山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2020年・第204通常国会

予算委員会で、総務省幹部接待問題について質問

要約
  • 放送法の審査について明らかにし、「審査基準に事業者にとって有利な項目を盛り込ませることこそ大事で、だからこそ基準のもととなるWG事務局メンバーに接待攻勢が行われた可能性がある。WGの報告書に基づいて作られた次の審査基準は東北新社の目論見通り」と指摘。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 総務省接待問題について伺います。
 谷脇審議官らがNTTとの会食を認め、東北新社以外に公務員倫理法違反の接待を受けたことはないという自らの答弁を一転させました。
 総務省の調査は結果として不十分で、国民と国会を欺くことになった。総理はそのことをどう認識しておられますか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 総務省においても、今言われたNTT関係について調査を開始したと承知をしております。事実関係の確認を徹底し、ルールにのっとってしっかり対応してほしいと思います。
○山添拓君 その調査では甘かったということの反省を伺っているんですよね。それに対する認識については全く示されようとしない。
 総務大臣に伺いますが、国家公務員倫理法上、利害関係者との飲食は、企業側の負担が多ければ、会費を払っていたとしても違法な供応接待に当たり得る、それは間違いないですね。
○国務大臣(武田良太君) その御質問に対しては、人事院の管轄になろうかと思っております。
○山添拓君 いや、総務大臣も自分のところで調査していますから、それはお答えいただきたい。
○国務大臣(武田良太君) 有権解釈権は人事院に存在するので、御理解をいただきたいと思います。
○山添拓君 認定ができないかのような言い方をされましたが。
 谷脇審議官は、先方の提示額を負担したから倫理法には抵触しない、だから報告しなかったと、こうこの国会でも述べています。東北新社の関係も含めて、そうした場合も含めた違法な接待の実態を明らかにするためには、これ調査を改めて総務省としてやり直す必要があるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) 次官を倫理監督官として、弁護士の方も交えて調査チームをつくっておりましたが、国会の数々の指摘を受けて、第三者による副大臣をキャップとした新たなる調査委員会というものを立ち上げるよう指示を出しているところであります。
○山添拓君 ここまでに明らかになっていない分も含めて改めて調査し直すという意味ですか。
○国務大臣(武田良太君) この事案の真相をしっかりと究明できるように、そうした委員会を立ち上げさせていただきました。
○山添拓君 谷脇審議官に伺います。
 やはり、これまで国会で答弁してきたことが事実に反するものだったわけですね。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 国会の場におきまして、私の御答弁というのは、通信事業者と会食をすることはあったと、ただ、公務員倫理法に抵触するものはないと認識していたわけでございます。ただ、そこに疑いが出てきたわけでございますから、大臣官房の調査を踏まえて、倫理審査会の御指導をいただきながら、総務省として、私に対する適正な処分というものは下されるんだろうというふうに承知しております。
○山添拓君 何か人ごとのようにお答えになっているんですけどね。
 谷脇参考人、三回のほかにもNTTとの会食はある可能性を認めておられます。NTTの社長と会食を重ねるようになったきっかけは何だったんですか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 現在のNTTの社長と会食をしたのは余り数はないと思いますけれども、どういうきっかけだったかといいますと、私、電気通信分野の行政が長うございますので、もっと若いときから現在の社長とは知り合いでございます。
○山添拓君 総務大臣に伺います。
 総務省はNTTグループに対して、NTT法や電波法や電気通信事業法などに基づいてどんな権限を有しているんですか。
○国務大臣(武田良太君) 日本電信電話株式会社に対する総務大臣の権限としては、日本電信電話株式会社等に関する法律に基づく取締役及び監査役の選解任の認可、また定款の変更等の認可、毎事業年度の事業計画の認可などがございます。
○山添拓君 役員の選任なども含めて認可をする立場にあるわけです。
 谷脇審議官は、二〇一八年は総合通信基盤局長、昨年は郵政・通信担当の審議官です。NTTグループの案件に関する決裁にも関わっていましたか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 例えば、NTT法に基づく役員の認可等につきましては、総合通信基盤局長の時代から決裁の決裁ルートに乗っておりました。
○山添拓君 そういう中で高額な接待を受けていたという疑惑であります。
 委員長にお願いします。
 会食の参加者が関わった五年分の決裁文書の提出を求めたいと思います。
○委員長(山本順三君) 後刻理事会で協議をいたします。
