山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2019年・第198通常国会

首相発言で流れをつくった「下関北九州道路」疑惑について

要約
  • 忖度発言で塚田国交副大臣が辞任した下関北九州道路について、2008年に凍結された理由がその後撤回されたり、省内で必要性が再整理されたりした事実がないことを明らかにしました。首相の指示の下に一気呵成に国直轄の予算化を図るなど、不透明どころか真っ黒な事業で、直ちに廃止すべきと迫りました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
下関北九州道路について伺います。
塚田前副大臣は、事実と異なるからと言い、発言を撤回されました。しかし、二〇一八年十二月二十日、大家敏志参議院議員が吉田博美自民党参議院幹事長と副大臣室へ陳情に行ったこと、安倍首相と麻生副総理の地元をつなぐ道路計画が止まっていたこと、国直轄の調査として今年度予算化されたこと、この基本的な事実経過は全て事実であります。真相解明が必要であり、辞任で済まされる話ではありません。
安倍首相は、私が指示したということはないと答弁をしています。
資料の一ページ、御覧ください。大家氏のホームページによれば、昨年十月二十五日、吉田氏と大家氏が首相官邸を訪問し、下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会の設立と意義について話をし、山口県下関市の御出身である安倍総理からは、早期建設に向けた活動をしっかりと取り組むようにとお言葉をいただいたとあります。
大臣に伺いますが、大臣は安倍首相がこのように述べた事実を知っているでしょうか。国直轄調査への引上げは、この安倍首相の指示に沿うものじゃありませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年十月の二十五日、自民党吉田博美議員、大家敏志議員が安倍総理を訪ねたことにつきましては、最近まで承知しておりませんでした。
○山添拓君 大臣御存じなかったということですけれども、この発言に基づいて、その後、設立総会が持たれて、そして十二月二十日の例の会合へと結び付いていくわけです。これは、そんたくどころか、安倍首相の指示の下に事態が動いているということは明白であります。
十二月二十日、吉田氏が副大臣室を訪れ、塚田氏に面会をいたしました。
資料の二ページを御覧ください。この日の要望対応結果を省内で共有するメールが昨日公開をされました。これは、マスコミが退席した後の発言として、吉田氏は、総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろうなどと述べております。道路局長も同席していたとあります。
塚田氏の発言にあったような、分かっているな、これは総理と副総理の地元の事業だよ、こういう発言までは記録されておりませんが、少なくとも総理と副総理の地元案件であるということが話題になったのは、これは間違いないですね。
○政府参考人(池田豊人君) 総理、副総理の地元事業であることを理由に国で調査をすることを求められたことはなかったと思っております。
○山添拓君 聞かれたことに答えていただきたいんですけど、総理、副総理の地元の問題だ、それは話題になったんですね。
○政府参考人(池田豊人君) メモにございますように、冒頭、総理、副総理の地元とは関係なく、中国、九州の経済や後世のため、オールジャパンで必要な道路であるという発言や、総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろうというような発言がされております。
この議事録に加えるべき内容は、私にはないと考えております。
○山添拓君 ここに書かれているのに、総理、副総理の地元案件であることが話題になったことすら認められようとしない。
国家公務員制度改革基本法の五条三項は、職員が国会議員と接触した場合の記録の作成、保存、管理、その適切な公開を規定しています。
これは、メールのほかにも面談記録は作成していますね。
○政府参考人(池田豊人君) このメールのほかに面談の記録を作成しているものはございません。
○山添拓君 これは法律違反じゃないですか。
○政府参考人(池田豊人君) メールのほかには、作成は現時点ではしておりません。
○山添拓君 現時点でというのはどういうことですか。これから作ろうとなさっているんですか。
面談に関する記録、メールを作ったからにはその元になるメモがあるはずです。提出を求めたいと思います。
