山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会報告

2022年・第210臨時国会

制御不能に陥る危険あるオスプレイのクラッチ不具合 米軍が原因解明しないまま飛行再開した問題で防衛省を追及

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
米空軍は、今年八月十六日、CV22オスプレイについて、安全上の事故が相次いでいるとして全機飛行停止といたしました。ハード・クラッチ・エンゲージメントと呼ばれる、プロペラとエンジンをつなぐクラッチの接合の不具合が起きたとされています。
特殊作戦軍広報官のヘイズ中佐は、軍事ニュース専門サイト、ブレーキング・ディフェンスで、この事象が起きたとき、もし乗員が機体をコントロールできなければ、コントロールを失い、制御不能の着陸となりかねないと述べています。制御不能の着陸ですから、墜落の可能性もあるということです。
防衛省に伺います。制御不能の事態をもたらし得るハード・クラッチ・エンゲージメントがなぜ起きるのか、米軍は説明していますか。

○防衛省 防衛政策局次長(安藤敦史君) 今、お答え申し上げます。
米軍が御指摘のような見解を示している旨の報道は承知しておりますが、防衛省として米軍からそのような説明を受けてはおりません。
いずれにいたしましても、米国防省は、オスプレイのクラッチを原因とする特有の現象につきまして、深刻なトラブルを起こすことなく安全に運用できる手順は既に確立されており、飛行を一律に見合わせるべき機体の安全性に係る技術的な存在、存在しないとの立場でございます。

○山添拓君 お答えになっていないんです。
ハード・クラッチ・エンゲージメントがなぜ起きるかと、それについて米側がどのように説明しているかを伺っています。

○政府参考人(安藤敦史君) 本現象の根本的な原因につきましては、米側において引き続き調査中と承知しているところでございます。
他方、繰り返しになりますが、深刻、深刻なトラブルを起こすことなく安全に運用できる手順は既に確立されておりまして、飛行を一律に見合わせるべき機体の安全性に係る技術的な課題は存在いたしません。この点については、専門家同士の意見交換等を通じ、防衛省としても米国防省に改めて確認しております。

○山添拓君 ですから、根本的な原因は分かってないんですね。米側もそう説明しているという答弁でした。
二〇一七年以降、四件の安全上の事象、うち二件が六週間以内に発生していると、今年の八月、説明をしていました。どこで発生したどんな事象がこの四件なのか、防衛省、説明できますか。

○政府参考人(安藤敦史君) お尋ねの詳細については、ちょっとお答えすることは難しゅうございます。

○山添拓君 これは八月から伺っているんですが、いつまでたってもその四件が何なのかということすら確認されていないんですね。
資料をお配りしておりますが、八月十二日、ノルウェーで飛行中のCV22にクラッチの不具合が発生し、北部セニヤ島の自然保護地に緊急着陸し、飛行不能に陥った。琉球新報九月三十日付けの記事を紹介しています。米空軍は、しんぶん赤旗の取材に対しては、この事故が地上待機命令の直接の理由だと明らかにしています。
防衛省に伺いますが、このノルウェーの事故以外の三件の中には日本で発生したものも含まれている、そういう可能性がありますか。

○政府参考人(安藤敦史君) 日本に、日本国内においては発生していないと承知しております。

○山添拓君 いや、日本で発生していないんだったら、どこで発生したのか把握されているんですね。

○政府参考人(安藤敦史君) 日本国内においては発生していないということを確認しております。

○山添拓君 米軍は当初、原因を特定するまで飛行再開はしないとしていましたが、九月三日、原因不明のまま飛行を再開しました。
その再開に当たって、先ほどの広報官ヘイズ氏は、特殊作戦群はオスプレイのクラッチがなぜ滑っているのかまだ分かっていないが、司令部は措置を講じたと述べています。しかし、その措置とは、離陸時に二秒間ホバリングをするとか、ハード・クラッチ・エンゲージメントを想定した訓練を行うというもので、そうした事態になったときに制御できるかどうかは乗員次第ということです。
大臣に伺います。
クラッチの不具合がいつ起きるのか、なぜ起きるのか分からない、対応は乗員次第、こういう不具合のことを構造的な欠陥というんじゃないですか。

