山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2024年6月4日

次期戦闘機共同開発条約=GIGO設立条約に反対

外交防衛委員会で次期戦闘機の輸出にかかわる条約が採決されました。「武器の輸出による国際紛争の助長を回避する」ーー2014年に防衛装備移転三原則に変わった後、2015年の国会で内閣法制局長官が答弁しています。

ところが今日確認すると、いまや政府は武器輸出が「国際紛争を助長する」という認識すら示そうとしません。「平和国家としての立場を維持する」と言いながら換骨奪胎し、武器輸出大国へと進むことは許されません。

委員会では日本共産党と沖縄の風が反対。明日の本会議にかかることになります。

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日本共産党を代表し、次期戦闘機共同開発条約=GIGO設立条約の承認に反対の討論を行います。

反対理由の第一は、戦闘機の輸出容認で日本を武器輸出大国へ大転換するものだからです。

政府は1967年の武器輸出三原則、76年の政府統一見解を通じて全面的な武器禁輸を表明し、国会は81年、「憲法の理念である平和国家としての立場を踏まえ」、衆参両院の全会一致の決議でこれを確認するに至りました。武器輸出禁止は「国是」にほかなりません。

その後政府はなし崩しに緩和を続け、2014年の防衛装備移転三原則で武器禁輸そのものの大転換まで行いました。それでもなお、法制局長官が述べたように、「武器輸出による国際紛争の助長を回避する」ための規制を設け、殺傷兵器の輸出はできないとしてきたのです。次期戦闘機の輸出にあたり「三つの限定」「二重の閣議決定」などと歯止めを装いますが、すべて与党の密室協議に委ねられておりなんの制約にもなりません。憲法の平和主義を踏みにじり、立憲主義を破壊する暴挙であり、断じて容認できません。

第二に、日本とNATO加盟国による次期戦闘機の共同開発と同志国への輸出・配備は、地域の緊張関係をいっそう高めることにつながるからです。

GCAPは日本が米国以外のNATO諸国と初めて行う戦闘機の共同開発であるとともに、NATO加盟国の「インド太平洋地域」に対する安全保障上の関与の強化の一環と位置づけられます。米国が対中戦略に基づき進める排他的な枠組みに沿って「同志国」への輸出・配備を進めれば軍拡競争が避けられず、軍事対軍事の悪循環をいっそう加速することになるのは明らかであり、認められません。

第三に、次期戦闘機はAI技術を用いた無人機との連携がめざされ、そのために米国との共同研究まで合意していることです。

撃ち落とされても人が死なず、人的被害を軽減する無人機による攻撃は、戦闘行為のハードルを下げかねません。開発競争ではなく規制こそ必要です。

第四に、際限のない開発費を要することです。政府は昨年度までですでに3066億円、2027年までの5年で7700億円もの予算をつぎ込むとしますが、総額は示せず青天井です。

軍事分野では特に政官財の癒着が深刻ですが、本条約には防止策がないばかりか、むしろGIGO職員について訴訟免除を定めており、認められません。

憲法に基づく平和国家の立場を投げすて、武器を売り歩き利益を増やすのは、「死の商人国家」への堕落との批判を免れません。大軍拡ではなく、対話に基づく外交でこそ平和構築を図るべきであることを強調し、討論とします。

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