山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2020年・第203臨時国会

コロナ禍があぶりだした若年女性の困難と求められる支援について

要約
  • 参議院法務委員会の所信質疑で、10月29日に法制審が答申した少年法改正について質問。 現行少年法は有効に機能しており、 18歳、19歳の厳罰化(ぐ犯の対象から外す、原則逆走の対象事件の拡大など)は立法事実に乏しいことを明らかしました。 今後国会での慎重な議論をと求めました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 日本学術会議への人事介入が大問題となっています。憲法二十三条、学問の自由に基づき独立性が保障されるべき存在にもかかわらず、任命拒否の理由を説明できないのは致命的だと言わなければなりません。共同通信の世論調査で、総理の説明が不十分だとする人が七割近くに上りましたが、当然だと思います。
 資料をお配りしております。十一月十三日付けの毎日新聞です。最高裁判事の人事にも官邸が圧力を加えていたという報道です。
 安倍政権の下で、退任する判事の後任人事で官邸への説明方法が変わったと、何で一人しか持ってこないのか、二人持ってくるようにと杉田官房副長官が求めたと、あるいは、菅氏は周辺に最高裁が持ってくる人事をそのまま認めるだけなのはおかしいと漏らしているという記事です。以前には、弁護士出身者の後任に日弁連推薦でない者が充てられた際に、それが官邸の意向によるものだという報道もされたことがあります。
 最高裁に伺います。
 長官を除く最高裁判事は、憲法七十九条一項で内閣が任命するとされております。その際、最高裁長官が総理に対して意見を述べるのが慣例だと伺います。なぜ意見を述べるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
 最高裁判所判事の選任につきましては、最高裁判所長官が長官としての立場から内閣総理大臣に対して意見を述べるというのが慣例となっております。これは、最高裁判所長官が裁判所の運営に最も詳しい立場にあるということ、また、最高裁判所判事の選任という事柄の性質上、司法部の意見を聞くことが望ましいということからこのような慣例になっているものと承知しております。
○山添拓君 今おっしゃった事柄の性質上というのは、これは司法の独立を担保するためにという、そういう趣旨ですね。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
 最高裁判事の選任が最高裁判所の運営の実情を踏まえたものとなるようにということであるというふうに承知をしております。
○山添拓君 司法の独立とは関係ないということですか。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
 憲法は内閣が最高裁判所判事を任命することとしておりますけれども、そのことと司法の独立との関係につきましては、憲法の解釈にわたるものでございますので、最高裁判所としてお答えすることは差し控えたいと存じます。
○山添拓君 これは最高裁がお答えを差し控えてしまうと困るんですけれども。
 大臣に伺いますけれども、内閣の一員でもあるかと思います。この記事にあるような事態があったかどうかということを御存じでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 今の御質問でございますけれども、法務大臣として私ここで答弁に立っているわけでありますが、内閣を代表してお答えする立場にないということで、この件については答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○山添拓君 では、一般論としてで結構ですけれども、最高裁判事の任命に当たっては司法の独立を踏まえるべきだと、ですから、任命権が内閣にあるからといって自由に介入できるわけではないと、この点は大臣もそのような認識でしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) この点に関しましても、私、内閣を代表してお答えするという立場ではございませんので、その点、御理解をいただきたいというふうに思います。
