山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2024年・第213通常国会

森元首相ら喚問迫る 「裏金、選挙買収か」/オスプレイ全機撤去せよ 事故原因判明せず

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
米軍オスプレイについて伺います。
昨年十一月、屋久島沖での墜落死亡事故以降、米軍機、自衛隊機全て飛行停止中ですが、アメリカ国防総省は今週、飛行停止を解除すると報じられています。
防衛大臣、事実ですか。

○防衛大臣(木原稔君) 昨年十一月の米軍オスプレイの墜落事故に関しまして、今おっしゃった報道は私どもも承知をしているところですが、米側との、米側とは頻繁に事故の状況や安全対策等について現在確認作業を行っているところであります。
屋久島沖で引き揚げられた大宗、その墜落した機体の大宗を引き揚げ、フライト・データ・レコーダーなども含んでおります。そして、何よりも殉職された米軍の隊員の方々も収容しておりますが、そういったこともございまして、米軍とのやり取りについては、米軍との関係もあり、現時点でお答えすることは差し控えたいと思います。

○山添拓君 米側から、日本国内のオスプレイの運用については事前調整をすると、こういう話もあります。調整はありますか。

○国務大臣(木原稔君) オースティン国防長官から米国防省の関係部署に対して、日本国内のオスプレイの運用前には必ず日本政府と調整を行うように指示が出されていると承知をしておりまして、防衛省としても、日本国内のオスプレイの運用については、これは単に米側から通告されるということではなくて、事前にそういう調整が日米間で行われるというふうに承知をしております。(発言する者あり)まだ調整というのは、まだ現在要請というのは来ていない段階でございます。

○山添拓君 この事故の原因というのはまだ分かっていないわけですね。

○国務大臣(木原稔君) その事故の原因究明についても私どもは要請をしております。
その点で、現在、フライト・データ・レコーダーを始め、回収された機体、これを分析中ということでございますから、それはもう米側と頻繁にやり取りをしている中で、具体的な内容については米側との、米側の公表の関係もございます。現時点でこれはお答えするということは差し控えたいと思います。

○山添拓君 報道では、米空軍は、日本での墜落で何が故障したかは特定したものの、どうして故障したかは分かっていないとされると、こういうことがあります。
原因分かっていないんじゃないですか。

○国務大臣(木原稔君) 事故の状況、あるいは事故の原因、その究明ということについて私どもは要請をし、そして米側は、それを今現在調査中、分析中、解析をしているということでございますので、私どもはその、もし彼らが何かしらの報告が事前にあるということであればそれを受け入れるということでございまして、現時点ではまだその要請はないということでございます。

○山添拓君 いや、つまり今分かっていないわけですね、日本政府としては。

○国務大臣(木原稔君) その事故の状況、あるいは事故の原因等も含めて、それは今頻繁に、これは米側とはVCT等を通じてやり取りをしているところでございます。
ですので、まだ公表できる段階ではなくて、現時点でここの場で私が言及するということは差し控えたいと思います。

○山添拓君 説明できるような原因について把握されているわけではないということかと思います。
一方で、米海軍の責任者が今週来日し、米軍の計画を説明すると報じられています。屋久島沖の事故も、昨年八月、海兵隊員三人が亡くなったオーストラリアでの墜落事故も調査は継続中です。
総理に伺います。
こうした調査報告書も出ないままにオスプレイを日本で飛ばすことはできないと、これは米側に伝えるべきだと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今防衛大臣から答弁がありましたように、昨年十一月の米軍オスプレイ墜落事故に関しては、防衛省において事故原因の調査状況等について米側に確認をしているところであると承知をしております。ただ、先ほど委員の方から御指摘ありました、今後の飛行再開予定については現時点では報告を受けていないというものであります。
引き続きまして、オスプレイについては、これは自衛隊も運用している機体です。これ、飛行の安全確保を最優先として、引き続き米側に情報共有を求め、地域の方々の不安の払拭に努めていく、こうした努力は政府として最大限進めてまいります。

