山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2026年・第221特別国会

米の軍事介入許すな 対キューバ燃料封鎖で

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
今日は、キューバの現状について伺います。
キューバは石油の六割をベネズエラから輸入していましたが、一月の米国によるベネズエラ攻撃の後はなくなりました。さらに、トランプ大統領がキューバに直接、間接に石油を販売、提供する国への追加関税に署名したことから、メキシコなどからの輸入も止まりました。現在、一滴の石油も入っていません。言わば兵糧攻めの燃料封鎖です。
備蓄が枯渇し、首都ハバナでも一日十八時間停電という事態であり、電力不足のために約十万人が手術を待ち、うち一万一千人が子供たちだとも伺います。記事をお配りしていますが、ここでは、燃料不足でごみ収集車が来なくなり、ごみがあふれ、蚊やネズミが増えたということも紹介されています。
非人道的な事態が生じております。まず、外務大臣の認識を伺います。

○外務大臣(茂木敏充君) キューバは、私も三年前に訪問いたしましたが、コロナ禍以降、主要産業の観光業、打撃を受けたこともありまして、国内経済の状況が悪化をして、国民生活は厳しい状況に当時からありました。
また、当時から燃料不足の問題もありまして、キューバに行くとアメリカのクラシックカーが走っているのかと思ったら、あんな燃費の悪い車なんかとても使えないと、こんなことを言っていたのを非常に覚えているところであります。
それが今年に入りまして、主要な燃料供給国でありましたベネズエラ等からの供給が途絶、燃料事情が急激に悪化したと承知をいたしております。これによりまして、キューバ国内では大規模停電、以前から停電はしていたんですけれど、大規模停電であったり断水、さらには医療機関での手術の遅延等が頻発に発生をし、公共交通の制限であったり学校閉鎖等の緊急措置がとられるなど、国民生活に重大な影響が拡大していると、このように認識をいたしております。

○山添拓君 ありがとうございます。
先週末、我が党の志位和夫議長とともにキューバのヒセラ・ガルシア大使と懇談し、状況を伺いました。乳幼児の死亡率、半年前は千人に四人、これはアメリカよりいい数字だったのですが、今は倍以上の九人になってしまったということです。モーターが回せず、二百万人以上に水へのアクセスに問題が出ているとも伺いました。看過し難い事態だと思います。
日本とキューバは二〇二九年に国交百年を迎えます。伊達藩、支倉常長のヨーロッパ使節団が一六一四年にハバナに立ち寄ったことを含めると、四百年以上のつながりがあるとも伺います。良好な関係を維持してきた二国間だろうと思います。近年、日本政府はキューバに対してどのような支援を行ってきたのか、また外務省は五月十二日、十・六億円の無償資金協力を発表しています。内容を御説明ください。

○政府参考人(西崎寿美君) お答え申し上げます。
我が国は、近年、キューバに対し、人道的観点からの支援や同国が進める経済改革を後押しするような人材育成を行ってきております。最近では、昨年のハリケーン被害に対し、水、衛生及び保健インフラ改善のための無償資金協力をユニセフと連携して実施しております。
また、現在、キューバでは、深刻な電力不足のため、特に病院への電力確保が緊急の課題となっていると承知しております。かかる状況及びキューバ側からの要請を踏まえて、太陽光パネルなどの整備を行うことを決定しました。同支援は、キューバ国内十か所の病院におけるエネルギー供給の安定化及び医療サービスの持続可能性の向上を図り、現下の人道状況の改善を目的としたものでございます。

○山添拓君 キューバは、この間、太陽光発電の比率を短期間で三%から一〇%に引き上げ、エネルギーの確保を探っているそうです。そうした下での今御紹介のあった病院への太陽光パネル設置の支援は大変歓迎されております。
二〇二五年十月二十九日、国連総会は、アメリカ合衆国によるキューバに対する経済、通商、金融上の禁輸措置を終わらせる必要性についての決議を賛成多数で採択しました。内容と日本政府の対応について御説明ください。

