山添拓 日本共産党 参議院議員

山添拓 写真

国会質問

個人情報収集 法的根拠なし 「陸自思想調査許されぬ」

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
今月十九日から、日米共同統合演習、キーンソード27が実施されています。二十八都道府県で米軍と自衛隊五万七千人が参加し、最大規模の軍事演習です。
沖縄では、本島や先島諸島に日米のミサイル兵器を多数配置し、オスプレイを含め、軍用機や艦艇が民間の空港や港湾も使って部隊や物資を輸送します。
大臣に伺います。
今日も話題になりましたが、女性に対する強盗殺人容疑で海兵隊員が逮捕されたことを受け、在沖米軍は九日から三十日間を反省期間としました。反省期間に全国で米軍が動き回ることになるのでしょうか。

○防衛大臣(小泉進次郎君) まず、先般の那覇市における事件は、地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものです。今回の事件を受けて、アメリカ側に対しては、私を含め様々なレベルから申入れを行ってきたところであります。
こうした日本側からの申入れも踏まえ、御指摘の日米共同統合演習、キーンソード27に参加するアメリカ軍人については、日本国内の所在を問わず、飲酒禁止及び外出制限が課されているものと承知をしています。
一方で、本演習は、日米の相互運用性を更に高め、我が国の抑止力、対処力の強化につなげていく上で極めて重要な取組です。このため、アメリカ軍人の規律確保や地元の安全、安心の確保に必要な措置をしっかり講じた上で実施する必要があると考えています。
日米同盟やアメリカ軍の活動は、国民の皆様、とりわけ地元の皆様の御理解と御協力が大前提です。引き続き、地元の安全、安心の確保と信頼の維持に努めながら、本演習を安全かつ適切に実施できるように、あらゆる努力を継続してまいります。

○山添拓君 今おっしゃった飲酒の禁止や外出制限、反省期間に沖縄でとるとされていた措置にすぎません。
そして、それらについて、総理は、十三日の衆議院の予算委員会ですが、反省期間のこの外出制限というのは十分ではないと言っているんですね。十分ではないと、実効性がないと、再発防止に十分ではないと。そのことを認めながら、今大臣もおっしゃったように、訓練ありきで進めようとしている。これは、反省どころではなく、それを日本政府も容認していると言わざるを得ません。
訓練の中身ですが、三月に熊本の陸上自衛隊健軍駐屯地に初めて配備された長射程ミサイル、二五式地対艦誘導弾による訓練が熊本、長崎、佐賀で行われます。射程千キロ、敵基地攻撃能力を持つ国産ミサイルを日米共同演習で使うのは初めてです。
与那国島には、米海兵隊の地対艦ミサイル、NMESIS、短距離防空システム、MADISを初めて展開します。NMESISの射程は二百十キロとされますので、台湾中部まで射程圏内に入ります。
石垣島には、米陸軍の高機動ロケット砲システム、HIMARSを運び込みます。
熊本や与那国、石垣には日米の共同調整所を設け、事実上、日米共同の敵基地攻撃訓練となります。
大臣に伺います。
総理の台湾発言以来、日中間の外交が途絶える中、二年前の前回から質的にも量的にも大幅に拡大した演習を行うことが軍事的な緊張を高める危険性について、どう認識されているでしょうか。

○国務大臣(小泉進次郎君) そこが山添先生と考えが異なるところだと思っています。つまり、こういった演習をやらない方がいいということですよね、山添先生の立場は。しかし、我々は、これはむしろ地域の平和と安定の確保に資するものだと、そういうふうに考えております。
例えば、今回、この日米共同統合演習、キーンソード27は、各種事態における日米共同対処及び自衛隊の統合運用について演練、研修、検証し、日米の共同統合運用能力の維持向上を図ることを目的としたものです。今回は日米だけではありません。この地域の平和と安定の確保の重要性に賛同する多くの同志国が、インド太平洋地域だけでなく、欧州からも参加してくれており、参加国数は過去最大の九か国となっております。日米のほかに、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、そしてフィリピンと、こういった状況になっていますので、地域の緊張を高めるのではなく、むしろ地域の平和と安定の確保に資するものだというふうに考えております。

