2026年・第221特別国会
- 2026年4月23日
- 外交防衛委員会
イラン攻撃 核問題解決阻む「保有国に廃絶迫れ」
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
法案は、パスポート申請者の手数料負担の軽減などを内容とするもので、賛成です。
中東の核問題、非核化について伺います。
米国トランプ大統領がイランとの停戦期間を延長すると表明しました。合意に至るよう強く望みますが、米国が逆封鎖を維持している点は強く非難したいと思います。
おととい、私はイランのペイマン・セアダット駐日大使と懇談をいたしました。大使も、米国の逆封鎖に法的根拠がなく、和平協議の環境整備に逆行していると批判されましたが、そのとおりだと思います。セアダット大使は、二月二十八日の攻撃前にはホルムズ海峡は平穏で正常だったと強調しておりました。そして、攻撃前の米国との協議では、主要な議題は二つ、すなわち核問題とイランへの制裁解除であり、この核をめぐってはIAEAの事務局長も交渉に参加し、透明な形で前進を図っていたとお話しでした。
大臣の認識を伺います。
○外務大臣(茂木敏充君) 山添委員、駐日イラン大使ともお話をされたということでありますが、私も話をしましたし、そのときは、同時に、同じ日、時間をずらしてイスラエルの大使とも話をさせていただきました。さらには、湾岸諸国の大使ともお話をさせていただきました。いろんな意見がございます。是非各国の御意見を山添委員もお聞きいただいて、それぞれ立場が違ったりとか、事実認識が違うということもお聞きいただくとよろしいんじゃないかな、こんなふうにも思っているところであります。
その上で、イランによります核兵器開発、これは決して許されないというのが我が国の一貫した立場でありまして、イランに対しても米国との協議とIAEAとの完全な協力を求めてきました。我が国としては、今後もイランに対してIAEAと完全な協力関係及び核問題に関する一層の透明性向上を求めていく考えであります。
先ほど、二月二十八日前にはイランが、米・イラン協議にIAEAが関与していたというお話があったんですが、少なくとも私は、そのような事実関係については私は承知をいたしておりません。
その上で、IAEAがイランの核関連施設への査察を再開をすると、そのためにも米・イラン間の早期の合意が図られることが当然私は前提になるんではないかなと思っております。この合意なしにIAEAの査察、イランの核施設への査察が再開されるということは、恐らく、どういう状況だったらできるのかなというのは私には想像できないところであります。
先ほど来、イランとそして米国の間の再協議につきましては私の方から答弁をさせていただいておりまして、時間の関係もあって、多分余りにも答弁が長くなってしまいますと次の質問に移れないと思いますので、その点は省略をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、一刻も早く協議が再開をされて、実際に、ホルムズ海峡の安全な航行の確保を含む地域の情勢の鎮静化が実際に図られるということが何よりも重要だと思っておりまして、そのことがまたIAEAの実効ある活動にもつながると、このように考えております。
○山添拓君 イランの核開発が許されないというお話がありました。だからこそ、イラン側が、まあこの濃度問題がありましたので、イランが濃縮度を下げ、IAEAの査察を受け入れる方向での交渉が行われていたわけです。IAEAのグロッシ事務局長が出席していたことについては、既に報道もありますから、恐らく御承知なんだと思うんですけどね。
ところが、米国の違法な攻撃の結果、協議の議題は、核と制裁だけではなく、戦争の終結、ホルムズ海峡、レバノン問題、被害補償と多岐にわたり、はるかに複雑になってしまったと。核問題も含めて解決を困難にしてしまっているのが現状ではないかと思います。
ところで、イランは、一九七〇年発効のNPT、核不拡散条約の原加盟国です。したがって、民生利用はIAEAの監視下で認められております。また、二〇一五年、米国など六か国とのイラン核合意に基づいて核開発が抑制されていました。ところが、二〇一八年、この核合意から一方的に離脱し、核拡散防止に背を向けたのが第一次トランプ政権でありました。
大臣、伺いたいんですが、その核拡散防止に背を向けたトランプ大統領の米国とNPTに加盟せず核保有が疑われるイスラエルがイランの核開発を非難して攻撃したわけです。これは不条理じゃありませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) これ、イスラエルとイランの関係、また一九七九年以来のイランと米国との関係等もありまして、一つの要因だけによって対立が行われていると、そのようには理解をいたしておりません。
○山添拓君 私は、大臣がイランの核開発を強く非難する、決して許されないとおっしゃるので、この問題を指摘しているわけです。
ストックホルム国際平和研究所によると、イスラエルは核弾頭約九十発を保有していると推定されます。イスラエルは肯定も否定もしておりません。曖昧戦略と言われますが、核保有について曖昧など、もとより許されません。
