山添 拓 参議院議員・日本共産党

ブログ

2016年11月16日

憲法審査会で発言

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参院選後初めてとなる憲法審査会が参議院でひらかれ、私も日本共産党を代表して発言しました。

憲法についてのテーマを決めない自由討議でしたが、自民党が改憲を進めるべきだと煽り、公明党も「加憲」をと応じる。憲法改正に進みたい意思がありありと伝わります。
私は、改憲発議のための憲法審査会は開くべきでないこと、改憲に傾く安倍政権の下で安保法制=戦争法の強行、自民党改憲草案の提示という2つの重大な動きがあること、いま国会に求められているのは憲法をいかした政治を進めることだと訴えました。

NHKニュースでも報じたとのこと。
以下、準備していた原稿の全文です。

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 私は、日本国憲法の下で生まれ、学び、弁護士として仕事をするなかで、憲法の重みと価値を、痛感してきました。積み重ねられてきた憲法判例には、人々のたたかいの歴史が刻み込まれています。私が取り組んできた福島原発事故の被害回復を求める事件、過労死やえん罪など、権利を侵され、たたかう人々の隣にはいつも憲法がありました。
電通の過労自死事件が報道されています。先日、私もご遺族のお話をうかがいました。春、希望に満ちて就職した会社で、秋には一週間にわずか10時間しか眠れないほどの長時間労働を余儀なくされる。自殺するのによさそうな歩道橋を探す自分に、気づいたそうです。年末には家族で一緒に過ごそうと言っていたのに、クリスマスイブに自ら命を絶つまで追い込まれた――。働き過ぎで命を落とす社会は、どう考えても異常です。
人間らしく働ける社会をと多くの人が求めるなか、過労死・過労自死のない社会を実現することは、まともに働く権利、自分らしく生きる権利を保障する、政治に求められた、大事な仕事です。医療、介護、子育てや教育、くらしにかかわるあらゆる場面で、憲法を羅針盤に政治の舵を切ることこそが、国会に求められています。

ところが、この憲法審査会は、憲法改正原案の発議を審査する権限を持つものであり、ここで議論を進めることは、いきおい改憲案をすり合わせることになります。
日本共産党は、国民の多数が改憲を求めていないなか、改憲のための憲法審査会を動かす必要などなく、動かしてはならないと考えます。

さらに見逃すことができないのは、安倍首相がこの間、改憲について重大な発言を繰り返していることです。
参院選が終わった途端、口にしたのは「いかに我が党の案をベースに3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術」という発言でした。今国会冒頭の所信表明演説では、「(改憲)案を国民に提示するのは、国会議員の責任だ。」などと述べ、国会に改憲発議をあおる有様です。総理大臣として、最も重い憲法尊重擁護義務を負っている安倍首相の、こうした発言は、国民が権力を縛るという立憲主義のあり方を理解しない、到底許されない姿勢であることを指摘したいと思います。

その上で、憲法破壊を進める安倍政権における、2つの点について述べます。

 一つは、集団的自衛権の行使を容認した2014年7月の閣議決定と、これに基づき昨年強行された安保法制=戦争法です。
戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定める憲法9条からすれば、集団的自衛権が認められないのは明らかです。日本に対する侵害行為がないにもかかわらず、同盟国への攻撃だけで相手国を攻撃する、攻撃した相手に対する関係では、先制攻撃以外のなにものでもありません。歴代の内閣ですら、明確に違憲としてきたものです。
昨年6月、衆院の憲法審査会で3人の憲法学者がそろって違憲と述べたとおり、憲法9条とも、歴代自民党政府の解釈とも論理的整合性がなく法的安定性も認められません。
一内閣の判断で、9条という日本国憲法の最も特徴的で誇るべき条文について、その解釈を180度転換させ、黒を白と言いくるめるとは、常軌を逸しています。だからこそ、学生や学者が、ママたちが、多くの市民が主権者として主体的に行動をおこし、安保法制=戦争法を許すなと声を上げました。しかし政府与党は、その声に全く耳を傾けることなく強行採決に及んだのです。立憲主義と民主主義を蹂躙する政治に、国民の怒りが渦巻いています。
違憲の法律は、1年経っても違憲のままです。
 ところが安倍政権は昨日、南スーダンPKOに派遣する自衛隊に、安保法制に基づき駆けつけ警護など新たな任務を負わせる旨の閣議決定を行いました。違憲の立法の上に、内戦状態の現地の状況をも無視して自衛隊を殺し殺される部隊に変えるなど、言語道断です。
 安保法制=戦争法は、直ちに廃止すべきです。

 もう一つは、自民党が2012年に発表した改憲草案です。
私は、この改憲草案を一目見たときぞっとしました。いまの憲法とは全く異なる世界観でつくられたものだからです。9条2項を全部入れ替え、国防軍をつくる。集団的自衛権はなんの制約もなく行使できるといっている。緊急事態条項で、内閣総理大臣が緊急事態と言いさえすれば、国会の権限を取り上げ、内閣が法律と同じ効力をもつ命令を出す。民主政治の基本というべき議会の機能を止めるものです。基本的人権は侵すことのできない永久の権利だと定めた97条は、全文削除です。憲法の基本原理を全て否定するものです。
そしてつくられようとしているのは、秘密保護法で情報を隠し、国民の権利を縛り戦争する国です。私たちの未来を、抑圧と戦争に導く改憲案は、断じて許されません。

いま、求められていることは、戦争する国をつくり憲法改正に進むのではなく、憲法をいかし、憲法が掲げる理想に、現実を少しでも近づけることです。それこそが、憲法尊重擁護義務を負う国会議員が果たすべき役割であることを強調し、発言とします。