山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2016年・第192臨時国会

無電柱化法案、「国民の責務」について内容を質す

要約
  • 山添議員は、無電柱化推進法で国民の努力義務が定められていることについて、電線などの埋設工事の際、立ち退きを迫られるなど住民の権利が制限されないか質したところ、大臣は「地域住民の合意をもって進められるべき」と答弁。
  • 無電柱化推進法案の他に、バス運転手等の健康管理を強化する道路運送法・貨物自動車運送事業法の改正、自転車活用推進法が全会一致で可決・成立。

 

○山添拓君 おはようございます。日本共産党の山添拓です。

いわゆる無電柱化に関わって伺いたいと思います。委員の皆さんには資料をお配りしております。

無電柱化の整備に係る費用ですが、道路の一キロ当たり電線共同溝の整備の土木工事に大体三・五億円、電気設備の工事には一・五億円とか一・八億円が掛かると。ですから、合計、一キロ当たりですが、五億円以上掛かるとされています。現在、電柱を使用する従来のやり方によれば一千万から二千万のコストでできるとされていますので、それと比べますと無電柱化というのは相当コストの掛かるものでもあると。

今後、無電柱化を進める上でコストが削減する見通しがあるかどうか、その際、そうした方法を取った場合にですが、懸念される安全性などについての対策についても御紹介、御説明をいただければと思います。

○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。

無電柱化の推進におきましては、委員御指摘のとおり、コストが高いということが主な課題となっておりまして、国土交通省では、関係省庁、関係事業者と連携をいたしまして、低コスト手法、一つは管路を浅く埋設する方法、二つ目に小型ボックスを活用する方法、三つ目にケーブルを直接地下に埋設する方法の導入に向けて取り組んでいるところでございます。電線共同溝の場合、現場条件によってコストは異なりますが、委員御指摘のとおりでございまして、それに対しまして、道路管理者負担分の整備に関する費用につきましては、管路を浅く埋設する方法については約一割程度、小型ボックスを活用する方法については約三割程度、ケーブルを直接埋設する方法については約七割程度のコスト縮減が図られるものと見込んでおるところでございます。

国土交通省といたしましては、引き続き、関係省庁、関係事業者と連携をして、低コスト化につながる取組を進めて、更なる無電柱化の推進に努めてまいりたいと考えております。

委員御指摘の安全性という観点でございますけれども、今申し上げました管路を浅く埋設する方法、小型ボックスを活用する方法は従来の電線共同溝と比べまして同程度の安全性を有していると認識をしております。一方、ケーブルを直接埋設する場合は、電力会社によりますと、従来の電線共同溝に比べまして他の占用事業者が道路を掘削する際に感電災害と停電リスク、そういうものが高いという課題があるというふうに伺っております。

現在、直接埋設につきましては、関係省庁で直接埋設のケーブルの開発に向けて耐久性などの技術的な検証を行っているところでございますが、国土交通省といたしましては、今後、直接埋設方式の導入に際しまして、関係省庁と連携をして、海外の事例も参考にしながら、安全対策についても引き続き検討してまいりたいと考えております。

○山添拓君 安全性は是非確実に担保する形で進めていただければと思います。

それから、コストについても、最も安い方法を取ったとしても現状よりは、つまり電柱の方式よりは数倍にわたるコストになりますので、是非そこは低コスト化を進めるとともに、住民の負担が大きくならない方法が求められるかと思います。

そういう意味では、今、橋やトンネル、あるいは水道管なども含めて、様々な社会インフラが老朽化をしている、更新時期を迎えると言われています。今後、全国的に無電柱化についても進めていくということになれば、優先順位をどうするかということとともに、コストをどうするか、これも問題になりますし、国民的にも重要な関心事だと考えます。

例えば、国が直轄する国道について無電柱化を行う場合ですが、国と地方公共団体、それから電力会社など事業者の負担割合はどうなるか。あわせて、無電柱化を行う際に、道路上に引かれているいわゆる本線から各家庭につなぐ引込線、これは誰が費用を負担することになるのか、個人が負担することは想定されているか、これを御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。