昨年十二月、国連総会で、イスラエルに対してNPTへの加盟を求める決議が採択されました。その内容と日本政府の態度を御説明ください。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の国連総会決議の八〇/六七のことをおっしゃっているんだと思いますが、この中東における核拡散の危険に関する国連決議、これは昨年採択をされたものでありまして、その主な内容は、一つには、一九九五年のNPT運用検討会議において採択をされました中東に関する決議の完全な実施に向けて直ちに取組を行うことの要請、二つ目に、中東地域におけるNPTの普遍的な遵守の確保という目標を実現するために、イスラエルがNPTに加入をし、同国の全ての核関連施設をIAEAの包括的保障措置の下に置くことの重要性の再確認、さらに、NPTの締約国に対して、核兵器を開発、製造、実験又は取得をしないこと及び核兵器の保有を断念することの要請、こういったことが主な内容となっております。
この決議に類するものは毎年のように提出をされて採択をされてきているところでありまして、我が国はその時々の内容や関連する国際情勢を考慮して投票態度を決めてきておりますが、近年は賛成票投じてきておりまして、昨年もNPTの普遍化であったり、また国際的な核不拡散体制の維持強化を重視するという、こういう観点から賛成票を投じたところであります。
○山添拓君 御答弁があったように、イスラエルを名指ししてNPTの加盟やIAEAの査察の受入れを求める同様の決議は、一九七〇年代、七八年、七九年頃からほぼ毎年継続しており、近年、日本はほぼ賛成してきております。
大臣、改めて伺いますが、政府はイスラエルに対してNPTへの加盟を求める立場ですね。
○国務大臣(茂木敏充君) そのような理解で結構です。
○山添拓君 大臣自身はイスラエル側に直接求めたことはおありでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 外交上の様々なやり取りでありますが、私も一月にも中東を訪問して、イスラエル・ネタニヤフ首相や、また外相とも会談を行っております。前回の大臣時代にもイスラエルは訪問をいたしております。
日本の立場を踏まえて、様々な要求、率直にイスラエルに対しても、イスラエルにとって決して耳に聞き心地の良くないことについてもしっかりと、例えば西岸地域への入植の問題であったりとか、一番気にすることなんですよ、一番気にすることなんです。それもしっかりとこれは国際法違反だとか、そういった話もさせていただいております。
○山添拓君 今日は核の問題を聞いております。そして、イランに対しては核開発は決して許されないと明言されたのですが、イスラエルについてはそのようにおっしゃっていないんですね。
大臣はそうは言っても、求めてきているわけですから、政府の立場として。にもかかわらず、累次の国連総会決議に反してイスラエルがNPT加盟を拒み、IAEAの査察受入れを拒んでいる、これは許されないことですよね。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど来お話ししておりますように、我が国は国際的な核不拡散体制の維持強化を重視すると、こういう立場から、イスラエルに対しても、包括的保障措置が適用されます非核兵器国としてNPTに加入すると、このことを求めてきております。
○山添拓君 はっきりしませんね。
二十七日からニューヨークでNPT再検討会議が始まります。私は、今、不透明な状況の中で、だからこそ日本が核保有国に対して正面から主張する必要があると思います。NPT六条で、締約国は核軍縮のための誠実交渉義務を負っています。ところが、現実にはこれに逆行する動きが続いています。
再検討会議に当たって、核保有国に対してこの六条に基づく義務の履行をどのように迫っていくのか、大臣に伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) NPTの運用検討会議、これは一日二日で終わる会議ではなくて、御案内のとおり、四週間という長丁場になるわけでありますが、日本として、議長国であります議長ベトナムを支えつつ、NPT体制への各国のコミットメントを最大限に確認できるよう最善を尽くしたいと思っております。
NPTの第六条の履行につきましては、例えば昨年三月に地域横断的な非拡散兵器グループであります軍縮・不拡散イニシアティブ、NPDIを指導して提出をしました運用検討会議の成果文書に関する提案におきましても、第六条に基づき核軍縮を進展させることを核兵器国に対して要請をしているところであります。
運用検討会議の場におきましても、各国と連携しながらこうした働きかけを行っていく考えであります。
○山添拓君 そのNPDI、いつまでにどれだけ削減するという提案になっていますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 通告を受けておりませんので、通告をしていただきましたら答えますし、またそういった詳細なことにつきまして、参考人の出席によりまして参考人から答えるような機会をつくっていただけると大変有り難いと思っております。
○山添拓君 大臣が説明されたので私伺ったんですけれども、実はそのような詳細はあるわけではありません。
私は、今、核兵器禁止条約が発効して、それが国際規範となっている以上、NPT六条に基づく軍縮の交渉もこれと整合するものであることが求められると考えます。核は廃絶するしかありません。唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に参加するべきです。
ましてや、我が国が非核三原則を投げ捨てるなど断じて許されない、このことを指摘して、質問を終わります。