山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2018年・第196通常国会

森友学園問題 会計検査院に圧力かける談合疑惑追求

要約
  • 山添拓議員は、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐって、財務省理財局と国交省航空局が会計検査院への対応を協議し、会計検査院の報告書の内容をねじまげようとしていた問題を取り上げました。
  • 山添議員は、国交省が受検者の立場にありながら、検査院報告に圧力をかける談合をしながら、国会での質問には全く答えようとしない姿勢を厳しく批判しました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。

森友問題、引き続き伺います。

国交省から開示をされた交渉記録について伺います。二十点開示をされたんですが、二〇一六年三月二十九日で終わっておりまして、肝腎の三十日以降の分がありません。

衆議院で、我が党の宮本徹議員に対して、三十日や四月五日は作成していないという答弁がありました。これは当時の職員の記憶に基づく答弁なんでしょうか。三十日以降は全く作成がされていないのか、あるいは、作成したかもしれないけれどもまだ見付かっていないということだけなのか。お答えください。

○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。

今回の御指摘の点につきましては、当時の職員に何度も繰り返してそういう日付の協議メモの作成について確認をいたしました。

三月三十日の会合については、有益費の金額を合意することを主とした会合であったということで、協議メモを作成していなかったということでございます。

また、四月五日の会合につきましては、工事関係者に求める資料の説明をする場ということで認識していたということで、協議メモを作成していなかったということを聞き取っているということでございます。

○山添拓君 いや、それは到底信じられないんですね。四月五日というのは、資料要求だけじゃありません。例えば、財務省の資料によれば、ボーリング調査について、一旦持ち帰り検討したいと航空局述べているんですね。あるいは、航空局が提供を依頼した書類について、森友側の応答を受けて、それ以上は求めないということを決めたり、いろいろ決めていることがあるんですよ。そうして記録をしておいてしかるべきことがたくさんある中で、作っていないとおっしゃる。

しかし、この参加をされている方、名前を見ると、例えば安地補佐ですか、この方は、例えば二〇一五年の六月二十五日や十一月十六日、十二月一日、十二月十四日、自分が受けた電話についても記録を残しているんですね。かなりきちょうめんな方なんですよ。こういう方が、新たなごみに対する今後の方針を財務省とともに検討した三十日の現場訪問、あるいは四月五日、こういうときにメモを残さなかったというんでしょうか。到底信じ難いと思うんですよ。もう一度お答えください。

○政府参考人(蝦名邦晴君) これは、私もそのように、非常にそういう、ある意味では今までいろいろ議論になっている会合でございますので、この日のメモはないのかということを確認をしていただいたんですけれども、当時の職員の回答としては、今申し上げたような協議メモは作成をしなかったということでございました。

○山添拓君 作っていないとか、ないということだけは断言できるのが安倍政権なんですね。

特に、四月十四日に不動産鑑定依頼書を提出するまでの間には森友やあるいは工事業者などとも様々なやり取りがあったはずであろうと思います。資料を受領したり、あるいは受領した資料について問合せをしたり追加資料を求めたりということもあるでしょう。

改めて、当時の応接記録、その手控え、個人メモ、メールなど相手方との交渉経過が分かる資料について、調査の上で委員会に提出をされたいと思います。委員長、お取り計らいいただきたいと思います。

○委員長(長浜博行君) 後刻理事会で協議いたします。

○山添拓君 一昨日、我が党は、二〇一七年九月七日付け「航空局長と理財局長との意見交換概要」と題するメモ及び「会計検査院報告原案への主な意見 平成二十九年八月」と題する文書を公表いたしました。

会計検査院報告原案への意見というのは、ここにありますが、作成名義は書かれていないんですね。しかし、「目次」と書かれた二ページ目、今日皆さんにお配りしております一ページ目です、その下のところにはこのように書いています。「本資料における「検査院ご指摘(概要)」は、貴院から事務的に照会のあった報告書原案(平成二十九年八月二十一日付)における記述、事務折衝における貴院からの説明等に基づいています。」、こう書かれております。