○山添拓君 そうおっしゃるんですけれども、要するに、台湾有事を想定し、中国を念頭に軍事的なアピールを強めるものだと。今日お配りしている琉球新報の二十日の社説は、沖縄の戦場化を見据えた段階に入ったと、地域の緊張を一層高めることにつながりかねず、到底容認できないとしています。これは軍拡の悪循環を加速する大規模演習であります。
ところで、米陸軍は今年六月から、鹿児島県の海自鹿屋航空基地にミサイル発射装置、タイフォンを展開しました。長射程巡航ミサイル、トマホークを搭載でき、九月にかけて共同訓練に投入し、今月二十三日、米軍嘉手納基地に移し、嘉手納で保管するとしています。
大臣に伺います。保管とは何でしょうか。これはいつまでですか。

○国務大臣(小泉進次郎君) 我が国周辺の安全保障環境が一層厳しく複雑になる中で、我が国への武力攻撃そのものを抑止するために、日米同盟の抑止力、対処力を強化していくことが重要です。
今、山添委員から御指摘のあったアメリカ陸軍のミサイルシステムであるタイフォンにつきましては、こうした状況を踏まえ、本年六月から海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開させ、バリアント・シールド二〇二六やオリエント・シールド26といった共同訓練への参加を通じ、米軍の機動展開能力に加え、日米の即応性や相互運用性を向上させてきました。
その上で、オリエント・シールド26の終了した後は日本国内の在日アメリカ軍施設・区域に保管するとしていたところ、アメリカ側からは、現在の在日アメリカ軍施設・区域の個別具体的な状況を基に、大型輸送機による航空輸送に必要な施設設備を備えていること、タイフォンを保管できる施設設備を備えていることなどの観点から総合的な検討を行い、嘉手納飛行場での保管を決定したとの説明がありました。なお、既にタイフォンは嘉手納飛行場に到着したものと承知していますが、アメリカ側からは、今般の保管に伴って嘉手納飛行場にアセットを運用する部隊は配置されず、日本への恒久的な配備ではないとの説明を受けています。
防衛省としては、本アセットを在日アメリカ軍基地に保管しておくことで、今後、共同訓練に一層柔軟に参加しやすくなるという利点があり、ひいては、日米同盟の抑止力、対処力の強化につながるものと考えています。

○山添拓君 私が伺いましたのは、では、その保管はいつまでですか。

○防衛省 防衛政策局次長(松尾智樹君) 具体的な保管期間につきましては、米軍の運用の詳細に関わることでありますのでお答えを差し控えたいと思いますが、アメリカ側からは、今回の保管に伴って嘉手納飛行場に当該アセットを運用する部隊が配置されないというふうに言われておりますので、これについては恒久的な配備ではないというふうに認識しております。

○山添拓君 そうおっしゃるんですけど、大臣も先ほど、このタイフォン、あるいはHIMARS、保管することによって自衛隊との共同訓練を一層柔軟に実施しやすくなる、こうおっしゃいましたよね。つまり、今後の共同訓練で使っていくということですか。

○政府参考人(松尾智樹君) 先ほども申し上げましたとおり、米軍の運用に関わることではございますけれども、現時点におきまして具体的な計画が、訓練とかも含めた計画があるわけではございません。

○山添拓君 これは恒久配備にほかならないと思いますよ。どれだけ保管だと言葉を使ってみても。使っていくとおっしゃっているわけですから。
嘉手納町の當山宏町長は、断じて容認できないとし、計画の即時撤回を求めています。町民の過重な基地負担を顧みない日米両政府の姿勢には極めて強い不信感を抱かざるを得ない、その抗議は当然だと思います。
日米同盟強化ありき、抑止力強化ありき、行き着くところは核抑止だと思いますが、今日は与党議員から、核抑止力を持つべきだと、そういう質問までされて、私は驚きました。大臣がそれを正面から否定されなかったことにも驚きました。そうした路線で危険と負担を押し付けることはやめるべきだと指摘しておきたいと思います。
次に、予算委員会で辻元委員も質問されましたが、陸自の現地情報隊について伺います。
朝霞駐屯地の陸自中央情報隊に所属し、二〇〇七年発足です。この現地情報隊は、国内で相手に身分を隠して情報収集することもあるのでしょうか。