○防衛大臣(浜田靖一君) 繰り返しになりますけれども、本現象について深刻なトラブルを起こすことなく安全に運用できる手順は既に確立をされております。飛行を一律に見合わせるべき機体の安全性に係る技術的な課題は存在をしていないというふうに考えております。
その上で、米軍は、米空軍は、機体自体の安全性に問題がない中で、CV22に求められる運用の特性を考慮し、慎重の上にも慎重を期する観点から、独自の判断として地上待機措置をとっていたものであります。その後、運用の手順の確認、教育訓練内容の追加、機体点検などを断続的に行うことにより、CV22の飛行の安全を確保できることを確認したことから、地上待機措置を解除されております。
防衛省としては、こうした米空軍の判断に問題があるとは考えておらず、米軍に対しオスプレイの飛行停止を求めることは考えておりません。

○山添拓君 いや、安全に問題があったからこうして緊急着陸、まあほとんど不時着のような感じですけどね、しているんですね。
防衛省に確認までに伺いますが、このハード・クラッチ・エンゲージメントというのはオスプレイ特有の現象なんですね。

○政府参考人(安藤敦史君) ハード・クラッチ・エンゲージメントがオスプレイにおいて発生するということは承知しておりますが、その他の機種においてどうかということについては承知しておりません。

○山添拓君 よく分かってないということが今の御答弁だと思います。
米軍の準機関紙と言われる星条旗新聞は、地上待機の解除について解決策を特定することなく措置を解除したと報じています。ヘイズ中佐の根本原因を依然として調査中というコメントも掲載されています。
米軍自身がこう述べているのに、なぜ防衛省が構造的な欠陥である可能性すら認めようとされないのですか。

○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。
本現象につきましては、全ての種類のオスプレイの設計や技術に係る安全性について責任を有する米軍専門部局より、機体自体の安全性に問題がないことを改めて確認しておりまして、飛行の安全に関わる構造上の欠陥はないというふうに考えております。

○山添拓君 そう強弁されるんですけれども、制御不能の事態に陥る可能性があるんだと、しかも、それはいつどのような経過で起きるか分からないと、ですから根本原因は分からないと先ほどおっしゃったじゃありませんか。にもかかわらず、安全だと言われる。
米空軍が地上待機措置をとったのに対して、海兵隊のオスプレイは飛行を続け、自衛隊もオスプレイを止めませんでした。飛行に関わる構造はいずれもほとんど同じであるにもかかわらずです。その理由について海兵隊は、二〇一〇年にクラッチ不具合を確認していたからだとし、防衛省も、米軍から二〇一〇年以降クラッチを原因とする特有の現象がまれに発生することを把握していると説明しています。
防衛省に伺います。
米軍から、このクラッチの不具合について知らされたのはいつですか。

○防衛省 人事教育局長(町田一仁君) お答えいたします。
ただいま委員御指摘のとおり、防衛省におきましては、米国防省から、オスプレイにおいてクラッチを原因とする特有の現象がまれに発生することを二〇一〇年の段階で把握し、この現象による深刻なトラブルを起こすことなく運用できる手順を確立し、教育訓練に通じて安全に運用できる体制を整えております。
防衛省・自衛隊においては、二〇一六年の米国における操縦士の教育プログラムにおいて、この当該現象を踏まえた教育を受けております。操縦士においてオスプレイを安全に運用するための手順を含めた教育訓練を積み重ねてきているところでございます。

○山添拓君 二〇一二年、沖縄にオスプレイを配備するに当たって、防衛省が二十一ページにわたるパンフレットを作成しましたが、その中にクラッチ問題は一言も書かれていないんですね。制御不能で墜落に至りかねない、そういう機体であることを隠して配備を強行したということなんですか。

○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。
〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
米軍は、二〇一〇年以降、オスプレイのクラッチを原因とする特有の現象について把握をいたしまして、既に安全に運用するための手順を確立してきております。
その上で、米海兵隊は、二〇一二年にMV22オスプレイが普天間飛行場に配備される前に、既に安全に運用するための手順を確立し、全乗組員に対し適切な教育訓練を実施していたことを米側から確認をしております。

○山添拓君 いや、しかし、その下で、自衛隊も含めてその対処方法を共有したのは二〇一六年だとおっしゃったじゃありませんか。二〇一四年に自衛隊のオスプレイ導入を決めるに当たってもそのような説明はなされてないですね。クラッチの不具合という特有の事象について説明しなかったのはなぜですか。

○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、米海兵隊は、MV22オスプレイが普天間飛行場に配備される前に、既に安全に運用するための手順を確立し、全乗組員に対し適切な教育訓練を実施していたことを米側から確認をしております。
また、本現象につきましては、飛行を一律に見合わせるべき機体の安全性に係る技術的課題はないことを米側との間で確認しているところでございます。

