山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2019年・第198通常国会

JR北海道・日高本線の復旧問題と北海道新幹線の赤字について

要約
  • 国交委員会で、2015年の高波被害で不通となっている日高本線について、JR北海道が復旧と引替に廃止合意を迫った事実について質しました。また、国交省がJR北に対し、すでに赤字の出ている北海道新幹線によって「効果を発現」させることで経営自立を求めたことについて矛盾を明らかにしました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
JR北海道をめぐる問題について伺います。
日高本線の鵡川―様似間は、二〇一五年一月に高波被害を受けて以来、復旧工事が行われることなく不通が続いています。地元の皆さんが被災当初から早期復旧をと願っていたにもかかわらず、JR北海道は本格的な復旧に着手せず放置し、二〇一六年十一月には、JR単独では維持困難な線区の一つとして公表するに至りました。
これ、日高本線というのは海岸ぎりぎりを走る区間が結構長いんですが、鉄道護岸と呼ばれる海岸線はこの区間に何キロあるか、また被災したのはそのうち何キロか御説明ください。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
三月十一日にJR北海道に確認した結果、日高線の不通区間における鉄道護岸の総延長は約十二キロでございます。このうち、平成二十七年から二十九年の一連の高波台風により被災した護岸の総延長は約一キロメートルと承知しておるところでございます。
○山添拓君 資料の一ページに北海道新聞の記事をお配りしています。
今、被災延長は一キロぐらいだという話だったんですが、道庁が昨年十一月に行った調査によれば、二〇一七年十月の前回調査に比べて被災箇所が拡大をしていたということであります。高波の影響で護岸壁が崩れて亀裂などが生じた箇所は十二か所から三十五か所、三倍に、被災区間の総距離は千九十二メートル、一キロから、二千七百九十四メートル、二・七キロ、約二・五倍に増えたと。放置をしてきたために被害が拡大をして、土砂が流出をする。タコ漁ですとか昆布漁に被害が出ているとか、国道の浸食や、あるいは背後地にある事業所への影響なども懸念をされております。
鉄道護岸の維持管理の責任というのは、もとより管理者である鉄道事業者が負います。
そこで、大臣に伺いますが、国交省はJR北海道に対して、管理者として護岸の復旧を行うように、これ指導するべきではありませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 日高線は、JR北海道において、被災箇所の被害の拡大防止及び第三者である道路や民間家屋等に対する被害防止のために、大型土のうや消波ブロックの設置等の応急対策工事を実施するとともに、定期的に沿線の巡回を行う等、必要な対策を講じていると承知をしております。
被災箇所の被害の拡大防止の責務はJR北海道にあり、国土交通省といたしましては、JR北海道に対しまして、そのために必要な対策が確実に実施されるよう、引き続きしっかり指導をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 被害の拡大をさせないその責任はJRにあるということが答弁されました。しかし、やっているのは応急対策だけでありまして、護岸の復旧を本格的には行っていないわけです。
資料の二ページも北海道新聞の記事ですが、一月二十八日に行われた沿線七町長の会議、ここにはJRは出席しなかったようでありますが、代わりに道庁の幹部が行った説明として、次のように報じられております。七町が同区間の廃止に合意することを条件に、JR北海道が海岸保全などを目的として、被災した鉄道護岸の復旧に着手する意向であることが分かった。大臣、これ事実ですか。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘の報道については承知をしております。
JR北海道は、既に平成二十九年の二月に日高線の鵡川駅―様似駅間の鉄道事業の廃止について正式に地元に申し出ております。一方、JR北海道は、本年一月の日高線臨時町長会議において、これまで課題となっていた鉄道護岸の補修及び維持管理について、対象範囲、方法、金額等に関する協議をしていきたい旨を北海道庁を通じて関係自治体に示したところと聞いております。
いずれにいたしましても、日高線の在り方につきましては地域の関係者による協議が行われているところでありまして、国土交通省としては、地域の協議に参画をし、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた取組に対する必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○山添拓君 これは事実だということなんですね。
