2026年・第221特別国会
- 2026年5月12日
- 外交防衛委員会
米軍、対イラン念頭に新型兵器の中東派遣要請の報道 「停戦合意確実にするよう要求を」/ 輸出先「米国排除されず」 武器輸出全面解禁撤回求める
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
イラン攻撃をめぐる情勢について伺います。
米中央軍は八日、イラン船籍のタンカー二隻をオマーン湾で攻撃したと発表しました。イラン側は、国際法と停戦協定の重大な違反だと批判しています。米国のルビオ国務長官は反撃だったと主張していますが、この七日、八日の断続的な衝突についてイラン側は、米軍がタンカーを攻撃するなど先に停戦合意に違反したと、こう主張しております。
外務大臣に伺います。トランプ大統領は停戦は維持されていると言いますが、戦闘は続いているということではありませんか。
○外務大臣(茂木敏充君) 停戦そのものは維持をされていると考えておりますが、突発的といいますか、そういった一部の攻撃等が行われていると、こういったことは事実であると思っております。
○山添拓君 そういう中で、日本政府が米側に対しても、もちろんイラン側に対してもどういう態度を取るのかということが問われるかと思います。
ブルームバーグは、米中央軍が対イラン攻撃を念頭に、初めて極超音速ミサイル、ダークイーグルの中東配備を要請したと報じています。トランプ大統領が攻撃に踏み切ると決定した場合に備えて、攻撃の強化を準備しているという意味だろうと思います。
停戦を確実にし、戦争終結の合意に至るよう政府が強く求めていく、迫っていくことを要求したいと思います。米側に対しても日本政府からも、停戦合意を確実にする、そして戦争を終わらせる合意に至る、こういう要求をすべきだと思いますが、外務大臣、この点いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、報道、毎日のように行われております。その一つ一つについてコメントをすることは控えたいと思いますが、米国とイランの間では、先週も、ちょうどアフリカに行っておりますときに、イランのアラグチ外相が話をしたいというのでケニアから電話もしまして状況も聞いたところでありますけれど、協議の再開に向けて、先週末にも、米国の提案に対するイラン側からの回答を含めてやり取りは続いているところでありますし、またパキスタンも相当頑張っていると。パキスタン始めとする仲介国によります外交努力も粘り強く継続をされているところだと考えております。
今最も重要なことは、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保を含めて事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られるということであると考えておりまして、米・イラン間の協議、これが再開をされまして、話合いを通じて最終的な合意に早期に達することを強く期待をしているところであります。
日本としては、引き続き、米国とイランとの協議や、パキスタンを始めとする仲介国の外交的取組、後押しをするとともに、国際社会と緊密に連携しながら、できる限りの外交努力進めていきたいと、こんなふうに考えております。
○山添拓君 日本政府としての主体的な取組を重ねて求めたいと思います。
米国のシンクタンク、CSISによれば、米軍は二月二十八日の戦闘開始以降、巡航ミサイル、トマホークを千発以上発射し、その消費量は備蓄量の約三割に当たると言います。ブルームバーグは、米国が二〇二五年に製造したトマホークは約三百四十発としています。そうしますと、単純計算で、この間消費したミサイルの補填に三年近く掛かるという計算になります。
防衛大臣に伺います。
政府は三年前、トマホークの導入を一年前倒しし、二〇二五年度から順次四百発の納入を受けるとしてきました。これは遅れているということですね。
○防衛大臣(小泉進次郎君) トマホークについて、ブロックⅣを令和七年度から令和九年度にかけて最大二百発、そしてブロックⅤを令和八年度及び令和九年度に最大二百発、合計、先生御指摘のとおり、最大四百発、これを取得する予定であります。
そして、今先生から報道に基づくような御質問もありましたけれども、トマホークについて、現時点で令和七年度から令和九年度にかけて最大四百発の取得を行う予定であることに変わりはありません。
○山添拓君 令和七年度、昨年度は納入されたものはあるんですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) トマホークについては令和七年度から納入を開始をしておりますが、具体的な納入の時期、そして納入の数量、納入の進捗状況については明らかにできないことは御理解をいただきたいと思います。
○山添拓君 米国がこれだけ使っているわけですから、当然、日本に対して優先的に納入するのかどうかということに対しては疑問があるのは当然です。納期も価格も不明、FMS契約ですからそうした問題もあります。これらは予算執行に関わる問題です。