○山添拓君 確認ですが、まともな調査の報告もないままには日本では飛ばさないと米側に伝えていただくということですね。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) この我が国も運用している機体です。そして、日本国民の安全、安心に関わることです。政府として米側に納得できる情報の共有をお願いする、これは当然のことであります。それを確認した上で実際の運用についても判断する、これも当然のことだと思います。

○山添拓君 重大事故が多発し、クラッチの不具合など未解明の構造的な欠陥が指摘されています。私は、米軍機も自衛隊機もオスプレイは全機撤去をするべきだと、このことを強く求めておきたいと思います。
防衛大臣には退席いただいて結構です。

○委員長(櫻井充君) 防衛大臣、御退席いただいて結構でございます。

○山添拓君 裏金問題に関わって聞きます。
総理は、昨年十二月十五日、ホテルニューオータニで政治資金パーティー、第四十五回岸田文雄と国政を語る会を開催予定でした。
このパーティー券は、何枚、総額幾らで売られたんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) お尋ねの会のこの販売済枚数、そして販売額の総額でありますが、御案内のとおり、この会につきましては延期をいたしました。延期をしたことから、この枚数あるいは金額、これは今集計をしているところであり、確認はできておりません。しかるべきタイミングで公開すべきもの、これは政治資金規正法に基づいて公開いたします。

○山添拓君 いや、もう開催予定だった期日は過ぎていますから、去年の時点で集計されているんじゃないですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御案内のとおり、この期日の前後、この入金等が行われる、そういったこともあるわけですから、それを整理をしている、集計をしている、そのように申し上げております。

○山添拓君 理事会に報告を求めたいと思います。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議いたします。

○山添拓君 その前の年は参加者約千二百人、三千六百五十三万円の売上げとなっていたようです。
総理は、在任中は政治資金パーティーはやらないと答弁されました。なぜ在任中なんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回、派閥の政治資金パーティーを舞台に政治と金の問題が発生した。あるいは、この大臣規範との関係についても御指摘をいただいた。もちろん、法律やこの規範には、私自身しっかりとこの内容を守り、従っているわけではありますが、こういった事態の先頭に立ってこの政治と金の問題に取り組む、そういった立場であること、また内閣総理大臣であること、こういったことを踏まえて、在任中は政治資金パーティーは行わない、このように申し上げた次第であります。

○山添拓君 よく分からないんですが、大臣規範には違反していないとお考えなんですよね、だけどやらないと。ということは、大臣でなくなってもやらないということになるんじゃないでしょうか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大臣規範についてこの指摘がありました。もちろん大臣規範については、私自身のこの判断、国民の疑惑を招くようなものではないということを申し上げたわけでありますが、こうしたこの政治と金の問題が国会で議論される中にあって、こういった指摘を受けること、これについては、内閣総理大臣として、あるいは自民党総裁として考えなければならない。よって、在任中は政治資金パーティーを行わない、このことを明らかにした次第であります。

○山添拓君 そうすると、延期であって中止はしないということですか。十二月のパーティー、中止して返金するんじゃないんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、十二月のパーティーは延期といたしました。
しかし、先週、私自身、今申し上げたように、政治資金パーティーは在任中行わないということを明言いたしました。よって、その事態を受けて、どのようにこの我がパーティーについて整理をするのか、これは相手のある話、関係者のいる、ある話ですので、今それについて調整を行い、検討を行っているところであります。

○山添拓君 中止するとおっしゃった方がいいんじゃないでしょうか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 関係者には延期をすると伝えてあります。
しかし、先週、私自身、パーティーは在任期間中は行わないということを明言いたしました。これとの兼ね合いにおいてどう整理をするのか、具体的な対応について調整をしていると申し上げております。

