山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会報告

2022年・第208通常国会

法務委員会で、民事訴訟法改正案(IT化、期間限定裁判)について参考人質疑を行いました。

要約
  • 法務委員会で、民事訴訟法改正案(IT化、期間限定裁判)について参考人質疑を行いました。 参考人から、「迅速な裁判のため、裁判所も弁護士も協力している。それでも依頼人からは、もっと丁寧に調べて欲しかったと言われる。期限ありきで鑑定や尋問がさらに減るなどとんでもないこと」と語られました。

○参考人(杉山悦子君) 皆様、おはようございます。一橋大学大学院法学研究科の杉山と申します。
本日は、民事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、大学では民事訴訟法を含む民事手続法の教育と研究に携わっておりますが、今回の法律案との関係では、民事裁判手続等IT化研究会及び証拠収集手続の拡充等を中心とした民事訴訟法制の見直しのための研究会の委員として参加し、それぞれにおいて外国法制の調査研究にも協力させていただきました。また、現在では、法制審議会の民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)部会に幹事として参加しております。
本日は、民事訴訟手続のIT化を中心に法律案について意見を述べさせていただきます。
今回の法律案は、オンラインによる申立てを認めること、さらには、それを一部の利用者には義務化すること、ウエブ会議方式などによる手続への参加を認めること、訴訟記録を電子化することを柱として、民事訴訟手続の全面的なIT化を目指すものです。
現在の民事訴訟手続は、基本的に、書面を用いて申立てなどを行い、訴訟記録は紙媒体で保管し、また、当事者らは裁判所に現実に出頭して対面で審議をするというものです。オンライン申立てを認める規定はございますが、訴訟記録は紙媒体として保管するものであり、実際にはほとんど用いられていませんでした。また、裁判所に出頭せずに手続に遠隔参加することも可能ではありましたが、利用できる場面や方法も限られており、インターネットが普及した社会に必ずしも対応しているものではありませんでした。
他方で、海外に目を向けてみますと、アメリカやヨーロッパの諸国、さらには近隣のアジア諸国はオンライン申立てを含めた民事裁判のIT化に早くから着手しており、この領域で日本が大きく後れを取っていたことは改めて御説明するまでもございません。
民事裁判のIT化への対応の遅れは、コロナ禍においては、裁判期日が入らずに手続が遅延するといった形でも顕在化し、迅速な対応が望まれていたところでした。そのため、DXの一環としても、民事訴訟手続がデジタル化に大きくかじを切ることは必然の流れであったわけですが、今回の法律案によって様々なメリットが期待されます。
まず、民事訴訟の利用者、つまり当事者や代理人の視点から見れば、司法アクセスが容易になります。
例えば、裁判所に紙媒体の書類を持参したり郵送したりしなくても、いつでもどこからでもオンラインで様々な申立てをすることができるようになります。費用の支払も、これまでのように手数料を収入印紙で支払ったり郵便費用を郵便切手で予納したりする必要はなく、電子納付の方法でできることになります。そして、送達についても、従来の郵便などの方法に限らず、オンラインでも可能になり、システムにアクセスして送達を受けることが可能になります。
また、ウエブ会議を利用した口頭弁論期日や証人尋問なども認められるようになるため、当事者や証人などが遠方の裁判所に出頭する負担やコストが軽減されます。移動の時間が減れば、期日も入れやすくなり、手続が迅速に進むことが期待されます。
今回の法律案では、ウエブ会議による参加で和解、調停によって離婚を成立させることも可能にしていますが、これにより、DV被害者が加害者と対峙したくないような場合など双方当事者が現実に裁判所に出頭することが困難であっても離婚をすることができるようになります。
さらに、訴訟記録が電子化され、電子データで保管されることになります。そして、当事者はいつでも裁判所の外から訴訟記録にアクセスして閲覧、ダウンロードをすることができるようになります。そのため、大量の紙の記録を持ち運ぶ必要もなくなり、また、電子化された記録の場合には、検索も容易ですので、訴訟の準備を効率的に進めることが可能になります。
民事裁判のIT化には、裁判を運営する裁判所にとっても事務負担の軽減という利点があります。例えば、大量の紙の記録を管理、保管する負担が軽減されますし、印紙や郵券などを管理する必要もなくなり、事務処理の効率化が期待されます。
このような事務処理の効率化とそれに伴うコストの削減は、反射的に、裁判の潜在的な利用者である国民にも利益をもたらすものでありますが、それ以外にも、事件の電子記録を閲覧したり、将来的には、判決のデータを活用することによって自分に関連する裁判に対する予測可能性を高めることもできると思われます。
他方で、民事裁判のIT化を進めるに当たっては、克服すべき課題もございます。いわゆるデジタルデバイドの問題ですが、これに対処するためには、誰もが使いやすいシステムの構築に加えて、ITリテラシーを高めるための教育や研修の普及、安価で安定した通信環境の提供、セキュリティー対策、システム障害や災害への対策など、制度を運営するのに必要な環境を整備することが不可欠になりましょう。
