山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2024年・第213通常国会

住民監視・隠し撮り 追及 外環道工事中止を

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
東京外環道の工事で陥没、空洞が発生した調布市で地盤補修が行われています。今日はNEXCO東日本においでいただきました。どんな工事で、幾ら掛かっているでしょうか。

○東日本高速道路株式会社 代表取締役兼専務執行役員・建設事業本部長(高橋知道君) お答え申し上げます。
まず初めに、平成二年十月十八日に発生いたしました東京外環道の工事における地表面陥没、空洞事故により地域にお住まいの皆様には多大なる御迷惑をお掛けしております。このことを改めて心よりおわび申し上げます。
ただいまの御質問の件でございますが、この陥没、空洞事故の発生現場において、シールドトンネル工事が原因で緩みが生じた地盤、これを元の強度に戻すため工事を実施しております。真上から地盤の補修工事を実施する必要があるため、地盤補修範囲にお住まいの方に対して買取り等の御相談をさせていただき、令和五年八月二日から補修工事を開始いたしました。現在、補修工事中であり、住民の皆様には大変御迷惑をお掛けしておることを改めておわび申し上げます。
現在、工事中及び家屋移転の交渉中でございまして、全体の費用についてはまだ算出できる状況にはなっておりません。
以上でございます。

○山添拓君 ここまで掛かっている費用については委員会に示していただきたいと思います。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 鹿島建設を幹事社とするJVが担当しています。その鹿島関係者が地域住民を監視し、隠し撮りし、グループチャットでリアルタイムに共有していたことをしんぶん赤旗日曜版が報じました。
資料をお配りしています。
反対派、緑地に向かったようです、籠谷、入間橋に登場。籠谷さんというのは沿線住民による市民団体のメンバーです。丸山とフリージャーナリストが○○と話をしたみたいですが、いなくなりました。これ、丸山とか○○というのは住民の名前、呼び捨てです。あるいは、○○さん、西野橋を南下、散歩か、○○奥様、窓から河川をのぞいています、板金の仕事よりもクレームで稼ごうとしていますなどです。
事実ですか。

○参考人(高橋知道君) この件につきましては、この報道で私どもも初めて知ったわけでございます。この件につきまして、事実かどうかを施工業者であります鹿島JVの方に確認をいたしました。
その結果でございますが、鹿島JVにおいては、事実確認を行ったところ、地盤補修の工事の現場において、利用者の範囲を一定の現場工事関係者に限定した上で工事現場での業務連絡を行っていたということでございます。それにおいてグループチャットのアプリを利用して情報を、共有を行っていたということでございますが、ただいまの内容については、グループチャットのやり取りが百八十日以上前のものについては残っていないということを報告を受けておるところでございます。
以上でございます。

○山添拓君 グループチャットアプリでは何人が共有していたんですか。

○参考人(高橋知道君) 先ほど申しましたように、百八十日以上前のデータは残っていないわけですが、JVの社員に確認をしたところ、鹿島からの報告では約六十人が共有していたのではないかと思われるという報告をいただいております。

○山添拓君 工事長に報告済みという記載もあります。NEXCOもこうした情報収集を御存じだったんじゃありませんか。

○参考人(高橋知道君) JVの方と工事上のいろいろな情報交換、やり取りはしておりますけれども、こういったやり取りについてはNEXCOとしては存じ上げておりませんでした。

○山添拓君 報告されているようなので、にわかには信じ難いですが、住民全員に謝罪をされたんでしょうか。

○参考人(高橋知道君) 現在、弊社と鹿島JVの方でこの陥没工事現場の周辺にお住まいの皆様に対しまして、一軒ずつ、現在、状況を報告し、おわびを申し上げているところでございます。
その中で、やはり住民の皆様から、今回の件に対する御不安等あると思いますので、そういった御不安や御希望などをお聞きして、今後対応してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

○山添拓君 プレス発表を見ますと、礼節を欠いた不適切な表現を用いて情報交換があったことを反省するとあるんですよ。
不適切な表現って何ですか。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
礼節を欠いた表現とは、住民の皆様への呼称にあだ名を用いていた、そうしたことや、いただいた貴重な御意見を経済的な目的であるというようなことを言及したようなやり取り、これについて不適切と考えているというふうに承知しております。
以上でございます。

○山添拓君 ○○さん二階からのぞいています、これは表現が不適切なのではありません。監視ではありませんか。

○参考人(高橋知道君) これについては、やはり、工事で騒音や振動等を出して、御苦情、苦情もいただいておりますので、そういう場合に、やはり御要望に応じて適切な対応をしていかなきゃいけないということで、周辺住民の皆様の御苦情等に対して適切に素早く対応するという目的でございまして、プライバシーを侵害するような意図でやっているものではございません。
以上でございます。

