2025年・第217通常国会
- 2025年5月20日
- 外交防衛委員会
武器見本市 イスラエル企業20社参加/米軍横田基地PFAS 暫定基準値での排出容認、漏出の未公表に抗議せず 政府を追及
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
午前中の質疑で言及がありました滋賀県饗庭野演習場では、ここ十年で五回も場外着弾事故が起きております。極めて狭い演習場に訓練が集中し、人命を奪いかねない重大事故が不可避的に生じているということは指摘しておきたいと思います。
また、自衛隊のイラク派遣についても言及がありましたが、これ、二〇〇八年、名古屋高裁で、戦闘地域であるバグダッドに多国軍の武装兵員を輸送したことがイラク特措法に反し、憲法九条一項に違反すると断罪されたことも指摘しておきたいと思います。
質問に入ります。
明日、二十一日から千葉市幕張メッセで、いわゆる武器見本市、DSEI Japan 二〇二五が開催されます。各国の軍需企業が出展し、各国政府や軍関係者が武器をめぐり商談をする、戦争準備を商機と言わんばかりのイベントですが、防衛省も後援しています。出展料は幾ら払うんでしょうか。
○防衛装備庁 防衛装備政策部長(坂本大祐君) ただいま委員から御指摘のありました、私ども、DSEI Japanというふうに呼称しておりますけれども、まさにあしたから三日間、二十三日までにかけて幕張メッセで開催予定でございます。国際的な防衛セキュリティーの総合展示会でございます。防衛省防衛装備庁は、専用のブースを設けまして、我が国の防衛装備品と高い技術力について広く情報発信する予定でございます。
お尋ねのありました出展料でございますけれども、約六千五百万円を主催事務局である英クラリオン社に支払っております。
○山添拓君 前回、二〇二三年三月は、七十八か国、約二百九十社が参加したと伺います。今回は何か国、幾つの企業でしょうか。国内外の内訳とともに御紹介ください。
○政府参考人(坂本大祐君) この展示会における出展国、それから出展企業につきましては、主催者であります実行委員会、イギリスの英クラリオン社におきまして、各国企業からの出展要望を踏まえて調整の上、決定をされております。
前日の今の時点におきまして、国数については三十か国以上、企業については四百七十社が参加予定でございます。
○山添拓君 企業数は前回から大幅に増加ということでした。
前回、イスラエルの企業が十六社参加したそうです。今回は幾つ参加の予定でしょう。
○政府参考人(坂本大祐君) 御指摘のイスラエルでございますけれども、企業につきましては約二十社、これにあと政府機関、イスラエルの政府機関が二機関参加するというふうに承知をしてございます。
○山添拓君 防衛省が導入を予定する無人ドローンのメーカーも参加すると伺います。
イスラエルがガザ地区への大規模攻撃を開始した二〇二三年十月以降では初めての開催です。今月十六日から軍事攻撃を再び強化し、ガザ地区での犠牲者が六万人を超えたと報じられます。
大臣に伺います。
こうした下で、イスラエルの政府機関や軍需企業が参加し、日本を含め世界中に兵器を売り込もうとしております。並んで出展をすることに何のためらいもないでしょうか。
○防衛大臣(中谷元君) このDSEI Japan 二〇二五は、これ、我が国の防衛装備品の高い技術力について情報発信をし、防衛装備そして技術協力の推進に向けた諸外国の理解を促進をするとともに、海外の最新技術、また装備品のトレンドについても情報収集をする上で非常に有効な機会だと捉えております。
本展示会は、先端技術によるインド太平洋地域の安全保障強化をテーマにいたしておりますが、イスラエル政府機関及び企業の出展は、他の参加国と同様、国際的な防衛装備品、技術の最新動向の把握に資するものでありまして、問題があるとは考えておりません。
防衛省としましては、各国の政府、防衛関連企業の関係者等が多数参加する本展示会の機会を捉えまして、我が国の防衛装備品と高い技術力について広く情報発信をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 ネタニヤフ首相がガザ全域を支配すると述べています。今、死者が連日百人を超えているといいます。イギリスやフランスやカナダの首相が強い非難の声を上げています。
何の問題もないでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) この目的というのは、各国がこの防衛装備品を展示をする中で、それぞれの装備品の技術力やまた協力について諸外国の理解を促進するとともに、今の海外の技術、そして装備品のトレンドについて情報収集をするという上でも有効な機会と捉えております。
○山添拓君 イスラエル企業が展示によって広げようとするその技術力というのは、ガザでのおびただしい犠牲の上のものですよ。それと日本の政府や企業が軒を並べる、これは言語道断だと思います。武器見本市そのものの中止を求めておきます。
次の質問に移ります。
資料をお配りしています。米軍横田基地で昨年八月、PFAS汚染水が基地の外へ流出した疑いがある問題で、国や東京都が十四日、立入調査を行いました。貯水池にある、貯水池ですね、汚染水を米軍の浄化装置に通過させ、浄化された水を採取したといいます。装置が機能しているか確認するためだとされます。
しかし、装置が機能しているかどうかを確認するためでしたら、浄化前の濃度も測るべきではないかと思います。いかがですか。