○山添拓君 総理に伺います。
 資料もお配りしておりますが、これ、全容解明はまだですけれども、度重なる接待が明らかになりました。こういう接待は何を目的にして事業者の側が行ってきたものだとお考えですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、私の家族が関係をして、結果として公務員が倫理法に違反する行為とすることになったことに対して大変申し訳なく、おわびを申し上げたいと思います。
 政府としては、行政に対する国民の信頼を大きく損なう事態になったことを深く反省をし、国民の信頼を回復し、期待に応えるよう努めてまいりたいと思います。
 その接待がどういうという御質問ですけれども、ここは私の立場で一概に答えるべきじゃないと思います。
○山添拓君 いや、お答えいただいていないですが。何を目的にしてこんな接待が行われてきたのか、それをお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私の立場でお答えするべきことではないと思いますし、全く関与して、知らないところであります。
○山添拓君 つまり、全容は解明されていないということですね。総務大臣にもお分かりにならないですね。
○国務大臣(武田良太君) それも含めて現在調査中でありまして、三月三日の日に、その端緒の報告、そして今から調査に入る旨を審査委員会の方にも報告をしておりまして、今まさにそれぞれの方に調査を展開しているところであります。
○山添拓君 今日、東北新社の関係者も参考人として呼んでいただきたいとお願いしたんですが、事実関係は二月二十四日の総務省の報告書で全て明らかになっている、だから呼ぶ必要はないというのが与党側の主張でした。
 分かっていないということなんですね。
○国務大臣(武田良太君) それも含めて今調査中でございます。
○山添拓君 接待の目的について、動機について、あるいはなぜこういう接待が可能になったのか、それらは解明されていないということなんですね。
○国務大臣(武田良太君) 報告書の中身にありましたように、何か暑気払いであったり忘年会であったり、それぞれの目的は記されているとおりだと考えております。
○山添拓君 それを真に受けているんですか。あれは暑気払いだったと、それでよしということでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) その中には意見交換会というものも入っておったと思うんですけれども、それぞれの方々が別々の目的、それぞれの目的で執り行われたものと承知をいたしております。
○山添拓君 これだけの回数重ねている目的が単なる意見交換、あるいは暑気払い、それは到底通らないと思うんです。
 谷脇さんに伺いますが、午前中、二〇一八年九月の接待で、その一月前に菅官房長官が述べた携帯料金四割値下げが話題になるのは自然だとお話しでした。
 これ、どんな話をされたんですか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 記憶をたどる限りで申し上げますが、私、課長時代から携帯電話料金の値下げについては取り組んできております。そういった意味で、そういった報道を受けまして、携帯電話についての競争促進が必要であるといったようなことを、自説を述べさせていただいたものと考えております。
○山添拓君 谷脇さんは、総務官僚として携帯の規制緩和を進めてきた方です。十月には総務省内で研究会も立ち上がっています。
 そういう状況で高額な接待を受けるということについて、何ともお思いにならなかったんでしょうか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 利害関係者であるNTTの社長と会食を行い、行ったと。事実関係の調査はこれからでございますけれども、そういった中で携帯電話の話をするということ自体は否定されるものではないと思っております。
 また、その後発足をいたしました研究会でございますけれども、透明な手続で、恣意性があるものはなかったというふうに私は固く信じております。
○山添拓君 高額な接待を受けながら、そういう状況にあるということについての問題意識はなかったのかと伺っています。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 ちょっと御質問の趣旨が必ずしも受け止められているかどうか分かりませんけれども、会食の場を一緒にしたということ、それ自体がその後の携帯電話市場の改革に関する議論に影響を与えたということはないと考えております。
○山添拓君 つまり、ほとんど問題意識がないまま、こういう接待に応じてこられたということかと思います。
 今日お招きしている参考人、総務省の四人の参考人それぞれ伺いますが、東北新社の接待ではどんな意見交換をされていたんですか。順番にお願いします。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 東北新社との会食でございますけれども、BSですとかCSですとか放送事業一般の動向、それから、それに絡んで、関連して東北新社のグループ会社の話も出た可能性はあると思います。
 私の方からは、私、放送の行政実務ございませんので、通信のお話などをさせていただいたというふうに思います。
