山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2017年・第195特別国会

憲法審査会で、憲法に対する考え方を発言

要約
  • 参院憲法審査会が1年ぶりに開催され、「憲法に対する考え方」をテーマに、各党各会派が意見表明し、意見交換した。
  • 「9条を持つ日本であってこそ、武力によらない平和という世界の流れと北朝鮮問題の解決に貢献できる」と発言。

 

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。

 私は、今、憲法九条を変える必要はなく、むしろ今ほど九条が必要とされているときはないと考えます。

 北朝鮮が核開発とミサイル発射実験を繰り返しています。地域と世界に重大な脅威をもたらし、国連安保理決議などにも反する暴挙であり、断じて容認できません。

 同時に、アメリカと北朝鮮とが軍事衝突、核戦争に発展すれば、日本を含め破滅的な被害が生じます。絶対に避けなければなりません。

 ところが、安倍首相は、全ての選択肢がテーブルにあるとするトランプ大統領と完全に一致したと述べ、軍事的手段を否定せず、アメリカに対し先制攻撃をやめるよう求めることすら行わない。圧力一辺倒でどう解決するというのでしょうか。米韓合同軍事演習やこれに呼応するような日米共同演習など、軍事的な圧力が緊張を一層激しくしている現実を直視すべきです。日本がミサイル防衛を強化し、イージス・アショアや敵基地攻撃能力を持つことは、この軍事的緊張を更に高めるものです。

 私は、経済制裁と一体に、危機打開のため、米朝が無条件での対話を直ちに行うべきと考えます。米朝協議を経て六か国協議の再開に持ち込む。平和協定締結と朝鮮半島の非核化に向けた道は、対話による平和的解決を掲げてこそ開かれます。この道は憲法九条に基づく武力によらない平和の政治、外交にほかなりません。そして、対話による平和的解決を求める声は、韓国、中国、ロシアを始め、ASEANやドイツ、フランスなど国際社会の圧倒的な大勢です。

 今年七月、国連では百二十二か国の賛成で核兵器禁止条約が作られました。日本政府は反対しましたが、核兵器の製造、実験、使用とともに、使用の威嚇を禁止し、核抑止力、核の傘という考えを否定する条約は、その後も多くの国に歓迎されています。被爆者の声、核廃絶を訴え続けた粘り強い運動が国際政治を動かしています。ノーベル平和賞に選ばれた国際NGO、ICANの川崎哲さんは、一万発もの核兵器を保有するアメリカで九・一一のテロが起きたことを挙げ、核兵器が抑止力にならないことは歴史が証明していると述べています。核抑止ではなく、全ての国が核を持たないと合意することによる安全保障を目指すのが世界の到達です。

 力で脅す平和から力によらない平和へ、武力によらない平和を誓う憲法九条と通ずる考えに世界が動いています。九条を持つ日本がこうした流れをリードすることこそが、国際社会に期待され、北朝鮮問題の解決にも貢献することを重ねて強調して、意見といたします。

 

 

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