○防衛省 地方協力局長(田中利則君) お答えを申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、五月の十四日、米軍横田飛行場に立入りをいたしまして、貯水池それから消火訓練施設の残水、残った水の処理に関しまして、国及び関係自治体の方々が今サンプリングの調査というものをさせていただいております。
浄化する前のその濃度ということでございますが、米側からの情報としては、浄化前のPFOS及びPFOAの合算値は約千二百四十ナノグラム・パー・リットルということで御説明を受けております。
○山添拓君 その浄化前の濃度なんですけど、昨年十一月の調査のときには千六百二十ナノグラム・パー・リットルと米側は説明していたかと思います。薄まったんですか。
○政府参考人(田中利則君) その数値の変遷につきましては米側から確定的な御説明というものはなかったところでございますが、先般、立入りの際に受けた説明としては先ほど申し上げた数値ということでございます。
○山添拓君 確定的な説明がないんだったら、なおさら日本側で責任を持って調査するべきだと思いますよ。
自ら調査した上で委員会に報告するよう求めたいと思います。
○委員長(滝沢求君) 後刻理事会で協議いたします。
○山添拓君 環境省に伺います。浄化後の汚染水の濃度が五十ナノグラム・パー・リットル未満であれば、排水路からの放流を認めるつもりだと伺います。しかし、この五十というのは日本の暫定目標値にすぎません。米国の基準は四ナノグラム・パー・リットルです。
米軍は、厚木や横須賀では五十で排出していますか。
○環境省 大臣官房審議官(伯野春彦君) お答えいたします。
厚木等で排出しているかとの御質問でございますが、そういったお話は私は認識しておりませんが、済みません、ちょっと現時点で今ここでお答えすることが困難な状況でございます。
○委員長(滝沢求君) 続けてください。どうぞ、続けてください。
○政府参考人(伯野春彦君) はい。
米側から説明を受けた内容では、厚木では四・七で排出したというふうに伺っております。
○山添拓君 厚木は四・七、横須賀は七・三といいます。わざわざ日本側から五十までよしと、こう伝えているわけですね。
米国の四ナノグラム・パー・リットルという数字は、機械による検出限界以下、つまりゼロであるべきだという数字です。五十までならよいと容認するような姿勢は示すべきではないと思います。環境省、いかがですか。
○政府参考人(伯野春彦君) お答えいたします。
横田飛行場における貯水池の残水についてでございますが、米側より、粒状活性炭フィルターを用いて浄化処理し、雨水排水路へ放流したい旨説明があり、環境省としては、浄化後のPFOS及びPFOAの濃度の合算値が、御指摘いただいたとおり五十ナノグラム・パー・リットルを下回っていれば、仮に下流域において水道水として取水したとしても、令和八年四月に義務化させていただきますが、予定でございますが、水道水質基準を満たすものでございまして、放流は許容される旨をお伝えしたものでございます。
○山添拓君 勝手に引き上げないでほしいと思いますね。米国は四なんですね。わざわざ横田基地について五十までよしと伝えることはないと思いますよ。
横田基地では、二〇二三年一月にもPFAS汚染水の漏出が疑われる事案があり、当時、沖縄タイムスや東京新聞で報じられました。政府は長らく米側に確認中としか言ってきませんでしたが、五月八日の米軍準機関紙、星条旗新聞で突如、今年四月三十日付けで公表された米国防総省監察長官報告書が報道されました。日本における危険廃棄物処理の管理に関する監査というタイトルの文書です。PFASについてどのような内容が記されていますか。
○政府参考人(田中利則君) 御指摘の国防省の、米国防省の監査報告書でございますが、二〇二三年一月、横田飛行場の基地内でPFOS及びPFOAを含む水が漏出し、回収された水を含む廃棄物を、在日米軍の指針に従わず、立入り制限のない非管理区域に保管したという、こういった指摘がなされております。
○山添拓君 二三年の一月二十五日と二十六日、寒さでPFAS汚染水約二百五十ガロン、九百四十六リットルが漏出したというものです。昨年八月の漏出は雨が理由でした。米国のPFASというのは、天気が悪いと漏れるということなんですね。
問題は、その後、漏出した廃棄物の保管が在日米軍の指針に反していたということです。資料をお配りしています、二枚目です。これは四月に監察官が確認したときの写真です。危険な廃棄物というのは安全が確保された管理区域に保管すべきとされますが、そこがいっぱいだったので両替所の裏の搬入口近くで野ざらしにされていたというものです。英語と日本語で、日本語というか片仮名でですね、キープアウトと書いた紙がコーンで貼ってあるだけの場所で保管されていたと言います。
報告書では、横田の部隊がJEGS、日本環境管理基準が定める流出防止・対応計画を策定していなかったことも指摘しています。確認していますか。
○政府参考人(田中利則君) 御指摘の報告書の記載内容につきましては、私どももこの報告書を受けて、米側に対して改めて事実関係の確認を行っているところでございます。米側から情報が得られ次第、関係自治体等、必要な箇所には御報告をさせていただければと思っております。
○山添拓君 いや、そうしますと、防衛省は、在日米軍指針に反するようなPFASの保管がされていたことを今も米側から説明を受けていないということなんですね。
○政府参考人(田中利則君) お答え申し上げます。
御指摘の報告書の記載内容については、現在、米側に事実関係を確認している最中であるということでございます。