○参考人(吉田眞人君) お答えを申し上げます。
 まず、私も、今般、公務員倫理法に抵触した形で、先般、懲戒処分を受けました。国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。
 今お尋ねの件でございますけれども、基本的に、その会食でどのような対応をしたのかについて明確に覚えているわけではございませんけれども、一般的には、当然、社交的な対話にプラスいたしまして、やはり放送に関します一般的な話題というのは当然出ても不自然ではないと思っていますし、ある程度出ていた可能性はあると思います。
 ただ、何か個別具体的に、例えば許認可に関する事項ですとか、何か、まあ何らかの働きかけがあったとか、そういうことは全く記憶にはございません。
○参考人(秋本芳徳君) お答えいたします。
 私の場合、五年前から七回にわたりまして会食の機会を持たせていただきました。うち、最初から五回目までは、私、通信行政を担当する部署におりましたので、余り、放送の話よりは、東北出身者あるいは親御様が東北出身者ということの懇親会という性格が強かったというふうに認識をしております。それぞれの会食ごとの話題は詳細に記憶しておりません。申し訳ございません。
 ただ、直近の十二月十日の会合につきましては、公開された音声データによりまして、BSや東北新社のグループ会社の話題が出たと、お二人から言及があったということを今知った次第でございます。しかし、不適切な働きかけを受けたことも何らかの要望を受けたこともなかったと記憶しております。
○参考人(湯本博信君) お答え申し上げます。
 まず冒頭、私もこの度、懲戒処分を受けまして、国民の皆様方に深い不信や疑念を招きましたことに関しまして改めましておわびを申し上げたいと思います。
 お尋ねのありました会食についてですけれども、私の場合は忘年会等でお誘いを受けまして、放送一般の話であるとか放送政策一般の話は多少はあったかもしれませんが、記憶する限りにおきましては、その大半がいわゆる世間話というか、余り行政に関係ない話が大半だったのかなというふうに覚えているところでございます。
○山添拓君 いろいろおっしゃいますけど、ただの飲み会ではありませんので、当然、放送や通信行政に関わることが話題に上ったはずであります。どんな情報が共有されたのかと。
 衛星放送の審査基準というのは、資料でお配りしておりますが、絶対審査と比較審査があります。絶対審査は法に基づいて共通のものですが、比較審査は、その時々、対象に応じてケース・バイ・ケースで定まる、こういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉田博史君) 衛星放送の審査基準につきましては、絶対審査、一次審査、比較審査につきましてはおおむね共通のものとなっております。
 一方で、第二次比較審査につきましては、それぞれのメディアの種別に応じて異なった基準が設けられております。これは、技術の革新や社会的ニーズ等を踏まえ、周波数の有効利用を図りつつ、4K、8K放送の開始や衛星基幹放送の高画質化、あるいは新規参入等の政策目的に沿って意見募集を、広く意見募集を行って改正するものでございます。
○山添拓君 つまり、審査のたびに基準が変わるわけですけれども、総務省に伺います。この基準はどの部局が何に基づいて作っているんでしょうか。
○政府参考人(吉田博史君) 審査基準は情報流通行政局で作っております。それらにつきましてはそれぞれ、例えば4K、8Kにつきましては、4K、4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合、CS高度化につきましても同じ会合、BS右旋につきましては放送を巡る諸課題に関する検討会など、外部の有識者を交えた検討会を開きまして、それに基づき案を作りまして、また広く意見募集をして行うというオープンな手続により作成しているものでございます。
○山添拓君 衛星放送の未来像に関するワーキンググループの報告書も根拠となる一つであります。
 放送法の審査は、法律で明記された絶対審査に加えて、その時々の政策によって決まる比較審査が鍵となる、これは独特のものだと思います。ですから、事業者としては、何も個別の認定で特別扱いしてもらう必要はないわけです。比較審査の基準にその事業者にとって有利な項目を盛り込ませる、そのことこそが大事なわけです。だから、基準の元となるワーキンググループの事務局メンバーに対して接待攻勢になっている。大臣、その可能性を否定できないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) 先ほど申し上げた調査委員会なんですけれども、その下で、過去の衛星基幹放送の認定や衛星放送の未来像ワーキンググループにおける提言について、実際の意思決定がどのように行われたのか、行政がゆがめられるといった疑いを招くようなことがなかったかについても徹底的に検証してまいりたいと思います。
○山添拓君 否定されませんでした。
 ワーキンググループの一八年の報告書では、BS右旋、右巻きですね、ここで空きが生じた場合、どうするということになっていましたか。
○政府参考人(吉田博史君) お答えをいたします。