資料二枚目、報告原案への意見の六ページによりますと、「総論(試算値を示す合理性について)」と、こう書かれておりまして、次のように記されております。「報告書において、合理性が担保されていない撤去・処分費用の試算額「一億九千七百六万余円」や「四億四千三百六十七万余円」を例示として示すことは、合理性のない試算値が出回るだけで、本件の原因究明や是正・改善に資するとは考えにくく、また、今後の様々な議論に際して無用の混乱を招くおそれがあることから、撤回を強く要請する。」と、こう記しておりまして、さらにその下には、「検査院ご指摘(概要)」、「国土交通省の見解(詳細)」と書かれております。

資料の三枚目、七ページによりますと、その中ほどですが、「また、」とある段落、「貴院による試算額「一億九千七百六万余円」や「四億四千三百六十七万余円」等の金額は、例示とはいえ、その金額が独り歩きすることは容易に想像され、今後の議論において無用の混乱を招くおそれがあることから、重ねて、撤回を強く要請する。」と強調しております。

文面からして国交省作成と思われますが、確認をされましたか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 今公表された文書につきましては、検査の過程に係る具体的な内容に係ることと承知しておりますので、検査を受検する立場である当方としてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○山添拓君 航空局長、中身を確認はされたんですね。

○政府参考人(蝦名邦晴君) ホームページにおいて公表されたこの資料は見てみましたけれども、検査の過程に係る具体的な内容であることでございますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

○山添拓君 国土交通省作成のもので間違いありませんか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 今般公表されました文書につきましては、検査の過程に係る具体的な内容であると承知しておりますので、受検する立場としてはコメントは差し控えさせていただきます。

○山添拓君 受検する立場だということは、受検する立場でこういうものを作ったということをお認めになると、こういうことですか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 受検する立場でございまして、検査の過程に係る中身のことでございますので、コメントは差し控えさせていただきます。

○山添拓君 航空局は一般的に、会計検査を受けるに当たって、こうした意見を作成し提出するということをやっているんですか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 一般論として申し上げますと、会計検査院の検査を受けるに当たっては、先方からいただいた御質問などに対してお答えする際に、様々な当方の意見、見解といったことを述べることもございます。

いずれにいたしましても、今般の検査の中身でございますから、その具体的な内容については当方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

○山添拓君 今回公表した資料についても、作成されたということを否定はされないわけです。

この意見書を基に会計検査院との意見交換を行った際の応接記録があるはずであろうと思います。個人メモも含めて、委員会に提出をされたいと思います。

お取り計らいください。

○委員長(長浜博行君) 理事会で検討いたします。

○山添拓君 ここに記されております一億九千万円とか四億四千三百万円というのは、検査院の報告書が発表される前になされていた報道とおおむね一致するわけです。八月頃にもそういう報道がありました。

会計検査院に伺います。

森友学園への国有地売却をめぐる会計監査に関して、昨年八月二十一日付けの報告書原案というものがあるようですが、事実でしょうか。また、一般論として、検査報告の発表に先立ってこうした報告原案を被検者側に提供するということは通常行われることなんでしょうか。

○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。

検査報告は国会に提出するものでありますことから、検査報告における判断の公正を確保し、誤りのないように期することが大変重要でございます。このため、会計検査院では、検査報告の作成の過程において、検査対象機関に対して質問を発して事実関係の確認や疑問点についての見解を徴しております。そして、このプロセスは、森友学園関係の報告書を含めまして、全ての検査報告案件の取りまとめに際して行っているものでございます。

委員お尋ねの報告原案の意味するところが必ずしも明らかではございませんが、会計検査院は、報告前に了解を求める目的で報告書の案を検査対象機関に示すことはございません。

一方、検査報告の作成の過程におきまして、検査対象機関に対して事実関係の確認や疑問点についての見解を徴することなどを目的として書面によって検査結果や検査担当部署の所見を示すことは、全ての検査報告案件について例外なく行っているものでございます。