では、大臣、護岸復旧と引換えに沿線自治体に廃止を迫るこういうJR北海道の態度、これ許すんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 私は委員の問いに対しまして、二十九年二月に既にJR北海道は鉄道廃止についてもう正式に申し出たと、今般の申出は、鉄道護岸の補修及び維持管理について、対象範囲、方法、金額等に対する協議をしていきたい旨を申し出たということで、この二つに関して直接の関連はないものと理解をしております。
○山添拓君 これは道庁による説明は間違いだということですか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
道庁におきましては、JR北海道から提出をされました護岸に関する当社の考え方についてというペーパーに基づきまして地元の町長さんたちに御説明したと伺っておりますが、元々、実際の廃止に関しましては以前より……(発言する者あり)はい、失礼します。
○山添拓君 これ、すごく地域の皆さんに不安を与えているんですよ。今おっしゃったペーパー、委員会に提出してください。
委員長、お取り計らいください。
○委員長(羽田雄一郎君) 後ほど理事会にて取り扱わせていただきます。
○山添拓君 鉄道護岸の管理責任が鉄道事業者にあるのは、これ鉄道事業を営む主体だからにほかならないわけです。にもかかわらず、今大臣いろいろおっしゃいましたけれども、沿線の皆さんには、廃止をのむなら護岸復旧だと、こう伝わっているんですよね。
こういう姿勢を取っているんだとすれば、これは廃止が護岸復旧の前提ということでは矛盾があるわけです。廃止を前提とする復旧であれば、鉄道復旧のための国の支援というのは受けられないんですね。そのため、JRも自らの負担で復旧するとは言っていないわけです。これ、地元を二重にだますようなやり方を許すべきではありません。
JR北海道は、今大臣からもありましたように、この区間、赤字を理由に廃止しバス転換をするという方針を示しております。
しかし、例えば、JR日高線を守る会が二月二十日に浦河町で開いた集会では、苫小牧から新ひだか町の日高三石まで列車と代行バスで三時間半ぐらい掛かって本当に疲れた、トイレもないので水も飲まないで我慢して乗った、バスしかなくなったら大変だと思った、団塊世代前後の人たちが運転免許証を返還した後が心配だと、こういった意見が出されて、復旧、存続を求める声が強く上げられました。沿線の七町長会議でも、全線復旧の選択肢を残して今協議が進められております。
国交省は、昨年七月二十七日、JR北海道に経営改善を求める監督命令を行いました。資料三ページにお配りしております。
この中では、事業範囲の見直しとして、鉄道よりも他の交通手段が適しており、利便性、効率性の向上も期待できる線区については、地域の足となる新たなサービスへの転換を進めると、こう書いています。
大臣は、JRに来年度から二年間、四百億円台の支援を行うに当たって、目に見える成果を上げることが重要だと記者会見で述べております。これは、コスト削減のために不採算路線は廃止をするんだ、特に日高線を含む五線区については、これ政府としても廃止せよと、こう言っているわけですか。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年七月、国土交通省よりJR北海道に対しまして、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指し、経営改善に向けた取組を進めるよう、JR会社法に基づき監督命令を発出をいたしました。
このうち、事業範囲の見直しにつきましては、JR北海道の経営改善に向けた取組を進めるに当たって重要な課題であるため、地域の関係者との十分な協議を前提にその取組を着実に進めることを求めております。
特に、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区につきましては、二〇一九年度及び二〇二〇年度を第一期集中改革期間といたしまして、JR北海道と地域の関係者が一体となって利用促進やコスト削減などに取り組み、持続的な鉄道網の確立に向け、二次交通も含めたあるべき交通体系について徹底的に検討を行っていただくこととしております。
国土交通省といたしましては、引き続き、北海道庁と連携をしながら、地域の協議に参画するなど、関係者間で十分な議論がなされるよう必要な対応を行ってまいります。