○山添拓君 苦情に備えるためならベランダをのぞくのですか。

○参考人(高橋知道君) 私ども報告を受けておりますのは、意図的にのぞいたわけではないというふうな報告を受けているところでございます。

○山添拓君 意図的でなくても、結果としてそうなっているわけですよ。
チャット記録、提出を求めたいと思います。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。

○山添拓君 大体、自宅で何をしているか、いつ外出したのか、誰と会話をしたのか、私生活を四六時中チェックし、共有することは、プライバシー侵害ではないですか。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
施工業者からは、グループチャット内のやり取りは、施工業者内という限られた関係者の間で行われる前提で業務上必要な対応を行ったものであり、現場内ヤードから確認された住民の方々の様子など、周辺の状況を現場管理のためにグループチャット内で共有していたものであり、プライバシーの侵害には当たらないとの報告を受けております。しかしながら、住民の皆様に御不安を与えてしまったこと、これについておわびを申し上げます。
住民の皆様お一人お一人の御要望をお聞きして、このような御不安を与えないよう対応してまいります。

○山添拓君 大臣、プライバシー侵害じゃありませんか。

○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) まず最初に、答弁するに当たりまして、東京外環事業におきまして、令和二年十月に発生した陥没、空洞事故により、地域住民の皆様には御不便や御苦痛を与えてしまっておりますことに対して、道路事業を所管する立場から、改めておわびを申し上げたいと思います。
一部報道におきまして、東京外環事業の施工業者の一つである鹿島建設を代表者とする共同企業体が、現場周辺の住民に対して中傷や監視、盗撮を行っていたとの報道があることは承知しております。これに対して、施工業者の代表者である鹿島建設が、限定された工事関係者の間で工事現場での業務連絡を目的としてグループチャットアプリを利用しており、現場周辺を見学されている方々の安全確保などのため、周辺の状況を把握し、必要に応じてその情報を関係者で共有しているが、監視、盗撮を目的としたものではないとしつつ、グループチャットのやり取りの中で現場周辺の住民に対する礼節を欠いた不適切な表現を用いた情報交換があったことを認め、謝罪する旨の公表をしたと承知しております。
国土交通省としては、東京外環事業において、施工業者が現場周辺の住民に対して礼節を欠いた表現を用いていたことは不適切であったと考えており、引き続き、発注者であるNEXCO東日本に対して、施工業者とともに住民の皆様に誠意を持って丁寧に対応するよう求めてまいります。

○山添拓君 いや、表現さえ丁寧にすれば、今後も二階をのぞくんですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 我々報告を受けておりますのは、不適切な表現を用いた情報交換があったと、監視、盗撮を目的としたものではないと、こういう報告を受けております。
これを受けまして、我々としては、NEXCO東日本、発注者であるNEXCO東日本、そして施工業者共に、住民の皆様に誠意を持って丁寧に対応するよう指導しているところでございます。

○山添拓君 いや、表現の問題にとどまらないんじゃありませんか。

○委員長(櫻井充君) 発言があるときは立って発言をお願いしたいと思います。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど来申し上げておりますが、発注者であるNEXCO東日本、そして施工業者に、住民の皆様に誠意を持って丁寧に対応するよう求めてまいりたいと思っております。

○山添拓君 御都合が付いた住民、今日、傍聴にも来られているんです。大臣、何か言葉はありませんか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 発注者として、また施工業者として、住民の皆様の理解をいただきながら、そして、ましてやこの今回の住民の方々は陥没という大きな苦痛を感じていらっしゃいます。そういう方々に丁寧に対応するように、国土交通省としてしっかり指導してまいりたいと思います。

○山添拓君 NEXCOに伺います。外環道のほかの工事で同様のことはありませんね。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
今回の事象を受けまして、私どもで、特に事業用地外、私どもが用地を取得した用地以外で施工しておりますシールドトンネル工事において同様の事象がないかどうかを確認をいたしております。その結果、各企業体からはこのような事例はないという報告を受けているところでございます。
以上でございます。

○山添拓君 大深度地下法に基づく工事は住民の同意なく進めるものです。陥没事故を起こして立ち退きを余儀なくさせ、地域を破壊してきました。その被害者を監視し、盗撮し、蔑視するなど、何重にも許されないと思います。
大臣、いかがですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、大変、陥没事故を起こし、大きな苦痛を与えている住民の皆様に対して誠意を持って施工していただきたいと、このように国土交通省としてしっかり指導してまいりたいと思います。

○山添拓君 地上に影響はないとしていたのが大深度地下法です。その仕組み自体が破綻しております。
外環道工事の中止を強く求めて、私の質問を終わります。

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