山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2026年・第221特別国会

イスラエルのガザ攻撃 犠牲3割が子ども 国連調査委 「ジェノサイドの意図立証の主因との指摘を無視するわけにいかない」/米国務長官に抗議を ICC解体発言/ウクライナ ミサイル生産への協力の期待表明 国際紛争助長の移転許されない 非軍事の貢献に徹するべき

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
パレスチナ・ガザをめぐる情勢について伺います。
七月二日で、二〇二三年十月七日の戦争開始から千日となりました。昨年十月の停戦合意後も、ガザの面積の半分以上にイスラエル軍が駐留し、ほぼ毎日攻撃を続け、停戦後の死者が千人を超える状況です。衛生環境が引き続き悪化し、ガザ広報局は、多くの汚水貯留槽からの漏出があり、地下水の汚染や感染症が拡大する危険が高まっているとしています。ごみが収集されず、ネズミやシラミ、ノミ、ダニなどの急増も伝えられます。
この下でネタニヤフ首相は、ガザの七割を支配下に置くよう軍に指示しました。これは和平計画を無視したものです。日本政府はトランプ大統領が主導した和平合意を歓迎すると表明してきましたが、完全に形骸化しています。容認し難いのではないでしょうか、外務大臣。

○外務大臣(茂木敏充君) ガザの情勢につきましては、昨年十月に当事者間で合意が成立したこと、我が国として歓迎をしておりまして、今状況についてお話もあったわけでありますけど、それを改善するためにも包括的計画の着実な実施に向けた取組が必要であると考えておりまして、日本としても積極的な役割を果たす考えであります。
私も一月にイスラエル、パレスチナへ訪問いたしまして、日本が双方との間で築いてきた良好な関係を基礎として、相互不信の払拭というのはどうしてもやっぱりこの問題の根本的な解決には必要だと思っておりまして、また二国家解決、この実現に向けて双方共にやるべきことがある、例えば、イスラエルでいったら不法な入植活動、これはやめるべきだと、またパレスチナについてもPA改革、これは極めて重要であると、こういったことも、こういった日本の考え方も率直に当事者、両方のハイレベルに申入れをしたところであります。
さらに、私からは、ガザの統治メカニズムへの継続的な関与、そしてパレスチナの国づくりに向けた包括的な支援、そして日本が主導しておりますパレスチナ開発のための東アジア協力促進会合、CEAPADですね、等を通じた支援の拡大という日本ならではの取組、これも直接説明いたしました。
近く、日本、パレスチナ、そしてASEANの議長国でありますフィリピンの共催で第五回目となりますCEAPADの閣僚級会合を開催して、日本としてイニシアティブを発揮したいと、こんなふうに考えております。
引き続き、地域における永続的な平和と繁栄の実現に向けて外交努力を尽くしていきたいと考えております。
基本的に、何というか、いろんな細かい問題はあるんですけれど、お互いが持っている相互不信、これは長い歴史もあるわけでありまして、これを解消するためにお互いが自制をしたり行動を変えない限り問題というのは解決しないと思っております。今、レッドゾーンで起こっていること、またグリーンゾーンでうまくいっていないこと、様々把握をしておりますけど、根本にあるのは私はそういう問題なんだろうと考えております。

○山添拓君 いろいろお話をいただきました。確かに合意を進めていくことが必要ですし、そのための外交努力を求めたいと思いますが、しかし、それに反するような事態が起こっているということは直視すべきだと思います。
暫定統治機構、ガザに入っておりません。権限移譲の見通しが立っていないと。それはイスラエルが妨害していると、そういう状況はやめさせるべきだと思います。
そのイスラエルによる攻撃について、国連人権理事会の独立調査委員会が、六月二十三日、報告書を発表しました。パレスチナ人の子供が意図的に標的にされ、殺害されていると指摘するものです。これまでに約七万三千人が殺害され、うち二万一千二百八十人以上、約三割が子供です。報告書は、白旗を持って避難する少年が狙撃された例や難民キャンプで乳児が頭を撃たれた例なども挙げ、子供を標的にすることでガザのパレスチナ人の将来を破壊する意図的な戦略の一部を形成している、そう結論付ける合理的な根拠があるとしています。
委員会の声明は、イスラエル軍の作戦が継続している結果、パレスチナの子供たちが前例のない死と負傷とトラウマに見舞われていると述べています。
大臣の認識を伺います。

