山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2017年・第193通常国会

森友学園 土地値引き問題で追及 

要約
  • 森友学園の国有地売却問題で、財務省が値引き価格の見積もりを急いだ理由として、訴訟の恐れがあったとしているが、そのことに根拠がないことを質した。
  • JR北海道の経営破綻は、分割民営化に問題があったのではないか、大臣の認識を質し、鉄路の復旧を望む地域の声を聞くように求めた。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。

学校法人森友学園への国有地売却に関わって質問をいたします。

不動産鑑定で九億五千六百万円と評価された土地が八億一千九百万円も値引きされて森友学園がただ同然で土地を取得したと。こんなことが許されてよいのかと世論の関心も強く、メディアが大きく報じまして、国会で連日質疑が行われています。

この疑問点の一つは、言うまでもなく、航空局が行いました廃棄物の撤去費用八億一千九百万円の問題です。大阪航空局が不動産鑑定の前提として見積りを行うのは初めてのことだったとされています。撤去費用の算定は、今日午前中にもこの委員会で話題になりましたが、簡単に言えば、廃棄物の量掛ける撤去処分費用だと。廃棄物の量というのは面積とそれから深さと混入率で算出をされたわけです。

二〇一〇年に航空局が調査をした際に、廃棄物がある面積は全体の六割だと。五千百九十平米だと。混入率は四七・一%だと把握をされていたと。ただし、当時は三メートルまでしか調査をされていません。で、二〇一六年三月に森友側から、より深い部分に新たなごみが見付かったと報告を受けて、財務局の依頼により航空局が撤去費用を見積もることになったと。この算定の際に、廃棄物が埋まっている面積や、あるいは混入率、これは二〇一〇年の調査結果をそのまま用いたということで正しいかどうか。

また併せて、くい打ちを行う九・九メートルの深さ、あるいは三・八メートルの建物部分の深さ、この部分で新たにごみが見付かったということについては、関係者からのヒアリング、あるいは廃棄物を含む残土があるのを確認して、それで見積りに反映させたんだと、こういうことでよろしいかどうか、併せて答弁をお願いします。

○政府参考人(佐藤善信君) それでは、地下埋設物の除去処分費用の見積りに当たってどのような考え方で行ったかということについて御説明を差し上げたいと存じます。

まず面積でございますけれども、この地下埋設物が存在すると想定する範囲、五千百九十平米と設定してございますけれども、これは、今委員御指摘の地下構造物状況調査等によりまして、廃材、廃プラスチック等のごみが確認された箇所であること、それから、九・九メートルまでの深さのくい掘削工事の工事写真により、掘削を終えた掘削機の先端部に絡み付くほどの廃材、廃プラスチック等のごみが発生しているということや、全長十メートルのドリルで掘進している最中に廃材等のごみを含む土が発生している様子などが確認されていること、それから、新たに地下埋設物が発見されたことを受けまして、工事関係者が試掘を行って、三・八メートルの深さから廃材、廃プラスチック等のごみが発見され、これを四月五日に現場確認を行い、試掘場所周辺に廃材等と混じった砂が積み上げられていることを確認したこと、こういったことを総合的に勘案をいたしまして、面積につきましては五千百九十平米、本件土地の総面積の六〇%程度を見積りの対象範囲とまず設定をしてございます。

それから、次に埋設物の混入率四七・一%でございますけれども、これにつきましては、やはり委員御指摘の平成二十二年、大阪航空局が実施をいたしました地下構造物状況調査におきまして、おおむね三メートルの範囲を対象に地下レーダー探査及び試掘を行ったところ、廃材、廃プラスチック等のごみの混入率が四七・一%であったことを踏まえて見積もっております。

本件土地においては、平成二十八年三月十四日に現地で確認をいたしました九・九メートルのくい掘削工事から出てきたごみと平成二十八年四月五日に現地で確認をいたしました工事関係者による試掘で三・八メートルの深さから出てきたごみは、いずれも平成二十二年の調査にある廃材、廃プラスチック等のごみと同じ種類のものと確認をしております。したがって、地下埋設物の撤去処分費用の見積りに当たっては、くい掘削場所については九・九メートル、それ以外の場所については三・八メートルまでこの埋設物混入率四七・一%を使用してございます。

