山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2026年・第221特別国会

改憲 主権者の声 無視 「9条こそ平和の力」

(憲法に対する考え方について各会派の意見表明)

○山添拓君 日本共産党を代表し、憲法に対する考え方について意見を述べます。
高市総理は、施政方針演説以来、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法と繰り返しています。最も重い憲法尊重擁護義務を負う総理のこの言い分は、憲法は権力を縛るものという立憲主義をわきまえない暴論です。発議のめどが立った状態で来年の党大会を迎えたいとも述べますが、権力の座にある総理が期限を切って改憲発議を迫るなど論外です。
自民党の新ビジョンは、改憲が今後三十年の安全保障を考える上でもこれまでになく死活的に求められているとし、衆議院の憲法審査会では、国防の規定を憲法に明確に位置付ける必要があるなどと述べました。狙いが九条にあることは明らかです。
維新の会は衆議院で、ホルムズ海峡への自衛隊派遣について、九条のおかげで自衛隊派遣を断れるはざれごとと述べました。
今般のイラン戦争は、米国とイスラエルによる国際法違反の先制攻撃が発端です。今やトランプ大統領は、停戦合意を破って、逆封鎖と主張しています。この下で、九条に反して自衛隊を派遣すれば事態を打開できるとでも言うのでしょうか。世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけなどという恥ずべき米国従属外交をやめ、イランとの伝統的な友好関係も生かした戦争終結のための外交交渉こそ必要です。
政府は、厳しい安全保障環境、抑止力、対処力の強化をあたかも合い言葉に大軍拡を進めています。その実態は、無法な戦争を繰り返すトランプ政権の米国との軍事一体化の強化にほかなりません。抑止力と言い、長射程ミサイルの配備を始め、軍拡を加速させれば、安全保障のジレンマに陥り、周辺国との緊張を強め、リスクを高めますが、住民の不安と懸念に応える姿勢はありません。
また、抑止のためと言いながら、抑止は破られることを前提にシェルターを造らせようとし、継戦能力と言い、長く戦えるように備えよとあおっています。食料自給率三八%、エネルギー自給率一三%の日本で戦争を長く続けようとするなど余りにも非現実的です。
今年度の軍事費は九兆円に上り、戦後初めての軍拡のための増税まで強行しました。まさに暮らしも平和も押し潰しています。
中国の脅威に対抗するには軍拡が必要でしょうか。日中関係が極度に悪化しているのは、総理の台湾有事発言が原因です。日中間には、互いに脅威とならないとした日中共同声明を始め、友好関係の礎となる幾つかの合意があります。言うべきことは率直に言いつつ、外交によって両国関係を前に動かす、そのために知恵と力を尽くすことこそ政治の役割です。
憲法九条が戦争の放棄と戦力不保持という世界に例を見ない徹底した平和主義を掲げたのは、国内外におびただしい犠牲をもたらした侵略戦争と植民地支配への反省からです。この下で、歴代政権は、軍事費はGDP比一%以内、専守防衛、集団的自衛権は行使しない、敵基地攻撃能力は保有しない、非核三原則を堅持し、国際紛争を助長する武器輸出は慎むなど、平和国家の原則を掲げてきました。国民が九条を我が物とし、権力を縛ってきた表れです。
集団的自衛権の行使を認めた二〇一五年の安保法制を始め、九条を骨抜きにする政治が加速しています。それでも、今日、米国の無法な戦争への加担を抑えているのは、九条が生きているからにほかなりません。
今月八日、国会前には三万人に上る市民が集まり、戦争反対、九条を守れと声を上げました。全国でこれに呼応した集会は百六十を超え、そのうねりはなお広がり続けています。高市政権の危険を前にいても立ってもいられないという多くの若い世代が、初めて参加する人々が、ペンライトの光を掲げて行動しています。九条を変えようと躍起になる皆さんの目に、この姿はどう映っているのか。主権者の声など聞こえないかのように戦争国家づくりに血道を上げるのは、日本国憲法の下で立法府の任を預かる者として、その自覚も資格も問われます。
どの世論調査でも、国民は改憲を政治の優先課題として求めていません。憲法審査会を動かすべきでなく、改憲案を具体化するための条文起草委員会など必要ありません。今、死活的に重要なことは、イラン戦争を終わらせ、直面する物価高騰や資材不足による苦境から国民生活を守ることであり、暮らし、平和、人権、憲法を徹底的に生かす政治への転換であることを強調し、意見とします。

