、これらの問題の解決に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
○山添拓君 なかなか見直すということを、どこでも私お聞きしますが、伺えないんですね。
 再エネを二二から二四%に据え置き、そして洋上風力の目標値も引き上げようとしないのは、これは、とりわけ原子力に二〇から二二%も分担をさせ、三十基もの原発を稼働させることを前提として再エネ拡大を抑制しているからにほかならないと言えると思うんですね。
 多くの国民が願う原発ゼロへの道に踏み出し、再エネの抜本的拡大に進むべきことを指摘して、法案についての質問は以上にさせていただきたいと思います。
 残りの時間でスーパー堤防について伺います。
 江戸川、荒川や淀川など全国五水系、約百二十キロで事業化をされておりますスーパー堤防は、堤防高さの約三十倍の幅を持つ大きな堤防で、壊れない堤防として整備が進められております。
 私は、昨年三月二十二日の当委員会で、事業開始から三十年を経ても整備率が三%にとどまり、江戸川スーパー堤防では、地耐力不足が発覚したり、今後整備する地域で始めから堤防高さの三十倍、その基本断面を満たさない計画とされていたり、理不尽な事業のために住民が移転を余儀なくされ、怒りが沸騰している、こういう実態をお示ししてまいりました。
 今朝の東京新聞で、地耐力不足のあった北小岩で昨年六月、地盤改良の工事中にコンクリート片が見付かっていたことが分かったと報じられました。盛土を地下五・五メートルまで掘り下げたところ、一部からコンクリート片計百四十八立方メートルが出てきて、国交省は約一千八百万円の追加工事で取り除いたが、この事実は地権者や住民に説明されなかったと報じられております。
 国交省、事実ですか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、江戸川区北小岩一丁目地区の高規格堤防整備におきまして、宅地として地盤強度を確保するための対策を行った際に、高規格堤防として盛土を行った部分ではなく、それよりも深い部分になりますけれども、元の地盤よりコンクリート殻等が見付かりました。これを、既存の家屋等よりも以前にあった構造物の一部と推察されておりますけれども、詳細は不明でございます。
 対策工として実施するに当たりまして支障となる部分につきましては、コンクリート殻等を撤去いたしまして宅地としての地盤強度を確保しております。また、高規格堤防の盛土につきましても、河川管理施設等構造令及び高規格堤防盛土設計・施工マニュアル等に基づきまして適切に設計、施工を行い、高規格堤防としての安全性を確保したところでございます。
 なお、国土交通省といたしましては、対策を行うために必要なコンクリート殻等の撤去を確実に実施をいたしまして宅地としての地盤強度も確保しておりましたので、住民等への説明は実施しておりませんでした。
○山添拓君 そもそも約束された住宅地としての強度を満たさなかったために対策工事を行うことになったわけです。その中で新たに異変が見付かり、そのコンクリート殻を取り除かない限りは対策工事できないということになったわけです。
 住民の皆さんが不信を持つのは当然だと思うんですね。この事実は、当然住民の皆さんに、地権者の皆さんに伝えられるべきであります。改めて説明を行っていただけますね。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
 引き続き、事業につきまして御理解をいただきますよう、住民、地権者の皆様に対して丁寧に対応してまいりたいというふうに思っております。
○山添拓君 そもそもスーパー堤防というのは、堤防の高さを超える洪水に耐える強度を求めるものです。越流水が堤防の裏側をなだらかに下りるように勾配を緩やかにしております。それが堤防高さの三十倍、三十Hという数字です。
 この三十Hとは何が根拠なのか、こう聞きますと、お配りしております資料の二ページ目、河川管理施設等構造令等よりとりまとめと、こうある資料が出てまいりました。数式です。越流水が堤防を破壊しようとする力を小さくする、なだらかな勾配を割り出すという式です。計算後の解として、ここには、堤防の川裏側の勾配はおおむね三十分の一とされております。
 しかし、この式というのは、ある変数を入れない限り解が出てまいりません。それは越流水深、つまり堤防高さをどのぐらい上回る洪水を想定するのかということであります。