○山添拓君 裁判所というのは、とりわけ最高裁は行政の行為に対する違憲審査権も持っていますので、行政府をそんたくするような最高裁の構成になってはならないと思うんですね。少なくとも、司法の独立というのは、その意味で独立性が求められ、内閣が人事権を背景に、任命権を背景にその人事に介入してよいということにはならないと。これは内閣の一員である大臣として御答弁いただいてしかるべきことではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 内閣の一員ではございますが、内閣を代表してお答えをするという立場ではございませんので、その意味で、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと申し上げたところでございます。
○山添拓君 これは極めて残念に思います。そういう答弁で本当によいのかということが問われると私は思います。
 裁判所法四十一条は、最高裁判事というのは識見の高い、法律の素養のある四十歳以上の者と、任命資格を明記しております。ですから、法律上もまた憲法上も、内閣が恣意的に任命権を行使できるとは到底言えないと思うんですね。
 検察庁法改正案もこれは同じ問題だったと思うんです。準司法官として独立性が求められる検察官について、内閣の定める事由があると認めるときには勤務延長を認めると、こうした規定で内閣による介入を正面から認めようとしたものでありました。国民のうねりのような反対世論、弁護士会や元検事総長、あるいは東京地検特捜部長経験者などの反対の声を受けて政府はとうとう法案を撤回しましたが、まだ危険はあると思うんですね。検察官にも勤務延長を可能にしたという解釈変更が残っている限り、第二、第三の黒川問題は生じ得ると言えます。
 大臣に伺いますが、解釈変更を撤回するおつもりはないのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 解釈変更ということで、当時、私、その任に当たっておりませんでございましたので、そのところの詳細についてはつまびらかにしておりませんけれども。
 これは、変更につきましては、国家公務員の一般の定年の引上げに関する検討の一環として検察官についても検討を進める過程で、検察庁法を所管する法務省において必要な検討を行った上で、関係省庁からも異論のないとの回答を得て解釈を改めたものと承知をしているところでございます。今のような状況であったということを聞いている状況でございます。
○山添拓君 聞いているということですから、当時違ったから分からないということではなくて、あれだけの世論を受けて法案の撤回に追い込まれたわけですから、改めて検討し直し、解釈変更を撤回していただきたいと思うんです。
 安倍政権も菅政権も、国家公務員であれば意のままに人事介入できると考えているように見受けられます。しかし、学問の自由や司法の独立、憲法上求められる独立性の保障を軽視したり、あるいは無視するような政治は決して許されるものではありません。そのことを厳しく指摘をして、今日は次のテーマに入りたいと思います。
 コロナ禍で、女性がとりわけ困難を強いられる状況があります。政府や自治体へのDVの電話相談は五月、六月で前年の一・六倍、性暴力被害のワンストップ支援センターに寄せられた相談は四月から九月で一五・五%増えたとされます。二十五歳から三十四歳女性の完全失業率は八月に四・七%、女性の多い宿泊業、飲食業への影響が顕著に表れております。自殺者は七月以降四か月連続で前年を上回っていますが、特に女性で増加が著しく、十月は前年の一・八倍だと、これは女性の人権に関わる問題だと思います。
 まず、この点について大臣の認識を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、外出自粛や休業等によりまして生活不安やまたストレスを原因とする配偶者からの暴力、あるいは雇用環境悪化による失業など厳しい状況に置かれている女性が増加していると、そうした実態に対しましては様々な懸念が表明されているところでございます。また、今委員御指摘のように、そうしたことを背景として自殺の増加も極めて深刻であるというふうに認識をしているところでございます。
○山添拓君 感染拡大の第三波にもかかわらず、今、GoToを中止できずに支援策を改めようとしない、こういう下では、雇用と営業への影響はますます深刻化してしまいます。若年女性など既に困難にある人をこれ以上追い込んではならない、自助では済まされない事態だということを是非御認識いただきたいと思うんです。
 資料を配付しております。
 二枚目ですが、私は、先日、一般社団法人Colaboが運営するバスカフェで、代表の仁藤夢乃さんらにお話を伺いました。食事やコスメや生理用品などを無料で配っているこのバスカフェには、この日も新宿で十八時から二十二時、四時間で四十六名の十代の女性が利用していました。