―――

(参議院議員選挙における一票の較差について 参考人質疑)

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
今日は、御意見をいただき、ありがとうございます。
日本共産党は、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平であり、反対をいたしましたし、解消すべきという立場です。今日は、十一年前に合区制度の導入を強行された自民党からも民主主義をないがしろにする制度だという言葉がありまして、大変意を強くしたところです。
その上で、お二人に参議院の意義について伺いたいと思います。
日本国憲法が議院内閣制の下で二院制を採用しているのは、衆議院の多数派による横暴を抑制し、審議の慎重を保障することに意義があると言われます。熟議、再考の府とも呼ばれます。
現に、今国会では突然の解散・総選挙で予算審議が遅れたにもかかわらず、政府と衆議院の多数派が年度内成立ありきで予算審議を進めたのに対して、参議院で不十分とはいえ一定の審議時間を確保し、暫定予算を組み、年度をまたいでも審議を続けました。
参議院の意義について、改めてお二人の御意見を伺います。

○参考人 全国知事会副会長・鳥取県知事(平井伸治君) 我が国におきまして二院制が採用されたことの意義は、今、山添議員の方からもおっしゃいましたけれども、やはり熟議を尽くすと、これに尽きるのだろうと思います。
そして、私ども知事会でもかねて主張しておりますのは、できればその熟議の内容として、我々地方にいて、実際現場でいろんな仕事をやります。議員立法で出てきたものも含めて制度化されます。例えば、計画こういうもの作りなさい、あるいはこういう基準で何か仕事をしなさい。それが意外に、やっぱり現場でフィットしなかったり、大変に手間になって後々困ったりということは正直ございます。ですから、そういう意味で、もっと我々現場に沿ったような、そういうことを国会の中でも立法に当たりまして議論していただけると有り難いなと。
そういう意味で、先ほど来、地方の府のような性格も盛り込んでいただけると有り難いんではないかなというふうに申し上げているところであります。例えば、少なくとも、例えば委員会審議の際に我々地方を呼んでいただくということを衆はやらなくても参ではやるとか、そういうことをやっていただくともっと日本は良くなるんじゃないかなというふうに思いますし、それが熟議の内容を成すのではないかなというふうにも思います。
是非そうした幅広い視野で、この二院制の在り方を先生方にも議論していただきたいなと思います。

○参考人 徳島弁護士会合区問題PT座長・弁護士(志摩恭臣君) 参議院の意義につきましては、ここで皆さんが議論しているとおりでございまして、やはりその多様な民意を反映させるために衆参両院があり、やはり衆のその考えに対して、参において熟議、再考を果たすためにあるんだと考えております。
なお、参議院において一票の価値の最高裁の判例が平成二十四年、二十六年と、ある意味、判例変更に近いぐらい大きく変わったというのが、昭和五十八年の最高裁の大法廷判決以降、やはり培ってきた判例理論に対して、ちょうど平成二十四年、二十六年頃というのは政権交代等もあって、衆議院と参議院が同じような役割、権限を持っているではないか、そうであれば、やはり衆議院と同じような一票の価値の判定をすべきだという背景があったようにも聞いてはおります。
やはり、これから先、参議院の選挙制度を考えるに当たっては、衆議院と参議院の権限分配といいますか、役割をどうしていくのかというのは、選挙制度と表裏の関係かもしれないなとは考えております。