それから、今ちょっと先に申し上げてしまいましたが、深さについてでございます。まず、くい掘削箇所についてでございます。平成二十八年三月十四日の現地確認におきまして……(発言する者あり)よろしゅうございますか。

それから、あと残り三・八メートルにつきましても、先ほども申しましたが、事業者の試掘により確認を行ったということでございます。

○山添拓君 少なくとも、航空局が二〇一〇年、平成二十二年に自ら行ったような調査を経ることはなく、廃棄物の量を一万九千五百トンだと算出したわけです。八億一千九百万円、これを算定する基礎となる重大な部分について、第三者による確認はおろか、自らも確認することなく数字を当てはめたんだと。ごみ処分の費用の見積りについては初めて航空局が行うことであるにもかかわらず、異例のことであるにもかかわらずこういうやり方をした、だから根拠がないんではないかと批判されているところです。

こんなに急いで見積りを行うに至ったのはなぜなのか。この間の国会審議では、理財局は次のように説明をされています。三月に新たに廃棄物が発見されたが、当時、国は森友学園に土地を貸している立場だったと。国が撤去する必要がある、学園の開設が遅れると損害賠償を請求される、だから国において廃棄物の撤去費用を見積もり時価から控除することにしたんだと。これは間違いないでしょうか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

平成二十八年三月の時点でございますけれども、それに先立ちまして、平成二十七年五月に近畿財務局と学校法人森友学園との間で有償貸付契約を締結しております。

○山添拓君 済みません。そういう答弁をされているかどうかということの確認ですから、そこだけお答えください。

○委員長(増子輝彦君) 委員長の許可を得てから御発言をください。

○政府参考人(中尾睦君) 当時、契約相手方である森友学園は、学校開設が迫る中、工事建設を進め、生徒の募集をしようとしておりましたが、仮に国による地下埋設物の撤去に時間が掛かり、これが原因で開校が遅れる、あるいは開校できないような事態ともなれば、国は契約の相手方である森友学園から損害賠償の訴訟を起こされるおそれがあったと考えております。

したがって、国において地下埋設物の撤去費用を見積もり、土地の売買価格に反映させることで時価による売却を行いました。

○山添拓君 財務局が廃棄物を確認したのが三月十四日だと。それ以降、損害賠償の請求を考えていると森友側から指摘を受けたことはありましたか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

三月十一日に国有地工事で新たな地下埋設物が見付かり、三月十四日に近畿財務局と大阪航空局において埋設物の状況を確認しております。その後、近畿財務局は、新たに発見された地下埋設物への対応につきまして、森友学園側との打合せを通じ、損害賠償請求の可能性を認識し、検討をいたしておりました。

○山添拓君 そこははっきりしません。森友は損害賠償請求するぞと言ったんですか。もう一度お答えください。

○政府参考人(中尾睦君) 繰り返しでございますけれども、近畿財務局の認識として損害賠償請求の可能性がある、これを森友学園側との打合せを通じて認識しておったところでございます。

○山添拓君 つまり、森友側からは具体的に指摘がないのに、先回りをして勝手に訴訟になったらどうしようかと不安がっていたということなんです。

損害賠償を請求されるおそれがあったとおっしゃるんですけど、近畿財務局はそれでどこかへ相談されたんですか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

近畿財務局には、管財部に訴訟対応部門があるほか、財務局の業務に関する法律相談を専門的に受け付けている部門もあり、いずれの部門も法曹資格者を有しておるところでございます。このような体制の中で、地下埋設物への対応につきまして訴訟リスクの可能性も認識し、検討を行っておりました。

○山添拓君 過去に類似した事案があるのかどうか、どういう請求がされ得るのかどうか、その請求は妥当なのかどうか、どう対応すべきなのか、そういう法的見解について依頼をして、照会を掛けて、回答を受けたと、こういうことですか。