○山添拓君 いや、整理も何も、中止するとおっしゃったらすっきりすると思うんですよ。
一万円以上の支出というのは収支報告書に記載が必要になります。ですから、返金すれば誰が購入したかが収支報告上分かってしまうと、だからちゅうちょされているんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 対応について、相手がある話でありますので、今申し上げた経緯の下に、具体的な対応、事務を検討している、このように申し上げております。

○山添拓君 いや、これ、中止すら言えないというのはどこが政治刷新なのかと私は疑いたいと思います。
安倍派四幹部の政倫審における弁明に食い違いがありました。今日も議論になっていますが、二〇二二年八月、裏金作りの継続について、西村氏は結論が出なかったと言い、塩谷氏は困っている人が多数いたので継続することにしたと述べ、食い違っています。
確認の努力を続けていると今日も答弁がありました。どんな努力をされているんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 清和研のこの政治資金の扱いにつきましては、これは、これまでも党と、本人の説明責任と併せて党としても実態把握に努めてきました。アンケートや聞き取り調査を行う中で、この聞き取り調査においては、この外部の弁護士にも協力をしていただき、還付金など、あるいはこの報告書に記載しない取扱いの始期、始まった時期等についても聴取を行いました。
その結果として、弁護士において取りまとめた報告書のとおりでありますが、例えば、清和研については遅くとも十数年前からこれらの取扱いが行われてきた可能性が高い、一方で、具体的にいつどのように始まったか判然をしない。こういったことについては聞き取りを行いました。
委員の今の御指摘の点につきましては、引き続き事実の確認、党としても進めてまいりますが、今現在確認できていないということを午前中の審議の中でも申し上げたところであります。

○山添拓君 いや、その午前中の審議を聞いた上で、努力をするとおっしゃっているので、どんな努力をしてきているんですかと伺っているんです。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今申し上げたアンケートや聞き取り調査に加えて、今、国会において、政倫審を始め様々な場で説明、努力が求められています。
そして、実際、清和研全体を見たならば、まだ収支報告書の修正作業が終わっていない議員もあります。その修正とともに、それぞれまた会見等、説明を、説明責任を果たしてもらわなければなりません。それらを総合して、御指摘の点についても党として把握するべく努力を続けたいと申し上げております。

○山添拓君 答弁の食い違いについて調査し、理事会に報告するよう求めます。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 これはやはり安倍派の幹部には証人喚問で出てきていただかなければならないと思います。お願いします。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 森元会長について、これも議論になりました。総理も森元会長には聞く必要はないとお考えなんでしょうか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) これも申し上げておりますが、先ほどの清和研におけるこの今回のこの還付金の取扱いについて、党としても聞き取り調査等を行いまして実態の把握に努めたわけでありますが、その範囲において、元、森元総理が直接関わったという言質、発言、こういったものは確認をされておりません。全体の把握、先ほど申し上げました作業を続けることで努めていきたいと考えています。

○山添拓君 政倫審では、会長と事務局長が決めてきたと、そして二十数年前から還流があったと。当時の会長は森元会長ではないんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 様々な発言ありました。しかし、弁護士がまとめた報告書によりますと、少なくとも十年前から、そういった党として把握している実態について申し上げております。少なくとも十年前からこうした取扱いが行われてきた、それ以上は不明である、こういった結論になっていると承知しています。

○山添拓君 政倫審では二十数年前からということをおっしゃっているんですよ。それを踏まえて答弁してください。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 自民党として実態把握のために聞き取り調査を行いました。そういったことを踏まえて申し上げておりますが、その後、また様々な発言については、この党として確認はできておりません。

○山添拓君 では、党として確認されているのは、事務局長の関与は確認されていると思います。事務局長にはお聞きになりますね。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 事務局長というのは派閥の事務局長ですか。党としては、このそれぞれの派閥の事務総長を始め、国会議員に対してその聴取をいたしました。その中で報告書を取りまとめたと承知をしています。

