山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2019年・第198通常国会

都心低空飛行の羽田新ルート問題について質問

要約
  • 国交委員会で羽田空港新ルート問題について質問。地域説明会でマスコミ取材や参加者の録音・録画を禁止したことについて、今後は応じるよう求めました。ルート変更の際は周辺自治体と「協議する」としていた合意も守らず、新ルートの解禁は許されないと強調。引き続き住民運動と力をあわせ追及します。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
羽田空港の新飛行ルートについて伺います。
安倍政権は、首都圏空港の機能強化策として、羽田空港の国際線発着容量を増やすために都心上空ルートを計画し、石井大臣は、今国会の所信でも、地元の理解を得ながら進めると述べました。
ところが、大臣は、二月十二日の記者会見で、新飛行ルートを実施した後の増枠分について、アメリカとの意見交換を行っており、増枠分の半数に当たる一日二十四往復が日米路線に割り振られ、その半数の十二往復がアメリカの航空会社に配分されるという共通認識を持つに至ったと、こう述べております。
大臣、これは事実でしょうか。地元の理解が得られたわけでもないのに、これは余りにも拙速ではありませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 羽田空港の増枠に関しましては、できるだけ多くの方々から理解を得られるよう、引き続き丁寧な情報提供を行っております。
一方で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでの増便を目指す上で必要なスケジュールを勘案をしまして、その準備行為の一環として米国との意見交換を行い、発着枠数が増枠した場合に米国向け路線に割り当てる発着枠につきましては、日米双方に十二枠とすることで共通認識を持つに至ったものであります。
いずれにいたしましても、米国との意見交換はあくまでも準備行為の一環でありまして、発着枠の配分に係る正式な手続は、今後、地元の御理解が得られた後に進め、決定してまいりたいと考えております。
○山添拓君 報道では、横田空域を通過することの見返りではないかと、こういう観測も出されています。
訪日客四千万人達成のための都心上空ルートだと言いながら、訪日客の現状では八割以上を占めているアジアからの路線ではなく、北米路線に半分を割り振るというのもこれは不可解な話であり、何より、地元の理解はこれからだというのに、先走りだということを指摘したいと思います。
港区の市民団体みなとの空を守る会が、区内の飛行ルート下の住民にアンケートを行い、昨年十一月に調査結果を発表しています。千三百四十四通の返信によれば、新飛行ルート計画について、内容を含め知っているは三七%、聞いたことはあるが内容はよく知らないと全く知らないを合わせると六二%。計画について、中止してほしいが八五%、不安も三四%、賛成と答えたのは僅か一・三%でありました。
国交省にもこの結果が届けられていると伺います。先ほど与党議員の質問に対しても丁寧な情報提供という答弁ありましたけれども、大臣、これは地元の理解は進んでいないと、こういう認識はお持ちですか。
○国務大臣(石井啓一君) 羽田空港の機能強化につきましては、できるだけ多くの方々に御理解をいただくため、これまで五巡にわたりオープンハウス型の住民説明会を開催するなど、丁寧な情報提供を行ってきたところであります。
住民説明会等を通じまして、羽田空港の利便性の向上に対する期待の声をいただく一方、航空機からの騒音や落下物等への心配の声もございます。これを受けまして、飛行高度の引上げや低騒音機の導入促進等の騒音対策、落下物対策等に取り組んでいるところであります。
国土交通省といたしましては、飛行経路の見直し等による羽田空港の機能強化は必要不可欠と考えております。引き続き、騒音対策や落下物対策等に取り組むとともに、今後とも丁寧な情報提供を行い、より多くの方から御理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 昨年秋の段階でも、計画そのものを知らない、そして知ったからには反対、中止を求めるという声が圧倒的です。ですから、これまでの国交省のやり方では地元の理解など得られないということであります。
国交省は、当初、パネルによる展示中心のオープンハウス型説明会に固執をし、いわゆる教室型の説明会、国交省の説明や参加者等の質疑応答をその場の全員が共有できる形での説明会を拒んできました。住民の皆さんや自治体の繰り返しの要求に押される形で、二月末までの第五フェーズでは、ようやく品川、江戸川、渋谷、新宿、港の合計二十六か所で教室型の地域説明会を行うに至りました。資料の二ページにその一覧をお示ししています。
ところが、この地域説明会では、マスコミの取材は冒頭と事後ブリーフィングのみで、住民による録画や録音も禁止をしたと伺います。これはなぜですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