○山添拓君 ありがとうございます。
私、参議院の今指摘されたような役割を果たし得るのは、やはり衆議院と同様に参議院議員が全国民の代表だという憲法に位置付けられた立場があるからこそではないかと。またそれは、投票価値の平等を基礎とした参議院議員の民主的な正統性あってこそではないかと。だからこそ一票の較差の是正、それ自体は大変喫緊の課題だと考えます。
次の質問もお二人に伺いたいのですが、議会制民主主義の下で何より選挙制度に求められるのは、多様な民意を正確に議席に反映させることにあるかと思います。一人だけが当選して必然的に死に票が多くなる小選挙区に対して、比例代表の方が多様な民意を正確に反映すると言われております。ところが、現在、衆議院の議員定数削減の議論では、比例代表のみを一年後、四十五削減する、そういう案が取り沙汰されております。
比例代表制度の意義について御意見を伺います。

○参考人(平井伸治君) 改めて比例代表制度につきまして山添議員からお話がございましたが、比例代表制度というのは大陸系、ヨーロッパ大陸で発達した考え方であり、プロポーショナルリプリゼンテーションという立場であります。それに対してアングロサクソン系は、どちらかというと小選挙区制、一つの選挙区で一人を選ぶ、一票で選ぶということを採用しました。どちらもメリット、デメリットはあると言われています。
後者の小選挙区制の方は、これは決めることは多数派を形成しやすいということがありまして、例えば政権交代を起こしやすいというような面もあるんではないだろうか。そういう意味で、民意の反映ということを政権選択そのものに行きやすいということが言われます。現に、アメリカとかイギリスの選挙はそうなっているだろうと思います。ただ、これには逆に死に票が発生をする、切り捨てられる民意があるという根強い批判も他方でありまして、そういう意味で、比例代表制度によって多様な民意を反映するということがあるんだろうと思います。
現行の参議院選挙、そして衆議院選挙においては、その両方を選択をして組み合わせるという、いかにも日本的な中和剤を入れたようなやり方でございまして、これには一定の合理性は多分あるだろうと思います。
ただ、実際中身をどういうふうに割合を組むかとか、例えば、やるに当たりまして、復活制度を認める、あるいは選挙制度の選挙区の設定のやり方等々、やはり議会において、国会においてですね、立法裁量で幅広い中からより良い制度を選択していく、それを我々としても是非フォローして、また、そういうことによって実りの多い民意の集約とそれから政権の選択とが同時に行われるような、そういう政治制度の在り方というのを我々としても望んでまいりたいと思います。

○参考人(志摩恭臣君) 比例代表の意義につきましては、選挙制度、要するに、いわゆる代表論の話になって、私、若干は門外漢になるかもしれませんけれども、基本的には選挙制度の在り方は多数代表制と少数代表制と大きく二つに分かれるんだと思っています。で、多数代表制、要するに多数者から代表を出すべきだというのの最たるものが小選挙区、で、少数代表制、少数者からも代表を出すべきだというのがやはり、それの典型的なものが比例代表だと思っていて、やはりその比例代表が今現時点での我が国の選挙制度として衆議院にも参議院にもあるのは、やはりその少数からの意見もそれぞれくむべきだということで構築されているんだと考えています。
したがって、比例代表の意義というのが御質問だったかと思いますけれども、やはり単純な小選挙区で拾えない民意について、比例代表の方で当選した議員さんたちからその意見をくみ上げるというのが大事な意義だと考えています。

○山添拓君 ありがとうございます。
この間の選挙結果からは、民意は決して二大政党に収れんされるような、そういう状況ではないということは明らかだと思います。多様な民意を正確に議席に反映させる上では、比例代表制度を中心とした選挙制度とするべきだというのが私どもの考えですけれども、今日いただいた意見を今後の議論の参考にしたいと思います。
ありがとうございました。

 

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