さて、IT化に関する様々な論点のうち、一点、オンライン申立ての義務化について更に意見を述べさせていただきます。
法律案では、オンライン申立てができるとするのみならず、弁護士など士業の方についてはオンラインによる申立てを義務付けています。諸外国でも同様の例が見られますが、その背景には、多額の初期費用を投じてシステムを構築したにもかかわらず、オンライン申立てが任意であるために実際には利用者が増えず、利用を促進するために早期に弁護士らのオンライン申立てを義務化するという方向に移行したという事情もあるようです。
民事訴訟では、相手方がいますので、一方当事者のみがオンライン申立てをするのではIT化のメリットを十分に享受することができませんし、電子データと紙の書類が混在する状態では事務処理も煩雑になります。そのような非効率を生じさせないためには、オンライン申立てを全面的に義務化するのが望ましいのでしょうが、そのためには十分なサポート体制が必要となり、現段階では時期尚早ということでしたら、法律案のように、なるべく多くの利用者がシステムを使うことを保障する形で立ち上げ、それと並行してスムーズに全面義務化に進められるような環境を整えていくというのも適当であろうと考えております。
そして、民事訴訟手続のIT化以降は、民事執行、倒産、家事事件手続等のIT化を進めていく必要があります。
例えば、倒産手続には債権者など多くの利害関係人がいるため、ITツールを用いてコストを削減する要請が強く働きます。家事事件でも、例えば少額の養育費を効率的に回収するためには手続のIT化がより求められるものと考えられます。これらのIT化を進めるためにも、まずは民事訴訟手続のIT化を迅速に実現していただきたいと思います。
その他の点についても、併せて若干の意見を述べさせていただきます。
まず、氏名などの秘匿措置についてです。これは、性犯罪の被害者やDV被害者などが相手方当事者に対して自分の氏名や住所、それを推知する事項を秘匿することができる制度です。
現行法では、訴訟記録などは当事者以外の第三者にも一般公開されますが、プライバシーに関する事項については、第三者による閲覧を制限することはできるものの、相手方当事者に対しては秘匿することができません。
しかしながら、氏名や住所など個人が特定される情報が相手方に開示されることによる報復などを恐れて訴えに踏み切れないと、裁判を受ける権利が害されることになります。これは実務上重要な課題として認識されていましたが、法律上の手当てがなく、また、運用による対処には限界がありました。
今回の法律案は、相手方当事者の防御権に配慮しつつこの問題への対処を可能とするものであり、是非実現していただきたいと思っております。
最後に、法定審理期間の制度です。これは、双方の当事者の申出などがある場合に、手続開始から六か月以内に審理を終結させ、一か月以内に判決の言渡しをする制度です。
民事訴訟手続を迅速化する取組はこれまでもあり、一定の成果は収めてきましたが、終期が予測できないことが訴訟の利用をちゅうちょさせる一因となっているという指摘もありました。現行法でも、訴訟の終期を予測させる制度として、例えば訴訟手続を計画的に進行しなければならないという規定や審理の計画という制度もございますが、訓示規定であることや対象事件が限定されていることなどから、活用がされてこなかったようです。
この法定審理期間の制度は、通常訴訟への移行の可能性を残しつつ早い終期を担保するもので、早期の紛争解決や早期の債務名義の取得のために民事訴訟手続を利用したいと考える当事者にとっては、新たな選択肢、新たな利用方法の可能性を与えてくれるものであると思っております。
以上、私自身は基本的に法律案に賛成しておりますが、この法律案の目指すところの利用しやすい司法、迅速で効率的な司法を実現するためには、単に法律の仕組みを整えるのでは足りず、それを支える諸制度の整備、そして何よりも、民事訴訟に実際に携わる個々の当事者、実務家の方だけでなくて、裁判所、弁護士会、司法書士会、法テラス、その他様々な機関による多方面からの協力が欠かせません。
IT化の機運が高まっている今こそ、法制度とそれを支える仕組みを集中的に整え、誰もが取り残されることのない使いやすい司法が実現されることを切に願っております。
以上で私からの意見陳述を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○委員長(矢倉克夫君) ありがとうございました。
次に、小澤参考人にお願いをいたします。小澤参考人。
○参考人(小澤吉徳君) 本日は、参考人として発言する機会を与えていただき、誠にありがとうございます。私は、日本司法書士会連合会会長の小澤吉徳と申します。
裁判のIT化に関しましては、平成三十年の七月から公益社団法人商事法務研究会で行われました民事裁判手続等IT化研究会にオブザーバーとして参加をさせていただき、研究会で報告書が取りまとめられた後は、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会の委員として審議に関わってまいりました。