○政府参考人(中尾睦君) 財務局部内の検討について詳細な記録が残っておるわけでもございませんけれども、損害賠償の内容につきまして一概に申し上げることは困難でございますが、工事の遅れに伴う追加費用など直接的なもののほか、開校の遅れによる様々な被害や、生徒、父兄への対応などが考えられるところでございます。

○山添拓君 今、工事の遅れによる開校の遅れ、こういうことをおっしゃいました。国による埋設物の撤去が遅れると開校が遅れる、こういうことをこの間、予算委員会でも答弁をされているかと思います。

そもそもこのごみは撤去しなければ学校は建てられないと考えていたということなんでしょうか。くい打ちの過程でごみが見付かったんだと。くい打ちの箇所のごみはくいを打てば外へ出ちゃうわけです。校舎や体育館を建設する上で何か問題があるんでしょうか。そのことを確認されましたか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

国は、平成二十七年に締結した有償貸付契約の下で本件土地の貸主として使用収益に適した用地を提供する義務を負っておりまして、何かしらの方法で地下埋設物に対応しなければならない立場でございます。学校建設用地ということも前提としながら検討を進めさせていただきまして、先ほど来申し上げた対応を行っておるところでございます。

○山添拓君 お答えになっていないです。校舎や体育館の建設に、深いところのもの、新たに見付かったと言われた、ごみが影響があったのかどうか、これを聞いているんです。どう確認されたのか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

学校建設に支障があるという認識の下で、先ほど申しておりますとおり、貸主としての何らかの対応をする義務を負っておったということでございます。

○山添拓君 学校建設に支障があるということなんですけれども、少なくともくいを打つ九・九メートルの深さの分、これはくいを打てば当然その中身は外へ出てくるわけです。ですから、元々入っているものにごみが混在していようが、抜いてしまうわけですから問題ないはずです。それから、少なくとも深さ三メートルまでの部分ですね、これは二〇一〇年の調査の段階でごみが入っていることは判明していた、借地契約上も明記されています。森友側ももちろん把握をしている。撤去する必要があるんだったらとっくの昔に撤去しているはずなんです。現に、コンクリート殻などは一億三千百万を掛けて既に工事をして取り除いている。そのときほかのごみはそのままにしておいたんです。

このほかのごみをそのままにしておいたことについて財務局が埋め戻しを指示したのかどうか問題になっていますけれども、それがどちらであるかはともかく、そのままでも工事の支障にはならない、こういう前提だったんじゃないでしょうか。森友側もまたそういう前提だったんじゃありませんか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

新たに見付かりました埋設物についてでございますけれども、まず、森友学園側からは、学校工事を急ぐ中で何とかしてほしいという、そういうお声でございます。

それから、コンクリートくいを打ちまして、木材なんかが、古いものが混じって腐ってしまうと支障があるといったようなこともあったのではないかというふうに承知をいたしております。

○山添拓君 何とかしてほしいって何ですか。具体的にそのごみを撤去しなければ工事ができないと言われたのかどうか、明確にお答えください。

○政府参考人(中尾睦君) お答え申し上げます。

国として適切な対応をしてほしいということを森友学園側から要請を受けておったところでございます。

○山添拓君 結局、具体的にこのごみを撤去しなければ校舎は建てられないんだ、体育館は建たないんだ、こういう話ではないということではないかと思います。

それから、くいを打つ部分についてもごみがあったら困るんだとおっしゃいましたけど、何度も言いますが、くいを打つからにはその部分については外へ出してしまうわけですから問題はないはずだと。大体、この間、大阪航空局において見積りをしたごみを撤去する必要があると言っている部分についても、九・九メートルまで全域について撤去するというわけじゃありませんね。くいを打つその穴の部分だけ撤去すると言っているんですよ。だけど、穴の部分はくいを打てば当然外へ出てくるわけです。ですから、今の御説明では、このごみを撤去しなければ建物は建たない、学校開設ができない、この理由には全くならないと思います。そもそも、この時点では、既に学校建設の、学校の開校は一年先延ばしにされていました。開校が遅れるような問題はなかったんじゃありませんか。

