山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2024年・第213通常国会

侵攻反対どう伝えたか 対イスラエル 外務省答弁拒む

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
五月十日の国連総会緊急特別会合は、パレスチナの国連加盟を支持する決議案を採択しました。安保理では、四月、加盟勧告を求める決議案が米国の拒否権行使で否決されましたが、総会決議は安保理にその再検討を求めるものです。日本を含む百四十三か国が賛成し、採択され、反対はイスラエルや米国など僅か九か国でした。国際社会の総意を示すものだと言うべきです。
現在、パレスチナはオブザーバー国家ですが、決議が採択されたことで国連での提案権や国連総会の委員に、委員会などで役員に選出される権利が認められると伺います。外務大臣、決議の内容と日本政府がどのように対応したのか、御説明ください。

○外務大臣(上川陽子君) 五月の十一日、ニューヨーク時間の十日でありますが、国連総会は、パレスチナの国連加盟を再検討するよう安保理に勧告をし、国連オブザーバーとしてのパレスチナに国連総会における各種権利を追加的に付与する決議を賛成多数で採択しました。
我が国は、パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下、中東和平の実現に向けて総合的に判断をし、先般のパレスチナの国連正式加盟に係る安保理決議案に賛成票を投じたところであります。また、本決議案でありますが、パレスチナの従来のオブザーバー国家としての権利を一層強化する内容でございます。こうした点を含めまして、総合的考慮に基づきまして、我が国は本決議に賛成票を投じました。

○山添拓君 反対した米国は、二国家解決への支持を強調しつつ、当事者間の直接交渉を通じて達成されるべきだとし、早くも安保理で再検討しても同じ結果が予想されると述べています。政府として、米国に態度を改めるように求めるべきではありませんか。

○外務省 大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官(松尾裕敬君) 政府といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決を支持しておりまして、我が国が中東地域に築いてきた独自の立場を最も効果的に活用して、引き続き和平プロセスの進展に貢献していきたいと思っております。

○山添拓君 いや、米国に対しても求めるべきではないのかと、国連加盟を支持する立場に改めるように求めるべきではないのかと伺っています。

○政府参考人(松尾裕敬君) 我が国といたしましては、米国が国連に引き続き積極的に関与していくことが重要であると考えております。

○山添拓君 関与ではなく、態度を改めるように迫るべきだと思うんですね。だって、片や首脳会談では日米は共にあるとおっしゃっているんですよ、グローバルパートナーだと。ところが、こういう問題になると突然物が言えなくなるんでしょうか。
記事にもありますが、イスラエルのエルダン国連大使は、決議に反対する意思を示すためにシュレッダーを持ち込んで国連憲章を切り刻んだといいます。文字どおり国連憲章を破り捨てるような行為は、これは容認できないと思うんです。大臣、いかがですか。

○政府参考人(松尾裕敬君) 五月十一日、国連総会におきまして、決議案採択に先立ち、イスラエル国連常駐代表が壇上において国連憲章をシュレッダーを用いて細断する行為を行ったことは承知しております。
他国の国連総会における個別の行動についてコメントは差し控えますけれども、いずれにせよ、国連憲章は全ての国連加盟国により尊重されるべき重要な文書であると認識しております。

○山添拓君 尊重しない態度があるということはやはり問題だと思うんですね。
現在、パレスチナを国家承認している国は幾つあるでしょうか。また、今後国家承認を予定している国について政府は把握していますか。

○外務省 中東アフリカ局長(安藤俊英君) お答え申し上げます。
現時点におきまして百四十か国以上がパレスチナを国家承認していると承知しております。代表例といたしましては、中東諸国、ロシア、中国、スウェーデン、東欧諸国、アフリカ諸国、ラテンアメリカ諸国等でございます。
今後、国家承認を計画している国につきまして、政府として網羅的にお答えする立場にはございませんが、報道によりませば、最近ではスペイン、スロベニアといった一部の欧州国が国家承認を検討しているというふうに承知してございます。