法案につきましては、本人サポート体制の構築及び拡充の必要性について御留意いただきたい点はございますが、総論といたしまして、部会で慎重審議を重ねた要綱を基に作成されたものと理解しているところです。国際的な動向を見渡しましても、裁判のIT化は待ったなしの状況となっておりますことから、弁護士、司法書士等の訴訟代理人のインターネット利用の義務化、当事者の住所、氏名等の秘匿制度、法第三百八十一条の二以下の法定審理期間訴訟手続に関する特則が盛り込まれた本法案の早期実現を強く望むものでございます。
さて、司法書士は、裁判書類若しくは電磁的記録等を作成することによって、本人訴訟をする当事者の支援をするとともに、簡易裁判所においては、代理人として弁護士と同様の業務をすることもございます。いずれも、比較的争点が複雑ではなく、迅速に紛争を解決したいと考える当事者の方々が、書類若しくは電磁的記録作成業務や代理業務として司法書士に委任されますので、これらの方々を念頭に置いて、当事者に使いやすく、当事者に利便性がある制度とすべきであるという視点から意見を述べてまいりました。
こういった視点を踏まえまして、本日は、御審議いただく法案について、主に本人訴訟のサポートの重要性について意見を述べさせていただきたく存じます。
法案では、インターネットを用いてする申立て等は、国や地方自治体が当事者となる場合を除きますと、委任を受けた訴訟代理人が申立てをする際には、電磁情報処理組織を使用する方法により申立て等をしなければならないこととされております。
近年における情報通信技術の進展等の社会経済情勢の変化への対応を図るためには、もちろん申立て等をする者の全てがインターネットを用いることが望ましいこととはなるのですが、パソコンやスマホが普及し、日常的にインターネットにアクセスすることができる者が増えたとはいいましても、まだまだインターネット機器の操作が難しいと感じる方も少なからずいらっしゃいますし、物理的にインターネット環境を利用することができない状況で生活をする方もいないわけではございません。
そこで、国民の司法アクセスを後退させないという観点から、インターネットを用いてする申立て等を義務化するのは司法書士、弁護士などの法律専門士業者のみとし、当事者につきましては、電磁情報処理組織を使用する方法によりすることができる者は、申立て等の電子情報処理組織を使用する方法によるものとするという旨の規律を最高裁規則に設けるものとするとの注意書きを要綱案に付すことによって、義務化の対象でない方々においてもできる限り積極的にインターネットを利用するものとする訓示規定を設けることが提案されてございます。
裁判手続全体を俯瞰しますと、電磁的記録を活用するためには、訴訟記録を全て電子化することが肝となります。そのため、書面で申立て等をされる当事者の訴訟記録につきましては、訴訟記録を全て電子化、裁判所の負担で電子化をすることとされているところでございます。
しかしながら、裁判所の負担が過度に増加してしまいますと、円滑な裁判手続の支障となるおそれが生じます。したがいまして、義務化の対象とならない方々、インターネットを用いた申立て等をしていただくための方策が最も重要な事項になると考えております。
他方で、円滑な裁判手続の実現という国民全体の利益のみならず、当事者の方々個々人にとっても、インターネットを用いることで裁判所への出頭が不要となり、また郵送費用削減という経済的利益や郵送手続が不要となるという手間の削減という大きな利益があるものと考えられます。
このように申しますと、それほど利便性が高いということであれば、特段の手当てをせずとも当事者が自発的に利用するのではないかという御疑問もあろうかとは思います。しかしながら、ほとんどの国民にとっては、裁判は一生のうちに数回経験するかどうかといった手続でありまして、そうした数少ない手続に直面する場面では、わざわざインターネットを用いた操作方法を学ぶよりは、慣れ親しんできた書面で出してしまいたいと考える方が多いというのが現時点での実情だと考えています。
具体的な数値で御説明します。
昨年公表されました令和二年度の司法統計によりますと、地方裁判所全事件の第一審通常訴訟既済事件の総数は十二万二千七百四十九件であり、このうち原告、被告双方に弁護士が付いたものが五万四千六百二十五件、原告のみに弁護士が付いたものが五万四千七百九十六件、被告のみに弁護士が付いたものが三千四百三十九件となっております。これらから、双方本人訴訟であったものは九千八百八十九件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった事件は割合として五五・五%となり、地方裁判所においても半数以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟であることが分かります。
また、簡易裁判所になりますと、同じく令和二年度の司法統計では、第一審通常既済事件の数の総数は二十九万七千百四十二件であり、このうち原告、被告双方に弁護士、司法書士が付いたものが一万九千七百七十一件、原告のみに弁護士、司法書士が付いたものが三万六千百四十二件、被告のみに弁護士、司法書士が付いたものが二万九百二十一件となっています。これらから、双方本人訴訟であったものは二十二万三百八件となり、双方若しくは原告、被告の一方が本人訴訟であった率は何と九三・三五%と、簡易裁判所では実に九割以上が少なくとも一方当事者が本人訴訟となっております。