○政府参考人(中尾睦君) まず、今委員御指摘の、当初の開校予定が一年遅れました理由、原因につきましては、当時、北側の阪神高速道路から多量の土砂が流入したでございますとか、そういった事情によって一年延期といった経緯はございました。それから、繰り返しでございますけれども、仮に国による埋設物の撤去に時間が掛かって、これが原因で学校が遅れるような事態となりました場合には、先ほど申し上げたような法律上の責めを負うというリスクがあったわけでございます。

こうした中、当時の貸付契約には、貸付期間中いつでも学園側が買受けできるということになっておりましたことも踏まえて、それからあと、これ以外の瑕疵につきまして国が将来の一切のリスクを断ち切るということを前提に、瑕疵担保免責条項を設けることで時価で売却することといたしたものでございます。

○山添拓君 そんな話は特に聞いているところではありません。

森友学園が国に損害賠償を請求するその理由は、今の御説明では、国が廃棄物を撤去するのに時間が掛かる、それによって開校が遅れる、こういうことだと思いますが、国が埋設物を撤去するのに時間が掛かるなんてことは、そんなことは具体的に検討したんですか。どれぐらいここからやったら掛かるなということを検討されたんですか。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

仮に国が直接撤去工事を行おうとする場合には、入札手続を経る必要があると考えております。入札手続につきましては、仕様書等ができておりましても、最短でも一か月、通常の場合は三、四か月ほど掛かるということも含めて検討いたしたところでございます。

○山添拓君 いや、現にこの校舎の基礎工事は四月に入ってから始まっていますから、十分時間はあったんですよ。それぐらいの時間は十分確保することができたし、校舎は建設を始めて、完成したのは昨年の八月ですから、三か月以上掛かっているわけです。それぐらいの時間は元々掛かるものだったと。何もここで慌てて急いでやる必要はなかったと。訴訟のリスクなど実際にはまともに検討したことはないというのが事実ではないかと思います。損害賠償請求のおそれを考慮して見積りを急いだなどという答弁は撤回すべきだと。見積りを急ぐ理由にはならないではないかと思います。

改めて答弁をお願いします。

○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。

国は、本件土地の貸主として使用収益に適した用地を提供する義務を負っており、何かしらの方法で地下埋設物に対応しなければならない立場でございます。

それから、平成二十八年三月当時、開校をおよそ一年後に控えて、既に設計を終わらせて工程が進められておるところでございます。そういう森友学園側の進めようとしている工事に新たな地下埋設物に対応する国の工事を別途切り分けて行うという場合には、予定している学校の建設工事と地下埋設物工事、様々な調整も必要になってまいりますし、先ほど申し上げましたとおり、国の地下埋設物撤去作業自体も入札等によって相当時間が掛かるということで、開校が遅れるというリスクを想定しておったところでございます。

○山添拓君 全体として森友の側に極めて有利になるように優遇をしてきた、こういうことではないかと思います。

元々売買予約付きの賃貸借契約を結んできました。売却することが前提だとすれば、ごみの撤去は国の側でやるのが原則になるはずです。ところが、この賃貸借契約に当たっては森友側の求めに応じて賃料を下げてきて、そして、航空局としては前例のないごみの処分費の見積りを行い、その見積りでは森友側の言いなりでごみの量を決めると。大幅な減額をした上で実際にごみの撤去をするかどうかも分からない相手に丸投げをすると、言わば国の責任を回避するために異例の待遇で便宜を図ったものだと。ですから、国民の多くが疑念と、それから怒りを持つのは当然のことだと思います。籠池氏の参考人招致を含めて、引き続きこの問題は徹底して追及したいと思います。

時間が余りありませんので、予定していましたもう一つの話題に行かせていただきます。

今年、国鉄分割・民営化から三十年を迎えます。この間、JR北海道問題などを背景に国会でも議論がされてきました。分割・民営化の在り方自体に関する質問もされており、麻生財務大臣は、商売の分からない人が考えたものだ、びほう策を取っても完全に黒字にはならないだろう、あるいはJR北海道をどうするという話は根本的なところを触らずしてやるのは無理だろう、こういうことも述べています。