 一八年の報告書においては、右旋帯域において利用可能な帯域が生じた場合、既存のSD番組でHD番組へ移行を希望する者を優先の上、新規参入によるコンテンツの多様化を優先するとされております。
○山添拓君 4K、8Kは左旋を基本とし、2Kは右旋を基本とする、そういうことですね。
○政府参考人(吉田博史君) 4K、8Kについては左旋を基本とするということは、おっしゃるとおりでございます。
○山添拓君 つまり、既存の事業者がBS右旋で4K化するということは想定されておりませんでした。
 二〇年に再開されたワーキンググループでは、東北新社を有力企業とする衛星放送協会がBS右旋の空き帯域の活用について意見を述べています。どのような意見でしたか。(発言する者あり)
○委員長(山本順三君) 準備をしておりますので、ちょっとお待ちください。
 吉田博史君。
○政府参考人(吉田博史君) 二〇二〇年九月三十日の会合におきまして、一般社団法人衛星放送協会から、BS放送の空き帯域は4Kに割り当てることの要望がプレゼンテーションの中で表明されました。
 ただ、これは同協会からのみの要望ではなく、インフラを提供する衛星事業者である放送衛星システムや、放送事業者ではWOWOWからも同趣旨、などほかの事業者からも同趣旨の要望がワーキンググループで表明されております。
○山添拓君 そうした要望を受けて、昨年十二月の報告書では、BS右旋に空きができた場合、どうすることになったんでしょうか。
○政府参考人(吉田博史君) 二〇年の報告書では、新4K8K衛星放送の普及の促進のためには4K放送を市場としてしっかり立ち上げる必要があること、4Kコンテンツの充実は4K受信機の購入した視聴者の利益につながることなどから、今後、一定帯域の確保ができた場合には4K放送のために割り当てられるべきとの提言案がまとめられてございます。
○山添拓君 つまり、次の審査基準はこの報告書に基づいて作られますから、東北新社のもくろみどおりの報告書案へと変わっていくわけです。
 このワーキングが休止していた期間に接待が集中しています。同じ頃、BS事業からの撤退を発表した企業があります。いつ、どこですか。
○政府参考人(吉田博史君) 二〇年三月末に株式会社BSフォックスが撤退しております。また、同日、ブロードキャスト・サテライト・ディズニー株式会社による番組であるディーライフが閉局しております。
○山添拓君 新たに空きが出ることになりました。
 それだけではありません。総務省はNHKに対して衛星放送の見直しを求めていたのではありませんか。
○政府参考人(吉田博史君) NHKの衛星放送につきましては、NHK自身が一年以内に衛星波の整理、削減について考え方を示す旨を既に平成三十年十一月に表明しておりました。
 これを受け、平成三十一年度のNHK収支予算等に対する総務大臣意見では、衛星放送の在り方等について早急に検討することという意見を付けております。
 令和元年十月十五日、NHKの認可申請に、インターネット関係の認可申請に対しまして、NHKの業務全体が肥大化しないことが必要ということから、総務省の考え方として、NHKの衛星放送の在り方を含む既存業務の見直しの検討を改めて求めたところでございます。
 こういう経緯の下で、NHKからの表明を受けて、私どもとしても検討を要請したところでございます。
○山添拓君 そして、NHKが十二月九日、これに応えて現在の四波を三波に整理、削減するという表明をしています。
 谷脇参考人、湯本参考人、こうしてBSの右旋にスロットの空きが出るということを当時御存じでしたね。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 私、放送の実務の方には直接は、的には携わっておりませんでしたので、承知しておりません。
○参考人(湯本博信君) お答え申し上げます。
 私は放送を担当しておりましたので、当然その点については承知しております。
○山添拓君 公表前に御存じだったこともあるでしょうから、東北新社とこれらの情報を共有した可能性を否定できないと思うんですね。
 NHKに対して衛星放送の見直しを求めるのは今に始まったことではありません。二〇〇六年にはどんな検討がされていたでしょうか。
○政府参考人(吉田博史君) 二〇〇六年におきましては、通信、放送の在り方につきまして政府・与党合意というものがまとめられております。(発言する者あり)
 NHKのチャンネルに関しましては、難視聴のためのチャンネル以外の衛星放送を対象に削減後のチャンネルがこれまで以上に有効活用されるよう、十分詰めた検討を行う旨が指摘されております。
○山添拓君 当時の総務大臣と総務副大臣はどなたですか。
○政府参考人(吉田博史君) 総務大臣は竹中大臣、総務副大臣は菅副大臣であったかと存じます。
○山添拓君 その直後の二〇〇六年九月二十六日、総理は総務大臣に就任し、菅正剛氏を大臣秘書官に据えました。翌二〇〇七年一月には、菅総務大臣の下でNHK受信料支払の義務化と受信料引下げを提唱しています。
 総理がNHK改革と呼ぶ中身は、受信料の義務化と引下げを中心に、衛星放送のチャンネル削減、これもセットだったのではありませんか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、放送のことには、ついてはなかったと思います。私、NHKの受信料の義務化というのは必要だと思いましたし、義務化をして三割は下げられる、そういうことに、対NHKについては熱心に取り組んでいました。