御参考までに、登記の本人申請率及び本人申請におけるオンライン利用率としましては、令和三年三月三十日、内閣府規制改革推進会議第九回デジタルガバメントワーキング・グループの資料二によりますと、不動産登記においては、本人申請率が約一〇%であり、このうちオンライン利用はほぼ見られず、商業登記、商業法人登記につきましては、株式会社設立の本人申請率が約二五%であり、このうちオンライン利用率は約六・五%、役員変更登記の本人申請率が約二〇%であり、このうちのオンライン利用率は約〇・七%という法務省からの回答がなされております。
つまり、システム稼働後十七年以上が経過した登記制度におきましても、本人が積極的にオンラインによる手続を利用しているとは言い難い実態がございます。
登記と比べて本人訴訟率が高い裁判については、本人に利用していただくためには、システム構築の際、当事者が使いやすいユーザーインターフェースをすることはもちろんですが、ほかにも個々人のインターネット環境の整備の拡充、電子証明書の普及など様々な方策を一気呵成に進める必要があると考えております。
これらの方策のうち、喫緊の対応としては、本人訴訟による申立て等についても司法書士、弁護士などの士業者を活用することが考えられるのではないかと考えております。委任を受けた訴訟代理人となる司法書士、弁護士についてはインターネットを用いてする申立てをすることが義務になるわけですから、当然インターネットを用いてする申立て等をする環境は整ってございます。
少なくとも、司法書士は登記のオンライン申請を十五年以上前から利用しております。現に、不動産登記分野の申請等件数に対するオンライン利用率は、令和三年九月二十四日のオンライン利用率引上げに関する基本計画によりますと、令和元年度は約七九・五%となりますが、これらの申請の大多数は司法書士、土地家屋調査士等の士業者を活用した成果によるものと理解をしておるところでございます。
このように、オンライン申請に熟練した司法書士を活用し、代理業務としての委任を望まない当事者については、司法書士が書類作成業務として委任を受けることで、インターネットを用いてする申立て等の利用件数を増加させることが可能になるというふうに考えております。こういった方策こそが裁判IT化に関する新制度を成功させるための重要なポイントになるんだろうと、こういうふうに考えているところです。
ここで、日本司法書士会連合会として検討を進めております本人訴訟のサポート体制について、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
すなわち、IT環境の不十分な方、操作に不安のある方をサポートするために、全国の司法書士会に設置されている百五十七か所の総合相談センターのインターネット環境や電子化のための機器を充実させるための助成を計画するとともに、既に一部の総合相談センターでは、ネット予約やウエブ面談相談の導入などのIT化対応も実施しております。また、総合相談センターでは、業務に付随する相談として、裁判IT化に関する相談にも対応していただくよう全国の司法書士会にお願いをしているところでございます。
さらに、全国四十五の司法書士会において最大六十五インチの大型タブレットを設置済みでございまして、これらは複数のシステムによるウエブ会議機能を備えているところであります。また、中央大学の先生方とも共同で、本人の関与する訴訟事件について、ウエブ会議等による口頭弁論参加の模擬裁判も実施し会員向けの研修題材とするとともに、問題点等の具体的な検討も行っているところでございます。
法案の御審議の際に、本人訴訟の当事者に、いかにインターネットを用いてする申立て等を利用していただくかという観点からの方策を検討されることと思いますが、是非とも士業者の活用について考慮していただくよう希望する次第でございます。
なお、日本司法書士会連合会におきましては、執行部が平成三十年一月三日から五日にかけて、韓国の大法院、弁護士事務所、法務士事務所を訪問し、電子訴訟の具体例、そして本人訴訟支援における電子訴訟の利用例、代理人訴訟の電子訴訟の利用例を視察するとともに、電子化後の士業者と依頼者との関係性などを聴取してまいりました。
韓国では、大法院運営のサイトとは別に、大韓法律救助公団、まあ日本で言う法テラスだと思いますが、法律支援センターというホームページを運営されておりまして、こちらでは、同公団が提供する全ての書式について、書式エディターを利用してサイト上で直接作成をすることができるようにもなってございます。こちらのサイトの利用は無料であり、会員登録をしなくても利用はできるのですが、会員登録をしないと若干の機能制限がある仕様のようでございます。
このように、システム上も工夫された上で、官民で複数の本人サポート体制を整えているという状況にあるというふうに聞いております。
以上で、私からの報告を終わらせていただきたいと思います。本日は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
○委員長(矢倉克夫君) ありがとうございました。
次に、国府参考人にお願いをいたします。国府参考人。
○参考人(国府泰道君) じゃ、発言させていただきます。
まず最初に、自己紹介を申し上げたいと思います。
私は大阪で弁護士をしておりまして、弁護士登録三十八年になろうかと思います。今から十年前には、日本弁護士連合会の消費者問題委員会の委員長もやらせていただきましたが、三十八年の弁護士生活ずっとわたって、消費者や生活者のための訴訟活動であったり、それから制度の改革提言であったり、さらには中小零細企業者の法律紛争の支援、そういったことを中心にやってきた、普通、町にいる弁護士の一人であります。
