山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会報告

2022年・第210臨時国会

井野防衛副大臣の公選法違反疑惑を追及/敵基地攻撃能力保有検討 憲法解釈踏みにじる 攻撃型兵器保有を批判

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
しんぶん赤旗日曜版が、井野防衛副大臣の政治と金の疑惑を報じています。二日の総務委員会で副大臣は、四十九日後に初めて迎えるお盆、副大臣の地元では新盆と呼ぶそうですが、その初盆のお宅を訪問し、お包み、現金を持参したことをお認めになりました。ただし、それは選挙区外という答弁でした。
編集部が入手した会葬一覧には副大臣の選挙区内の有権者がリストアップされており、取材に、新盆には井野さん本人が見えた、お金も置いていったと思うと答えた人がいます。リストに三千円予定も受け取ってくれずと書かれていた人は、井野さんが来たがお金の受取は断ったとリストどおりの証言もありました。
副大臣、これらの有権者はうそを言っているということになるんですか。

○防衛副大臣(井野俊郎君) その方がどのような方なのかということはちょっと私自身は確認はできておりませんので、コメントのしようがないというのが現状でございます。

○山添拓君 選挙区内の有権者に現金を渡したこともあったかもしれない、そういうことになりますか。

○副大臣(井野俊郎君) 前回の総務委員会で申し上げたとおり、私がその新盆、私の地元では新盆といいますけれども、そういう際に選挙区内の方のところに現金を持っていったということはございません。

○山添拓君 編集部の取材はいずれも選挙区内です。リストも伊勢崎市など選挙区内の分しかありません。
ちなみに、副大臣は、群馬県内で現金を配ったことはお認めになりました。総選挙ではいずれも比例代表と重複立候補されています。北関東ブロック全域が選挙区ではありませんか。

○副大臣(井野俊郎君) 選挙法についての私、解釈する立場ではございませんので、どのように答えていいのか、ちょっと私自身の立場としてはお答えしようがないということであります。

○山添拓君 群馬県内で新盆に現金を渡したことはお認めなんですね。

○副大臣(井野俊郎君) 数年前の話でございますが、どの方が、どの方のところにどうだったということまではちょっと定かではございませんが、そういう選挙外の方のところにお邪魔するときはそういうこともあったかもしれないということであります。そういうこともあったと思います。

○山添拓君 いや、ですから、全部選挙区なんですよね。で、公選法違反だけでなく、国会における虚偽答弁の疑惑でもあります。
副大臣のところにも恐らく記録があるでしょう。調査して当委員会に報告するよう求めます。委員長、お願いします。

○委員長(阿達雅志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議をいたします。

○山添拓君 次の質問に移ります。
十一月二十二日に公表された政府の有識者会議報告書は、反撃能力、敵基地攻撃能力の保有と増強が不可欠とし、与党も保有容認で合意、これを受け政府は、改定する安保三文書に保有を明記すると報じられています。
資料をお配りしております。従来、政府は、敵基地攻撃能力について、法理的には自衛の範囲に含まれ可能としつつ、平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところではないと説明してきました。
防衛大臣は、十一月十日の当委員会で、この答弁を維持するのかという私の質問に対し、過去の答弁と我々のこれからトライしようとしていることとは当然差異がある、我々がそれを破ってまでというところまで判断するかどうかは今検討している最中と述べました。
過去の憲法解釈を破ってまでトライしているんですか。

○防衛大臣(浜田靖一君) 防衛省としては、過去に政府答弁でお示しした考え等について、現時点で何らかの変更を行うと予断しているわけではございません。他方、政府として、検討の途上にある中で、今後の検討結果を予断し過去の答弁との関係性等について論じることは適切ではないと考えております。
いずれにせよ、政府としては、憲法上、我が国の保持し得る防衛力は自衛のための必要最小限度でなければなりませんが、その具体的な限度については、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的な面を有すると考えます。もっとも、性能上、専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、これより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるためいかなる場合にも許されないと考えており、この一貫した見解を変更する考えはございません。

○山添拓君 今大臣が答弁されたのは、資料にもお示ししています一九八八年の瓦防衛庁長官の答弁です。これまで、総理も大臣も憲法の範囲内と繰り返されております。
そこで聞きますけれども、憲法の範囲外に当たるので保有できない兵器というものもあるわけですね。

○国務大臣(浜田靖一君) 今お話をしたように、この壊滅的に破壊のためのみに用いられるいわゆる攻撃兵器というのは、例えばICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃的空母というものが当たると考えております。

○山添拓君 今紹介された答弁、その一連の一九八八年四月六日、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、自衛のための最小限度の範囲を超えることとなるからいかなる場合にも許されない。この答弁は今後も維持されるんですね。

○国務大臣(浜田靖一君) 今御説明したとおりでありまして、我々とすると、見解を変化する考えはございません。

○山添拓君 政府がこれから持とうとしている長射程のミサイルは、ここに言う攻撃型兵器ではないんですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 今現在、この反撃能力については検討中でございまして、具体的な内容は何ら決まっておりませんし、また、個別具体的な装備品の一つ一つについて、その検討の有無を含めお答えできないことには御理解をいただきたいと思います。