○外務省 大臣官房審議官(門脇仁一君) お答えいたします。
御指摘の国連総会決議は、全国連加盟国に対し、米政府による禁輸措置のような他国の自由貿易を妨げるような法令、措置の制定を差し控えるよう要求し、現在そのような法律や措置をとっている国に、早期にそれらを廃止、無効化することを要求するものと承知しております。
我が国は、日本企業を含む第三国企業、国民の米国外での経済活動の保護の観点から、一九九七年以降、現在まで、本決議に対して一貫して賛成票を投じてきておりまして、御指摘の昨年の決議にも賛成票を投じたところであります。

○山添拓君 同種の決議は、九二年以来、毎年圧倒的多数の国の賛成で採択されてきました。六十年以上続く米国の一方的な禁輸政策に対して、国際社会は反対してきたわけです。
外務省に重ねて伺いますが、日本政府が賛成してきたのも、今、日本企業への影響なども御紹介ありましたが、基本的には、主権の平等あるいは内政不干渉、こうした国連憲章や国際法の原則をも考慮して、こういう態度を取ってきた、こう考えてよろしいでしょうか。

○政府参考人(門脇仁一君) この賛成票を投じてきた理由でございますけれども、こういった制裁、米国のキューバに対する経済政策、これが日本企業を含む第三国企業、国民の米国外での経済活動が、こういったことが過度に制限されますと、国際法上許容されない国内法の域外適用に当たるおそれがあるということを、各国の懸念を共有して一貫して賛成票を投じてきているところであります。

○山添拓君 国連憲章や国際法の原則をも当然考慮したものですよね。

○政府参考人(門脇仁一君) 繰り返しになりますが、日本企業を含む経済活動の制限について、あるいは国際法上許容されない国内法の域外適用に当たるおそれがあるという懸念を共有してのことでございます。

○山添拓君 こうした下で、米国トランプ大統領が、次はキューバだなどと述べて、対キューバの軍事作戦を示唆しているのは重大です。
アメリカメディアは、トランプ政権がキューバへの軍事行動に備えて机上演習を実施したと報じ、空母打撃群がカリブ海に入った、あるいは強襲揚陸艦が米南部バージニア州沖で待機していると伝えられています。
一方で、ブラジルのルラ大統領は、トランプ大統領との首脳会談後、トランプ氏がキューバ侵攻を考えていないと述べたと明らかにしています。また、ルビオ米国務長官は、キューバとの外交交渉の見通しを説明する中で、我々が常に望むのは外交的解決であり、交渉による合意だと述べています。
これ、外務大臣に伺います。
キューバをめぐる現状は危険をはらんでいますが、外交的、平和的解決が重要であり、必要であることは確かだと思います。認識をお示しください。

○国務大臣(茂木敏充君) 我が国として、あらゆる国家間の問題について、話合い、外交的解決によって、外交的に解決することが重要であると、このような姿勢は一貫しております。

○山添拓君 ブラジル、メキシコ、スペイン三か国の首脳は四月十八日に共同声明を発表し、一方的な武力行使に反対する姿勢を示しました。キューバ問題は、国際法に沿った真剣で相手を尊重した対話を通じた解決をと訴え、キューバ国民の生活状況を悪化させる行動を避けるよう求めています。
この声明は米国を名指しをしていませんが、趣旨は日本政府も同意できるものだろうと思います。ですから、やはり平和的な解決が前提だと、こういう態度で臨んでいただきたいと思いますが、改めて、大臣、いかがでしょう。