 夜の町を巡回して少女たちに声を掛ける声掛けチームにも同行させていただいたんですが、夜の町で少女たちを探して声を掛ける、その中心は性的搾取を目的としている人たちばかりだということなんですね。渋谷や新宿には毎晩百人ほどのスカウトが立っていると。歌舞伎町で私たちも実際それらしい人を複数見かけました。ですから、本当は声掛けチームの方も百人規模で臨まなければ間に合わないんだと、こういうお話でありましたが、それは壮絶なものだと思います。
 Colaboなどの取組は、若年被害女性等支援モデル事業として国も支援をしています。来年度から本格実施の予定だと伺いますが、どのように支援策を拡充する計画か、厚労省に伺います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 様々な困難を抱えた若年女性につきましては、自ら悩みを抱え込み、問題が顕在化しにくく、公的な支援につながりにくいといった側面が指摘されているところでございます。
 こうしたことから、厚生労働省におきましては、平成三十年度に若年被害女性等支援モデル事業を創設いたしまして、公的機関と民間団体が密接に連携し、夜間の見回り、声掛けなどのアウトリーチ支援、居場所の確保、相談対応、自立支援等の支援を行ってきたところでございます。
 令和三年度概算要求におきましては、モデル事業として実施してまいりました事業につきまして、相談支援体制や医療機関との連携等の強化を図った上で、本格実施に移行することを検討しておりまして、現在議論を行っているところでございます。
○山添拓君 予算額などについて、どのように拡充する予定かということも御紹介いただけますか。
○政府参考人(岸本武史君) 予算額につきましては、現在、財政当局と調整中でございますが、令和三年度の要求につきましては、一か所当たり補助金額を大幅に引き上げる形で実現をしたいということで私どもとしては要求をしているところでございます。
○山添拓君 資料の四ページに、二千六百万円を要求されているということで、御自身ではお話しになりませんでしたが大幅な増額を要求しているのだと。
 仁藤さんは、アウトリーチを強化することによって出会う少女たちがどんどん増えていると。にもかかわらず、その行き先が圧倒的に不足しているというお話をされていました。
 厚労省の事業では、一時的な居場所の提供が原則とされてシェルターなどの支援を行うことになっておりますが、中期的な、中長期的なシェルターについても、これは支援の強化が必要だと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 まず、本事業を現在実施しておりますモデル事業につきましても、原則その短期の、一時の居場所提供を予定してございますが、場合によってはもう少し長い期間も対応できるような仕組みとはしてございます。
 また、先生御指摘の、より中長期的なシェルターによる支援に関しましては、昨年十月、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会という検討会の中間まとめにおきまして、未成年の若年女性への対応を含め、困難な問題に直面する女性を対象とした包括的な支援制度の必要性が指摘されているところでございまして、これについて引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、安心、安全な居場所の提供に向けまして、夜間相談、見守り支援を行う体制整備を行うなど、困難な問題を抱える若年女性の支援については、今後とも努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 ありがとうございました。
 韓国では、二十四歳までを対象にする青少年福祉支援法に基づいて、青少年シェルターなどの予算が付けられています。これは歌舞伎町のような繁華街のビルの一角に駆け込める場所が幾つも整備されているというわけですね。日本でも公的に支えることが大事だと思いますので、是非前向きに検討を進めていただきたいと思います。
 あわせて、相談や公的機関への申請に弁護士が同行することもありますけれども、その多くは手弁当です。こうした費用を十分賄えるようにするためにも支援の全体的な、抜本的な拡充が必要だということを、これは指摘させていただきたいと思います。
 Colaboの相談は十代後半が大半です。性暴力や性的搾取の被害に遭う。DVや虐待で安心して過ごせる場所がなく家出を繰り返す。あるいは薬物に依存する。そもそも発達障害や知的障害がある。あるいはコロナでアルバイトが激減して困窮する。ほとんどの場合、その抱える問題はすぐに解決することができない複合的な困難です。現在、少年法改正に向けた議論の対象とされている十八歳、十九歳も、まさにこの年代に当たると思うんですね。民法の成年年齢を引き下げるから少年法も合わせてと、こう単純にはいかない現実があると私は考えます。