○山添拓君 五月七日にバハマが承認し、百四十三か国かと思います。今度の国連総会の決議は、パレスチナは国連憲章に基づく国家としての加盟資格があり、国連加盟が認められるべきだと明記しています。先ほど大臣からも要件を満たしているので賛成したのだと答弁がありました。
そうしますと、日本政府としてもパレスチナを国家承認すべきだと、こういう立場だということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(安藤俊英君) 我が国といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決、これを支持しまして、独立国家樹立に向けましたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力を支援してきました。
パレスチナの国家承認につきましては、今後、和平プロセスをいかに進展させるかといったことも踏まえまして、日本として引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。

○山添拓君 それが従来の答弁なんですが、しかし、国連総会でこのように決議が上がり、日本政府も賛成したわけです。そして、今後、国家承認していこうという国も既に現れてきています。
日本政府としても、総合的にと言葉を濁すのではなく、既に国連総会で示した立場があるわけですから、その方向で国家承認をしていくべきではないのかと、その際、誰かに気を遣う必要はないかと思いますが、外務大臣、いかがですか。

○政府参考人(安藤俊英君) 繰り返しになりますが、我が国といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決を支持し、独立国家樹立に向けたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力を支援していくという立場でございます。
国家承認につきましては、和平プロセスをいかに進展させるかといったことも踏まえまして、日本として引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。

○山添拓君 同じ答弁の繰り返しになりますが、国連総会での態度を貫くなら、当然、日本政府としても国家承認すべきだと考えます。
ガザでの殺りくは七か月を超えます。イスラエルは、ハマス壊滅と人質解放を掲げ、ガザ最南部ラファへの侵攻を計画しています。しかし、ラファには北部や中部からの避難民を含め百五十万人が集中し、侵攻すれば犠牲者は一気に膨れ上がります。住民が既に避難を始めているといいますが、安全な避難先などない状況です。大体、イスラエルの避難勧告自体が強制移住を禁止するジュネーブ条約に違反するものです。政府は、ラファへの全面的な軍事作戦には反対だと表明してきています。
このラファ侵攻は国際人道法に違反すると、そういう認識だということですね、大臣。

○国務大臣(上川陽子君) この戦闘がまさに長期化する中にありまして、現地の危機的な人道状況が更に深刻さを増しているということを深く憂慮をしているところであります。
我が国といたしましては、さきのG7外相会合におきましても一致したとおり、ラファハへの全面的な軍事作戦には反対でありまして、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また、人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しているところであります。
同時に、人道支援活動が可能な環境確保の観点から、ラファハ検問所の再開が重要でありまして、こうした点も含め、引き続きイスラエルへの働きかけを始めとした外交努力を粘り強く積極的に行っていく所存でございます。

○山添拓君 ラファ侵攻は反対だと、イスラエル政府には既に伝えましたか。

○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。
イスラエルとの関係あるいは関係国との関係では、我が国の立場についてはこれまでも伝えてきたところでございますが、その詳細についてはコメントすることは差し控えたいというふうに考えます。

○山添拓君 これは詳細を明らかにしていただくべきだと思いますよ。やめよと、国際社会が今そういう即時停戦を求める立場で一致して求めていくということが必要だと思うんです。遠慮されることないと思いますよ。
ラファ侵攻は、国際法に反する事態をもたらす、人道状況を悪化させると、深刻な状態をもたらすということを大臣も認識示されているわけですから、イスラエル政府に対して重ねて伝えていただくべきだと思いますし、そのことを公にもするべきだと思います。
これだけの殺りくが続いているのは、武器を供給している国があるからです。イスラエルの武器輸入の七割近くが米国からとされます。
八日、バイデン大統領は、イスラエルのラファへの攻撃がレッドライン寸前との認識を示して一回分の弾薬輸送を止めたことを明らかにしました。米国の報道では、二種類の爆弾、計約三千五百発分だということです。
大臣、事実でしょうか。

