山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2017年2月22日

ミャンマー 大きな変化の途上で

参議院ODA調査、20日夕方ミャンマーに到着し、21日はヤンゴン市内をまわりました。乾季の終わりで暑くなってきているそうで、昼間は真夏。朝夕は比較的さわやかです。

教育、介護、気象観測レーダーと、それぞれ分野は異なるものの、日本のODAによる支援や民間投資が進められている現場を見る機会となりました。

初等教育の教科書づくりの支援では、従来の記憶させる教育から思考させる教育への転換をめざし、カリキュラムも教育方法も大きく更新する計画が進んでいます。仏教の思想的影響もあり、生徒が先生に質問したり意見を述べたりということは、まずないそうです。その刷新のための国定教科書づくりとのこと。
小学校へは90%の子どもが入学するものの、卒業するのは60%、中学、高校と徐々に減り、大学進学は5%程度とのこと。学校数も先生の数も不足。民主化後、政府は教育予算を大幅に増やす政策をとり、高校までの学費無償化、9万人の教員採用と公務員給与の引上げ、数千校規模の学校建設を進めています。教育がなによりの鍵だという認識が強いことを感じます。
JICAの専門家40人が参加し現地スタッフと作業を進めていました。2017年6月の新学期に入学する小学校1年生から順次、新カリキュラムに移行するそうです。

社会保障分野では、ヤンゴンで初めてというデイケアセンターを訪れました。社会福祉救済移住省の政策で、無料のサービスをヤンゴン市民に提供。毎日70名が訪れるそうです。比較的健康な方が対象ということもあり、図書室や美術室、カラオケルームまで!賑わっていました。診察室やデンタルクリニックも。60歳以上を高齢者と定義し、その割合は9%とのことですが、急速な高齢化を見据えて取り組まれています。

スマフォの普及など事実上の社会の変転と、それらに対応しコントロールしつつ社会発展をめざす政治のあり方、なによりも半世紀続いた軍政から脱し、民主政移行で明るくなったという希望ある姿を感じました。日本との関係を含めて、極めて複雑で悲しい歴史を経てきた国です。アウン=サン=スーチー氏率いる大きな変化の途上にある社会と日本が、相互に敬意をもって関係性を深めていくことが大事だと思います。

写真は開発中の教員向け指導書、デイケアのカラオケルームで熱唱する通所者、地上60mの気象レーダーから望むヤンゴン市内。

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