○山添拓君 しかし、当時の政府・与党合意にはその旨が記載されています。ですから、菅正剛氏も間近でそのことを知っていたはずであります。
 NHKは、アナログ時代、一旦チャンネル数を減らしましたが、デジタル化後、再び総務省が削減を求めました。そして、NHKがチャンネル削減を正式に表明したのが二〇一九年であります。スロットの空きが出れば、BS右旋で4K進出という東北新社の目標に道が開けることになります。ここで政府と東北新社の思惑が一致します。ですから、接待し、意見交換、情報交換に励んだのではないかと。
 総理が掲げたNHK改革の下で起きた接待汚職だと言われてもこれは仕方がないことだと思うんです。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、総務大臣は十六年前ですよ。そのとき、NHK改革、私がやろうとしたことはこれ事実です、明言をして。やはり受信料そのものに対して、極めて不公平感が国民の皆さん持っていたんです。支払っていると、支払わなくても罰則も何もなかったですから、当時。ですから、受信料を義務化して、国民の皆さんに公平にいくように三割引き下げる、こうしたことを私は大臣として実現をしたかったんですけれども、義務化はできなかったんですが、引下げにはつながったと思います。そのときに、放送のそうしたことについては全く私は興味がありませんでした。
○山添拓君 興味がないとおっしゃった。しかし、NHK改革という大臣の政策に反対する者は左遷する、それで緊張感をもたらしたと総理は言います。しかし、それが逆に、総理の方針に沿うなら、方針に沿うような改革方向なら何でもやるという空気をつくってきたんじゃないでしょうか。
 意見交換や情報収集と称して幹部と事業者が癒着する、総務省で大問題となった事例がつい最近もありました。大臣に伺いますが、二〇一九年十二月十七日、日本郵政グループに対する行政処分に関して行われた内部監察は、これは何を理由とするものだったでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) 御指摘の事案は、その端緒として、二〇一九年十二月十三日以降、当時の総務事務次官が数次にわたって日本郵政株式会社に関する行政処分に関する検討状況等を日本郵政株式会社に伝えたのではないかという疑いが寄せられたものであります。
○山添拓君 この処分する側とされる側が筒抜けだったという、これは大問題ですよね。
○国務大臣(武田良太君) 本件に関する内部監察というものを総務省は行いまして、漏えいの事実が確認できたことから、同年十二月十九日をもって、当時の総務事務次官に対し、国家公務員法における信用失墜行為として停職三か月の懲戒処分を実施したところであります。
○山添拓君 そのとき、辞職した事務次官の後任人事の一環で昇任したのが谷脇審議官であります。公務に対する信頼を取り戻すための人事だったのではなかったんですか。
○委員長(山本順三君) どなたへの質問ですか。
○山添拓君 谷脇さんです。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 その時点で私、総合通信基盤局長を事務取扱のまま総務審議官を拝命をいたしました。どういう趣旨であったかという点については、任命権者ではございませんのでお答えはできません。
○山添拓君 当時の大臣もおっしゃっていることなんですけどね。そういう自覚もなく審議官になられたのだと。
 当時の日本郵政の鈴木副社長は、菅総務大臣時代の情報通信政策局長、その後、審議官、事務次官を務めた人物でもあります。
 総理、NHK改革、携帯料金値下げ、あるいはデジタル化と、総務副大臣以来、総務行政を看板に掲げてきた総理の下でこれだけの腐敗が起きています。やはり、総理自身のその責任が問われているのではないでしょうか。その自覚はありませんか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、やるべきことをやってきたと思っています。
 携帯料金値下げだって、三社が寡占状況で、十年も、日本の利益率のベストテンにずっと入り続けているわけですから、九割を超えている。そして、国民の皆さんの財産である電波の提供を受けていますから、それは、私は変えたいと言ってやることは政治家として当たり前のことじゃないでしょうか。ですから、携帯料金が今物によっては三分の一程度値下げになったということもこれ事実だと思います。
 そうした政策を掲げて実行に移していくというのは、私は政治の仕事だと思っています。
○山添拓君 今の御答弁は、やるべきことをやるためであれば役所の中に腐敗が蔓延しても構わないと言っているような、そういうふうに聞こえますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 幾ら何でも余りに短絡過ぎるんじゃないでしょうか。
○山添拓君 まるで人ごとだと思うんですよ。自らの責任、全く自覚をされていない。人事を盾に官僚を支配し、官民の癒着で行政をゆがめる。既得権益打破どころか、自らの下に既得権益を再編統合し、集約させてきた。その菅政治のもたらした闇だと思います。徹底解明を求めます。
 質問を終わります。