○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の点についてでありますが、オースティン米国防長官が八日、連邦議会上院の公聴会におきまして、ガザ地区、特に南部ラファハをめぐる状況に鑑み、イスラエルへの弾薬の輸送を一部停止することについて言及したと承知をしております。
我が国といたしましても、ラファハにおきましてのイスラエルの軍事行動の動きを深く懸念をしております。G7外相会合でも一致したとおり、我が国はラファハへの全面的な軍事作戦には反対であり、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また、人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながる、このことを強く期待しているところであります。
引き続き、イスラエルへの働きかけを始めとした外交努力を粘り強く積極的に行ってまいります。

○山添拓君 弾薬の供給停止は、昨年十月のこの戦闘以降初めてのことです。
資料の二枚目を御覧いただきますと、十日、米国議会に、イスラエルに供与した武器が国際法に違反して使われたと判断するのが妥当とする報告書が提出された報道があります。
米国は、今年二月、米国から武器支援を受けている国に国際法を遵守して使っているという信頼できる保証の提出を義務付け、米国が違法を確認すれば是正措置を検討するとしていました。その調査の報告書です。
つまり、今度の米国の武器供給停止は、米国がイスラエルの攻撃を国際法違反と判断したその結果だと見るべきだと思うんです。いかがですか。

○政府参考人(安藤俊英君) 御指摘の米政府作成の報告書につきましては、米国がイスラエルに提供した一部の装備品が国際人道法遵守に懸念を生じさせる事案に関与していた可能性について言及しつつ、個別の事案について評価すること、最終的に結論に至ることは困難であるというふうに述べているというふうに承知しております。
我が国といたしましては、イスラエルは、ハマスの攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有するものの、同時に、全ての行動は国際法に基づいて行われなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守らなければならないと考えております。こうした立場につきましては、これまでも累次の機会にイスラエル側に働きかけているところでございます。

○山添拓君 この報告書は、イスラエル側から完全な情報の提供がなかったとしていますよ。そして、その上で違法に使われたとの評価が妥当だとしているわけですね。
政府としても、米国側にその判断、根拠、確認すべきじゃありませんか。

○政府参考人(安藤俊英君) これまで述べてきていますとおり、イスラエル軍の行動に関し、事実関係を十分に把握することは現状で困難であるということから、確定的な法的評価を行うことは差し控えさせていただいていますが、これは、我が国として、イスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるという法的評価を行っているわけではございません。民間人の犠牲者が一層増加している中で、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうか、当事者による一層の説明が求められるような状況になっていることは確かであるというふうに考えております。

○山添拓君 説明を求めるべきだと思います。
全米各地の大学で大規模な抗議が広がっています。ニューヨーク・コロンビア大学の学生は、当局に大学に寄附する企業や寄附金の投資先にイスラエルの軍需企業がないか回答を求めています。イスラエル企業の利益に加担しているのではないか、そういう当事者意識からです。イギリスでも同様の行動が繰り広げられています。
ところが、日本政府は、そのイスラエルの軍需企業から無人ドローンを購入しようとしています。三月の当委員会で質問いたしました。実証の対象となった七機中五機がイスラエル製、今後本格導入するかどうか検討中ということでした。
実証結果の報告書が提出されていると伺いますが、どういう内容だったでしょうか。イスラエル製は検討の対象から外すべきだと思います。最後に大臣に伺います。

○政府参考人(青柳肇君) 事実関係として事務方からお答えいたしたいと思います。
防衛力整備計画におきまして、空中から目標を捜索、識別し、迅速に対処するための多用途UAV及び小型攻撃用のUAVを整備することとしてございまして、令和五年度に実機を用いた実証試験に係る契約を締結したところでございます。
その上で、多用途UAVにつきましては令和六年度に、小型攻撃用UAVにつきましては令和五年度及び六年度に実証試験を行うことになってございます。現時点で契約を締結した全ての機種について実証試験が終了しているわけではございません。
防衛省といたしましては、契約を締結した機種の実証試験を全て完了させた上で、今後の取組について考えていきたいと思ってございます。
○山添拓君 もう時間ですので終わりますけれども、まだ続けていると、続けていること自体が問題だと思います。ジェノサイドと指摘される殺りくに加担することがあってはならないということを指摘して、質問を終わります。

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