山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2026年・第221特別国会

一票の格差に関する参考人質疑 特定政党の都合で進められる選挙制度改革 「議会制民主主義に求められる議論のあり方ではない」

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
今日は、貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。
お二方に御質問です。
お二方とも、今日の意見陳述の中で、参議院の選挙制度、参議院に本来限らずかもしれませんが、選挙制度とその権限に密接な関係があるという御意見を述べられていたかと思います。上田参考人には、四年前にも御意見頂戴したことがありました。今日も陳述の中で権限と組織は相関関係という言葉も紹介されており、印象に残っております。
つまり、選挙制度と組織の在り方、そして権限、これは相関関係にあるというときに、現行の憲法では、全国民代表、また、衆議院と同等の権限や役割を持たせております。今日も議論があるような地方代表制や特定の職域などを代表するということではなく、衆議院と同等の権限、同等の代表制、その趣旨や狙いというのは現行の憲法としてはどういうところに期待をしているものだとお考えでしょうか。

○参考人 上智大学法学部教授(上田健介君) ありがとうございます。
大変大きな御質問で、ぱっと満点の答えは出せないんですけれども、これ、同等の権限かどうかというところは解釈の余地がございます。先ほど申しましたように、ほぼ等しいのは確かですけれども、違うと見るか、やっぱり同等だと考えるか、ここは解釈の余地があろうかと思います。
あと、ただ、両方とも言わば国民代表ですので、そういう意味で、何というか、近しいものを与えているのかなと思います。
ただ、他方で、先ほどの御質問にございましたが、はっきり任期は食い違わせておりますし、解散もないと、明らかに参議院の方が時間軸は長く考えるということは、これは憲法は求めておるのは確かだと思いますので。
あともう一つは、砂原参考人もおっしゃっていましたが、日本国憲法の条文というのは、やっぱり地方自治の本旨もなんですけど、割とふわっとしているものが多くて、その中で解釈の余地が広いものでございます。国会の両議院の在り方についても、やっぱり解釈の余地が広いものだと思いますので、その中で、だから、実際に肉付けをしていくというか、そこの余地というのはかなり広いものがあろうかというふうに考えておりますので、ちょっとお答えをはぐらかせることになるかもしれませんけれども、そこは何か、必ず等しいという積極的なところまでは求めたものだと考えない方がよいんじゃないかというのが私の理解でございます。
以上です。

○参考人 神戸大学大学院法学研究科教授(砂原庸介君) これもどうしても上田参考人と近いお話になってしまいますけれども、やはり憲法で規定しているとか求めていることは両議院で組織するということなわけです。これは何かというと、結局のところ、衆参両院でどのような決定を導くかみたいなことをきちんと考えてほしいということでもあろうかというふうに私は理解しております。
つまり、衆議院は衆議院、参議院は参議院で独立だということはしばしば言われるわけですし、その選挙はそれぞれ別に選ばれるわけですが、両者がずっと突っ張り合うということは予定されていないといいますか、両者で国会を形成しているということをやはり改めて考えていただきたいと。
その中で、参議院が例えば、衆議院も自分なりの役割を考えるべきだと思いますが、参議院が例えばその両議院の役割分担の中で謙抑的な姿勢を取るということは別に不思議ではないと思いますし、両議院として決定をするときにどのようなやり方が良いかということを考えた上で、参議院が特定の行動を取る、衆議院が特定の行動を取るということは十分にあり得ると思います。

○山添拓君 どうもありがとうございます。
地域代表ではなく全国民の代表であることを求めて、かつその国会に民意をなるべく正確に反映させる、これは議会制民主主義の下では最優先されるべきだと思います。その下で、衆参でそれぞれの役割をどう踏まえて臨むのかということにお二方の御意見もあったかと思います。参考にさせていただきたいと思います。
その上で、この点もお二人に伺います。
参議院の選挙制度の見直しは、二〇〇九年の最高裁判決で投票価値の平等のための仕組み自体の見直しを提起した。これを受けて各党の議論が重ねられてきました。
私たち日本共産党は、選挙制度の抜本的な見直しとしては、多様な民意がより正確に反映される、比例代表を中心とした選挙制度にすべきだと提起し、合意形成に向けても取り組んできたつもりです。
一方、現実には、二〇一二年、四増四減で先送りとなり、一五年、二つの合区と十増十減で一時しのぎとなり、さらに一八年、合区の矛盾を緩和するという思惑の下に比例代表に特定枠制度が持ち込まれました。本来求められていたのは投票価値の平等のための抜本的な見直しでしたが、当時、憲法改正こそ抜本改正だなどと述べた政党もありました。
私、振り返ってみますと、一連の選挙制度の変遷というのは、特定制度、特定の政党の都合によって進められてきたというところがあるかと思うんです。これは本来の議会制民主主義に求められる選挙制度についての議論の在り方ではないように感じます。お二方の御意見を伺います。

○参考人(上田健介君) 御質問ありがとうございます。
これもなかなかお答えが難しい御質問なんですけれども、正直申しまして、ちょっときつい言い方になりますが、何というか、皆様はこの選挙制度に関しては当事者、非常に切実な当事者でいらっしゃいますので、そういう意味で、どういう選挙制度をするかということがそれぞれのお立場からやっぱり考えがある、これはもう事実としてあろうかと思います。ただ、それはさはさりながら、それを、何というか、きちんと筋の通ったというか、理念に基づいてきちんとやっぱり議論をして、その中で落としどころをつくっていくというか、それはやっぱり国会として大事な在り方なんじゃないかなというふうに思っております。
済みません、これで御勘弁いただければと思います。

○参考人(砂原庸介君) どうしてもの話になってしまいますが、やはり御自身が選ばれるような選挙制度について努めて客観的に議論するというのはなかなか難しいところがあるのは事実で、多くの国ではやはり第三者的な組織がもう少し選挙制度についても議論すると。
これは、ただ、選挙制度というときに、日本の文脈ではやはりどのように選ぶかという投票方式が注目されることが多いですが、やはり選挙制度はそれだけではありませんので、例えば先ほどから申し上げているような選挙をいつやるかという選挙のタイミングの問題もそうですし、あとは選挙運動期間ですとか、そういったものも含めて、もう少し議員とは違うところに決定を委ねるというのは、ほかの国ではしばしば取られる方法であるかなというふうには思います。

○山添拓君 控えめながらも有効な、有意義な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
本来選挙制度については、参議院では参議院改革協議会が設置され、その場で各党各会派が参加する下で、時間も掛け、また合意形成を図る中で、今御指摘のあったような第三者的な意見も踏まえながら制度の方向性を定めていくということが参議院で取り組まれてまいりました。
ですから、私どもとしては、本来この憲法審査会における、憲法改正発議を任務とする審査会における議題としてはふさわしくないという考えを持っております。今日御意見もいただきましたことを参考に、今後の議論に加わっていきたいと思っております。
ありがとうございました。

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