今日、私は、今回の民事訴訟法の改正法案の中で、法定審理期間訴訟手続を新設するという提案がされておりますので、これに対する反対の立場から意見を申し上げたいと思っております。
まず最初に、この手続の問題点として三点申し上げたいと思っております。
この期間限定裁判というのが近代裁判の原則にない、そういった制度ではないのかということであります。
この法定審理期間訴訟手続というのは、裁判における審理期間、つまり主張を立証をする期間、これを六か月に限定しようという、そういった訴訟手続です。法務省は、裁判の迅速化と期間の予測可能性を高めるための制度だと説明しています。この二つが立法目的だというわけですね。
これまで、訴訟といいますのは、判決に熟したとき、つまり主張立証が尽くされたときに判決をするということになっています。これが近代訴訟の原則でもあります。諸外国でも同様です。期間を定めて、期間が到来したから判決するんだといった制度は諸外国にはないわけです。これは裁判の本質を根底から変えてしまうものではないのかと、そういった危惧を持っております。
裁判を受ける権利、これは憲法で定められた権利です。その中には、裁判所が当事者の言い分をしっかり聞いて、審理を尽くして判決をするというものが内容として含まれています。国民は、裁判所に事実を解明してもらいたい、そういったことを求める権利も持っているということであります。それで正しい裁判をやっていただく、これが国民の権利であります。
第二点目として、この制度では不十分で粗雑な審理になる危険性があると考えております。
この手続では、審理期間が限定されるということのために、事実上、主張や証拠が制限されてしまいます。不十分で粗雑な審理がなされる危険性があるんです。その結果、裁判にとって不可欠である事実の解明が不十分になったり、正しい裁判ができなくなってしまうおそれがあるわけです。
もちろん、迅速な裁判、これは誰もが望むところではありますが、どういった方法によってそれを実現するかが問題であります。利用者は、裁判は証拠に基づいて適切な事実認定がなされることがまず大前提であります。そして、それが速く行われることを望んでいるわけです。
実際の裁判では、そう単純なものではなくて、裁判というのは生き物だというふうに言われることもありますが、思い掛けない相手の主張や証拠が出てくることもありますし、それから、期間を制限されたことによってそういったものに対する反証が準備できない、そういったこともある。その結果、思い掛けなく敗訴するリスクもあります。この手続には元々そういったリスクがある、そういった手続であります。
こういったリスクがあることについては実は法務省も認めておられまして、そのためにはいろんな手当てを講じているんだということの説明がなされています。それについては後ほどまた詳しく述べたいと思いますが、それらの手当てを継ぎはぎしたとしても、この手続は粗雑な認定がなされるリスクを解消したとは言えないというふうに考えております。
三つ目の問題点としては、立法事実の検討ができていないことであります。
立法事実といいますのは、制度の必要性、それからそれを根拠付ける事実、社会的事実、そういったことをいいます。
立法提案者は、争点が少ない簡単な案件では本手続の需要があると言いますけれども、そのような事件は実は現行制度下でも短期間に判決ないし和解で終了しています。そもそも、このような手続を必要とするような事件類型が明らかになっていません。どんな場合に本手続の需要があるのか、そういったことが必ずしも明らかになっていないのです。立法事実が極めて不十分な提案であると言わざるを得ません。
この制度に賛成する方でも、せいぜい、あってもいいのではないの、選択肢が増えるからいいんじゃないのといった程度の賛成理由です。しかし、リスクが懸念されるのですから、その程度の必要性ならば立法は見送られるべきではないでしょうか。
次に、衆議院での審議を通じて明らかになった問題点について申し上げたいと思います。
今述べましたような問題点が指摘されてきたことに対しまして、法務省は、衆議院の法務委員会の審議の中で、予想される弊害については様々な手当てを講じていますという説明をされてきています。果たしてそうかという点について、以下六点にわたって述べたいと思います。
第一点目は、IT化の法案と同時に審議すべきテーマではないという点です。
期間限定訴訟といいますのは、そもそも民事裁判のIT化と直接関係のない提案であります。今述べましたようないろんな問題があって、裁判制度の根幹に関わるようなこの手続の問題をIT化の問題と併せて議論すべきではないというふうに考えています。
IT化は裁判実務に劇的な大変化をもたらすものです。様々な懸念があります。そういったものについての慎重な検討が必要です。そういった、日本の裁判にとって大変革となる大きな課題に取り組むときに、それと直接関連しない制度を導入して、それを一緒に審議させようというのはこそくなやり方ではないでしょうか。本手続は、期間制限というこれまでなかった制度、外国にもないような制度ですので、他の迅速化のための課題とも併せて別の場で堂々としっかり議論されるべき課題ではないでしょうか。
第二に、調査が不十分だという点であります。
