山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2020年・第201通常国会

医療機関への支援、ミニシアター、ライブハウスへの文化芸術支援、持続化給付金をめぐる電通と経産省、自民党との関係、勤務延長による恣意的人事について

要約
  • 予算委員会で安倍総理と対決。 医療機関への支援、ミニシアター、ライブハウスへの文化芸術支援、持続化給付金をめぐる電通と経産省、自民党とのずぶずぶな関係、黒川問題や勤務延長による恣意的人事について総理と政府を追及。 質問時間が足りません。会期を延長しコロナ対策や疑惑解明の審議が必要!

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
医療機関への支援について伺います。
全日本病院協会などの調査では、コロナ患者を受け入れた病院で四月の赤字が七八%、コロナなしでも六二%に上ります。入院、外来、訪問診療や健康診断で軒並み大幅な減収になっています。四月分の診療報酬は六月の振り込みです。今月、多くの医療機関で資金繰りに重大な影響が生じることになります。どう認識されていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは厚労大臣に必要があれば答弁させますが、常にこのリスクと向き合う中において、感染症対策を行っていただいている医療従事者の皆様に心から改めて感謝申し上げたいと思いますが、その上で、病院団体の実施する調査等を通じて、医療機関においては今般の感染拡大の影響による患者の減少等によって経営が悪化をしていると承知をしています。
次なる感染の波に備えるためにも、感染症対策の徹底を促しつつ地域医療体制を継続できるようにしていくことが重要でありまして、このため、政府としては、コロナ対応を行う医療機関や地域の医療を支える医療機関が行う様々な取組に対して強力な支援を行っていく考えでございます。
○山添拓君 経営状況の悪化ということで、加藤大臣は昨日、二次補正案は四月の数字がベースで編成したものだと、こう答弁されているんですが、四月の数字というのはどのようなものだと認識されていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 四月というのはそれぞれから出されているレセプト請求等々の状況、それから、病院団体は、四月三十日から五月十四日の調査期間、これは保険医団体であります。それから、病院団体もほぼ同じような、もうちょっと後ろ繰りだったかもしれません、そういった数字もいただいています。それから、個々の病院等からも自分のところはこういう実態だというのをいただいております。
ただ、それは四月、五月の実態という意味において、それらをベースに必要な支援措置を考えさせていただき、この第二次補正予算に織り込ませていただいたと、こういうことであります。
○山添拓君 これ、二次補正には、コロナ患者向けの病床確保には補助が追加をされました。
コロナを受け入れていない医療機関の減収分を穴埋めするような支援策というのはあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話ありましたように、コロナを受けていただいている病院に対しては診療報酬を三倍にする、あるいは病床確保等に対する対応をさせていただいております。
その他の医療機関についても、新型コロナウイルス感染症の疑い患者を受入れのための救急、周産期、小児医療機関の院内防止対策、あるいは歯科を含めた医療機関、薬局に関する感染防止のための支援を行うための措置を講じております。これは、今後対応する措置のみならず、既に実施をされている、それぞれの医療機関でですね、これも当然対象になるわけであります。それ以外に、資金繰りが当然問われておりますから、無利子無担保を内容とする危機対応融資を拡充することに加えて、六月の診療報酬の支給において一部概算前払という制度で一時的な資金繰りを支援すると、こういうことにもしているところであります。
○山添拓君 概算前払というのは後で精算があります。(資料提示)そして、このメニューというのは新たな負担増に対する実費の補助のみなんですね。
総理、先ほど、地域医療体制を継続できるように支援を行うのだと、こう述べておられますが、しかし、今の状態が続くようであれば廃業も検討せざるを得ないという声が既に出ています。総理、この声にはどう答えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) コロナ対応を行う医療機関に対する支援をこれは大幅に強化をしていくとともに、それ以外の医療機関に対しても感染防止対策など強力に後押しをしていく考えでございまして、具体的には、コロナ対応を行う医療機関に対しては、診療報酬の更なる引上げとともに、専用病棟を設定する医療機関での病床確保や設備整備に対する支援を四月に遡って拡充することによって更なる支援を行っていきます。