こうした財務大臣の発言も踏まえて、石井大臣は分割・民営化の在り方そのものについてどのようにお考えか、答弁をお願いします。

○国務大臣(石井啓一君) 御質問にお答えする前に、先ほど委員から、ごみ処理費用を初めて大阪航空局として見積もったという趣旨の御発言がございましたが、大阪航空局といたしましては、近畿財務局から依頼をされて地下埋設物の処分の費用を見積もったのは初めてでございますが、大阪航空局が自ら発注した工事においては、地下埋設物の処分を含む工事の発注件数は多数あるということでございます。正確に私の方から補足をさせていただきたいと思っております。

今のお尋ねでございますが、国鉄の分割・民営化によりまして効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体としてサービスの信頼性や快適性が格段に向上いたしました。国民の皆様からもおおむね国鉄の分割・民営化に対しては高い評価がいただいているというふうに理解をしてございます。経営面におきましても、JR本州三社に続きましてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。

一方、JR北海道は、地域における人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達によりまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれておりますが、様々な経営努力を重ねるとともに、国といたしましても、これまで、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付けなどの支援を行っているところでございます。

引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえまして、完全民営化に向けた取組を進めるとともに、JR各社による鉄道サービスが各地域において求められる役割を果たしていくことができるよう努めてまいりたいと考えております。

○山添拓君 いまだにJR北海道の完全民営化を目指してやっていくんだという発言。今、JR北海道の問題を考える際に分割・民営化に遡って検証が必要だということは、麻生大臣はもちろんですが、多くの方に共有される考え方です。大臣もその姿勢に少なくとも立つべきだと私は思います。

JR北海道がそういう国の姿勢の下で黒字化、民営化のために何を行ってきたのか。お手元に資料の三というのがありますけれども、この間、JR北海道は、経営安定基金の運用益が下がってくる、赤字は続く、しかし黒字化を迫られる、こういう中で、人件費を減らし、あるいは設備投資費を減らす、老朽化した施設についてもその更新を後回しにしてきた。こういう中で、二〇一一年の石勝線の事故以降、安全に重大な影響を及ぼすような事故やトラブルが相次ぐという事態に陥っています。赤字の会社を基金の運用益で救済するというスキームが崩れてなおも黒字化、民営化を迫ってきた、この分割・民営化とその後の国の無策自体が問題の根本にあると考えます。

JR北海道、この間、安全が維持できない経営状況のために、単独では路線を維持できないのだと、約半分の路線を鉄道では続けられないと白旗を上げるに至っています。国は、地域との協議を見守るんだと、沿線自治体の負担についても今後の議論で検討される、こう言っていますが、JRが現に行っている対応は、廃止とバス転換の押し付けです。地域の声を聞く意思すら疑わしい状況となっています。

日高本線、私も昨年の暮れに訪れましたけれども、地域の自治体協議会では復旧を目指すと一致しているにもかかわらず、JRが一方的に沿線自治体に対して復旧断念と伝えてきたと。しかし、バス転換ではなく鉄道での復旧が必要だという住民の声があります。

この終点の様似から苫小牧まで行こうと思えば、今、朝六時前の代行バス、そして列車を乗り継いで、苫小牧に着くのは十二時になるんだと。かつてのダイヤでは九時過ぎには到着していたと。病院の午前の受付に間に合わない状況だと。子供が函館や札幌に住んでいるが、六十代、七十代になって長距離の車の運転はできないんだ。こういう声が聞かれています。

○委員長(増子輝彦君) 時間が過ぎておりますのでおまとめください、御発言を。

○山添拓君 はい。

沿線の皆さんの鉄道を必要とする具体的な声を大臣も聞くべきではないでしょうか。自治体に対して財政的な負担を求めて、応じられなければ切り捨てる、こういうやり方を国は認めるんでしょうか。認めるべきではないと思いますが、大臣の答弁をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○委員長(増子輝彦君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えを願います。

○国務大臣(石井啓一君) JR北海道は、路線によっては大変厳しい状況に置かれてございまして、今後、地域の意見を謙虚に聞きながら持続可能な交通体系の構築に取り組んでいく方針というふうに聞いておりまして、私どももその地域との協議に国としても参画をし、国としてどういったことができるか検討していきたいと思っております。

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