山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2017年2月19日

カンボジア 若者が活躍する国

ODA調査3日目は、「草の根支援」プロジェクトで建設されたという中学校とアンコール遺跡の修復作業現場へ。首都プノンペンから北西に約300kmのシェムリアップ州まで行ってきました。陸上交通が不便なため、わずか40分ですが空路日帰りで現地へ。

プノンペンのような都心と異なり、農村部はどこまでも広がる農地と空が印象的。家々は雨季に備えて高床式ですが、高床部分を漆喰で固め床上部分も改修した家が比較的多く見られました。バイクやトラクターを置いた家も多く、近年大きく状況は変わっているそうです。もっとも、豊かになったところとそうでないところとが目に見える形で現れているとも言えるのですが。

ケオポア中学校は、日本からの「草の根」資金協力により2016年8月に2棟目が完成し、現在7クラス326人が学んでいるとのこと。うち212人が女子。男子は一定の年齢になると仕事に駆り出され、隣国のタイに出稼ぎに行ったり建設工事に従事するそうです。中学校を卒業できた生徒は多くが高校に進学するようですが、高校卒業後の仕事としても地元ではホテルやレストランなど。まれに教員になるケースがあり、大学へは余裕がある家でなければ行けない。
学校には図書館がなく、この地域に電気が来たのはつい先月だといいます。
若い先生が多く、英語を話し数学を教えるという彼は、なんと24歳!頼もしく、思わず記念撮影しましたが、カンボジア人の平均年齢でもあります。とにかく若い国で、地方へ行っても人が多く市場が活気にあふれた様子は、私には新鮮ですらあります。そうした国での教育の支援は、切実な願いです。

午後はアンコール遺跡へ。とにかく暑かった。35℃以上あったような…それでも少し風を感じ日陰で涼をとりながらの訪問。
年間400万人、1日1万人が訪れる世界遺産は大変にぎわっていましたが、12世紀につくられたアンコール・ワットは崩落など進んでいるところも。上智大学が内戦前から調査と補修に入っており、現在、表参道の補修の準備にかかっています。そのさなか、大昔(16世紀ぐらい?)の補修の跡が見つかったそうで、本来は土が詰まっているはずの土台部分から、大量の装飾品などが発見されたとのこと。こうなるとどの時点に戻すのが「復元」なのか。困難もありつつ地道に進められています。
いずれにしても、歴史的価値のある建造物を次の世代につなげていく仕事に世界的に知恵と力を結集することは、大事なことではないか。

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