電線共同溝事業の実施に際しましては、平成七年に成立いたしました電線共同溝の整備等に関する特別措置法におきまして、国、地方自治体、電力・通信事業者が費用を負担しているところでございますが、具体的には、管や升の電線共同溝本体の整備に関する費用は国、地方自治体が負担しておりまして、トランスなどの地上機器や電線等の整備に関する費用は電力・通信事業者が負担をしております。

具体的には、一キロ当たりおおむね五・三億円程度、これは委員御指摘のとおりでございますが、それぞれを今説明を申し上げました役割分担に応じて負担をしていると。結果といたしまして、国、地方自治体、電力・通信事業者の費用負担割合はおおむね一対一対一となっているところでございます。

それから、委員御質問の引込線の件でございます。

電線共同溝から民地へ電線を引き込むため、道路区域内に設置される引込み管は道路管理者が、道路区域外に設置される引込み設備は電線管理者がそれぞれ負担をしております。また、引込み管及び引込み設備に敷設される電線は電線管理者が負担をしております。電線管理者からは、このように、電線共同溝から民地への電線の引込みにおいて、沿道の利用者が費用負担することはないというふうに聞いております。

○山添拓君 国や公共団体が負担する分は税金を使うということですし、それから電線管理者、電力会社などについては電気料金などに転嫁することにもなりますので、その意味では国民負担も増えることになるかと思います。そういう意味で、国民の納得のいく形で進められる必要があろうかと思います。

ところが、無電柱化が進められる中で、本来この無電柱化によって目指そうとしている趣旨とは反するような事態があり、住民が困惑するという場面も生じています。例えば、トランス、変圧器を地上に設置するために、結局その部分は歩道の幅が変わらない結果となってしまったと。そうすると、安全な交通の確保という無電柱化の趣旨とは相入れないわけです。あるいは、東京都の千代田区では、東京オリンピックのマラソンコースに指定された道路で、無電柱化を進めるということでイチョウ並木を切り倒すんだと。こういう計画に住民の反対運動も起きていると伺います。景観の保護とは逆行するような施策になっていると感じます。

大臣はこうした事態をどのように認識をされているでしょうか。また、こういう事態を防ぐために工夫されている方策など、例がありましたら御紹介いただければと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 無電柱化を進めるに当たりましては、ガスや水道等の既存の埋設物を避けて管路や升などを設置する必要がございます。限られた道路幅で整備をするために、街路樹の位置に管路や升、地上機器を設置せざるを得ないこともあると認識をしております。

このような場合、地元住民との十分な合意形成を図りながら景観への影響を必要最小限とする整備手法が求められております。例えば、金沢市におきましては、地域住民、行政、関係事業者、学識経験者から成る協議会を設置して合意形成を図り、一部の地上機器を歩道以外の民地や公共の空き地に設置をしております。川越市におきましては駐車場の空き地に地上機器を設置したり、品川区の戸越銀座では、歩道のない商店街であることから、道路照明柱とトランスを一体的に整備するなど、地域の実情に応じて様々な工夫をしているところでございます。

また、主に低コスト化の観点から、関係省庁、関係事業者と連携をしながら、管路を浅く埋設する手法や小型ボックスを活用する手法などに取り組んでおりますけれども、これらは工事の影響範囲が小さくなりますので、景観等への影響を軽減するのにも有効だと考えているところでございます。

今委員が御指摘をいただいたところは都道の白山通りかと存じますが、これはイチョウが支障になることから、地元町内会や商店街の方々と時間を掛けて調整をして、伐採を最小限にとどめ、事業完了後はイチョウを植樹する予定と聞いてございます。

国土交通省といたしましては、地域住民の御協力をいただくとともに、地方公共団体及び関係事業者とも協力しながら、地上機器の設置場所の工夫や電線共同溝の小型化など、更なる技術開発を進めまして、良好な景観形成に向けて無電柱化を進めてまいりたいと考えております。

○山添拓君 是非、地域の特性に応じて住民の納得のいく進め方をされることが大事だと思います。

今度議員立法で目指している法案では、六条にあるんですが、国民が国又は地方公共団体が実施する無電柱化の推進に関する施策に協力するよう努めなければならないと努力義務を定めています。一方で、無電柱化は、まちづくりや道路整備、道路の拡幅工事と一体で行われることも多くございます。地域の実情に即して住民合意を得ながら進めることが求められるかと思います。