○委員長(羽田雄一郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○山添拓君 第二関門橋を含む海峡横断プロジェクトは二〇〇八年に凍結をされました。これ、なぜ凍結をされたのかと。当時の冬柴大臣は、例えば同年三月十二日、衆議院国交委員会で我が党の穀田恵二議員の質問に対し、こうした計画は地域の理想とか夢であって、それに応えられるだけの財政力もなければ、山陰自動車道も東九州自動車道もまだできていないのに、それを超えるようなことは着手できないと述べています。
プロジェクトが凍結された理由について、今も道路局としての認識は変わりませんか。
○政府参考人(池田豊人君) 国会のやり取りを踏まえ、平成二十年三月二十八日に、海峡横断プロジェクトの調査については、個別のプロジェクトに関する調査は今後行わない、これらについては、画期的な技術開発や財政の大幅な改善があり、仮に将来、整備計画に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線ごとに議論をする手続を経ることとする旨を公表しております。
この背景としましては、財政難を理由として、実現が見通せない状況の中で調査の継続が難しかったということが理由として考えております。
○山添拓君 現在も特に状況が変わっているわけじゃないんですよね。それどころか、むしろ財政悪化を理由に社会保障を削って、そして消費税の増税をしようとしているわけです。
三ページを御覧ください。今局長からの答弁もありましたが、国交省は、当時、「海峡横断プロジェクトの調査については、個別のプロジェクトに関する調査は、今後行わない」と明記をし、「仮に将来、整備段階に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線毎に議論するような手続を経る」としていました。ところが、下関北九州道路を候補路線から格上げをしようという段階で、国会で個別路線ごとの議論を政府が諮った事実はありません。
大臣に伺いますが、国会の場で議論する手続とは何を意味しているんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 海峡横断プロジェクトにつきましては、当時の国会における議論を踏まえ、平成二十年三月に、個別のプロジェクトに関する調査は今後行わない旨、公表をいたしました。
この公表では、整備段階に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線ごとに議論するような手続を経ることとしており、事業化に当たっての手続と認識をしているところでございます。
○山添拓君 いや、違うんですよ。
冬柴大臣は、調査を中止した際の答弁として、将来候補路線を格上げしていく場合には国会にお諮りすると言って、一本一本法律にしてとまで言っているんですね。これ、調査を再開するに当たって、この答弁に沿って国会に諮るということが当然必要なんじゃありませんか、大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 今委員が提示していただいた資料にも、「整備段階に格上げを検討する場合であっても、」という明記がございます。これは事業化に当たっての手続と認識をしておるところであります。
○山添拓君 冬柴大臣の答弁は撤回をされる、間違いだとおっしゃるんですか。
○国務大臣(石井啓一君) ちょっと私、冬柴大臣の当時の答弁をつまびらかに承知をしているわけではありませんけれども、公表いたしましたこの資料におきまして明記されているのは「整備段階に格上げを検討する場合」ということでありまして、これは事業化に当たっての手続と認識をしているところでございます。
○山添拓君 いやいや、これはもうこの問題が起こってからも国会で議論になっておりますし、私、レクの際に通告もしております。
候補路線から格上げをするようなときには、これ読み上げますと、冬柴大臣が、「私ここではっきり申し上げますよ、国会に諮りますよ、一本一本法律にして。それ否決してください。それでいいじゃないですか。やったらいいんですよ。」、ここまでおっしゃっているんですよ。格上げをする段階での話じゃないんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 恐らく、その候補路線の格上げというのは、元々地域高規格道路の候補路線であったのを地域高規格道路に格上げをするという意味かと思いますけれども、今、そこまでの検討を行っているわけではございません。地域高規格道路に格上げをするという検討を行っているわけではありません。
○山添拓君 何か言い方をいろいろ変えておられるんですね。
しかし、冬柴大臣の段階では調査はしないと言っていたわけです。凍結された計画であったにもかかわらず、石井大臣は、二〇一七年に調査費の補助を開始するに当たって、海峡横断プロジェクトとしてではなく、ゼロベースで必要性を再整理した上で必要な支援を検討すると述べておりました。
