山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2021年8月11日

ウィシュマさん死亡事件報告書についてヒアリング

 名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件、報告書について、藤野議員とともに法務省から説明を受けました。
 中間報告では言及のなかった「2月15日の尿検査結果」が一つの鍵になりそうです。
 報告書は、匿名の「総合診療科医師」の見解として、「ケトン体3+、蛋白質3+、糖−との結果が出ていることは、生体が飢餓状態(必要な栄養が摂取できておらず、体調の維持が困難になっている状態)」と記しています(P.32)。
 ところが、この尿検査結果は顧みられることなく、以後は内科的処置はとられず、精神科受診へとつなげられます。
 尿検査の結果はカルテと一体のはずですが、中間報告の時点では名古屋入管から提出がなく、後に出てきたのだといいます。施設の医師も十分確認した形跡がありません。そしてこれ以後ウィシュマさんは、介護を擁するような状況になっていきます。
 点滴や医師の診察を求めたのに、内部の細則で必要とされる局長への報告とその指示も受けることはありませんでした。「名古屋局ではそうなっていなかった」という報告書ですが、それはいつから、なぜなのか、またほかの入管では適切に行われているといえるのか、明確ではありません。
 報告書は、当然出されるべき資料すら出されておらず、入管の一方的で我田引水的な事実認定が目立ちます。
 報告書は、「医療体制の制約」や職員の「教育が不十分」などとし、改善策の第一に「職員の意識改革」を掲げていますが、課題はそこではないのではないか。何度も繰り返されてきた死亡事件です。入管の体制そのものを改めない限り、意識のみが変わることはあり得ないと思います。

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