 江戸川の場合、この越流水深というのは何センチとされていますか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
 高規格堤防は、江戸川等が流れます首都圏や近畿圏の人口、資産等が高密度に集積をしておりますゼロメートル地帯等の低平地におきまして、堤防決壊により多くの人命が失われることや壊滅的な被害が発生することを回避するために……(発言する者あり)失礼しました。幅の広い堤防として整備しております。
 江戸川の高規格堤防につきましては、河川管理施設等構造令等に基づきまして、越流水による剪断力による洗掘に対し必要な剪断抵抗力を有するように設計するために、計画堤防天端高を基準とする高規格堤防設計水位の水深、いわゆる越流水深を十五センチと設定しております。
○山添拓君 そこだけでいいんですけれども。
 江戸川スーパー堤防の全区間、また、全国百二十キロの全区間で十五センチ、これで間違いないですね。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
 現在、高規格堤防の整備を進めております荒川、多摩川、淀川、大和川におきまして、河川管理施設等構造令等に基づき設計を行っておりますけれども、いずれの河川も越流水深を十五センチというふうに設定をしております。
○山添拓君 越流水深の想定というのは、川幅ですとか湾曲具合などによって、場所によって異なり得るはずなんですけれども、これ、一律に十五センチとされていると。それ自体もにわかには信じ難いところなんですが。
 ところで、この十五センチという数字は、各河川の整備計画には十五センチという数字そのものは示されておりません。江戸川の場合も、堤防の高さとスーパー堤防の設計水位を差し引きすると十五センチになるんだという説明をいただいておりました。
 この十五センチ、結局根拠は何なのかということを私は実は一年前から国交省にお願いしているんですけど、一年たっても、なかなか探していて見付からないんだというお答えをいただいております。見付かりましたか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。
 高規格堤防の設計に用います水位といいますのは、計画堤防高、これ、堤防を満杯で流れることになりますけれども、その水位を基礎といたしまして、そのときにいかなる地点でも発生し得るような河床の変動やあるいは波浪、波等ですけれども、そういったものに起因する水位変動による越流に対処できるように設定するということを基本としております。
 この河床変動や波浪等に起因する水位変動につきまして、全国の河川での洪水のデータの実態等に基づく検討等によりまして、越流水深を十五センチというふうに設定をしてございます。
○山添拓君 根拠となる文書はありますか。十五センチの根拠です。
○政府参考人(塚原浩一君) お答えを申し上げます。
 今申し上げましたようなことを含めまして、高規格堤防の設計、施工を始めとして、基本的な情報を実務担当者に対して提供することを目的にして取りまとめた高規格堤防整備事業の手引に示しております。
○山添拓君 それ、そこに十五センチと書いてあるんですか。それ示していただいていないんですよ。
○政府参考人(塚原浩一君) お答えを申し上げます。
 明確に数字として十五センチという文章ではございませんけれども、その中に示しております図の中で十五センチという根拠を示してございます。
○山添拓君 明確にないということを今明確に御答弁いただきました。
 時間ですから終わりますけれども、三十年間やってきた事業なんですけれども、今根拠を示せないんですよ。これ、重大であります。
 私は、むしろ堤防の三十倍の幅、三十Hが先にあったのではないかと。これは、ここから逆算して十五センチを割り出したのではないかとも思います。三十Hだからこそ、例えば八メートルの堤防でしたら、裏側は二百四十メートルある。だから、ここに宅地が造成できて、まちづくりができるという計画なわけです。
 集中豪雨が相次ぐ中で河川整備や堤防の強化は必要だと私も考えます。しかし、スーパー堤防は、堤防上を宅地にする、まちづくりありきで、もはや治水事業とは言い難いものです。根拠すら示せない、無謀な、そして矛盾だらけの事業は直ちに中止するべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。