○山添拓君 会長と事務局長が決めてきたと言っているわけですから、事務局長に話を聞くべきじゃないですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 事務局長につきましては、既に検察の捜査によって立件されております。そういった状況の中でどこまで確認できるのかということだと思います。党としては、関係国会議員を中心に全体の把握に努めてまいります。
政倫審を始め、様々な発言が、証言がこれからも続くと思います。それを総合して実態把握に努めてまいります。

○山添拓君 いや、経緯を聞くことはできると思いますよ。これ、事務局長の責任に関わるんだったら刑事責任の訴追の可能性ということとの関係で問題がありますが、経緯は聞けると思うんですよ。
ですから、是非調査をして報告いただきたい。そして、森元会長、元事務局長、これは証人喚問を求めます。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 三日付けの赤旗日曜版は、麻生派の井上信治元万博大臣について、二〇一八年に派閥からのキックバック四百五十八万円が不記載だったと報じました。これは自民党の全議員調査の結果にはなかったものです。
総理は、衆議院で我が党の宮本徹議員に問われて、党として確認すると述べました。確認されましたか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘の井上信治議員の収支報告書の不記載については、御党の機関紙によれば志公会から井上議員側への寄附は収支報告書に適切に記載されていたということでありますが、それについて確認するということにつきましては、これ昨日でありますが、本件について井上信治議員本人がこの説明をしております。平成三十年は担当者が替わり、事務作業に慣れておらず、井上個人からの寄附として収支報告書に計上していたことが分かりました、適切に対応いたします、このように説明をしております。

○山添拓君 ということは、そのような漏れはほかにもあり得るわけですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) それ以外の漏れは、今確認はされておりません。

○山添拓君 これは否定できないと思うんです。
自民党の全議員調査、やっぱりいいかげんだったんじゃないかと思うんですね。不十分だったのではないかと。これは改めて調査をし直して報告するように求めたいと思います。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 これ、井上氏はうその報告をしていたということになると思うんですよ。
大体、なぜ全議員調査は二〇一八年以降の五年分なのかと。麻生派志公会の収支報告書は、二〇一八年以降はキックバックの記載があります。しかし、一七年以前、為公会の時代には記載がないんですね。当時、ノルマを超えたパーティー券のキックバックは裏金とされ、現金が入った茶封筒で渡されていたという証言もあります。
総理、二〇一七年以前も調べるべきではありませんか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 何年分検査するかということにつきましては、刑事責任との関係、そして保管されている資料との関係、そうしたことで五年間と定めて調査を行った次第であります。

○山添拓君 いや、政治的、道義的責任と今日何度もおっしゃっていますよ。政治的、道義的責任も五年で時効ですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 刑事責任との関係、そして保存されている資料との関係で五年間と申し上げました。この確認をできる範囲ということで五年間と定めて、自民党として全党で調査を行った次第であります。

○山添拓君 資料といっても、赤旗も持っていますよ。あると思いますよ。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げました資料との関係で、全党に対してアンケート調査を行いました。その上で必要な聞き取り調査を行いました。
こうした範囲で検査を行うということについては、資料との関係、そして刑事責任との関係、これを考慮した結果であります。

○山添拓君 刑事責任とおっしゃるので伺いますけれども、裏金を個人の収入としていた場合には脱税の疑惑が生じます。脱税の行政罰、刑事罰、それぞれ時効は最大何年ですか。

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。
一般論として申し上げますが、国税通則法上、国税当局が更正処分を行うことができる期限は、原則として、法定申告期限から五年を経過する日とされております。ただし、税務調査が行われ、偽りその他不正の行為により税額を免れたと判断された場合につきましては、法定申告期限から七年を経過する日まで更正処分を行うことができます。
また、特に悪質な脱税犯の場合は、査察調査を行い検察に告発することとなりますが、偽りその他不正の行為により所得税を免れた者に対しましては、所得税の逋脱犯として十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとされております。この場合の公訴時効につきましては、刑事訴訟法上、長期十五年未満の懲役に当たる罪に該当するということで、法定申告期限を徒過したときから七年とされております。