○山添拓君 いまだにこの報告書に基づいた説明を受けていないということですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えをいたします。
私ども、先ほど来申し上げましたように、事実関係の確認を米側に行っておるところですが、それに対しての答え、回答というものは、今のところまだないという状況でございます。
○山添拓君 米側は四月三十日には公表しているんですよ。もう五月二十日ですけれども、いまだに何の説明もないということのようです。
米軍からの情報というのは、速やかに横田基地の周辺六市町に情報提供されるはずですが、それもまだ行っていないということでしょうか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
先般、横田周辺の関係市町から情報提供について改めて申入れをいただいております。
私どもとしては、先ほど来申し上げているとおり、米側に対して事実関係の確認を行っているところでございますが、これについて情報が得られ次第、必要な情報の提供をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 米側が既に公表している情報についてすら確認が取れないというのは、私はちょっと信じ難いですね。
そもそも防衛省は、この二三年一月のPFASの漏出について知っていたんでしょうか。まだ確認中ということなんでしょうか。漏出そのものについて、いかがですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えいたします。
この二〇二三年の事案につきましては、同年の十一月に報道がございました。これにつきまして、私どもの方から米側の方に対して確認をさせていただいたところ、米側からは、この水については基地外への影響はないというふうなお話でございました。
更に詳細の情報について情報提供を求めておるところでございますが、それについてはきちんと、米側から情報が得られ次第、関係の自治体に対しては情報提供させていただければと思っております。
○山添拓君 いや、ちょっと待ってください。漏出について知っていたんですか、当時から、十一月の時点から。
○政府参考人(田中利則君) この十一月の報道を受けまして、私どもの方から米側の方には確認をさせていただいておりまして、この関係について、PFASに汚染された水、これについては基地外への漏出はないという、そういったお答えはいただいておるところでございます。
○山添拓君 そうではありません。そもそもの漏出の事故があって、そしてこのような保管の問題が起きたわけですが、そのことについてどこまで確認されていたのかと伺っているんです。
私は、その一昨年の十一月にも質問しました。昨年の六月にもこの委員会で質問しました。米側から情報提供はない、事実関係確認中と、そういう答弁に終始したわけです。住民の皆さんと一緒に説明を聞いたときも同じでした。
一方で、米側の監察というのは二三年四月には始まっています。日本側にきちんと伝えていなかったのか、日本政府が今のように、漏出そのものは知っていたけれども、日本に対して、国会に対して、あるいは住民に対して説明しなかったのか、どちらかということになろうかと思います。
この二三年一月の漏出の経過について、米側に改めて確認した上で委員会に御報告を求めたいと思います。
○委員長(滝沢求君) 後刻理事会で協議いたします。
○山添拓君 報告書はさらに、横田基地がPCBを含有する変圧器の所有権を在日米軍指針に反して移転したという問題も指摘しています。言うまでもなく猛毒であり、国内では禁止されています。
在日米軍のPCBも、本国に搬出して廃棄しているはずではなかったでしょうか。
○政府参考人(田中利則君) 御指摘の米国防省の監査報告書におきましては、PCBに関連いたしまして、横田飛行場において、日本環境管理基準の要件の適用除外の手続を行わずに、PCBを含む変圧器の所有権を廃棄に係る契約業者に移譲した、こういった記述がなされております。
○山添拓君 公表されている監察報告書というのは、黒塗りもあって全容が不明です。全文を米側から入手して、和訳した上で当委員会に出していただきたいと思います。
○委員長(滝沢求君) 後刻理事会で協議いたします。
○山添拓君 在日米軍が自らの指針を守らず、JEGSも守らず、二年以上前の漏出についてもまともに情報提供していません。
大臣、抗議すべきじゃありませんか。
○政府参考人(田中利則君) 先ほど来申し上げておりますとおり、漏出事案、それからこの米国防省の監査報告書、いずれにつきましても米側に対しては情報提供を求めておるところでございます。
私どもとしては、情報が得られ次第、関係自治体に対しては速やかに提供してまいりたいと考えております。
○山添拓君 大臣が抗議するとすら言わないわけですね。情報提供を待っていると言いますけど、情報はもう開示されていますよ。聞けばいいと思いますよ。日米は緊密に連携しているんじゃないんですか。聞きたいことも聞けない、こんな日米同盟絶対の姿をいつまでも続けておいていいはずがないと、このことを指摘して、防衛省の、うなずいておられますけれども、何か最後にもしあれば、僅か時間ありますけど、どうですか。
○委員長(滝沢求君) 申合せの時間が参りましたから、まとめてください。
○政府参考人(田中利則君) はい。
先ほど来申し上げておりますが、私どもといたしましては、こうした内容について必要な情報の提供を引き続き求めているところでございます。
いずれにしても、こうした働きかけ、継続してまいりたいと考えております。
○山添拓君 終わります。ありがとうございます。