○山添拓君 被検者に対して意見を求める、書面によってそうしたことを求めることはあるんだということですが、その際に、被検者の側から出された意見に基づいて、報告原案の重要な部分、字句や数値の修正にとどまらず内容や評価に関わる点で、こうした点で被検者側からの意見に基づいて検査院の判断で改めるということがあるんでしょうか。それは独立の地位を有する検査院の在り方としてふさわしくないと考えますけれども、この点についてはどのような御認識でしょうか。

○説明員(腰山謙介君) お答え申し上げます。

先ほど三局長の方から御答弁申し上げましたように、検査報告は国会に提出するものでありますことから、検査報告における判断の公正を確保し、誤りがないように期することが大変重要であります。

このため、会計検査院では、検査報告の作成の過程において、検査対象機関に対して質問を発して事実関係の確認や疑問点についての見解を徴しております。そして、会計検査院から検査対象機関に示した書面に対し、相手方から記載内容について見解が示されます。その結果として、検査担当部署における検査結果の認識に誤り又は不合理な点があることが判明するなどした場合には、当然のことながら、修正等を行うことはございます。このようなプロセスを踏むことは、検査報告における判断の公正を確保し、誤りのないようにするために必要な手続であると考えております。

いずれにいたしましても、検査報告に記載する内容につきましては、外部からの干渉を受けることなく、あくまでも会計検査院内部における数次にわたる慎重な審議の下、最終的には検査官会議の議決を経て自律的に決定しているところでございます。

○山添拓君 自律的に決定されるというのは、内閣に対して独立の立場の会計検査院として、当然そうあるべきだと思います。

ところが、本件では、会計検査院の試算によるごみ撤去費用は最終的には明記をされず、ごみの量、トン数のみが記されるに至りました。検査院の原案を受けて、国交省は、実に迅速にこれを分析して意見をまとめて、そして、九月七日には航空局長が理財局長と検査院への対応をめぐって協議を行っております。

お配りしている資料の四枚目、五枚目を御覧ください。

「航空局長と理財局長との意見交換概要」、前回は口頭で述べましたが、おととい公表したものです。航空局長、内容を確認いただけましたか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 御党のホームページにおいて公表されたことは承知しておりますが、平成二十九年の九月七日の打合せにつきましては、総務課長が個人的なメモとして文書を作成したような記憶もあると、こういうふうに申しておりますけれども、このような個人的なメモについて、何かコメントは差し控えさせていただきます。

○山添拓君 いや、個人的な手控えをこの前公表されたんですけどね。

国交省内では、まだこの文書を確認されていないんですか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 現在も、引き続き確認を進めているところでございます。

○山添拓君 早急に確認していただきたいと思います。

蝦名航空局長、あなたが出席をされた会合です。この日、この時間、こうした意見交換を行ったということを思い出されましたか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 当時は、私も就任間もない頃でございまして、太田理財局長とも顔を合わせるという必要があるだろうということで、様々な意見交換をさせていただきました。

その中で、ちょっと詳細に覚えているわけではないですけれども、今思い返してみますと、昨年三月から開始されておりました会計検査について、航空局が実施した見積りの考え方については丁寧に説明をしていく必要がある、あるいは検査院からの報告書が公表される場合も見据えまして、報道や、あるいは国会で太田局長とまたいろいろ隣で答弁をしなきゃいけないといったようなこともあるだろうということもございまして、しっかりと事実関係を確認しながら両局で対応していく必要がありますねといったような打合せをしたような記憶はございます。

○山添拓君 四ページの検査院対応のところ、冒頭に、白丸、航空局長のコメントとして、総額を報告書から落とすことと、瑕疵担保免責の考え方を認めさせて、リスクを遮断するために見える範囲で最大限合理的な範囲で見積もったと主張できるようにしておくことが重要だと、こう述べたことになっていますが、このようにおっしゃったんですね。これは事実無根というわけじゃありませんね。

○政府参考人(蝦名邦晴君) そういう中身の具体的な発言についてまで記憶しているわけではありませんけれども、検査の具体的な中身に関わるようなものについては、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

