2026年・第221特別国会
- 2026年4月27日
- 予算委員会
9条は平和国家の礎 首相の認識ただす
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
各地の地震や山林火災への対応については、私からも強く求めたいと思います。
七十九年目となる憲法記念日を前に、総理に憲法について伺います。
先日の自民党大会で総理は、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法と述べました。施政方針演説にも同じフレーズがありました。しかし、立憲主義の憲法は、単に国の姿はこうだと示すものではありません。権力を制限し、それによって個人の自由、基本的人権を保障するためのものです。
立憲主義について、総理の認識を伺います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 立憲主義とは、主権者たる国民が、その意思に基づき、憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本となる考え方であり、日本国憲法も同様の考え方に立って制定されたものだと考えております。
○山添拓君 今総理が答弁なされたのは、これまでの政府の見解でもあり、総理自身も本会議で述べられたとおりの立憲主義の考え方です。しかし、その立憲主義の基本認識が自民党大会や施政方針演説の総理御自身の言葉からうかがえないから、今聞いております。
自由と権利を保障するために、国民が権力を縛り、やるべきこととやってはならないことを命じるのが憲法です。したがって、時の権力者が自らの夢や理想を掲げるためのものではありません。
日本国憲法による権力の拘束の最たるものが憲法九条です。戦争放棄と戦力の不保持、交戦権の否認、憲法がこれだけ恒久平和主義を徹底したのは、言うまでもありませんが、戦争の反省からです。
憲法前文は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意したと、二度と戦争国家にならないという決意を表明しています。
そして、九条一項は、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するとして、戦争放棄の動機を明らかにしています。国連憲章が掲げる戦争のない世界のために、日本が世界に先駆けて踏み出す決意を示したものです。
総理は、先般、武器輸出の全面解禁を決めた当日の会見で、戦後八十年以上にわたって日本は平和国家として歩んでまいりましたと述べました。この総理が言う平和国家とは、つまり、憲法九条に基づく平和国家という意味ですね。
○内閣総理大臣(高市早苗君) もちろん、憲法九条にも基づいております。我が国が大切にしてきたのが、平和国家という理念でございます。
○山添拓君 今総理が、私たちの国の平和国家としての歩みは憲法九条にも基づくものだと明言なさったのはとても大事な答弁だと思います。なぜなら、実はこの間、遡れば、二〇一三年から一五年頃、安倍政権の時代に、集団的自衛権の行使容認や武器輸出禁止からの転換に進むに当たって、平和国家の根拠を、憲法ではなく、国連憲章を遵守するという平和国家というように言い方を変えて、言わば平和国家の根拠を粉飾してきたという経過があるからです。
総理が、これまでの歩みとして、憲法九条に基づく平和国家の歩み、そう断言されるなら、この先も九条に基づく平和国家としての歩みを堅持なさいますね。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 当然、私ども閣僚、また国会議員、公務員には、憲法を尊重し擁護する義務が課されておりますので、現行憲法、これにたがうような法整備はできませんし、また行動もできない、これは当然のことでございます。
また、立憲主義にのっとった政治を行うというのは当然で、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本原則とする憲法の下で、しっかり国民の皆様の命と平和な暮らしを守ってまいります。
○山添拓君 重ねて伺いますが、九条に基づく平和国家としての歩みを堅持し続けるということであれば、九条を変えようなどというのはもってのほかではありませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 現行憲法の中に、憲法を改正するための条文が含まれております。憲法の定める改正手続による憲法改正について検討したり主張するということは制約をされておりません。
○山添拓君 私は、その総理が、自民党大会で時は来たなどと言って、改憲をあおっている姿勢を問題にしております。
今総理が、これまでの平和国家の歩みを憲法九条に基づくものだと断言なさったのは、私は大変大事だと思いますが、その歩みを今後も堅持すると言いながら、その根幹である九条を変えようとしているのが総理と自民党であります。
九条は戦後絶えず傷つけられてきましたが、それでも一貫して平和国家としての日本の礎となり、九条からの逸脱を図る政治を常に制約してきました。それは立憲主義のゆえであり、何より日本とアジアにおびただしい犠牲をもたらした戦争の記憶と反省が多くの国民に共有されてきたからです。その九条の意義と果たしてきた役割を自覚されるなら、やはり九条改憲をあおるなど許されません。
今、国会前で、全国で、何万人もの人々が、戦争反対、九条を守れと訴えています。その声を聞かずに改憲ありきで戦争する国へひた走る政治から、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められることを強調して、質問を終わります。