山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2026年・第221特別国会

選挙SNS規制(偽情報等による選挙への悪影響軽減のためプラットフォーム事業者への必要な措置の義務付け)/SNS法案賛成討論

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
予定しました順序を変えまして、初めに在外投票について伺います。
海外の有権者が投票するには、在外公館で投票するか日本の自治体の選管から投票用紙を郵送してもらい返送するかのどちらかです。在外公館での投票は、日本への輸送日数を確保する関係から日程が限られるほか、投票できる領事館まで相当時間が掛かるケースなどもあります。一方、郵便投票は、投票用紙を請求し、郵送され、返送するまで日本と一往復半、郵便事情の悪い国もあり、時間が掛かることが指摘されてきました。
二月の総選挙では、郵便投票により選挙権を行使しながら、二月八日二十時までに日本に届かず、無効となったケースが約五十件、投票用紙の交付を受けた約六百件弱のうち有効に投票できたのは、先ほども議論がありました百三十七件にとどまったということがありました。いずれも有権者の責任ではありません。
総務省に伺いますが、端的に言って、こうした事態は解散から投票日まで戦後最短の選挙だったということが一番の原因ではありませんか。

○総務省 自治行政局選挙部長(長谷川孝君) 御答弁申し上げます。
在外投票につきましては、選挙人の方々が投票しにくい状況にあるということはおっしゃるとおりかと存じます。今回の衆議院選挙に限らず、これまでも投票する意思を持ちながらも郵便等投票ができなかった方がいらっしゃるということは承知をいたしております。
総務省といたしましては、今回の総選挙におきましても有権者の方々の投票機会の確保に努めたところでございます。在外選挙人の方々に対しまして、衆議院の解散日や公示日にかかわらず、いつでも郵便等投票の投票用紙を請求できることを周知してまいりました。
また、各選挙管理委員会に対しまして、衆議院の解散の日よりも前に投票用紙等を発送することとしても差し支えない旨を周知いたしますとともに、在外選挙人の方々への投票用紙を最も迅速な方法で送付することについても要請したところでございます。
総務省といたしましては、在外邦人の皆様方に積極的かつ適正に選挙に参加いただくことは重要だと考えております。今後とも有権者の方々の投票機会の確保に努めてまいりたい、このように考えております。

○山添拓君 これまでの国政選挙と比べても在外投票がしにくい環境を生み出したということについて、総務省としては何か認識はありませんか。

○政府参考人(長谷川孝君) 御答弁申し上げます。
在外投票に関しまして、選挙人の方々が投票しにくい状況にあるということ、これは今回の衆議院選挙に限らず、これまでもそのようなことがあったということは承知をいたしているところでございます。

○山添拓君 お答えがありませんけれども、私は、やはり党利党略選挙の強行が選挙権行使を大幅に制約した、そのこと自体が大問題だと思いますよ。
なお、午前中、国民民主党足立議員から、あたかも我が党がマイナカードを理由にインターネット投票に前向きでない主張をして、言わば妨害しているかのような発言がありましたが、そもそも我が党は各党協議会でマイナカードを理由に慎重と発言したことはありません。今日……(発言する者あり)
委員長、注意を願えますか。

○委員長(櫻井充君) お静かに願います。

○山添拓君 今日、法案で議論しているのはまさに虚偽の事実や事実をゆがめて公にすることをSNSで禁じるというものですが、事実に反する発言は、私は極めて心外です。撤回を求めたいと思います。(発言する者あり)撤回を求めたいと思います。議事録精査をお願いします。

○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
済みません、ちょっと。委員の発言中は不規則発言は慎んでいただきたいと思います。

○山添拓君 私どもは、衆議院の審議では、在外投票の環境は改善が必要であると、このことを述べた上で、インターネット投票は課題が大きいと指摘をしましたが、課題については今日発議者からも挙げられており、我が党だけが慎重なのではありません。
大体国政選挙で電子投票が認められていないのは、とりわけ候補者の数が多い参議院の全国比例でその投票画面をどうするかという問題が解決していないと、そういう事情もあります。投票権行使の保障と選挙の公正の確保を同時に追求し、インターネット投票に限らず他の選択肢も含めて検討を行うべきことを指摘しておきたいと思います。
法案の本則の方に入りますが、選挙におけるSNSは、有権者の自由な意思表明を通じた参加を可能にする非常に重要なツールです。同時に、兵庫県知事選挙で虚偽、デマがあふれ、元県議を自死にまで追いやったケースのように、選挙の公正はもちろん、人間の尊厳をも脅かす事態が現に起きています。
法案は、選挙でインターネットを利用する全ての者に対し、虚偽の事項や事実をゆがめて公にすることを禁止しています。
これは発議者に伺いますが、確かに全てのネット利用者を対象とした規定ですが、仮に政党や候補者が、他の候補者あるいは陣営についての偽情報、誤情報を公にした場合、政治的には特に重い責任を負うことになると思いますが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
平成二十五年の公職選挙法改正によりましてインターネット選挙運動が行えるようになった際に、悪質な誹謗中傷や成り済ましを防止し、選挙の公正を確保するべく、公職選挙法第百四十二条の七の努力義務が設けられたものと承知をしております。
一方で、近時の国政選挙を始めとする様々な選挙においては、候補者の経歴や過去の発言等に関して虚偽の事項が流布されたり、事実をゆがめて公にされたりする例が見られ、有権者の判断に多大な影響を与え、選挙結果を左右しかねないものと承知をしております。
そこで、現行の努力義務規定を第二項として存置しつつ、新たに、何人も公職の候補者に関し虚偽の事項を公にすることや、事実をゆがめて公にすることにより選挙の公正を害することがないようにしなければならないとの規定を新第一項として新設したものです。この規定はもちろん政党や候補者も対象に含まれるものであり、政党や候補者が虚偽の事項を公にすることや、事実をゆがめて公にすることにより選挙の公正を害することがあってはならないということは当然のことだと思います。

