山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2016年4月3日

「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」

日野市の演説会でお話しました。弁士には、来年の都議選に立候補を予定されている中野あきとさん(現、日野市議)、小池晃さん。いずれも迫力の訴えで、集まった650人の聴衆のみなさんから大きな拍手が。

小池さんの話のなかで、今朝のNHK日曜討論の話題がありました。自民党の改憲案には、「公益及び公の秩序」のために基本的人権を制約できると記されています。そのことを志位さんに指摘された自民党・高村副総裁、いまの憲法の「公共の福祉」を置き換えただけで内容は変わらないと述べたそうです。
しかし、自民党がつくった改憲案のQ&Aでは、「公共の福祉」が「曖昧」だから変えるといい、加えて「基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにしたもの」と明記。

「公共の福祉」とは、個々人の人権相互の調整原理。たとえば、道路を車で通りたい人とデモをしたい人がいれば、その調整が必要です。デモする権利は表現の自由により保障され尊重されるべきものですが、かといって通行する権利も否定することはできず、そのため警備に当たる警察官が適切に誘導するなど調整します(日本の警察は過度にデモ隊の動きを制約し過ぎますが)。
これに対して自民党がいう「公益及び公の秩序」は、人権相互の調整にとどまらないというのです。個々人の権利ではなく、国の都合で人権を制約する。たとえば「安保法制反対」をテーマにするデモはアメリカとの関係を損ねる、国益に反するという理由で認めない、など。

「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」とは、似て非なる別物。それを知ってか知らずか、弁護士出身議員の高村氏は、またも国民を欺こうとする狡猾さ。安倍政権の、憲法や立憲主義に対する無理解を次々と晒しています。

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