○山添拓君 いまだに原因が特定されていない深刻な問題を隠して、米軍の日本配備、さらには自衛隊への導入を強行したのは大問題です。
資料の二ページを御覧ください。
オスプレイの普天間配備から十年、国内に配備された機体だけでも、飛行中の事故やトラブルは毎年のように相次いでいます。重大事故とされるクラスAの事故もあります。ところが、これらの事故やトラブルの根本原因が何であるのか、まともに説明されたことはほとんどありません。
大臣に伺います。
例えば、この表にある緊急着陸や予防着陸の原因となった事象の一つ一つについて確認をされているでしょうか。クラッチの不具合が原因のものも含まれているんじゃありませんか。

○防衛省 地方協力局長(深澤雅貴君) お答え申し上げます。
〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
平成二十四年にMV22オスプレイが普天間飛行場に配備されて以降、日本国内で発生した米軍のオスプレイによる事故等の件数につきましては、不時着水が一件、落下物等が七件、緊急着陸が一件、予防着陸等が十九件の計二十八件と承知しております。
米側からの通報につきましては、平成九年三月の日米合同委員会で合意されました在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続に基づきまして、発生日時、発生場所、事案の概要などの情報が米側から日本側に通報されることとなってございます。
なお、米軍オスプレイにつきましては、米側からクラッチを原因とする特有の現象は日本国内では発生していないことを確認しているところでございます。

○山添拓君 私が伺ったのは原因なんですよね。様々なトラブルについて、概要は伝えられますけれども、その原因についてはほとんど説明がされていない。一つ一つの事故やトラブルについて解明もせずに、根拠もなく安全だと言い張るのは、これは極めて無責任な態度です。
こうした下で、今度は海兵隊オスプレイの超低空飛行訓練まで認めました。最高高度を従来の約百五十メートルから九十メートルに引き下げることを日米で合意しました。これまで、人口密集地以外の最高安全高度を百五十メートルとしている日本の航空法に準じてオスプレイも約百五十メートルとしてきましたが、それを投げ捨て、更に危険な低空飛行を可能にするものです。
大臣に伺います。
米軍には適用除外となっている日本の航空法はもちろん、日米合意にも反する超低空飛行を認めるように米側から求められた際、政府は、これは累次の合意に反していると、そういう主張はされたんですか。

○政府参考人(安藤敦史君) お答え申し上げます。
我が国を取り巻く安全保障環境が格段と厳しさを増す中、日米同盟の抑止力、対処力を高めるためには、自衛隊及び在日米軍が各種の実践的な訓練の実施等を通じ、即応性を向上させる必要性が高まっているところでございます。その一環として、先般、日米間で合意したオスプレイの高度五百フィート未満での飛行訓練は、捜索救難活動や人員、物資の輸送などを効果的に実施するために必要不可欠なものでございます。
その上で、訓練の実施に当たりましては、安全に万全を尽くすことは言うまでもございません。このため、先般の合意におきましては、例えば住宅、学校、病院などの上空を避けることなど、十分な安全対策を取ることについても合意しているところでございます。
引き続き、オスプレイの日本国内における飛行運用に際しては、最大限の安全対策を取るとともに、周辺住民への影響を最小限にとどめるよう米側に求めてまいります。

○山添拓君 これは、何のためらいもなく認めていかれたかのような口ぶりだと私は伺いました。
大臣にこれは答えていただきたいんですが、米軍が運用上必要だと求めてくれば、今回限りではなく、今後もこういう超低空飛行を認めていくおつもりなんですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 米側からオスプレイの日本国内での運用に際して、二〇一二年の、あっ、九月の日米合同委員会合意を含め、既存の全ての日米間の合意を遵守する旨の説明を受けております。
その上で、米軍機の飛行訓練は在日米軍が日米安全保障条約上の義務である我が国の防衛を全うする観点から重要なものでありますが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することが当然の前提であります。
防衛省としては、米側に対し、安全面に最大限配慮し、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう引き続き求めてまいります。

○山添拓君 国内法の適用もなく、合意には大穴を空けてしまう。米軍の言うことには一言も抵抗せずに危険な訓練を受け入れる。これは、一体誰のための、何のための防衛省なのかと言わなければならないと思います。
オスプレイの配備は撤回を求めて、質問を終わります。

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