そして、このトマホークというのは、湾岸戦争、イラク戦争、今度のイラン戦争でも中東地域で米軍が数々の先制攻撃に使ってきた兵器です。専守防衛とは相入れません。この際、導入を撤回すべきだということを指摘しておきたいと思います。
米軍は、日本からも輸出している防空システム、パトリオット用ミサイルについても、千六十発ないし千四百三十発を使用し、最大六割既に消費しているとされます。
これは防衛省に伺います。
米国から、パトリオット迎撃ミサイルについて、日本に対して更なる在庫補填を求められたという事実はあるでしょうか。
○防衛装備庁 装備政策部長(小杉裕一君) お答えいたします。
現時点におきまして、ペトリオットミサイルの米国への追加の移転について、何ら決まっていることはございません。
○山添拓君 今後要求してくるということは当然想定されます。
高市政権の経済政策は、武器輸出の解禁によって軍需産業を成長産業にというものですが、それは、こうして、例えば在庫が不足しているアメリカ、そういう状況こそ商機と見込んで売り込みを図っていくと、そういうことを意味するものであります。
そこで、改めて武器輸出について伺います。
資料をお配りしています。二枚目ですが、武器輸出を全面解禁した運用指針では、厳格審査の項目に、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に対しては、原則として武器輸出を認めないとあります。
四月十四日の当委員会で、では、イラン攻撃を行う米国がこれに該当するのかという問いに対して、審議官は、個別の事案、個別の移転の可否を判断する際に個別具体的に判断する、だから一概に答えられないと答弁されました。
一方、二十二日の衆議院の内閣委員会で、官房長官は、一概にお答えすることは困難としつつ、政府としては、現在、米国政府において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していないと述べて、要するに米国はこれには当たらないと、こう答弁されています。
どっちなんでしょうか。
○内閣官房 内閣審議官(中間秀彦君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおりの答弁、私がいたしたものでございます。
前回、この場での答弁におきましては、個別の移転の可否を判断するに当たって判断を行いますという趣旨で申し上げました。
他方、今回、先生から御質問ございましたとおり、この武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国についての地理的な考え方について、より明確に御説明させていただくといたしますと、次のように申し上げたいと思います。
自衛隊法上の武器については、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国への移転は原則として認めないこととしている。我が国の安全保障上の特段の事情がある場合に例外的に認めることとしている。
その上ででございますけれども、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に該当するか否かは、移転先の領域内において、武力紛争の一環として現に戦闘が行われているか否かを判断することになります。
どのような状況がこれに該当するかについては、個別具体的に判断することになるため、具体的な案件から離れて一概にお答えすることは困難でございますが、かかる考え方に基づいて制度を考えておるということでございます。
○山添拓君 今答弁がありましたが、現に戦闘が行われていると判断されるかどうかは、移転先の領域内における戦闘行為の有無だということでした。確かに今、米国本土で戦闘が行われていないのは確かだと思います。
しかし、イランでは武力行使を続けています。米国が、本土が攻撃されていない、戦闘状況になくても、他の国に攻撃しているということは起こり得ることですが、米国が戦場になっているのでなければ、現に戦闘中とは判断しない、そういう基準だということですか。
○政府参考人(中間秀彦君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、武力紛争の一環として……(発言する者あり)はい。済みません。失礼しました。ですので、地理的な考え方でございます、でございますので、米国につきまして、現在、米国においては、武力紛争の一環として現に国内において戦闘が行われているとは認識していないわけでございます。
他方で、移転先国が国外において戦闘を行っている場合においても、これは考慮しないわけではございませんで、移転先が国際的な平和及び安全に与えている影響や装備移転の使用状況、適正管理の確実性等を考慮して、移転の可否を厳格に審査するという考え方に立ちます。
○山添拓君 今お聞きいただいたとおり、この現に戦闘が行われていると判断される国かどうかという要件では、アメリカは除外されないと。アメリカは世界中で戦争を行う、武力行使を行う、そういう実態として経過がありますが、そのいずれについても、戦闘中の国とは判断しない、この要件では輸出先から排除はされないということでありました。