○国務大臣(茂木敏充君) これ、先ほど申し上げたような形で、問題が起こった場合には話合いによって解決をする、これが基本だと考えております。
ただ、その上で、個別具体的な状況につきましては、その事情がどういうことから発生してどうなっていくかと、様々な課題があるということもあれでありまして、個別の事象に対してどうであるべきだと、第三国として申し述べるのは控えたいと思います。
○山添拓君 先ほどの外交的な解決が重要だという御答弁だと思います。
キューバの現状、依然として深刻です。状況を踏まえて更なる人道支援についても検討すべきと考えますが、外務省、いかがでしょう。
○政府参考人(西崎寿美君) お答え申し上げます。
現状、キューバでは国内全土で大規模停電が頻発するなど、人道面で困難な状況に直面していると承知しております。こうした状況を踏まえ、人道的観点から、今後必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
○山添拓君 あしたから始まる世界島嶼国海洋会議に合わせて、副首相が来日中と伺います。良好な関係を築いてきた日本政府として必要な対応を取るよう求めたいと思います。
米国司法省は、五月二十日、三十年前の小型機撃墜事件を理由にキューバのラウル・カストロ元国家評議会議長を起訴しました。同じように米国が体制転換を狙う相手の国家元首を起訴したのがベネズエラです。
今年一月、米国はベネズエラへの軍事作戦によってマドゥーロ大統領を拘束し、本国に連行して裁判にかけました。この点について、日本政府は、ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めていくなどと表明しましたが、いかなる理由があっても主権国家に対して軍事攻撃し、指導者を拘束、連行することなど許されません。国連憲章と国際法を乱暴に踏みにじる侵略にほかなりません。大臣の認識を改めて伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) ベネズエラの現状についてお話をしますと、一つは、米国との外交関係再開が発表され、そして一部の政治犯の釈放が実施され、さらに経済改革に向けた法改正等の動きがあると、このように承知をいたしております。
我が国として、ベネズエラにおける民主主義が回復されることが重要であるとの一貫した考えに基づきベネズエラ情勢に対応してきましたが、今後、これらの動きがいかにベネズエラでの民主主義の回復につながっていくかということを含め、情勢を注視していきます。
引き続き、G7や関係国と緊密に連携しつつ、ベネズエラにおける民主主義の回復や情勢の安定化に向け、避難民等ベネズエラ国民の民生支援、そして周辺国の支援を含め、関連の取組を進めていきます。
○山添拓君 私が伺ったのは、トランプ政権が行った軍事作戦による大統領の拘束、連行、この問題です。いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 一月の事案についての評価でありますが、国連、各国政府、専門家等、国際社会で様々な議論が行われているところでありますが、我が国として、今回の事案について正確かつ詳細な事実関係を十分把握することは困難であることから、評価を行うことは差し控えたいと思っておりますが、いずれにしても、今必要なこと、今やるべきことについては先ほど答弁をさせていただいたとおりです。
○山添拓君 軍事攻撃によって指導者を拘束、拉致することを容認されるのですか。これは詳細な事実関係がどうかという以前に、客観的な事実関係で誰もが承知していることじゃありませんか。容認されるのですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 事案全体について申し上げると、評価できないと、評価することは困難であると申し上げております。
○山添拓君 それは、私は極めて情けない、法の支配とは懸け離れた態度だと思います。だって、先ほど別の方の質問に対しては、ロシアのウクライナ侵略に対して国際秩序を根幹から揺るがす、力による一方的な現状変更、こうお話しになったじゃありませんか。ベネズエラに対して行われたこともそうだと思いますよ。誰が見てもそうとしか言えないと思います。
米国は戦後、ニカラグア、グレナダ、パナマなど、中南米で侵略を繰り返してきました。日本政府は一度も批判していません。いや、米国が世界中で行う国際法違反の先制攻撃、侵略戦争に一度として反対したことがありません。しかし、力による平和を許さないためには、法の支配を貫くことが求められます。それは相手がどんな国であってもです。西半球を再び米国の裏庭にしようというトランプ大統領です。私は、このベネズエラ侵略はもちろんですが、キューバへの軍事介入など断じて許されないと、そういう立場を日本政府としても表明していくことが必要だと思います。そのことを強く指摘をして、質問を終わります。

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