東京都の文京区では、不忍通りを拡幅して電線共同溝を設置する計画あります。歩道の電柱が通行の支障になるということで住民からも要望が出ていることなんですが、ただ、都市計画道路としての事業化はまだの段階です。すぐに用地買収に応じるわけにはいかないと商売を続けている方もおられると聞きます。無電柱化に協力する努力義務が法律として規定されれば、それを根拠に立ち退きを迫られるのではないか、所有権や営業権、居住権を制限されるのではないかと心配をされています。

法案に言っている国民の努力義務について、これは本来は発議者に確認すべきところですが、かないませんでしたので、大臣にお伺いしたいと思います。

無電柱化を進めるに当たっては、地域住民の丁寧な合意形成を図りながら進めることが重要だと考えます。大臣も先ほどそのように御答弁されていました。大臣に伺いたいと思いますが、こうした住民合意の形成を図っていくということについて、改めて御認識を伺いたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 無電柱化は、道路の防災性の向上、安全性、快適性の確保、良好な景観の三つの観点から重要な施策でございます。

無電柱化の推進に当たりましては、工事の実施や地上機器の設置場所について地元の理解と協力が不可欠でございますことから、無電柱化の目的や効果について国民の理解と関心を深めることが重要でございます。このため、国土交通省では、国民の理解と関心を深めるため、関係団体と連携をいたしましてシンポジウムやパネル展などを開催しているところでございます。

無電柱化を進めるに当たりましては、地域住民の意向を踏まえつつ、関係事業者とも調整を図りながら、更なる無電柱化の推進に努めてまいりたいと考えております。

なお、いわゆる無電柱化法案、本来、議員立法でございますので、政府としてお答えする立場にはございませんが、この法案の第二条では、基本理念として、無電柱化の推進が国民の理解と関心を深めつつ行われるものであること、地域住民の意向を踏まえつつ行われなければならないこととされております。また、法案の第六条の国民の責務は、この基本理念の実現のために国民が果たすべき役割を宣言的に規定するものであり、具体的には義務を課してはいないと、その違反に対して罰則が科されるものではないと承知をしているところでございます。

○山添拓君 是非、住民の合意が前提となるものであることを徹底しつつ進めていただきたいと思います。

次に、バスやタクシー、トラックの運転手の体調急変による事故の防止対策に関わって伺います。

パイロットには、航空法に基づいて航空身体検査が義務付けられており、身体検査の証明がなければ乗務ができません。乗客の安全と命を預かる仕事だからだと思います。しかし、同じく乗客の安全と命を預かる、あるいは事故を起こせば他の道路利用者にも危険を及ぼしかねない自動車運転手については、一般の労働者と同様の健康診断を受診する義務があるだけで、厳格な健康管理がされているとは言えないと思います。

衆法として審議される道路運送法と貨物自動車運送事業法の一部を改正する法案、ここでは、運転手が疾病により安全な運転ができないおそれがある状態で運転することを防止する措置をとるように事業者に求めています。

国土交通省として、この法案が成立すれば自動車運転者の健康管理に関わる規制を強化することにつながると考えているか、御認識を伺います。また、具体的にどのような施策を行うことが検討されているでしょうか。大臣にお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 事業用自動車の運転者の疾病運転防止のために健康管理に関する取組を進めることは重要な課題であると認識をしておりまして、本法案が成立した場合には、健康管理に関する取組を更に推進してまいりたいと考えております。

国土交通省では、現在、道路運送法等に基づきまして、運送事業者に対して、点呼による運転者の健康状態の確認の義務付け、運転者の定期健康診断の義務付け、運転者の健康管理マニュアルの遵守の徹底等を行っているところでございます。

これらの取組を更に推進することに加えまして、この法案が成立した暁には、脳ドック、心臓ドックなど健康起因事故対策に必要なスクリーニング検査について、医学的知見を踏まえた調査研究を実施をし、事業者として取るべき対応を含んだガイドラインを作成すること等を検討してまいりたいと考えております。

その上で、ガイドラインの活用促進により、事業者による自主的なスクリーニング検査の導入拡大に取り組むとともに、更に必要な措置について検討を進めてまいりたいと考えております。

○山添拓君 乗客の命と安全、また運転手の安全、健康のために是非進めていただきたいと思います。

以上で終わります。ありがとうございました。

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