○政府参考人(松尾智樹君) 中央情報隊現地情報隊につきましては、自衛隊がPKOなどで海外に派遣される場合に備え、部隊の任務遂行や安全確保に必要な現地の情報の収集を行っております。
自衛隊の派遣が想定される地域の情報につきましては、海外事情に精通した国内の有識者などからも収集を行っておりますけれども、これらの活動につきましては防衛省設置法第四条第一項第四号に基づいて実施をしているところでございます。

○山添拓君 相手に身分を隠して情報収集することもあるのですか。

○政府参考人(松尾智樹君) 現地情報隊が行います情報収集活動、またその情報収集の手法とかにつきましてその逐一をお答えすること自体は情報隊のその情報収集能力にも関わってくることになりますので、これをつまびらかにすることは困難でございます。
いずれにいたしましても、自衛隊の情報収集活動に当たりましては、防衛省設置法のみならず、関係する個人情報保護法なども含めた関係法令に従いまして適切に行っているところでございます。

○山添拓君 全然聞いたことにはお答えいただいていないんですが、では、聞き方を変えます。
自衛隊法上、隊員が身分を隠して相手の同意なく個人情報を収集し、その情報を保管する、そういう権限は認められていますか。

○防衛省 大臣官房長(小野功雄君) 個別具体的な話になりますので、それはお答え、その部分についてのお答え差し控えますけれども、例えばでございますけれども、個人情報保護法の中で、行政機関等は、本人から直接書面に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、原則として、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならないとあります。他方で、ただし書として、利用目的を本人に明示することにより、国の機関が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるときなど、その規定が除外されているというものでございます。

○山添拓君 私は、正体を隠して相手から情報収集することが法律に根拠があるかと伺ったんですが、その根拠はないわけですね。

○政府参考人(小野功雄君) その正体を隠してというところは必ずしもよく分かりませんけれども、我々としては、法令にのっとって適切に対応しているということで御理解いただきたいと思います。

○山添拓君 身分を隠して段階的に開示をするなど、そうして相手から情報収集をする、そういう手法が問題となっておりますが、今、防衛省からは、その法的根拠は示されませんでした。
熊本日日新聞が現地情報隊による個人BSD報告書、ベーシック・ソース・データを報じました。日本人の大学教授やNPO法人代表らを対象に、愛国心や性的嗜好に至るまで、個人情報を調査、収集していたとされます。
大臣自身は、小泉大臣自身は現物をお読みになりましたか。いや、大臣に聞きます。大臣に。

○国務大臣(小泉進次郎君) まず、今、熊本日日新聞のお話をされていましたけれども、この現地情報隊をめぐって報道された文書ですね、これについては、防衛省・自衛隊が公表したものではありません。その出どころや真正性を確認できていませんから、当該文書についてお答えは差し控えます。
また、情報収集活動に際して個別にいかなる文書を作成しているかといった情報収集の詳細については、情報収集能力を明らかにするおそれがあるため、お答えは差し控えます。
その上で、今般の現地情報隊をめぐる報道を受けて、現地情報隊の活動について事実関係の確認を行い、私自身、その報告を受けましたが、現時点で不適切な活動を行ったことは確認されておりません。

○山添拓君 読んだかという質問にもお答えいただけないんですね。読んでないということはないと思いますので改めて伺うんですが、この報告書には対象者ごとにやり取りの詳細も記されております。学会やNGOの報告会に潜入し、もっと話を聞きたいなどと言って居酒屋の個室に呼び出し、情報を抜き取ると。隊員と対象者とのメールの送信履歴もあります。その末尾には、送信者の所属、名前、電話番号、携帯メールアドレスも書かれています。その電話番号は、朝霞駐屯地内線番号まで書かれていました。この人物は、文書が作成された当時、現地情報隊に所属していたんじゃありませんか。

○政府参考人(松尾智樹君) 報道で指摘されております文書又は人物などを前提にしたお答えをすることは困難でございます。
といいますのも、現地情報隊が行っております情報収集活動そのものに支障を及ぼすおそれがあるからでございます。そういった観点で、報道とかも含めた前提の質問に対してお答えできないことについては御理解いただければと思います。