○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の報告書についてはもちろん承知をいたしております。パレスチナ占領地及びイスラエルに関する独立国際調査委員会、これは個人の資格で活動する三名の委員から成る独立した委員会でありまして、その個人の資格から成る独立した委員会の個別の報告書について政府としてコメントすることは控えたいと考えております。
その上で、一般論として申し上げますと、子供を含みます文民、民間人は攻撃の対象としてはならず、我が国としてイスラエルに対して人道危機を終了させるために実質的な措置を講じることを求めるとともに、引き続き国際人道法を含みます国際法の遵守、強く求めていきたいと思っております。一月の訪問の際にもそういったことはしっかりと申し上げております。

○山添拓君 この報告書についてイスラエルの側は、プロパガンダだ、誹謗中傷だと、こう非難しているのですが、委員会は、イスラエルによるジェノサイドの意図を立証する主要な要因になったと、こういう報告をしています。大臣は個人の報告だと強調されるのですが、それを無視するわけにはいかないものだと思います。
ジェノサイドや人道に対する罪、戦争犯罪の加害者を捜査し、訴追するために世界で初めてとなる常設の国際刑事裁判所としてつくられたのがICCです。二〇〇二年設立。日本は二〇〇七年に正式に加盟しました。
大臣に改めてこのICCの意義について伺います。

○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく次の質問の前段としてお聞きになるんだと思うんですけれど、国際刑事裁判所、ICC、ここは、国際社会全体の関心事であります最も重大な犯罪、すなわち集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪を犯した個人の責任を追及する世界唯一の常設国際刑事裁判所であります。
我が国は、二〇〇七年にICCローマ規程を締結して以降、一貫してその活動を支えてきております。現在、我が国はICC分担金の最大の拠出国でありまして、また我が国出身の赤根智子氏が所長を務めているところであります。我が国としては、ICCが国際社会における法の支配の徹底に果たす役割は大きい、そのように考えております。

○山添拓君 次の質問への前振りまでしていただきましたが、そのICCを解体するキャンペーンを始めたのが米国です。ルビオ国務長官は、十三日、ビデオメッセージでICCはアメリカの主権を脅かしていると述べ、あらゆる手段を駆使して解体すると主張しています。
ICCは、二四年十一月に、ネタニヤフ首相やガラント前国防相に対して、ガザで民間人への攻撃を意図的に指示したことなどを理由に、人道に対する罪や戦争犯罪の容疑で逮捕状を発行しておりますが、ICCに加盟していない米国が、昨年六月、判事四人に対する制裁を発表し、ルビオ国務長官は当時、ICCは政治的に偏った組織、危険な主張と権力の濫用などと非難していました。
私はそれ自体とんでもない話だと思いますが、今回は、米国の同盟国に対しても圧力を掛け、加盟国は脱退を促し、米軍と連携する国にはICCの訴追権限を拒否するよう要求することも検討しているといいます。
日本は、今大臣も意義を強調されましたが、このような乱暴な要求に従うわけにはいかないと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 米国の発表については承知をいたしております。その上で、我が国としては、重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底を重視してきておりまして、その中で、先ほど申し上げましたが、常設の国際刑事法廷でありますICC、一貫して支持をしてきております。
今般の米国の発表については懸念を持って注視をしておりますが、いずれにしても、今後米国が実際にどういう対応を取るのかと、こういったことも踏まえながら、ICC、米国、他の締約国と意思疎通しながら日本政府として適切に対応してまいりたいと、このように考えております。

○山添拓君 私、懸念や注視では済まないと思うんですよ。
国務省の声明は、ICCの脅威を取り除くためにはどんな外交手段も除外しないと、こうしております。
大臣、日本として断固抗議し、米国に対してこんな方針は撤回するように求めるべきじゃありませんか。

○国務大臣(茂木敏充君) 日本の立場、今私が答弁をさせていただいたとおりであります。

○山添拓君 繰り返しお尋ねしますが、日本の立場としては、ICCの独立性を擁護し、そして外交上も財政上もこれを支えていくと、法の支配の貫徹だと、こういうことですね。