○山添拓君 国として廃止を求めるわけではないとおっしゃっているんですか。JRと北海道や沿線自治体との協議の結果、大臣、ここ、鉄道路線を維持するという結論に協議の結果としてまとまった場合には、こういう場合には国として支援も行う用意がある、こう伺ってよろしいんでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) 今の黄線区におきます議論というのは、廃止が……(発言する者あり)赤のですか。赤に関しましては、今、地元の方におきまして、他の交通機関への代替ということで議論が進んでいるというふうに承知しておりますので、そういう地元のそういうような取組というか意思というものを尊重してまいりたいと思っていますし、その前提となりますのは、北海道の方で地元において御議論いただきました北海道の総合交通開発指針、そういったものも我々とすれば尊重してまいりたいと思っております。
○山添拓君 もう一度伺いますけれども、赤の線区についても、地元の、あるいはJRとの協議を尊重する、その結果、鉄路維持と、こういう結論が出た場合にはその結果も尊重するということですね。
○政府参考人(蒲生篤実君) 御地元での御議論に関しましては十分尊重していきたいと思っております。
○山添拓君 日高線を含む五線区については二年間の支援の対象ともされていないんですよね。これでは廃止ありきのメッセージになってしまうだろうと思います。存続を求めている住民、自治体の声に政府はきちんと寄り添うべきであります。
監督命令は、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指す、こう書いております。大臣からも先ほどお話ありました。大臣、伺いますけれども、この効果とは何ですか。JR北海道の経営改善、経営自立にどのような効果があるのか、これ具体的に検証されたんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年七月、国土交通省よりJR北海道に対しまして、北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する二〇三一年度の経営自立を目指し、経営改善に向けた取組を進めるよう、JR会社法に基づき監督命令を発出をいたしました。これは、北海道新幹線の札幌延伸によりまして、新幹線の利用者が増加することが見込まれるとともに札幌駅前の再開発等により関連事業の収益が拡大することが期待されることから、二〇三一年度に経営自立を目指す旨を監督命令に位置付けたものであります。
国土交通省といたしましては、JR北海道が収益の増加策とコストの削減策などの徹底した経営努力を行うことで二〇三一年度の経営自立を果たせるよう、しっかり指導をしてまいります。
○山添拓君 結局、見込まれるとか期待されるとか、抽象的な話しかないんですよね。私、いろいろ調べましたし伺いもしましたが、新幹線が札幌まで行けばどのように経営に役立つのか、その具体的な検証というのはないんですよ。
そこで、北海道新幹線について具体的に伺っていきますけれども、函館―札幌間の延伸は二〇一二年に着工されました。着工時のBバイC、費用対効果は一・一二とされておりました。これは事業認可当時の建設費一兆六千七百億円を前提にしています。しかし、この間、整備新幹線は事業費が軒並み膨れ上がっております。函館―札幌間と同時期に認可をされた北陸新幹線の金沢―敦賀間は、認可額が一兆一千八百五十八億円でしたが、二千二百六十三億円増えまして一九%増加しました。九州新幹線の長崎ルートは、認可額五千九億円が一千百八十八億円増えて二四%増加しました。
国交省、これなぜ増加したんですか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
この建設費増加の要因別の内訳に関しましては、主に、労務単価の上昇による増、消費税率の改定による増、東日本大震災を踏まえました耐震設計標準の改定に伴うコンクリート構造物の見直しによる増といった新幹線事業自体に起因しない外的要因に伴うものが二千四百七十三億円、さらに、工事用車進入路の見直しなど関係機関との協議による増、土質調査の結果による地盤改良範囲の見直しなど現地状況の精査による増といった新幹線事業の実施に伴い生じたものが九百七十八億円となっているところでございます。
○山添拓君 外的要因による増加というのは、北海道新幹線の建設中の区間でも今後あり得るということですね。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
現時点におきましては、北海道新幹線の新函館北斗―札幌間につきましては、建設費の増加により追加的な財源手当てを要する状況であるとは承知しておりません。
なお、一般論といたしましては、今回の建設費増加の要因のうち、労務単価の上昇、消費税の改定による増額等の外的要因に伴うものに関しましては、定性的には線区を問わず生じる事由でありますが、北海道新幹線に関しましては、今後まさに本格的に工事が進捗していく段階にあることから、まずは徹底したコスト縮減に努めていくこととしているところでございます。