衆議院の審議では、最高裁がこの手続の提案をした際には論文や調査報告書のなかったことが明らかになりました。海外にもないような制度なので、これについて書かれた論文もなく、研究はなされていないテーマであります。事前の調査研究が余りにも不十分で、生煮えの提案だったのではないかというふうに思います。
第三に、訴訟代理人の要件が付いていない点であります。
この制度をどんな場合にどんな事件に利用するのか、これを適切に判断するためには弁護士などの訴訟代理人が付いていることが不可欠です。法務省は、期間限定裁判は訴訟代理人が付いているような場合でないと認められないという説明をしましたが、しかし、実際の条文にはそのようなものは存在しません。条文を設けなかった理由について、法務省は、法務部を設けている企業が当事者になるような場合は、訴訟代理人が選任されていなくても期間限定裁判の使用を認める、認めていいんではないか、まあそれはそうでしょう、そういった説明をしました。
しかし、果たしてそのような企業が弁護士を訴訟代理人に選任しないで本人訴訟の形式を選択するでしょうか。本人訴訟というのは、法人の場合は社長若しくは支配人が裁判所に出頭しなければできないんです。そのために代理人に委任するわけですから、立派な法務部を設けている企業がそんなことは到底想像できないものであります。
それから、法務省は、訴訟代理人が選定されていなくても、適正な審理の実現を妨げると認められるときという条文に該当するとしまして、この手続の利用をさせないという決定を裁判所がすることができると言って説明しています。
しかし、そのような抽象的基準で適用除外されるでしょうか。ちょっと考えていただきたいんですが、本人訴訟の当事者がこの手続の利用をしたいというふうな申出をしてきたときに、裁判所が、あなたは代理人が付いていないから適正な審理の実現を妨げる場合に当たりますよ、この手続は利用できないんですよと果たして決定できるでしょうか。
結局、法務省の説明は、この手続には弊害とリスクのあることは認めながら、訴訟代理人が選任されている場合に限ることを明文化せず、裁判所の判断次第の抽象的な規定を設けるにとどまっております。これではリスク回避の制度的保障にはなっていません。
第四に、適用除外の類型が不十分だということです。
消費者契約に関する紛争、それから労働紛争、個別労働紛争、そういったものについて除外すると言っていますが、除外されるべきはそれだけではありません。労働者といっても、コンビニの店長や料理のデリバリー配達員や偽装請負のように形式的労働者でない場合もあります。そういった人たちも保護されるべきではないでしょうか。
第五に、通常訴訟への移行の点であります。
この手続は、粗雑な判決になってしまう、裁判になってしまうというリスクがあることから、途中で一方当事者が通常訴訟への移行申立てができる制度案に変更されました。つまり、乗り降り自由になったわけですが、これはそういったリスクに対応しようというものです。しかし、その結果、通常訴訟に移行することによって、当初、訴訟期間が予測できる制度だというふうに言われていたものが、とんでもないものに変わってしまいます。
そういったことで、私たちは、この訴訟手続には様々な問題があるので別の場でじっくりと御検討いただけないかと思って、今回の民事訴訟法の改正法案の中からは除外して、IT化の問題だけで改正法案を実現して進めていただきたいというふうに思って、意見を述べさせていただきました。
以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。

 
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
参考人の皆さん、今日はありがとうございました。
国府参考人に法定審理期間訴訟手続、いわゆる期間限定裁判について伺います。
立法事実の検討ができていないという御指摘がありました。確かに、当事者双方の主張や証拠が明らかで、争点が絞られた事案であれば、あらかじめ期間を定めなくても迅速な審理というのは可能だと思います。審理計画の仕組みも指摘されたようにあります。予測可能性を高めるというわけですが、これも先ほど参考人お話あったように、途中で通常訴訟に戻る、その余地も大きい制度ですので、必ず期間内に判決だと約束されているわけでもないものだと思います。
それでもなお審理期間を法定するこのような仕組みが盛り込まれることになった、その狙いはどこにあると参考人はお考えでしょうか。
○参考人(国府泰道君) お答えいたします。
先ほど有田委員の御質問にもあったかと思うんですが、そういういろんな問題がありながらなぜ出てきたんだろうかということなんですが、国民が裁判に対して長いなという不満を持つのは、僕は、やっぱり一年ぐらいで終わってほしい裁判が一年半、二年掛かるという、そういう普通の裁判であって、本件で元々対象にしているのは、簡単で、争点も余りない簡潔な事件に六か月を適用しようというものなわけで、国民が求めているもっとスピーディーにやってほしいというものとこの制度でもって対象にしようとしている事件では違うんではないかというふうに僕は感じております。
だけど、一年から二年掛かるような事件を更にスピードアップしようというと、さっきも申し上げたように、裁判所の人的設備、物的設備も拡充しなきゃならないし、それから証拠収集の仕方ももっと迅速で、訴訟の当初からできるような制度をつくらなきゃならないという、大変、どういうんですか、しっかりした議論をしなきゃならないし、困難の伴う作業なわけですね。ですから、今直ちに、すぐにその方策、対処方針案が立つというものではない。
