2026年・第221特別国会
- 2026年4月21日
- 外交防衛委員会
「平和国家」の歩み覆す 武器輸出全面解禁
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
日出生台での事故で亡くなられた方に哀悼の意を表します。原因究明と、また徹底した調査、そして、それらが完了するまで少なくとも訓練は中止をするよう求めたいと思います。
米国トランプ大統領が、イランとの停戦は日本時間二十三日午前が期限とし、合意に至らなかった場合に延長する可能性は極めて低いと述べています。イラン側は十八日、ホルムズ海峡は以前の状態に戻り、厳格な管理統制下に置かれたと表明しました。米国が海賊行為を繰り返しているとし、逆封鎖が解かれるまで管理下に置くと主張したものです。この下で、十九日、米海軍がオマーン湾でイラン船籍の貨物船を砲撃、拿捕しました。米軍が行っていることは、紛れもなく停戦合意違反の武力行使です。
外務大臣に伺いますが、この米国による逆封鎖が戦争終結の障害となっています。大臣の認識を伺います。
○外務大臣(茂木敏充君) 米国とイランの間、これまでも四十七年間にわたりまして様々な対立というのがあったわけでありまして、和平に持っていくためには、硬軟両様といいますか、お互いにそういった形で交渉していると、これが現実の姿であると思っております。どちらの肩を持つとかそういうことではなく、現実の姿としてはそうなんだと思っておりますし、また米国によります措置については、米国は、イランへの港湾への出入港を行う全ての船舶に対する封鎖措置、これを実行する一方で、ホルムズ海峡を通過してイラン以外の港湾に向かう、あるいはそこから離れる船舶の航行の自由を妨げない、このように発表しているところであります。
次回の米国とイランとの協議については、いつどのような形で行われるか、現時点では率直に申し上げて不透明な状況でありますが、最も重要なことというのは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の鎮静化が一刻も早く実際に図られるということでありまして、米・イラン間の協議が再開され、話合いを通じて最終的な合意に至ることを強く期待をしておりますし、期待をするだけでなくて、日本としても引き続き、米国とイランの間の協議であったりとか、パキスタンを始めとする仲介国の外交努力、本当にパキスタンなんかも頑張っていると思います、私も率直に直接話したりして、そういった仲介努力を後押ししたり、国際社会と様々な形で連携をしながら、必要な外交努力、これを進めていきたいと考えています。
○山添拓君 大事なことだと思いますが、実際に鎮静化の求めに逆行することを行っている米国の態度があります。
イランは米国との再協議を拒否していると報じられてきました。その理由として挙げているのが逆封鎖ですね。一方、トランプ氏は、イランが合意に応じない場合にはイランの全ての発電所と橋を破壊すると、こう脅しております。これでは協議にならない。私は、大臣がおっしゃるように、話合い、そして合意に至るということが重要だと思います。
そうであるなら、今、米国に対して、攻撃や、またその脅しということではなく、戦争終結のための交渉のテーブルに着くように、そして話合いによって合意に至るようにと、その妨げになっているような逆封鎖はやめるようにと米国に対して求めるべきでありませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) 山添委員からそういった御意見いただくところでありますけれど、日本としても、米国に対しても、早期の事態鎮静化に向けた働きかけと。これは、先月の日米首脳会談、私も同席しましたが、実際に行っておりますし、またイランに対しても、高市総理からペゼシュキアン大統領に対して、また私からアラグチ大臣に対しては四回電話会談でそういったことを行っておりまして、これ、片一方だけが折れろということではなくて、双方が自制心を持ちながら協議に入り、そして最終的な合意点を見出すということが重要なんだと思っています。
○山添拓君 その後の展開としての逆封鎖という行動に米側は出ているわけですから、それを踏まえた対応も是非される必要があるだろうと思います。とりわけ、米国に対して、攻撃をやめ、再攻撃しない、その保証をした上で戦争終結のための協議に臨むよう伝えるべきだと、これを改めて求めたいと思います。
次に、政府が今朝、閣議決定で強行した武器輸出の全面解禁について伺います。
殺傷兵器の輸出を制限する五類型を撤廃し、戦闘機や艦艇、政府が憲法上持てないとしてきた長射程ミサイルまで輸出可能となります。戦後日本の平和国家としての歩みを根本的に覆すもので、断じて認められません。