羽田空港の機能強化につきましては、できる限り多くの方々に御理解をいただくために、これまで新経路下となる地域を中心に、延べ九十七回以上、百六十三日間にわたりオープンハウス型の住民説明会を五巡開催をいたしまして、約二万七千九百人を超える方々に御参加をいただくなど丁寧な情報提供を行ってきたところでありまして、マスコミの取材にも対応してまいりました。
お尋ねのありました地域での説明会につきましては、オープンハウス型の説明会を補完するものとして、会場周辺の地域住民の皆様などを対象といたしまして開催しているものでございまして、住民の方々が自由に安心して発言できる環境を確保する観点から、マスコミによる会場内での取材や参加住民の方々による録音などはお断りをしております。なお、地域での説明会終了後におきましては、必要に応じてマスコミの取材にも対応をいたしております。
国土交通省といたしましては、引き続き、地元の方々に対して様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供を行い、幅広い御理解を得た上で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに新経路案を運用できるよう準備を進めてまいります。
○山添拓君 ちょっと、聞かれたことに答えていただければ結構です。
それで、住民の側からは、むしろマスコミを通じて多くの人に知ってほしいという声が出ているんですよ。今、航空局長は住民に配慮をしてマスコミの取材制限したとおっしゃいましたけど、地域説明会、これはさらに今後も開催するように求められた場合には、取材にも応じるし、住民による録音、録画も応じる、住民の側が、あるいは自治体の側がそれを許可すれば、それでもいいということですね。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
地域の説明会につきましては、先ほど申し上げたとおり、住民の方々が自由に安心して発言できる環境を確保する観点から、マスコミによる会場内の取材や参加住民の方々による録音はお断りすることとしておりますが、専門家から成ります羽田空港機能強化に関するコミュニケーションのあり方アドバイザリー会議の御意見なども踏まえまして、より多くの方々が参加をでき、一人一人の御関心に丁寧に対応でき、マスコミの方々にも御参加いただけるオープンハウス型の説明会を開催してきたところでございます。
今後とも、関係地域の自治体とも御相談の上、様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供を努めてまいります。
○山添拓君 今後も一切マスコミは入れない、録音、録画は許さない、こういうことなんですか。それはおかしくないですか。検討してくださいよ。
○政府参考人(蝦名邦晴君) ただいま申し上げましたとおり、オープンハウス型の説明会を補完する形でやっておりまして、住民の方々の自由な、安心して発言できる環境を確保する観点からそのような形で対応させていただいておりますが、様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供を、今後とも自治体とも相談の上、進めてまいります。
○山添拓君 住民の皆さんは安心して発言されています。
住民の皆さんがいいと言った場合には認めていただけますね。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 関係自治体とも御相談の上、様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 例えば品川区などは、取材の拒否は国の判断だと、こう議会で答弁もされていますので、国の方で判断をした上で、当然こういった取材、あるいは録音、録画も許可をするように検討していただきたいと思います。
とりわけ不安の声が大きいのが騒音ですが、国交省は高度ごとに飛行経路下の最大騒音値の推計値を示して住民に説明しています。資料の三ページにありますが、例えば、着陸時の高度三千フィート、約九百十五メートルの場合には、最大の騒音レベルは七十デシベルとされています。新飛行ルートでは、これは新宿付近の上空の高さに当たります。
ところが、国交省の実測値ではより大きい値が検出されております。資料の四ページを御覧ください。これは、我が党の都議会議員の求めに応じて国交省が提出した資料です。羽田空港のB滑走路に着陸する現行の飛行ルートの周辺、江戸川区二之江中学校で昨年九月に検出された騒音の最大値は七十八・一デシベルでした。これは、七十デシベルの、音の大きさでは六・四倍のものに当たります。これ、ちなみに八十デシベルですと、パチンコ店内ぐらいとされております。
国交省に伺いますが、住民に示している最大騒音値を上回る騒音が生じることも、これはあり得るということですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
