山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2019年・第198通常国会

建築物省エネ法案、レオパレス21などの不正建築について

要約
  • 国交委員会で、レオパレス21、大和ハウスの不正建築について質問。レオパレスの発表では3月末時点で調査が済んだ棟の7割、1万4599棟で不備を確認。背景として、サブリース前提の業態では、早く、安く建設することが優先され、構造的に生じうる不正だという認識にたって徹底調査と対策を求めました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 建築物省エネ法の改正案について質問をいたします。
 先ほど来ありますように、二〇一四年四月の第四次エネルギー基本計画、二〇一六年五月の地球温暖化対策計画など累次の閣議決定で、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化するとしておりました。ところが、今度の法案では住宅や小規模建築物での適合義務化が見送られました。
 大臣は、この法案も閣議決定に沿ったものだと先ほど答弁され、あの閣議決定というのは基本的な方向性を示したものにすぎないのだというお話でしたが、そうなりますと、累次の閣議決定というのは、住宅、建築物の全体について二〇二〇年に適合を義務化するというものではなかったと、こういうことなんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) エネルギー基本計画等の閣議決定におきましては、「規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、」と、こういう条件を付した上で、二〇二〇年までに新築住宅、建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化することとされていると承知をしてございます。
 本法案では、この閣議決定における方向性を踏まえまして、省エネ基準の適合率の状況等を勘案をいたしまして中規模のオフィスビル等を適合義務化の対象に追加することとしたものでございまして、閣議決定と整合したものと考えております。
○山添拓君 いや、しかし、それは普通の読み方では読めないと思うんですね。政府の内部でもそうではない読み方をしてきたと思います。
 資料をお配りしておりますが、二〇一五年一月、社会資本整備審議会の第一次答申の中では、二〇二〇年までに、規模を問わず、また住宅と非住宅とを問わず適合を義務化するという工程表が示されております。ですから、閣議決定の文言からも、また自ら掲げていた目標からも大きく乖離をした法案だと言わざるを得ないと思います。
 先ほどの局長の答弁では、適合義務化、完全な適合義務化を見送った本法案でもパリ協定の目標を達成できる試算だということでありました。そして、政府が四月二十三日に発表したパリ協定の長期戦略案では、省エネ基準への適合義務化は、これ触れられてすらいないんですね。そうしますと、将来的にも適合義務化を行わないというつもりなんでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(石田優君) 今回の法案の盛り込みました各種施策をまず総合的に推進していくことが第一義的に重要だと考えております。
 それを踏まえました上で、義務化の更なる拡充を含めまして、更なる省エネ施策の拡充について検討させていただきたいと思っているところでございます。
○山添拓君 IPCCの一・五度特別報告書で目標の引上げが求められている状況であります。閣議決定までした適合義務化を勝手に撤回して、あるいはその文言に勝手な解釈を与えて、一棟何百戸も入っているようなタワーマンションでさえ基準への適合を義務化しない、これは余りにも消極的な姿勢だと言わざるを得ないと思います。適合率の抜本的な向上のためには私も義務化が求められていると思いますので、そのことを強調して指摘をしておきたいと思います。
 その上で、今日は関連をして、先ほどもお話出ておりましたが、レオパレス21の不正事案について伺います。
 サブリースを前提とする賃貸共同住宅における建築基準法違反が次々と発覚しておりますが、レオパレスにおける現時点での建築基準法違反の確認状況について局長から御説明ください。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。
 特定行政庁にまで報告が上がりまして、特定行政庁の方が違反ありという確認までできたものについて言いますと、現在のところ二千九百四十九棟という状況でございます。
○山添拓君 レオパレスの発表によりますと、三月末時点で一万四千五百九十九棟の不備を確認しているといいます。これ、調査が済んだ二万二百八十五棟の実に七割に上ります。違法物件、違法が確認される物件もまだまだ増えていくであろうと思います。
 現在確認されております不正は、天井裏の界壁が存在しない、あるいは界壁や外壁、床を構成する天井の材質が法律で定められた仕様とは異なっている、こういった四点にわたっています。防火性能や遮音性などに関わり、入居者の安全と安心が脅かされる、こういう深刻な事態であります。また、更なる新たな違法の可能性も指摘をされている状況です。組織的な不正でなければ、ここまで広がることはないであろうと思います。