 そこで、大臣に伺いますが、現在の少年事件の手続や処遇は、年長少年、十八歳、十九歳についても有効に機能しているという認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 少年法は、第一条に規定するとおり、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的としているところでございます。
 このような少年法に基づく現行制度は、十八歳及び十九歳の者も含め、少年の再非行の防止と立ち直りに一定の機能を果たしているものと認識しているところでございます。
○山添拓君 一定の機能という答弁でしたが、現在そうして有効に機能しているのであれば、民法や国民投票法と合わせるために位置付けを変えるというのは、これは立法事実としての論拠に乏しいと指摘せざるを得ません。
 私は、先月、長岡市の新潟少年学院を訪れたのですが、五年ほど前から特殊詐欺の少年が増えてきたというんですね。受け子のように実行行為の一部を行うだけで大した報酬も受けていないと。そのために、むしろ被害者意識の方が強い少年もいるということでした。そこで、独自の更生プログラムを開発してグループワークなどを通して自己分析を求める。さらには、高卒認定試験を受けるコースも用意して教育的な処遇が行われていました。
 成人と同じ刑務所に行くことになれば、一人一人に目が届くような処遇は難しく、再犯防止はもとより社会復帰においても後退しかねないと思います。十八歳、十九歳というのは、成長発達途上にあって可塑性を有する存在だ、だから現在の少年法が有効に機能している、このことは改めて認識されるべきだと思います。
 少年法の特徴の一つが、犯罪には該当しないけれども、将来そのおそれがあることを問題とする虞犯です。少年法の目的である健全育成との関係で虞犯による保護処分があることは、どのような意義を持つと認識しておられるでしょうか。大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(上川陽子君) 少年法は、一定の事由に該当し、性格及び環境に照らして、将来罪を犯すおそれのある少年、いわゆる虞犯少年ということでありますが、につきましても家庭裁判所による保護処分の対象としているところでございます。このような現行制度につきましては、十八歳及び十九歳の者も含め、少年の再非行の防止と立ち直りに一定の機能を果たしているものと認識をしているところでございます。
 今、少年法の在り方に関しましては、調査審議が行われました法制審議会におきましても、十八歳、十九歳の者につきまして、虞犯について必要に応じて保護処分に付することによって、対象者の成長を支援して立ち直りを図るということは重要であるとの意見も示されたものと承知をしております。
 こういったところでございますので、こうした法制審議会の答申を踏まえまして、この全会一致でまとめられたものも含めまして、この虞犯につきましては処分を行わないというふうにされたところでございます。
○山添拓君 しかし、大臣の今の答弁でも、今の虞犯の仕組み、十八歳、十九歳においても一定の機能を有しているという話でありました。
 私は先日、東京の狛江市にあります女子少年院の愛光女子学園を訪れました。女子が特に虞犯が多いわけですね。
 虞犯といっても、実際はいろいろだということでした。私が伺ったのは、例えば覚醒剤の自己使用で、警察では、一回使ったと、こう言ったわけですが、証拠上明らかでないということで、虞犯として少年院送致になったわけですね。あっ、虞犯という扱いになったと。鑑別所では、実は十回使っていたと、こういうふうに言ったというんですね。それで、少年院に来たら、本当は百回ぐらい使っていたというんですね。だけど、それでも虞犯として少年院送致となったことによって立ち直りの機会を与えられていると。
 少年院では、個人別の矯正教育計画、言わばカルテに沿った処遇が行われています。これは刑罰とは違うものです。園長さんは、入ったからには損はさせないというつもりでやっていると、こう熱意を込めてお話しでした。十八歳、十九歳を虞犯の対象としないということは、こういうチャンスを奪うことになりかねない問題だと言えます。
 続いて、今大臣のお話にあった法制審の答申では、家裁から検察官へと事件を送る、いわゆる原則逆送の対象事件の拡大を求めています。現在は故意に人を死亡させた事件に限られていますが、これを短期一年以上の自由刑。すると、強盗や強制性交罪などが入ってくるわけですが、そうしたものに対象を広げるものだとされています。