○山添拓君 まあ、これから膨らむこともあり得るだろうと、一般論としてはお認めなわけです。
函館―札幌間延伸の需要予測も極めていいかげんであります。四ページを御覧ください。二〇一二年の着工当時、新幹線開業後三十年間の需要予測として、この区間は毎日一万四千八百人が利用するとされておりました。これが、二〇一八年に事業の再評価を行われております。資料の五ページです。ここでは、今度は開業後五十年間の需要予測の平均値として、一日当たり一万七千八百人が利用することとされています。
大臣、なぜ三千人も増えたんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線新函館北斗―札幌間の需要予測につきましては、国土交通省のマニュアルに基づきまして、一般的な交通需要予測の手法である四段階推定法を用いた需要予測モデルを構築をし、実施をしております。
これは、将来の人口や国内総生産を基にした全体の交通量を算出をいたしまして各地域間の交通量として配分をし、さらに、それがどの交通機関により分担されるかを推計するものであります。この手法により予測された結果につきましては、交通政策審議会整備新幹線小委員会など、第三者による評価を受けているところでございます。
○山添拓君 全然お答えじゃないと思うんですよ。二〇一二年と一八年でなぜ三千人増えたかということを伺っているんですね。しかも、評価期間が三十年から五十年に延びているんですよ。
国立社会保障・人口問題研究所は、現在五百四十七万人の北海道の人口は、二〇五〇年には三百七十九万人、三割も減ると予測しています。これ、予測の対象期間を延ばしておきながら、一日当たり三千人、これ平均ですから、ずうっとですよ、伸びると。これ、なぜこうなっているんですか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、北海道新幹線新函館北斗―札幌間の需要予測は、平成二十九年の再評価時には一万七千八百人キロパー日キロメートルとされ、平成二十四年の着工時の予測値である一万四千八百人キロパー日キロメートルに比べて増加しております。
これは、再評価時の需要予測値が増加した理由につきましては、先生に御説明した後に再度いろいろと局内で精査いたしまして、当時の関係者からもヒアリングを行いまして、確認したところによりますと、平成二十五年にJR北海道が安全性向上策の一環といたしまして函館―札幌間の特急列車の最高速度を減速いたしました。これ、百三十から百二十キロメートルになっております。所要時間が約三時間から約三時間半に函館―札幌間がなりましたけれども、これに伴う鉄道の利用者に大きな変化がなかったことが背景にあるものと考えられております。
つまり、再評価時の需要予測では、このような現況を再現するためのモデルとして、鉄道の所要時間が増加しても結果として利用者数が大きく変化しないモデルとなりました。このような鉄道の競争力が高いモデルにより新幹線が整備された場合の需要予測を行った結果、予測値は着工時よりも大きくなったものと考えております。
加えて、需要予測の際の人口推計に関しましては、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来人口を用いておりますが、再評価時に用いた同研究所の将来人口の予測値が着工時に比べて僅かに大きかったことも一つの要因かと考えております。
○山添拓君 ちょっと理解ができません。JRの特急の速度が遅くなって乗る人が減らなかったからといって、新幹線が速くなれば増えるということにはならないんですよ。
今御説明いただいたこと、ちょっと理解できませんし、私は数週間前からこのことを伺っているんですが、満足いく説明をいただけませんでした。改めて文書で当委員会に提出いただいて御説明いただくように、委員長、取り計らってください。
○委員長(羽田雄一郎君) 後刻理事会において協議いたします。
○山添拓君 既に開業している北海道新幹線の青森―函館間、この区間も工事中の二〇一一年に事業の再評価を行ったんですが、その際の需要予測は一日当たり七千二百人が利用するということになっていました。開業後の利用状況がどうかといいますと、二〇一六年度が五千六百三十八人、二〇一七年度が四千五百十人、二〇一八年度は二月末での実績しかないんですが、これもおおむね四千五百人程度と見られております。これ、七千二百人に遠く及ばないんですね。
鉄道局、伺いますけれども、ちなみに開業以来一番利用者が多かった日はいつで、何人でしたか。
○政府参考人(蒲生篤実君) 開業してその後の特定の日のことでございましょうか。申し訳ございません。その資料は今の時点で持ち合わせておりません。申し訳ございません。