しかし、米国というのは、元々、本土を攻撃させないために世界中に基地をつくって、巨大な軍隊で武力行使を繰り返してきた国です。その米国がこの規定では全く除外され得ないと。これ、歯止めにはならないということだろうと思います。
もう一点伺います。
資料の二枚目、下段の方ですが、運用指針では、適正管理の確保として、輸出後のモニタリングをするといい、管理状況について必要な調査を行うとしています。
これは何を行うんでしょうか。
○政府参考人(中間秀彦君) お答えいたします。
装備移転について、国際社会への影響等に留意した責任ある管理の枠組みを整備するとの観点から、改正後の運用指針においては、移転後の自衛隊法上の武器の管理状況のモニタリング体制を強化することとしております。
具体的なモニタリングの内容については、これは詳細、今後更に検討が進む部分もございますけれども、自衛隊法上の武器の移転先における管理状況、あるいは保全措置、あるいは紛失した場合の対応要領等を確認するということとしており、これについては、書面による確認のほか、必要な場合には、在外公館と連携しつつ、関係省庁から現地に職員を派遣して確認を行うということを想定してございます。
○山添拓君 管理状況には、例えば国連憲章違反の攻撃に使われていないかどうかということも含みますか。
○政府参考人(中間秀彦君) 今回の運用指針の改正におきましては、御指摘のとおり、国際約束をもちまして国連憲章の目的と原則に合致するか否かが審査の対象となってございますので、そういう意味では、モニタリングにおいては、その使用が我々と約束を交わしたとおり実施されているかということも当然対象に入ってまいります。
○山添拓君 既にパトリオットミサイルを輸出した米国についても調査しますか。
○政府参考人(中間秀彦君) 個別のケースにつきまして、移転の装備品の内容でありますとか相手国との関係といったものも考慮をいたしますけれども、自衛隊法上の武器に該当するものの移転に関しましては、米国も含めて移転先との関係でしっかりモニタリングを行うという考え方でございます。
○山添拓君 この運用指針に照らせば当然かと思うんです。
ところが、この間、防衛大臣は、このパトリオットミサイルがイラン攻撃に使われたか否かについて、米軍の運用の問題だとして調査の対象ではないかのように答弁してこられました。これは矛盾しているかと思います。
米国に輸出したパトリオット迎撃ミサイルの管理状況について、運用指針に基づく必要な調査を行って、ここで答弁していただきたいと思うんですが、この先調査されますか。
○政府参考人(中間秀彦君) お答え申し上げます。
米国につきましては、ペトリオットのケースにつきましては、日米間におきまして、目的外に使用しないこと、第三国に移転しないこと等を約束してございます。
運用に関わることなので細部を申し上げられないということを申し上げてきたと考えてございます。
○山添拓君 どの国もそうやって約束をした上で輸出すると、しかし調査をするというのがこの間の政府の答弁だったはずです。
今私が指摘した点、調査した上で、この委員会に報告を求めたいと思います。
○委員長(里見隆治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○山添拓君 米国防総省は、四月二十九日、議会の公聴会で、イラン戦争におけるこれまでの戦費の見積りを二百五十億ドル、約四兆円と示しました。ただ、ジャパン・タイムズが紹介する米国のアナリストによれば、この二百五十億ドルはかなり限定的に集計したものだといい、基地の被害、作戦経費、国防総省の燃料費の増加、こうしたものは計算外だとしております。
防衛大臣、これは通告しているわけではないんですが、二か月で四兆円、率直にいかがですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) いずれにしても、大切なことは、新たな戦争、紛争を起こさせない抑止力、対処力を日本がちゃんと持つことだと思っています。
なので、山添先生とは度々質問、この質疑やらせていただいていますけれども、今日も装備移転について、あたかも歯止めがないような、そういった話をされますが、国連加盟国百九十三か国のうち、我々が装備品の協定を結んでいるのは十七か国です。
そして、その十七か国にのみ今回の装備品の関係で移転をするという形になっておりますし、我々、既に海外からミサイルや戦闘機、こういったものも買っております。海外から買っている一方で、我々が求められたときに、ニーズが、また我々の技術などが評価されているときに、我々は売らない、そして移転をしない、こういったことで、万が一のときに助け助けられるような関係が本当にできるのかという観点は、やはりしっかりと論点として議論されるべきことではないでしょうか。
引き続き丁寧に説明をさせていただきたいと思います。
○委員長(里見隆治君) 時間が参りました。おまとめください。
○山添拓君 はい。
それは私が質問した論点とは全く別の話です。
湯水のように戦費をつぎ込んで不法な戦争を進める米国を支持し、武器を輸出し、それを支えて、日本の経済成長に結び付けようとしているわけです。ですから、死の商人国家への堕落だと批判されております。
この点を改めて指摘をし、質問を終わります。