○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど、ICCを一貫して支持してきていると、こういったことは明確に申し上げました。そして、ICCの重要性については十分認識をしておりまして、現在日本は最大の拠出国である、こういう立場にあると、こういったことを申し上げたところであります。

○山添拓君 この米国の方針は、やはり私は法の支配をかなぐり捨てるものだと思います。日本政府が一貫してICCを支持してきたと、そうであれば、米国に対して、やはりこれはやめるべきだと、撤回を求めるべきだと思います。そのことは、重ねて強く申し上げておきたいと思います。
ウクライナに関して伺います。
米国トランプ大統領が八日、防空システム、パトリオットのウクライナでのライセンス生産を認めると表明しました。トランプ氏が、私たちはパトリオットを持っている、だがそれほど多くない、自分たちの分も必要だと述べているとおり、米国はイラン戦争で備蓄の半分以上を消費したため、僅かでも手放したくないという事情があるのだと推測されます。
これを受け、翌九日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、パトリオットミサイルのライセンス生産について、日本の三菱重工業にウクライナで活動してほしいと表明しました。
防衛大臣に伺います。政府に対しても既に打診があるのでしょうか。

○防衛大臣(小泉進次郎君) 報道については承知しておりますし、ゼレンスキー大統領の発言一つ一つについて、防衛大臣として、防衛省としてお答えする立場にはありませんが、お尋ねについて何ら決まった事実はありません。
一般論としては、日本の防衛産業が評価をされると、そういったことについては、私は、今後防衛産業をしっかりと創出して強く生産基盤をつくっていく上では必要なことだと思っておりますから、これは今後あらゆる、各国とも今コミュニケーションをしていますが、その中で自衛隊としてできることは考えます。
ただ、防衛省・自衛隊として、今、ウクライナに関して言えば、既に防弾チョッキ、そして自衛隊の車両、こういったものを支援をしてきております。その上で、今後のウクライナとの防衛装備協力の在り方については、今後の戦況を含めて様々な検討要因を踏まえながら、引き続き、日本とウクライナ両国の政府間で意思疎通を継続してまいります。

○山添拓君 この技術移転も武器輸出の一環ですが、ウクライナは武器輸出先国の条件である装備・技術移転協定の締約国ではありません。十七か国に限定されていると述べてこられた協定の締結国ではないわけですが。大臣、ところで、ウクライナというのは我が国の同志国なのでしょうか。

○国務大臣(小泉進次郎君) 選挙で選ばれて、リーダーが今その政府の中で様々な判断をして国家運営をやっていると、この民主主義国であると。こういった中で、引き続き国際秩序が、力による、また威圧による一方的な現状変更を起こしてはならないと、こういった思いの中で、より自由で開かれたインド太平洋地域をつくっていかなければいけないと思っている我々と、また、今回、私はトルコにも行きましたけれども、NATOの加盟国などとも、引き続き、地域、また世界、国際秩序がそのように、自由で開かれた法の支配の下での国際秩序をつくっていかなければならないと。そういった中で、思いというのは私はあると思いますが、いずれにしても、この山添先生の防衛関係でウクライナとどうするかということについて言えば、先ほど協定の話がありましたが、その十七か国の中にウクライナは入っておりません。

○山添拓君 同志国かどうかはお答えがないように思いますが。
その輸出のための協定ですけれども、現に紛争当事国と締結したという例は過去ありますか。

○国務大臣(小泉進次郎君) 通告のないあれですからあれですけど、現時点で確認できる限りはないと承知をしております。

○山添拓君 それは当然ないです。問題は、私、ウクライナが紛れもなく今紛争当事国ということだと思います。
四月に改定した武器輸出の運用指針では、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国へは原則不可とする一方で、特段の事情がある場合には例外的に可としております。しかし、今まさに紛争当事国、戦争中のこのウクライナに対して輸出をしていくということは、これは到底許されないと思います。国際紛争を助長する武器輸出、技術移転となりかねません。
日本は、非軍事分野での国際貢献に徹するべきだと、この点を指摘して、質問といたします。
以上です。

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