○山添拓君 いやいや、今お示しになったように、ICBMだとか攻撃型の空母、個々の装備品、兵器について、これは憲法の範囲内かそうでないかということをこれまでお示しになっているじゃないですか。今検討されている長射程のミサイルが攻撃型の兵器に当たるんだとすれば、これはそもそも検討の余地はないということじゃないですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 我々の、我が国の防衛の基本的な方針の範囲内で一貫して進めてきたことでもありますので、今後もこれを変更することは一切ないというふうに考えております。私の方はそのように考えておるところでありますので、一貫して、今、我々が今までやってきたことに対してこれを変更するつもりはございませんので、今このようにお答えをしているところであります。

○山添拓君 一貫してこれまでのところを変更しないとお話しですので、その前の一九五九年の答弁、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない、この答弁も変更はされないんですね。

○国務大臣(浜田靖一君) 今まで我々が議論してきた中で、この当時から今、今までの間に大きな技術的な変化があって、我々の対応することが、重要なものがあるわけでありますので、そういったものに対処するための検討を今しているところでありますので、その考え方について我々は変更することはないというふうに思っております。

○山添拓君 つまり、そうなりますと、憲法上できないと言ってきたけれども、安全保障環境が変わったので、憲法解釈は、建前上は変えないけれども、実際にどこまでの兵器が持てるかということは変わっていくのだと、そういうことになるんですか。これは憲法の範囲内だといいながら、その範囲はどんどん拡大していく、歯止めはないということになりませんか。

○国務大臣(浜田靖一君) その点について、今お話があった点については、あくまでも憲法の範囲内でこれはしっかりとやっていくということは、これは我々とすれば変更の余地はないわけであります。しかし、いろいろな検討をするときに、議論の中でそういったものが出てくるのは当然のことだというふうに思います。

○山添拓君 いや、憲法の範囲内でとおっしゃるならば、憲法上持てない兵器についてはそもそも検討してはいけないと思うんですね。(発言する者あり)いやいや、あらゆる選択肢を排除せずにとおっしゃってきたんですが、そもそも検討してはいけない兵器についてまで考えてはいけないのではないかと思います。
そして、長射程のミサイルというのは攻撃型の兵器でしょう。千キロを超える、あるいはトマホークのように射程千六百キロ、これは明らかに攻撃的兵器ですから、そもそも憲法上持てないということにこれまでの整理上はなるんじゃないですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 憲法上の、これは我々とすれば、憲法からはみ出るようなことはこれは当然考えていないわけでありますので、その点に関しては我々とすれば揺るぎない自信を持っておるわけでございまして、これに対して我々、繰り返しになりますけれども、この性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器、先ほど挙げた点でありますが、を保有することは、これにより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるため、いかなる場合にも許されないと考えておりまして、この一貫した見解を変更する考えはありません。

○山添拓君 ところが、例えば長射程のミサイルがその攻撃型の兵器に当たるかどうかについて明確に答弁をされない。やはりこれは、憲法上できないとしてきたのを百八十度転換するものだと言わざるを得ないと思います。
ところが、有識者会議の報告書を読んでも、憲法という言葉は出てきません。与党間の協議でもろくに議論をされていません。過去の答弁もお構いなしに憲法も国会答弁も踏みにじる、そういうものだと言わなければなりません。
岸田総理は、十一月二十八日、財務大臣と防衛大臣を呼び出し、二〇二七年度軍事費をGDP比二%とするよう指示しました。三十日の予算委員会で立憲民主党の福山議員にこの二%の根拠を問われた際には、NATOを持ち出して、国際的な比較の指標としてこうした数字を使うことには意味があるとの答弁がありました。
防衛大臣に伺いますが、要するにNATOが二%だからということなんですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 今、我々が安全保障環境が急速さを、急速にですね、厳しさが増している中で防衛力の抜本的強化に向けた積み上げの議論をしてきたところであります。
NATOを含めて各国は、安全保障環境を維持するために経済力に応じた相応の国防費を支出しております。GDP比で見ることは指標として一定の意味があるという認識でおります。あくまでもこれは指標ということでありまして、我々とすれば、これを参考にすることは決して間違いではないと思います。

○山添拓君 GDP比二%というのは、二年前にトランプ政権から要求され、岸田首相がバイデン大統領に相当な増額と言って約束し、自民党が参院選の公約に掲げた数字です。必要なものの積み上げなどではなく、アメリカの要求に応えるものじゃないんですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 我が国を守るということに関して言えば、我々は我々の国を守るために必要なものを積み上げて議論してきたところでもありますので、決してそういった御指摘は当たらないと思います。

○山添拓君 積み上げであれば総額だけ先に出てくるのはおかしいですよ。
政府は増税を先送りする方向だと報じられていますが、これは事実ですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 私が今ここで答える立場ではないと思いますけれども、今、先ほども説明したところもあるわけでありますけれども、総理からの指示をしっかりと守ってやっていくということだと思います。

○山添拓君 報告書には国民全体で負担するとされています。国民全体で負担すると言いながら、企業の努力に水を差すことのないようにとも言っています。ですから、大企業には気を遣うけれども、コロナと物価高騰に苦しむ国民には気を遣わない、消費増税も排除されないということになるだろうと思います。
これまで専守防衛の下で攻撃型の兵器を持たずに来ました。それは相手の領域を攻めることはないと宣言するものです。したがって、日本を攻撃する口実を与えず、国際政治における安心供与という効果をもたらしてきたと思います。
日本が敵基地攻撃能力を保有し、増強し、相手の国まで届く長射程のミサイルを大量に配備していけば、これは幾ら専守防衛といっても説得力はありません。憲法を破り、暮らしも平和も脅かす大軍拡は絶対に許されないということを指摘し、質問とします。

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