○山添拓君 これ、事前にお願いしていますから、近くにあるはずです。ちょっと速記止めて調べてもらってください。
○委員長(羽田雄一郎君) 速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(羽田雄一郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(蒲生篤実君) 大変失礼いたしました。お答え申し上げます。
最も利用人数が多かった日は、平成二十八年十二月二十三日金曜日、一万五千人でございます。
○山添拓君 この日は、私が初めて北海道新幹線に乗った日で、大変よく覚えているんです。
この前日、北海道は大荒れの天気で、新千歳空港が閉鎖をされておりました。帰れなくなった人がJRに流れて、私も帰りの飛行機が飛ばずに、やむなく札幌から列車移動で東京に戻ってきた、まさにその日なんですよ。そういう特殊な日でようやく一万五千人なんですね。これで、札幌まで延伸すれば毎日一万七千八百人、五十年間乗り続けるというんですか。大臣は本当にそう思いますか。
○国務大臣(石井啓一君) これは、先ほど御答弁申し上げたように、一般的な手法である四段階推計法で予測をし、また第三者による評価を受けたものと承知をしております。
○山添拓君 到底そのようには、理解に苦しむ見込みだと思います。
青森―函館間、二〇一六年度と一七年度の営業損益はそれぞれどうなっていますか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
北海道新幹線新青森―新函館北斗間の営業損益は、二〇一六年度が約五十四億円の赤字、二〇一七年度が約九十九億円の赤字と承知しておるところでございます。
○山添拓君 赤字なんですよ。
JR北海道が維持困難だとする十三路線の赤字額は合計で年間百六十億円です。北海道新幹線一つでその三分の二に当たる百億円の赤字を生んでおります。北海道は、鉄道事業全体の赤字額が二〇一七年度五百五十億円ですが、その五分の一が新幹線なんですね。
青森―函館間の着工を認めた二〇〇五年当時、自民党の整備新幹線等鉄道基本問題調査会は、毎年四十五億円の収支改善効果があるとしていました。蓋を開けてみれば百億円の赤字です。函館―札幌間は、今後開業すれば年間三十五億円の収支改善効果があるとうたっているんですけれども、到底信じ難いと思うんですね。
大臣、これでも北海道新幹線の札幌延伸で経営改善に効果が発現するとおっしゃるんでしょうか。既に赤字に苦しんでいるJR北海道が過大な需要予測の新幹線で新たに巨額の赤字を抱えた上に経営改善求められるとなれば、これは更なるローカル線の廃止を迫られるということになるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線の新函館北斗―札幌間につきましては、平成二十四年六月の着工前にいわゆる着工五条件の確認を行いまして、新幹線開業による利用者数の増加、関連線区の利用者数の変化、並行在来線の経営分離等の結果により一定の収支改善効果が見込まれることを確認するとともに、営業主体であるJR北海道の同意を得た上で着工しております。
また、先ほども答弁いたしましたが、北海道新幹線の札幌延伸に合わせ、札幌駅周辺では新幹線駅前の再開発が札幌市によって予定をされており、札幌駅周辺では今まで以上に人々が集い、にぎわう空間が創出されることによりまして、JR北海道にとりましては鉄道事業以外の関連事業におきましても大きな収益の拡大が図られるものと考えております。
いずれにいたしましても、JR北海道においては、北海道新幹線の札幌開業を機に経営自立ができるよう、昨年七月に発出をいたしました監督命令に沿って収益の増加策とコスト削減策などの徹底した経営努力を行っていただきたいと考えております。
○山添拓君 既に函館延伸でこれだけ赤字を生んでいるのに、そのことに対する事実認識も、また反省も全くないと言わなければならないと思います。
分割・民営化当時に赤字を前提として出発させられたJR北海道に、経営自立という名で黒字化、株式上場を求めるということであれば、それは鉄道事業以外で利益を上げよと、これは不動産業になれと言うに等しいわけです。これ、それ自体に無理があると思いますし、三十年が経過をして分割・民営化そのものの問題が顕在化していると言うべきですので、一旦立ち止まるべきだと、これ強調したいと思います。
時間ですので終わりますけれども、政府は、年度内に今後五年間の中期経営計画と札幌延伸まで十二年間の長期経営ビジョンをJR北海道に示させることにしておりますが、これは新幹線延伸計画の当否を含めて冷静な計画を策定するように指導して、何よりもJRが鉄道事業を継続できるように支援を行うべきだ、このことを指摘して、質問を終わります。
ありがとうございました。

ページ
トップ