○山添拓君 ですから、刑事責任でも最大七年なんですよ。少なくとも七年は遡るべきじゃありませんか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政治資金について課税関係が生じるかどうか、これは、政治資金が政治家の関係政治団体に帰属するか、あるいは政治家個人に帰属するか、これで変わってまいります。
これ、政治、派閥から個人に資金が渡ったということであるならば、これは法律違反になるわけでありますし、加えて課税関係も生じるということでありますが、そういったこの法律のありようを前提として、先ほど申し上げましたように、党として、資料の関係、そして刑事責任との関係から、五年ということで全党の調査を行った次第であります。そして、検察による捜査、そしてそれに基づいて関係者が政治資金収支報告書を修正した、さらには党の聞き取り調査、これらを通じて、党として、個人で政治資金を受け取った例、これは確認されておりません。

○山添拓君 五年より前は調べていないので、分からないじゃないですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回、この検察の捜査等、この刑事責任、法律との関係、そして資料の保存状況、これらを踏まえて五年といたしました。五年について全党で検査を行った、その結果、個人で資金を受領した、政治資金を受領した例は確認されてないと申し上げております。

○山添拓君 これは全く説得力がありません。
二〇一七年以前を不問に付すのは、麻生派五十五人の裏金作りの疑惑を隠蔽する意図かと疑われても仕方ないと思います。少なくとも七年分は遡って調査し、報告するよう求めます。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会にて協議させていただきます。

○山添拓君 総理は、裏金の使い道について、政治活動以外に使われたものは確認されていないと述べています。しかし、近年だけでも、河井夫妻や柿沢氏による選挙買収が明らかになっています。それでも、裏金に限っては正しく使われてきたんだと言えるんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 二つの弁護士事務所から七名の弁護士の参加も得て、自民党の聞き取り調査、実施をいたしました。その際に、還付金等の使途についても聴取をいたしました。これは事実の、事実の把握のために対象者から最大限協力を得る観点から、この報告書において、個人別の金額、使途、この個人別のものについては明示はしておりませんが、還付金等を使用していなかった者も多くいたほか、事務費、通信費、備品・消耗品費、旅費・交通費などに使用していたこと、これを報告書の中において明示をしております。
また、政治活動以外に用いた又は違法な使途に使用した、こうしたことを述べる者は一人もいなかった、これが報告書の内容であります。
もちろん、これ、説明責任、今回の聞き取り調査に応じたこと等で、等のみで果たされるものではありません。個人の議員の状況の詳細について、必要に応じ、事情を最もよく知る関係者において今後もあらゆる機会を捉えて丁寧な説明がなされることが重要であると考えます。

○山添拓君 いや、報告書の中にも、ほかの現金と混在していたとおっしゃっている方もいるとありますよ。お金に色はないと思っていたと、そういう供述をされている方もいらっしゃる。
パーティー収入の不記載が初めて明らかになったのは、現在の茂木派、旧橋本派の平成研です。日本歯科医師連合会、日歯連からの一億円の闇献金事件をきっかけに十五億円もの使途不明金が明らかになり、村岡元官房長官や元会計責任者が有罪となっています。元会計責任者は法廷でこう証言しました。
二〇〇一年のパーティー収入のうち、現金で売った一億数千万円を金庫に保管し、裏金として使った、同年の参院選では裏金から四億数千万円を支出した、こういうふうに述べていたことがありました。
総理、御記憶ですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 平成研の事件、御指摘の日歯に関する事件、事件があったことは私も記憶をしております。
ただ、今具体的な数字、御指摘ありましたが、数字については今確たるものを持ってはおりません。

○山添拓君 裏金を選挙に使ったという証言があったと、こういう話は御記憶ないですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 済みません、証言の詳細までは今記憶しておりません。