そんな中で、恐らくですよ、例えば役人的発想ではないかと思うんだけれども、何とかスピーディーに裁判できるような方策を考えろというふうに言われたときに、そういう本来やらないかぬことは大変だからやれない、だけど、この六か月という短縮したスピーディーなものをつくれば、これはそれなりに頑張っているというふうに見てもらえる、労働審判とか少額訴訟もありますので。だから、僕ははっきり言って、そういう裁判所なり法務省なりのポーズでこんな制度をつくっているんじゃないかと、余り実効性はない、役に立たない制度だというふうに思います。
○山添拓君 ありがとうございます。
続いても国府参考人に伺いたいのですが、適切な訴訟指揮がされて主張、立証がスムーズになされれば、裁判の早期終結は可能だと思います。しかし、それはあくまで個別事件の運用の問題であって、制度として期間を定めることに意味があるというのが法務省のこの間の国会での説明です。
これは、私は、裁判所に対しては期限を切って判決を書かせて事件処理を促す、当事者に対しても期間を区切ることで主張、立証を集中的に行う、急がせると、事件の早期処理ですね、としてはそういう意向は示したものだと思うんですが、これ、判決するのに機が熟したときという民事訴訟の原則的な要請よりも期間や期限を優先する制度ということになると思います。その下で当事者の主張、立証はどのように変わることが予想されるでしょうか。
また、代理人が付くケースが想定されていますけれども、当事者と代理人との関係にどのような変化があり得るとお考えでしょうか。
○参考人(国府泰道君) まず第一点の主張、立証がどのように変わっていくかなんですが、今現在でも訴訟の迅速化というのはかなり裁判所は意識されております。我々弁護士も、そういった中で迅速な裁判のために取り組んでいます。例えば、次回、準備書面の提出期限は何月何日までというふうなことも必ず各弁論準備期日で定めたりもしています。そういう意味では、当事者も裁判所もみんなが迅速化のために取り組んできている、そういう意識はあるわけですね。
ですから、それで、そんな中で、例えば鑑定が減っている、検証が減っている、外部への文書の取り寄せや調査嘱託が減っているなど、それから先ほど述べたように証人尋問の数も減っているなど、どんどん省力化の方向に進んでいる中で、今現在でももう既にやっているわけですね。これが法定の期間が六か月というふうに制限されてしまうと、もうそれまでにやらなきゃならなくなるということで、今の訴訟迅速化の流れを更に拍車を掛けると。
それから、期間が来たら、はい、これでもうおしまいというふうになってしまうというのはやはりとんでもないことだと考えています。
それから、第二点もよろしいですか。(発言する者あり)当事者と代理人の関係にそれがどう影響を及ぼすかなんですが、当事者にとっては、やはり丁寧に調べてほしかったという、裁判終わってから、裁判を振り返ったときにまた大変な不満が残ってくると思うんですよね。それは弁護士に対する不満であったり裁判所に対する不満であったり、そういったものになると思います。
今現状でも、利用者調査の結果、裁判を利用した人たちは、裁判に対する不満を持っている人たちが八割ぐらいいるんですよね。それは、本当はもっと丁寧に当事者の言い分聞いてもらえると思っていたのに聞いてもらえなかったという不満が結構大きいです。
ですから、私はこういう意見を述べております。
○山添拓君 ありがとうございます。
杉山参考人と国府参考人に伺いたいと思います。
期間限定裁判による判決は、判決において判断すべき事項を当事者双方と確認し、その事項のみを記載すれば足りるとされています。これ、法務省は簡略化ではないんだと説明していますが、通常の判決よりは部分的で簡略なものになることが想定されます。
こうした判決の、言わばフルのものとは異なる類型が新たにつくられることによる当該事件の当事者への影響と、それから、こうした判決が積み重なることで、将来その判決を先例とする事件が生じた際の懸念される影響などについて御意見がありましたらお願いします。
○委員長(矢倉克夫君) では、まず杉山参考人。
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございます。
確かに、この法定審理期間制度の場合には、判決の書き方も従来のものとは違うものを想定しているようでありますが、そもそも、何といいます、当事者間である程度争点がほぼ実質的に整理ができていると、そのようなケースを想定して、逆にそういう場合でないとこういう判決は書けないのであろうというふうには理解をしているところです。
判決の書き方自体も昔の旧様式から新様式に変わっておりまして、事案も、従来の、要件事実に沿って書くタイプのものから、事実の概要から始めるという判決の書き方にもなっておりまして、それによって何か将来判例としての価値がなくなるとか、そういう問題は大きく問題になっていないというふうには理解をしておりまして、繰り返しになりますけど、事案の概要を、何といいますか、当事者が双方できちんと争点整理をしてつくっていくというタイプの判決になっていくのであろうというふうに理解をしているところであります。
○参考人(国府泰道君) 今の点ですが、これは法制審の議論でも終盤になって突然出てきたもので、私たちは大変驚きました。