防衛大臣に伺います。朝日新聞の世論調査で、全面解禁に賛成は二五%、反対が六七%に上りました。この世論を無視して強行するのですか。
○防衛大臣(小泉進次郎君) 世論調査、様々ありますので、読売新聞は四〇対四八で、世代を見れば現役世代はむしろ賛成の方が多いという、こういった調査もあります。
いずれにしても、一つ一つの世論調査については私から余り深入りはしませんけれども、今回、山添先生、ミサイルを例に出しますが、共産党さんミサイルが大好きなので、今までもミサイル列島とかも言われていますけれども、今回の……(発言する者あり)いや、関係あります。
今回、私はオーストラリアに行って話をしてきたのは、ミサイルではなく護衛艦の「もがみ」型の能力向上型の移転でありますし、そのオーストラリアは、やはり今回の選定にとって大事だったのは、省人化をされた護衛艦であること、そしてステルス性、こういったものも含めて、地域の平和と安定に資するという観点からも日本の護衛艦を選んでいるわけです。
ですので、ここは一つ一つ丁寧に今後説明させていただきますが、日本にとって望ましい安全保障環境を創出をしていくと、そのための必要な施策として防衛装備移転を五類型を撤廃した上で進めていくと。そして、厳格な審査、適正な管理、これは変わりありません。
○山添拓君 毎度質問のたびに共産党をやゆするのはやめてください。そして、大臣が紹介された読売新聞の世論調査でも反対の方が多いんですよね。
今回の改定に当たって政府内でどのような議論を行ってきたのか、特に国際紛争を助長する武器輸出は行わないとしてきた従来の政府見解との整合性について、どこでどのように議論されたか、御答弁ください。
○国務大臣(小泉進次郎君) 世論調査は聞き方によっても大分変わりますので、今後、かなり賛否も拮抗しているところもありますし、丁寧にその意義というものを説明をさせていただく所存です。
そして、今回我が国が行う防衛装備の移転は、憲法前文において宣明された平和主義の精神にのっとったものでなければならないと考えております。防衛装備移転三原則は、個別の案件ごとに厳格審査を行い、かつ移転後の適正管理を確保することで、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を担保しているものであり、憲法の平和主義の精神にのっとったものであると考えておりまして、それは今回の改正後も変わりはありません。
今後、自衛隊法上の武器に該当する完成品の移転につきましても防衛装備移転三原則に従って行うものであり、このような防衛装備移転三原則に従った防衛装備移転は憲法の平和主義の精神にのっとったものであり、国際紛争を助長することはないという旨の従来の政府の立場と矛盾するものではないと考えております。
○山添拓君 全然質問にお答えいただいていません。私は決定プロセスを聞いたんです。どこでどのようにそれを議論されたかということを聞いています。
○国務大臣(小泉進次郎君) これは、最終的に、プロセスの中では九大臣会合を持ちまして、そして最終的に今朝の閣議決定ということになります。
○山添拓君 殺傷兵器を輸出しても国際紛争を助長しないと言える根拠は、大臣、示せますか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 確認ですけど、殺傷兵器を輸出しても(発言する者あり)国際紛争を助長しない。
まさに、日本は平和国家の歩みを戦後続けてきまして、この防衛装備移転三原則、今回の見直しをした後でもなおその精神は変わりはありませんし、我々がなぜ防衛力整備や安全保障政策を強化しているかといえば、この地域に新たな戦争と紛争を起こさせないための必要な抑止力と対処力を持つことであります。
○山添拓君 それは根拠の答えではありません。
政府内における決定プロセスを記した資料、委員会に御提出いただきたいと思います。
○委員長(里見隆治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○山添拓君 先ほど、広田委員との質疑で大臣は、輸出品の目的外使用は想定されないけれども、万一侵略に用いているのを確認すれば是正する、使用の停止を求めたり、差止めもと答弁されました。これは、どういうふうに使われているかの調査が前提かと思います。
大臣は、先週、この委員会で、日本がライセンス生産でアメリカに輸出したパトリオットが米軍内でどう使われるか、例えばイラン攻撃に使われたかなども含めて、これは米軍の運用の問題であるとして、答えを差し控えると御答弁されました。
目的外使用がないのか、調査が必要だということですね。