 しかし、強盗だといっても、例えば万引きが見付かって制止を振り切ろうとして軽微な暴行に及んだ、そういう事後強盗や、被害金額が少額で犯罪の結果は軽微だと、そういうものまで様々あります。犯情に幅があると言われています。
 成人と同じ刑事裁判になると、これは事案によっては、判決まで行ったとしても、刑の執行猶予判決となり得ると思われます。そうしますと、現行法のように家庭裁判所が様々な事情を考慮してきめ細かく処分を行うことが難しくなる、こういう指摘がされておりますけれども、大臣、この点についてはどのような認識でしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほどの虞犯の御質問に対しまして、私は、虞犯につきましては、一つの意見として、必要に応じて保護処分に体することによって対象者の成長を支援して立ち直りを図るということは重要であると、こうした意見も示されたところでございますが、議論の結果として、答申におきましては、十八歳及び十九歳の者は、選挙権等を付与され、民法上も成年として位置付けられるに至ったこと、また、民法上の成年に対して、罪を犯すおそれがあるというだけで処分を行うのは、罪を犯すおそれが、国家における過度の介入でありまして、成年年齢引下げに係る民法改正との整合性や、また責任主義の要請との関係でも問題があることなどを踏まえまして、虞犯による処分は行わないとされたものと承知をしているところでございます。
 先ほどちょっと途中で申し上げたところでありますが、先生の方から御指摘をいただきましたので、付言させていただきたいと思います。これは法制審議会における議論ということで御紹介をさせていただきたいというふうに思っているところでございますが。
 また、今、逆送、原則逆送の話に触れていただきました。
 この点につきましても、法制審議会におきまして、十八歳及び十九歳の者に係る原則逆送の対象事件の拡大について御指摘のような意見も示されたものと私は承知しているところでございます。
 議論の結果でございますが、答申におきましては、十八歳及び十九歳の者は、選挙権等を付与され、民法上も成年として位置付けられるに至ったこと、また、これらの者につきまして家庭裁判所への全件送致の仕組みを採用するのであれば、国民の理解、納得を得るためには、同時に一定の重大事件については刑事処分が適切になされることを制度として担保をする必要があると考えられること、また、犯情が軽微な事案につきましては原則逆送の規定の例外規定を家庭裁判所が適切に運用をするということで対応できることなどを踏まえまして、原則逆送の対象事件を拡大することとされたものと承知をしているところでございます。
 法制審議会の答申でございまして、極めて長期間にわたりまして専門的見地から十分な調査審議を尽くしていただいた上で、総会の全会一致で取りまとめられたものでございまして、法務省といたしましては、この答申を踏まえて法整備に向けて必要な検討を進めていく所存でございます。
○山添拓君 今、犯情という言葉がありました。
 最高裁に伺いますが、少年事件の少年調査票において、調査官は少年の置かれた環境や境遇についてどのように記載をしているのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 家庭裁判所では、専門的知見を有する家庭裁判所調査官において、非行事実の内容に加えまして、委員御指摘の少年の生育史のほか、生活状況、家族状況等の少年の環境や資質に関する種々の情報を把握して少年が非行に至った要因を分析し、その分析結果とともに分析の根拠となる事実を少年調査票に記載しておりまして、その内容も踏まえ、適切な処遇選択を行っているものと承知しております。
○山添拓君 今御紹介いただいた内容は、要するに少年の要保護性、生育環境に基づく要保護性という観点だと思います。その考慮はこれまでも重要視されてきておりますし、今後も変わることはない問題だと。現在、虐待や貧困や、あるいは家庭環境によって居場所がない、こういう少年が、そういう状況に置かれている少年がいる下でその把握というのは、あるいは分析というのは、変わらず重要なものだと思います。
 時間ですので質問を終わりますけれども、今日お配りしている資料の五ページの法制審の答申、大臣が今お話だった答申は、十八歳、十九歳の位置付けあるいは呼称について、今後の立法プロセスにおける検討に委ねるのが相当としています。今後の立法プロセスというのであれば、法務省内における検討だけではなく、まさに立法府である国会のこうした議論も踏まえて慎重に検討すべきであり、拙速に進めるべきではないということを最後に指摘をしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。