○山添拓君 誰であれ許されないのですが、選挙の当事者である政党や候補者、その陣営が行っていたなら一層重大です。私は、その意味では、やはり高市総理の陣営によるとされる中傷動画問題、これは看過できないと思います。
公選法に基づく選挙ではありませんが、大臣、今日おいでいただいています。大臣は、総裁選をめぐる中傷動画の被害者として報じられてきました。看過できないと思うんですが、いかがでしょうか。

○総務大臣(林芳正君) 私は今総務大臣としてここに来ておりますので、総裁選についてはコメントは差し控えさせていただきます。

○山添拓君 総選挙でも大量の中傷動画を発信していたという疑惑です。
選挙の公正を害してはならないのは法改正があろうがなかろうが当然ですから、それが総理の陣営が行っていたとすれば一層深刻です。やはり改めて徹底した解明が必要だと、これは指摘にとどめたいと思います。
与野党協議で議論の焦点となってきたのは、先ほども少しありました、閲覧数に応じて投稿者が報酬を得られるような収益化の問題かと思います。しかも、過激で真偽不明な投稿ほど拡散されることから、政治的な主義主張というより、バズるために意図的にこうした情報発信が強められます。
法案はプラットフォーム事業者に対して、違法情報、虚偽情報、事実をゆがめた情報などの流通による悪影響を軽減するため、必要な措置を講じなければならないとしています。必要な措置には、選挙に関するネット利用の収益化を制限することも含まれるのでしょうか。

○衆議院議員(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
指針に盛り込まれる軽減措置の具体的内容に関しまして、これまで各党協議会で議論されてきた事業者の措置の例を挙げれば、委員が御指摘の利用規約に違反した場合の収益化停止のほか、収益化アカウントであることの表示機能の実装、本人確認済みであることの表示機能の実装、AI生成コンテンツである旨の表示機能の実装、利用者への警告表示、オフィシャルサイト等の信頼できる情報の優先表示、ファクトチェック機関や選挙に関わる各主体との連携がありますけれども、今後、国会審議でいただいた内容も踏まえつつ、指針に盛り込むべき内容について各党協議会で議論してまいりたいと思いますが、この指針は、その協議会の合意内容に基づいて指針が作られてまいりますので、しっかり議論していきたいと思います。

○山添拓君 収益化を制限することは、選挙運動や政治活動自体を制約するものではないかと思います。むしろ、収益目当てではない良質な情報を増やすことこそ必要です。
今御答弁もいただきましたが、指針については、協議会の議論を経て大臣指針として策定していくということでありました。虚偽の情報かどうか、事実をゆがめたかどうか、それが、時の政権、あるいはそれを構成する多数派によって決められるということではなく、各党協議での議論を経て定めていくということですから、恣意的に判断され、選挙における当然の批判まで制約されることのないように、政府が一存で決めるというのではない在り方を徹底していただくように重ねて、徹底していくことが必要だということを重ねて強調して、質問を終わります。


○山添拓君 日本共産党を代表し、選挙に関するいわゆるSNS規制法案に賛成の討論を行います。
選挙において、SNSは有権者が気軽に多面的に参加する上で非常に重要なツールであり、自由な選挙運動を通じて活発に意見が交わされることは議会制民主主義にとって必要です。一方、偽情報や誤情報の流通により選挙の公正が脅かされる事態が生じています。
本法案が、選挙に関してインターネットを利用する者に対して、虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にすることを禁止し、プラットフォーム事業者に対しては、違法、虚偽、事実をゆがめた情報の流通による悪影響を軽減するため、必要な措置を講じなければならないとするのは、いずれも求められるものです。各党協議会の合意を前提とした指針の下での対応を進めるべきです。
同時に、根底には公選法の選挙運動規制が不当に厳し過ぎるという問題があります。対抗する手段が限られているために、偽情報や誤情報が反論されることなくネット上にさらされ続けます。リアルの場で広く政党や候補者が反論し討論できるよう規制を改め、ファクトチェックを通して有権者、国民の判断材料を提供していくことが必要です。
そのために、立会演説会の復活、政党討論会や候補者討論会の規制の見直し、選挙期間の延長や戸別訪問禁止の撤廃、文書図画の配布規制の見直しなど、べからず法ともいうべき選挙運動規制の抜本的な見直しこそ必要であることを強調するものです。
我が党は、衆議院で二点について修正を提案しました。
一つは、選挙運動用メールの規制の廃止についてです。
有権者個人にウェブ利用もメール利用も全面自由化することは必要であり、賛成です。ただし、ネットを利用した選挙運動は、主権者である国民一人一人に対して解禁されるべきであり、選挙権も被選挙権もない、営利を目的とする企業に対してまで選挙運動を解禁すべきではありません。
もう一つは、在外ネット投票と選挙の自由妨害罪の検討規定についてです。
在外投票には困難があり、改善が必要です。しかし、サイバーセキュリティー上の問題に加えて、本人確認や投票の秘密保持、自由な意思に基づく投票環境の確保など、選挙制度の根幹に関わる課題があり、インターネット投票の導入に限らず、他の選択肢を含め検討すべきです。
また、選挙妨害については、選挙運動や政治活動の自由が原則であり、自由妨害罪の拡大や警察による取締りの強化をもたらす法改正は必要なく、相当でもありません。検討条項には各党協議会で異存がない事項を盛り込むべきであり、例えば各党がそろって公約に掲げた被選挙権年齢の引下げこそ検討を掲げるべきであったと考えます。
以上、討論とします。

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