 大臣に伺いますが、現時点でのこの件についての大臣自身の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) レオパレスをお答えする前に、先ほど委員の方から工程表が出されていますので、これについてちょっと私の方から申し上げておきましたが、御指摘の工程表については、今後の省エネを進める上での中長期的な目安を示していただきたいとの委員の御要望を踏まえ、審議会における議論の参考資料として事務局において整理をしたものでありまして、こうした経緯を踏まえ、この資料は答申の別添資料とされていましたが、答申本文においては二〇二〇年までに全ての住宅、建築物について適合を義務化する旨の記述はないということは申し上げておきたいと思います。
 その上で、レオパレスについて申し上げますと、レオパレス21の事案に関しまして、昨年四月及び五月に公表された小屋裏等の界壁の不備に加えまして、本年二月七日に新たな界壁、外壁及び天井の不備が明らかになり、さらに小屋裏等界壁に関しましては大半のシリーズで不備が判明したことについては誠に遺憾であります。
 国土交通省といたしましては、同社に対しまして、組織的関与の有無を含めた原因の究明及び再発防止策の報告を指示しておりまして、当該報告の原因究明結果につきましては、国土交通省が設置をいたしました外部有識者委員会においてしっかりと検証してまいります。
 また、再発防止策につきましても、国土交通省で設置いたしました外部有識者委員会におきまして原因究明結果を検証した上で、専門的見地から再発防止策を取りまとめていただくこととしておりまして、いただいた提言を踏まえまして、国土交通省といたしまして必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○山添拓君 本当に大変な事態であろうと思いますが、今大臣の答弁の最後に出てきました検証のための委員会ですけれども、現時点で確認されている四点の不正について、今どのように課題の整理を行っておりますか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。
 当省に設置いたしました外部有識者委員会において、今後の再発防止策を検討していく際の論点の整理をいただいております。
 この点に関しましては、設計書どおりの施工を確保する工事監理の仕組みに関しまして、小屋裏の界壁や床のように部材が現場で組み立てられる場合については、適切な工事監理がなされていれば不正が防げたのではないか、一方、界壁や外壁パネルのように現場で組み立てられない部分を含みます規格化部材については、通常の工事監理では不正の防止上の限界があるのではないかといった論点が提起をされているところでございます。
○山添拓君 資料の二ページ目に付けておりますが、今御説明もありましたように、界壁がなかったとか天井の不正については、これは通常の工事監理、建築士による工事監理が適切に行われていれば施工者に対して修正指示がなされていた可能性が高いとされております。それから、工場で作られた材質の不正については、これは不整合箇所が隠蔽されていると、したがって単純な部材確認では修正指示が困難だと、こうされております。しかし、論点整理の中では、規格化部材の工事監理の在り方に課題があるということになっているかと思います。
 ですから、いずれも工事監理の在り方を課題とし問題視をしているわけですが、レオパレスでいいますと、自社の建築士に工事監理をさせております。建築士も含めた組織的な不正だということであれば、これは工事監理だけで是正をしていく、工事監理によって是正をしていくという現在の仕組みそのものが成り立たないということになるのではないでしょうか。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。
 先ほどから申し上げております、レオパレスが設置した弁護士等から成ります外部調査委員会による中間的な原因究明の結果が三月十八日に国交省に提出されましたけれども、それを当省の設置いたしました外部有識者委員会に報告した結果を踏まえまして、特に工事監理に関しましては、施主との契約内容がどうなっているか、また具体的にどのような工事監理を行うことが原則となっているかを整理した上で、問題の案件に関し、具体的にどのような立場の建築士によってどのような工事監理がなされていたかを検討するためにも明らかにする必要があるということで、その点について三月二十五日に明らかにするよう指示をしたところでございます。今後、レオパレスが設置いたしました弁護士等から成ります調査委員会において、当該指示を踏まえた原因究明の結果の報告がなされるものと考えております。
 当省に設置いたしております外部有識者委員会においては、その報告内容を検証した上で、専門的見地から工事監理の在り方を含めて再発防止策を検討していくこととしており、いただいた提言を踏まえまして、国として必要な対策を講じていきたいと考えているところでございます。
○山添拓君 建設業法に基づく現場管理、そして建築士法に基づく工事監理、さらには建築基準法に基づく建築確認と、三重のチェック体制で適正を確保するというのが現行法の仕組みであると伺いますが、ところが、現場管理や工事監理は建設業者と事実上一体化をし、これらを信用できることを前提とした建築確認でも不正が見抜けないという事態になっております。ですから、従来の仕組みそのものを改める検討が求められるということを指摘をさせていただきたいと思います。