○山添拓君 なぜ裏金にしたかについても語っています。
収支報告分のみで選挙が行われているとは誰も思っていないのが永田町の常識、表に出すと法定額以上を使ったと思われ、困るからではないか、こういう証言だったんですよ。
これ、今も自民党の常識なんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 証言の詳細、つまびらかに承知はしておりませんが、自民党、今回、政治と金の問題に関して大きな問題を起こしたこと、これはしっかりと反省しているところでありますが、それ以外の部分についても法律に反するようなこの資金の使われ方が多く行われている、こういった指摘は当たらないと考えています。

○山添拓君 昔の話だけじゃないんですよ。
二〇二二年に闇パーティー問題で有罪となった薗浦健太郎元首相補佐官の元秘書は、供述調書で裏金の使途をこう述べています。赤旗日曜版の報道です。
一つは、表に出したくない会食費。銀座の店での会食など、支援者から貴重な政治資金で高級なものを飲み食いしていると批判されるからだと。もう一つが選挙。選挙の際には、法定の費用を上回る支出額となってしまうのが通例、実際の支出額をありのままに表に出すわけにもいかず、裏金が必要だったと述べているんですね。
総理、御存じでしたか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 証言の詳細については承知しておりませんが、委員の御指摘のようなことがあったからこそ、本人は立件され、処罰されたんだと思います。法律に従わなければならない、これは当然のことであり、それに反した人間は立件され、処罰される、これが常識であると考えます。

○山添拓君 いや、裏金についてこれから明らかにされていけば、そういう方まだ増えるかもしれないと私は思いますが、この薗浦氏の供述というのは、元秘書の供述というのは平成研のときと同じなんですよ。二十年前から同じようなことをやっているのではないかと。表に出したくない、あるいは出せないからこそ裏金が積まれてきたわけです。
そこで伺うんですが、安倍派では参院選の年だけ裏金が増えていた議員がおり、選挙のためではないかという疑いがあります。
総理は、昨日、田村智子議員に対して、党として実態解明の更なる取組を進めると答弁されました。何をするんですか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど来申し上げておりますように、今、国会においても、参議院においても、これから政倫審の議論が行われます。党としてもこれまでアンケートや聞き取り調査を行ってきたわけでありますが、今後もそういった発言、さらには政治資金収支報告書の修正の中で、それぞれの議論、議員がこれからも会見等で説明責任を果たしていく、それらをしっかり把握した上で、全体像を把握するべく、具体的に党としてもどうするのか、これを確認いたします。

○山添拓君 全然具体性がありません。選挙の年だけ増えた問題、これは報告書に何の記載もありません。調査して報告を求めます。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 資料をお配りしています。この間、自民党の全国の地方組織が相次いで収支報告書を訂正しています。総理はその全容を把握していますか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今資料にこの指摘していただいたもの全てを確認しているかどうか、これは改めてよくチェックしなきゃいけませんが、地方組織においてもこの修正等が必要となっている、こういったことについては承知をしております。

○山添拓君 北海道、宮城、愛知、岐阜では、県連のパーティーでノルマを超えた分が還流され、その不記載が明らかになっています。これは派閥のパーティーと同じ仕組みです。
総理は派閥のパーティーをやめると宣言されました。地方組織でもやめるんでしょうか。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) この地方組織については、指摘をされたものについては、必要に応じて収支報告書の内容を精査し適切に対応するよう、昨年既に指示を出したところであります。
国民から疑念を持たれることがないように丁寧に対応してまいりたいと思います。党として、昨年の指示内容、地方組織に改めて周知するよう指示を重ねたいと思います。

○山添拓君 これは、地方でも、国会議員、県議、市議など、資金集めのためのパーティーになっていたのではないか、その中で裏金になっていたのではないかと疑惑が報じられています。
地方組織における裏金作りの実態についても調査と報告を求めます。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
時間が来ております。簡潔にお願いいたします。

○山添拓君 真相究明、まだまだ必要だということが今日の審議だけでも明らかだと思います。その責任を明らかにするとともに、金権腐敗の根を断つために企業・団体献金禁止に踏み込むべきだということも指摘をし、質問を終わります。

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