ところが、石井大臣は、今朝、衆議院の質疑の中で、ほかの五つのプロジェクトとは性格が異なるのではないかという思いで道路局に指示をしたと、こう述べておられます。これ、大臣の個人的な思いとか見解で再始動させたかのような答弁です。
一体何に基づいて、これ再整理とおっしゃっているのは、いかなる整理を行ったんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 午前中の答弁では、道路局に指示というか、これはむしろ問題提起を行ったということだったかと思います。
私が大臣に就任しましてから、地元の皆さんから、この下関北九州道路について知事さんやあるいは地元の市長さんから度々御要請等を承っておりました。当初は、これは冬柴大臣の答弁にあるように、六つの海峡横断プロジェクトについては調査も凍結をするということでありましたのでその旨の回答をしていたわけでありますけれども、いろいろお話を聞くにつれて、この六つの海峡プロジェクトの中でもこの下関北九州道路については、ほかの五つの海峡プロジェクトが全く新しい新設の道路に対しまして、この下関北九州道路は現状の関門トンネルあるいは関門海峡のバイパス的機能を果たすと。なおかつ、現状の関門トンネル、関門海峡大橋が頻繁に渋滞をする、特に関門トンネルにつながる国道二号、三号線では頻繁に渋滞をする、関門トンネルも老朽化のための補修やあるいは落下物の回収等のため、しばしば通行止めを行っていると。
そういう状況もありましたし、平成二十八年四月の熊本地震で、この関門トンネルや関門海峡大橋が災害時の物資の輸送道路として非常に大きな役割を果たした等々も踏まえまして、この下関北九州道路については、ほかの五つの海峡プロジェクトとは性格が異なるというふうに、私自身はその思いを大きくしたところでありまして、それは、平成二十八年度の国会答弁におきましても、平成二十八年の秋の臨時国会あるいは二十九年の通常国会等におきましても、その旨私は答弁をさせていただいているところでございます。
○山添拓君 今、るる長々と答弁をされたんですけれども、今おっしゃったようなことを国交省において再整理されたんですか。検討会など内部での議論というのは行われましたか。
○国務大臣(石井啓一君) ゼロベースで必要性を再整理する必要があるということで平成二十八年度の国会で私答弁をいたしまして、その後、地元、山口県下関、北九州市等で中心となって調査を行い、国も補助金を出して支援をしたわけですが、その中で検討をされてきたというふうに承知をしております。
○山添拓君 再整理をしたという事実はお示しにならないんですね。これはブラックボックスそのものだと思うんですよ。道路建設の不透明さが批判をされて一旦凍結をされて、再開する場合には国会に諮るとまでしていた計画です。
これは、地域から出されたという資料、地域の検討だけで、本省において何も検討されていないと、これはおかしいと思います。課題を踏まえて再整理が必要だと、こうおっしゃっているんですけれども、しかし、期成同盟会のパンフレットには不都合な事実は全然記されていないんですね。関門トンネルの通行止めの頻度が二日に一回だと言い、通行止めになると地域の道路交通が麻痺すると言うんですが、しかし、事故などによる通行止めは一回十二分が二日に一回程度です。災害の代替機能が必要だと言いますが、NEXCOは橋もトンネルも阪神・淡路大震災並みの地震にも十分耐え得ると言っています。老朽化についても、関門トンネルの強度は設計強度の二倍で、健全で安全だとNEXCOが述べています。
これらは、例えば、我が党の地方議員団が議会で、福岡や山口で具体的に事実を示してきています。地域の検討を踏まえたとおっしゃるんであれば、こうしたことも、大臣、再整理において当然検討されたんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十九年より福岡県、山口県、北九州市などが調査を行いまして、この中で、これは地域住民や企業への意見聴取、有識者へのヒアリング等も行ったようでありますけれども、通行止め、迂回、渋滞などの課題を整理した上で、災害時における代替路としての機能確保を位置付けるなど、必要性の再整理が行われたと承知をしております。
○山添拓君 時間ですので終わりますけれども、全く事実を見ていないと思うんですね。
結局、地元の要望を盾に取って、それはつまり安倍首相の指示の下で一気呵成に国直轄事業の予算化を図ろうとする、必要性や採算性や安全性にも疑念のある二千億とか二千七百億もの事業に突き進もうとしています。その過程は不透明どころか真っ黒ですので、調査は中止すべきだと改めて申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。