山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2021年8月18日

成田空港で検疫業務を視察

 成田空港の検疫業務について、現地調査を行いました。この間、検疫補助業務に就いている複数の客室乗務員から不安や要望をうかがっており、改善が必要な点も含めて見る目的です。
 コロナ前は、サーモグラフィーで体温をチェックするぐらいだった検疫ですが、いまはいくつものステップがあります。国家公務員である検疫官は60人体制(コロナ前の約3倍)、このほか業務委託で補助業務にあたる人が200人体制といいます。入国者が持参する陰性証明など書類の確認は航空会社が、PCR検査キッドの配布などはパソナが、アプリのセットはビジョン(通信関係の会社)が、それぞれ請負い、検査結果がわかる前のエリアで入国者の対応をしています。
 感染対策は場所によりまちまちで、入国者と相対して会話する場所でもパーティションのところとフェイスシールドのところがありました。ガウンは検疫所が提供しているとのこと。業務にあたる方へのPCR検査は行われていません。
 動線は、出発ロビーも使いながら逆戻りしないよう工夫されていました。オリパラ期間中はバブルをつくるために専用のルートも設けられています。パーティションで区切られているわけではなく、一般客と交差する場所もあります。空港の構造上やむを得ない部分もあり、かなり無理をしてルートをつくっているようでした。
 ちょうど仁川からの便が到着し、韓国のパラ選手が車椅子で通っているところも目撃しました。この便は90名の乗客があり、多い方だとのこと。
 羽田と異なり成田は複数の国際線ターミナルを使っており、その分検疫官や補助業務の体制も厚くする必要があります。明日は5000人を超える入国がありパラリンピックに向けたラッシュとのこと。組織委から派遣されたスタッフもかなりの数でした。
 空港検疫での陽性者は入国手続きに至らず、そのままホテルに直行です。このホテルは成田と羽田で7000室用意しているようですが、部屋さえあればよいのではなく、一つのホテルに検疫官を4人配置し、看護師などの体制も必要です。外国語対応や食事における宗教上の配慮も求められます。クレーム対応も含めて、単にホテルを確保すればよいというわけではないと。一般の宿泊療養も簡単に増やせるわけではありませんが、空港検疫はいっそうです。
 オリパラ開催で検疫に無理を強いている現状には大変な矛盾を感じます。またこの現場を見れば、いまでもギリギリの体制で対応されているため、入国制限を緩和したり増便したりということは簡単にはできないと思います。
 検疫補助業務に従事する方々の就労環境の改善も引き続き求めていきます。

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