○国務大臣(小泉進次郎君) いや、これは通告外ですけれども、山添先生が言うような米軍の運用に対して詳細をお答えをすることは差し控えるというのは、それは今回のこの件に限らず、私は今までも申し上げておりますし、それが政府の立場であります。
○山添拓君 要するに、目的外使用があれば使用の差止めを求めるとか是正を図ると言いながら、米軍の運用の問題だと言ってお答えにならないわけですよ。必要な調査を行うということを今度の運用指針に書いていますけど、調査を行うというけれども、米軍の運用の問題だと言って答えない、これでは歯止めなんか何にもないと。改定してその日のうちに既に歯止めがないということが露呈したと言わざるを得ないと思います。
一九七六年、三木内閣が武器輸出の全面禁止を宣言し、八一年、衆参本会議の全会一致の決議でこれを確認しました。ですから、国是であり、一内閣の一存で変更できるものでは本来ありません。
二〇一四年に安倍内閣が原則禁止から原則可能へと転換し変質させましたが、それでも殺傷兵器については五類型に限るという制約を設けざるを得ませんでした。
国是である原則を国会で語らず、閣議決定で葬り去ることは、破り去ることは議会制民主主義のじゅうりんであり、撤回を求めたいと思います。
現役自衛官の自民党大会の出席について伺います。
資料をお配りしています。陸上自衛隊第一四音楽隊の公式サイトです。
原則として政党からの依頼又は政治的活動に関与するおそれのある場合、依頼を受けることができない、こう書いています。
先週、大臣は、これ持っていないので確認したいという御答弁でした。確認されたでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、それを持っていなかったことは勘弁してもらいたいと思います。全国の駐屯地の資料を全部持っているわけではありませんので。
あの質問を受けまして、先生がおっしゃる陸上自衛隊第一四音楽隊、こちらの確認をさせていただきました。
この陸上自衛隊第一四音楽隊のホームページ内には、県、市町村等地方公共団体、全国的な連盟、これは野球やボーイスカウト等と書かれておりますが、報道機関、教育機関等から公共的事業を優先的に行っています。原則として個人、企業、政党、宗教団体からの依頼又は政治的活動、宗教的活動、思想的活動及び企業等の営利に関与するおそれのある場合は依頼を受けることができませんと記載をされております。
これは、あくまでも陸上自衛隊第一四音楽隊が部隊として演奏の依頼を受ける上での考え方を示したものでありますので、具体的には、自衛隊音楽隊の演奏は人気が高く、多くの依頼が寄せられていることから、公共性を有するイベントにおける演奏を優先するとの考え方を示したものだというふうに認識をしております。
いずれにしましても、原則としてとあるように、政党からの依頼という点のみで対応の可否が判断されるものではなく、個別具体的に判断されるべきものと考えております。
○山添拓君 この原則というのは中央音楽隊も基本的には同じですね。
○国務大臣(小泉進次郎君) これは、第一四音楽隊のものですので、この原則としてというものが中央音楽隊かというのは、これも確認をさせていただきますが、いずれにしても個別具体的に判断されるべきものだと考えております。
○山添拓君 一四音楽隊がこうした原則を掲載するに当たっては、根拠としたり参照したりした内規や通達があろうかと思います。それを確認の上で、当委員会に提出を求めたいと思います。
○委員長(里見隆治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○山添拓君 防衛大臣、そもそも自衛隊法六十一条が政治的行為を制限しているのはなぜでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 自衛隊員は、全体の奉仕者として国家公務員たる地位に当たり、政治的に中立な立場で公正に職務を行うことが要請されていることから、自衛隊法第六十一条第一項において隊員の政治的行為の制限が定められていると承知をしております。
○委員長(里見隆治君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○山添拓君 はい。
私はそれにとどまらないと思うんです。実力組織である自衛隊ですから、これは一般の公務員と全く異なる政治的中立性が求められるものです。軍隊が時の政権と癒着し、あたかも与党の私兵であるかのように動くのでは、平和と民主主義を危うくするからです。私、大臣は報告があったら別の判断があり得たと、こうおっしゃっておりますが、現場では何の問題意識もなく、SNSに写真もアップされておりました。実力組織である自衛隊の政治利用について余りに無頓着であると、この点を反省すべきであると、このことを指摘して、質問を終わります。