○山添拓君 いや、検査の具体的な内容だから答えは控えるとおっしゃるんですけど、それはどういう意味ですか。検査院から何か口止めでもされているんですか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 検査の過程に係る具体的な内容については、検査を受検する立場であるということで、コメントは差し控えさせていただきます。

○山添拓君 いや、受検される立場にありながら、検査院報告に圧力を掛けるような談合をしている、実際、そのとおり検査報告をゆがめたんじゃないかという疑惑なんですよ。それこそが問題なんですよ。

財務省にも伺います。

今日、太田理財局長においでいただいていませんけれども、確認いただけましたでしょうか。昨年九月七日、航空局長との面談を行って、ここに書かれているようなやり取りを行われましたか。

○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。

今御指摘の点につきましては、これまでも理財局長から、その頃、九月七日でございますけれども、理財局長も航空局長も昨年夏に異動し、森友学園の件について詳しくなく、またお互いに面識もなかったので、まずはよく知り合うことが大事だと思い、顔合わせをした、会計検査院のことや資料を国会に提出するといったことについて話をしていたことは、それはそうだろうと思うと答弁をさせていただいているところでございます。

○山添拓君 顔合わせ程度の話じゃないと思うんですよね。

総額を消すことが重要だが、それが難しい場合には、失点を最小限にすることを考えなくてはいけない、少なくともトン数は消せないのではないか、金額よりもトン数の方がまし。八億円値引きをしたという手前、二億とか四億という試算が出ると困ると思ったのだろうと思います。

財務省として、ここに記されている記録、否定されるんですか。間違っている箇所があるのなら、それはどこですか。

○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。

財務省としましては、今委員の方が御提示をいただいているこの意見交換概要という紙について、全くそれについて承知をしていないという立場でございます。

ただ、今、検査との関係等、御議論がございますけれども、財務省といたしましても、検査を受ける過程では検査院との間で様々な意見交換を行っておりまして、その一環として事実関係の確認を受けて、それに対して答えるということはございますけれども、検査の結果については、独立した機関である会計検査院の判断により決められているものと承知をしております。

○山添拓君 検査、検査とおっしゃるんですけど、二枚目、資料の五ページ目を御覧いただきますと、これ国会対応なんですよ。

航空局長、伺いますけれども、国会対応についてもやり取りしているんですね。事務的に合意したラインのワンボイスを基本に、更に突っ込まれた際の答弁をすり合わせていきたい、変な相手に対してリスクを遮断するために、瑕疵担保免責の考え方で見える範囲で最大限の見積りをしたと言えるかがポイントなどと言っているんですよ。これ、国会対応は会計検査の被検者の立場とは関係ありません。こういうやり取りをされたんですか。

○政府参考人(蝦名邦晴君) 詳細なやり取りの文言は記憶しておりませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、国会にもいろいろとお尋ねがあって、私どもの見積りの考え方というのを丁寧に説明していかなければいけませんので、そのことについては意見交換をしたんだろうと思います。

○山添拓君 否定をされていません。これは重大な問題だと思うんです。

大臣、最後伺います。

前回、この意見交換概要について、手控えなどがあるか調査をしていると答弁をされました。皆さんなかなか出してこられないので、こちらからお示ししました。大臣も確認されたことかと思います。

総額を消せ、トン数の方がまし、検査院に対しては官邸だからといって通用しない、政権との関係でデメリットを考えながら対応する必要がある、航空局長が理財局長とこんな談合を行っていた事実が明らかになっています。とんだそんたく政治だと私は思います。国民や国会の疑問に答える姿勢では全くないと思います。

大臣、これを御覧になって、どう思いますか。

○国務大臣(石井啓一君) 先ほど局長が答弁したとおりであります。

○山添拓君 大臣、何にも答えられない、それはひどいと思います。

改ざん、隠蔽、そして虚偽答弁、更には検査院報告までねじ曲げようとしている、安倍政権の異常さとは深刻極まりないと思います。退陣いただくしかないということを改めて申し上げて、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

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