お示ししている最大の騒音値は、過去の航空機騒音調査によって取得したばらつきのあるデータから標準的な値を推計しているものでございます。推計においては、航空機一機が観測地点の真上を通過する際に騒音値がピークを迎える前提に立って計算をしております。
他方で、実際の騒音値につきましては、離陸重量等の運航条件や風向き等の気象条件によって標準的な値からの変動が起こり得るものでございますし、また、音の伝わり方は周辺の建築物、地形等の影響を受けるものでございまして、実際の測定値については標準値からずれる場合があると認識しております。
○山添拓君 ずれる場合もあり得ると。
これ、一気圧、二十五度、湿度七〇%、無風の状態を前提とした推計値ですので、気象条件などが変われば、当然それより上振れする可能性はあると。
国交省の現在の測定ポイントは十六か所あります。それぞれの実測での最大値を示して、住民への説明と実測値との乖離、これ実際にはどうなのかということを明らかにしていただくべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 実際の測定におきましては、先ほど申し上げましたように、気象条件や機体の状態などによって一定の変動が生じるものでございますけれども、また、周囲の建造物等の影響もありますことから、特定の条件下でまれに発生する最大値ではなくて、標準的な値をお示しをしております。
いずれにいたしましても、航空機の騒音に係る環境基準などにつきましては、環境省の告示において、国際的な動向にも合致をいたしますLdenという単位が採用されておりまして、これはある場所における航空機騒音の総エネルギーの平均値を評価して行っているものでございまして、今後、こうしたものを中心に御説明をしていくことになると思っております。
○山添拓君 済みません、聞かれたことに答えていただきたいんですけど。
一か所しか出していないんですよ。あと十六か所あると思いますので、あと十五か所ですか、それも出していただきたいんですが、検討いただけますか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 実際にどのような測定値になっているかということについては、ちょっと持ち帰って調べてみないと分かりませんので。
○山添拓君 お調べいただきたいと思います。
二〇一〇年に羽田空港の四本目となるD滑走路の供用開始に当たって、国交省が空港の運用変更を提案したのに対して各自治体から要望が出されました。例えば大田区では、空港と地域がより良い共生の関係を築くために、下記の事項の誠実な履行をもって提案を了承することとしたと、こういう書きぶりで、離着陸ルートや滑走路運用についての条件を提案して、これらを変更しようとする場合は大田区と協議することと、こういう要望を書面にして国交省に提出しておりました。
資料の五ページを御覧ください。これに対する国交省の二〇一〇年五月十四日付け回答文書には、昼間時間帯南風悪天候時着陸における神奈川・都心北上ルートについては設定しないなどとした上で、資料の六ページになりますが、これらの事項を変更しようとする場合は大田区と協議するとしています。
大臣に伺いますが、当時のこの文書に基づいた協議は大田区と行いましたか。
○国務大臣(石井啓一君) 羽田空港の飛行経路の見直しなどに当たりましては、新経路下の住民の方々への情報提供と並行いたしまして、地方公共団体から御理解を得られるよう丁寧な御説明を行うとともに、地方公共団体等により構成されます首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会等を開催をしております。
このような場を通じまして地方公共団体から御意見をいただいているところでありますが、大田区等の一部の地方公共団体に対しましては飛行経路や滑走路運用の変更等に関して協議を行う旨を文書でお示しをしていることから、今後とも、大田区等に対して丁寧な情報提供を行うとともに、必要な協議を行ってまいります。
国土交通省といたしましては、関係地域の地方公共団体と連携をしながら、羽田空港の機能強化の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
○山添拓君 ちょっと答えていただいていないんですけれども、大田区は議会で、今後、この文書に基づいて適切な時期に協議すると答弁しているんですね。まだ協議やっていないという認識を示されているんですよ。
国交省、いかがですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
大田区等の一部の公共団体等に対して飛行経路や滑走路運用変更等に関して協議を行う旨の文書をお示ししておりますことから、今後とも、大田区等に対しては丁寧な情報提供を行うとともに、必要な協議を行ってまいりたいと考えております。
○委員長(羽田雄一郎君) おまとめください。
○山添拓君 必要な協議を行っていないというのは、私、重大な手続的な瑕疵だと思いますし、協議が調わない限り新飛行ルートを解禁するなど許されないということを強調しまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

ページ
トップ