判決というのは、異議を申し立てたり控訴をしたりするときに、その判決に書かれていることに対して具体的にこういう不服があるんだということを書いて控訴、上告をしていったりするわけですね。ところが、それが簡略化されるということになると、実際にこの判決に対してどういう不服を書けばいいのかということについても不安が残ります。それから、そもそもこの手続というのは、事案の簡略な、簡潔な事件に対象、対応させようということなんですから、判決というのも普通の判決どおりで短期間でできるはずなんですよね。
今、民事訴訟法の現行法では、判決は弁論終結してから二か月以内に言渡しをするというふうになっています。これを一か月に短縮化したわけですけどね。これは既に簡単な事件だったら一か月でも書けるはずなわけで、殊更判決の書き方を改めるということは、何でこんなことが出てきたのかと、本当に驚きに堪えません。
○山添拓君 ありがとうございます。
もう一問、杉山参考人と国府参考人に伺います。
期間限定裁判による判決に対しては異議申立てができます。それにより口頭弁論終結前の状態に戻ることとされ、同じ裁判官がもう一度判決を行うことになります。しかし、この裁判官は、事件について既に心証を形成し、判決まで下している裁判官です。敗訴した当事者にとっては、一度敗訴判決を書いた裁判官に逆転判決を期待すると、これは難しいんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(杉山悦子君) 御質問ありがとうございました。
異議の申立てがされてという場合だと、通常は、何といいますか、新しい証拠とか重要な証拠が実はあったというようなケースなのではないかというふうに理解をしておりまして、そうであれば当事者の申出で通常訴訟に移行したような場合と同じで、裁判官としては新しく出た証拠などを基礎に考えたりすることになるのではないかというふうには考えているところです。
○参考人(国府泰道君) 今委員の御指摘のとおりの問題があろうかと思っております。
本件は、判決が出たらそれに対して異議の申立てをできるという手続で、同じ裁判官がその後も引き続き審理するんですが、これに類似したものとして、私の経験でいうと、仮処分決定が出された、その仮処分決定に対して異議申立てができる、これ保全異議手続なわけですけど、この保全異議の申立てをしたときに、僕の経験では、例えば和歌山とか小さな裁判所では民事の部が一つしかありません。そうすると、仮処分を出した裁判官もそこの部の一人の裁判官。それが保全異議の申立てをしたら今度三人の合議に変わるということですよね。そうすると、仮処分を出したのが、三人の合議の裁判長が単独で仮処分決定出すと、もうその保全異議はその地裁では通りません。ですから、僕の場合は大阪高裁でその地裁の保全異議決定の取消しを求めて逆転させることができたという、そういう経験もあります。
○山添拓君 ありがとうございます。
最後に、杉山参考人、小澤参考人に伺いたいのですが、私の周囲の弁護士などに聞いても、最近は本当に裁判の期日が入りにくいという話があります。特に離婚や相続、家事事件の調停で二か月待たされるということもざらだと。裁判官や調停員の日程、裁判所のスペースの問題もあろうかと思います。国府参考人から先ほど言及があったんですが、やっぱり裁判の迅速化に当たっても裁判所の人的、物的体制をより充実させる、それによって改善するところは非常に大きいんじゃないかと。先ほど杉山参考人のイギリスのあのお話の中でも、裁判所の中に無料相談の弁護士がいたりパソコンが使えたりと。
そういう意味で、人的、物的体制の拡充についてお二人の御意見も伺えればと思います。
○参考人(杉山悦子君) 御質問と御指摘ありがとうございます。
先生御指摘のとおり、実は、裁判が遅延する原因って様々なところがありまして、その一つに期日が入りにくい、裁判所の施設の設備の問題というのもあるというのは承知しているところであります。ウエブとかITツールを使うことによって従来より期日が入りやすくはなるであろうというふうには期待はしているところでありますが、ただ他方で、それも裁判所とか当事者、代理人がどれほどの充実したIT環境にあるかに依存するというふうには思っているところです。
そのため、裁判所でも、例えばウエブ会議を使えるような部屋を多めに設置するとか、あるいは先生おっしゃるその物的な設備、さらには人員を増やす、サポートする人を増やすというようなことはやっぱり併せて検討していく必要はあるというふうに思っております。
○参考人(小澤吉徳君) 御質問ありがとうございます。
先生御指摘のとおり、その裁判所の人的、様々な拡充ですかね、当然必要かと思っています。
実は、私、アメリカに視察に行ったときには、シアトルとサンフランスシスコでしたが、セルフサポート、セルフヘルプセンターという、そういうところが、弁護士さんであるとかパラリーガルが家事事件の書類の作成をサポートしておりました。そして、いわゆる貧困層で弁護士さんを雇えないような方々のサポートをしておりました。
ですので、そういったことも非常に参考になったわけでありますが、これは繰り返しになりますけれども、裁判所の充実ももちろん必要でありますが、喫緊の課題としては士業者の活用がこのITサポート、IT化を成功させる肝だというふうに考えております。
○山添拓君 ありがとうございます。終わります。

 

ページ
トップ