 先ほどの検討会では、大手の賃貸共同住宅供給事業者十数社に対して品質管理の実態調査を行っているといいます。アンケート、ヒアリング、必要に応じて工場等の現地調査も行うとされています。このうち、型式部材等製造者認証を受けている事業者は、アンケートで判明した段階で対象から外して、ヒアリングには進まないとされています。
 ところが、四月に新たに不正が発覚をした大和ハウスは、まさにこの型式の認証を受けている事業者でありました。設計内容についてあらかじめ大臣の指定機関による型式適合認定を受け、型式部材等製造者認証を受けている場合、建築確認の審査が一部省略されることになっています。大和ハウスはこれを悪用し、認定を受けておきながら認定とは異なる設計で住宅を建設しておりました。
 これ、認定制度そのものを揺るがす大問題だと考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 大和ハウス工業が型式と異なる住宅を型式認定住宅として供給したことについては、誠に遺憾であると認識をしております。
 このため、国土交通省におきましては、大和ハウス工業に対しまして、改修等の迅速な実施とともに、第三者性を持たせた形での徹底した原因究明等を求めたところであります。さらに、レオパレス21の問題を踏まえて設置をいたしました国の外部有識者委員会におきまして、今後、大和ハウス工業側が行います原因究明結果等につきましても検証していただいた上で、同社の案件を含め再発防止策を検討していただくこととしております。
 国土交通省といたしましては、委員会よりいただいた提言を踏まえまして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○山添拓君 認証を受けた事業者であれば適切に施工するとは限らないということがはっきりしております。
 実態調査において、認証を受けているからといってヒアリングや工場調査の対象から外すべきではないのではありませんか。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。
 当初の予定では、認定を受ける際に、いろいろと品質管理の関係については大臣認証の段階でのチェックを受けているということで、その段階でのチェック済みということで調査対象から一応外す予定としておりました。ただ、今回、大和ハウスの案件が生じましたので、今回、大和ハウスがどういう部分において、つまり大臣認証があったとしても問題があったのか、そういったところは同様な問題がほかの大臣認証のところにもあるのかどうか、そういうところについてチェックをさせていただきたいと思っております。
○山添拓君 私は、それは必ず必要で求められるだろうと思います。
 私は、こういう不正が相次ぐ背景には、サブリースの問題があると考えます。レオパレスでも大和ハウスでも、建設をした事業者やその関連業者がオーナーから一括で借り受けて、三十年家賃保証などとうたって転貸をし、管理業も引き受けております。オーナーは、投資や節税目的ですので、アパート経営の経験も、またノウハウも乏しいことが多いと。仮に工事に不正があってもオーナーから指摘を受けることはないだろうとたかをくくり、安く早く効率的に建設するということが優先されてきたのではないでしょうか。
 レオパレスの三月十八日付けの中間報告では、「工期の短縮や施工業務の効率化が求められていたことなど、レオパレス21の賃貸事業の特性が本件不備に大きく関係していたと思われる。」とあります。
 レオパレスに限らず、賃貸共同住宅を建設し、管理業をも行うという業態では、これは構造的に生じ得る不正だ、こういう認識に立って検証を進めるべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○政府参考人(野村正史君) 国土交通省におきましては、賃貸住宅管理業に係るルールの在り方、あるいは賃貸住宅管理業者登録制度に未登録の業者についての登録促進の方策などについて、今年度、調査並びに検討を行うこととしております。そして、現在その準備を進めているところでありますけれども、この調査においては、賃貸住宅管理業者、あるいは賃貸住宅の家主、さらに入居者を対象としまして、家主に対する契約時の説明の実施状況など賃貸住宅管理業者の業務の実態、あるいは家主に対する賃貸住宅建設の勧誘の実態、そして入居者と賃貸住宅管理業者とのトラブルの実態などについて調査を行う予定としております。
 特にサブリースというビジネスモデルに関しては、近年、サブリース業者と家主との間で家賃保証をめぐるトラブルなどが多発しているところでございます。そのことも踏まえながら、この調査では、サブリースを前提として、サブリース業者とグループ企業内の建設業者などが連携して賃貸住宅の建設を勧誘するケースなど、グループを形成する各企業の関与の実態などについても把握することができるように、この調査を実施していく予定としております。
 今後、早急に調査を開始しまして、調査結果などを踏まえ、賃貸住宅管理業の適正化に向けた検討を更に進めていきたいと考えております。
○山添拓君 時間ですのでこれで終わりますけれども、先ほど来お話がある外部有識者委員会も賃貸住宅を対象として行われていると。これはやはり、サブリースを前提とした業態の中で問題が深刻化しているということの表れでもあろうと思いますので、是非双方徹底した調査を行っていただきたいということを強調しまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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