○山添拓君 私は大臣が出どころや真正性が確認できないとおっしゃるから聞いているんです。
継続接触伺、更なる関係構築や友人の紹介を受けることを目標にして、接触を続けていいかどうか伺いを立てる、そういう文書もあります。ここには、隊長や副隊長、班長など幹部の決裁印もありますよ。当時実際に所属していたんじゃありませんか。出どころや真正性、確認できますよね。

○政府参考人(松尾智樹君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、報道されております内容を前提に現地情報隊がいかなる情報収集活動を行っているのかということについてお答えすることは、情報収集活動の今後の支障を及ぼすおそれがあるというふうに考えておりますので、また人物、またその内容を前提にしたお答えは困難でございます。
また、そういった活動を行っているかいないかということを申し上げること自体が、我々の情報監視、また手法などを明らかにすることになりますので、そういう前提でお答えをさせていただいているところでございます。

○山添拓君 法的根拠が疑われる情報収集活動を行っているのではないかということから問題にしているわけです。出どころや真正性をうかがわせる記述は幾らでもありますから、速やかに確認の上、報告を求めたいと思います。

○委員長(三浦信祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。

○山添拓君 昨年二月、部隊の関係者が防衛大臣に公益通報しています。その公益通報の受理通知書というのがありまして、個人情報保護法違反を受理しないとしているのですが、受理しない理由として、情報収集活動の詳細に関して通報者から確認した実施要領は同隊の事業化された任務の範囲内だと、段階的に身分を開示することや個人情報を該当人物から聞き出すことは直ちに法令に違反する行為とは言えないと、こうあります。これは事実ですか。

○政府参考人(小野功雄君) まず、個別の公益通報につきましては、一般にこれは通報に関する秘密の保持ですとか、あるいは関係者の個人情報保護の観点から、通報者以外の第三者に対しましてその内容をお答えするということは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
その上で、我々として、公益通報について、受理、不受理についてはこれは部内の手続等にのっとって適切に対応しているということでございます。

○山添拓君 この受理通知書では、実施要領があることを前提にその適法性を主張しております。実施要領を委員会に提出していただくよう求めたいと思います。

○委員長(三浦信祐君) ただいまの件につきましても、後刻理事会において協議させていただきます。

○山添拓君 身分を隠してターゲットに接近し、親密さを装い信頼させ、私生活の機微にわたる情報まで抜き出し集積する。法を逸脱した諜報であり容認できません。
最後に、これは通告していないんですが、防衛省に確認したいと思います。
陸上自衛隊朝霞駐屯地で、今年七月二十日、ごみ集積所から出火し、コンテナやプレハブが燃える火災がありました。埼玉県から経緯を明らかにするよう要請も出されていますが、出火原因判明しているでしょうか。

○政府参考人(小野功雄君) お尋ねの件につきましては、ちょっと事前に通告がなかったことから、今詳細を把握しておりませんので、お答えを差し控えたいと思います。

○山添拓君 この火災で公文書が燃えた事実があったか、公文書でない文書が燃えた事実があったか、御存じでしょうか。

○政府参考人(小野功雄君) 繰り返しになりますけれども、事前に通告なかったことから、その点について現状詳細を把握しておりませんので、お答えを差し控えたいと思います。

○山添拓君 防衛省が熊本日日新聞から現地情報隊の思想調査について最初に問合せを受けたのはいつですか。

○政府参考人(松尾智樹君) この点につきましても事前に通告がありませんでしたので、具体的な日付も含めてお答えすることは現在困難でございます。

○山添拓君 最初の報道がこの火災から三日後だったものですから伺いました。
今伺った点、いずれも確認の上で委員会に報告を求めます。

○委員長(三浦信祐君) この件につきましても、後刻理事会において協議をさせていただきます。
山添君、時間が来ておりますので、まとめてください。

○山添拓君 はい。
個々の隊員の意図がどうであれ、曖昧な目的で、法的根拠なく情報が集積され、蓄積される。いつ、どのように利用されるか分からない。それ自体、不当だと思います。統制が取れておりません。
引き続き質問でただしていきたいと思いますので、今日はこれで終わりたいと思います。

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