また、それ以外の医療機関に対しても、感染疑いの患者の受入れや、受入れのための対策や医療機関や薬局等における感染拡大防止のための支援を行うとともに、無利子無担保、五年間元本返済据置きの緊急融資の大幅拡充や診療報酬の一部概算前払による資金繰り支援を行うこととしておりますが、さらに、感染者、感染症の患者に直接向き合う医療従事者の皆様には、慰労金として、職種や勤務形態に関わりなく最大二十万円の給付を行うこととしております。
国民の命と健康を守る基盤である医療機関が立ち行かなくなることが起こることがないように、今般の第二次補正予算では二兆円を超える予算を上積み、積み増しているところでありまして、十分な予備費も積んでおりますので、いざというときはそうしたものを活用しながらしっかりと支えていきたいと、このように思っております。
○山添拓君 予備費があるというんなら、今必要なところに支援すべきだと思うんですね。
全国保険医団体連合会の調査では、七割以上の医療機関が国や自治体に支援を求め、損失補償に次いで多いのが人件費の補助です。
医療機関は休業要請の対象ではありません。したがって、休業の場合に支払われる雇用調整助成金は当てにすることができません。しかし、支出の半分は人件費なんです。他の業種では人件費に支援があるのに、医療ではないと。ここには補助をするべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、制度的には当然、雇用調整助成金等は使えるわけでありますが、基本的には、そこはそういう休業する状況ではないわけであります。むしろ、感染症の患者に直接向き合う、そういった医療従事者の方には危険手当として日額四千円相当が支給されることを念頭に、人員配置に応じた診療報酬の引上げ、これらを行っているところであります。それから、加えて、先ほど総理から答弁がありましたけれども、医療機関等で直接患者さんと接する医療従事者の方々に対しては、慰労金として最大二十万円の給付も行うことにしております。
それから、先ほど、そこの図でありますけど、その新たなというのは、別にこれから掛かる費用ではなくて、既に四月、五月において実施をされている様々な経費、またそれが経営をある意味で厳しくしているという事実もありますから、それも対象にするということであります。
○山添拓君 慰労金というのは、一般病院だと五万円です。
日本医労連の調査では、夏のボーナスを半分にする、二割賃下げ、あるいは定期昇給見送りなど、既に影響が出ています。政府として感謝と敬意を表するというのであれば、せめて賃金やボーナスについては支援するべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げましたように、賃金、ボーナスという、その人件費ということではなくて、全体としてやはり経営をどう支援をしていくのか、そういった観点から、今回の補正予算等に様々な措置を盛り込ませていただいているところでございます。
また、一時的な資金繰りに対しては、先ほど申し上げた融資の拡充、また概算前払等の制度を活用していただきながら、ただ、いずれにしても、それぞれの医療機関が新型コロナウイルス感染症を受け入れているか否にかかわらず、いろんな医療機関によって地域の医療提供体制というのは構築されている、また守られているわけでありますから、それを今後とも持続的に維持をしていく、こういう観点に立って我々もしっかり支援をしていきたいというふうに思っております。
○山添拓君 人件費に対してきちんと手当てすべきだと思うんです。PCR検査が抑制をされて、コロナ対応であるか否かを問わずに病院が危険な場所となってしまったと、受診抑制はその結果でもあるということを認識するべきだと思います。
医療機関は元々厳しい経営状況に置かれております。資料、パネルをお示しします。日本病院会などの調査では、全国の病院の利益率は昨年四月時点で一・五%、全体の四五・四%が赤字です。東京では五一・一%、半数が赤字だと。
総理、なぜ元々赤字だと思われますか。
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、個々の医療機関に様々な事情があると思いますが、全体として申し上げれば、近年、賃金、物価等の伸びに伴って人件費の増加などがそうした経営に影響しているというふうに認識をしております。
それを踏まえて、令和二年度の診療報酬改定では、医療機関の経済状況、物価、賃金の動向、もちろん保険料負担等の国民の負担の在り方にも当然考慮していく必要がありますが、診療報酬の改定率については、働き方改革分も含めてプラス〇・五五%というプラス改定も実施をしているところであります。
○山添拓君 これまでは診療報酬を削減してきたからだと、こういう認識なんですね。
○国務大臣(加藤勝信君) 削減という御趣旨はよく分かりませんが、そうした状況を踏まえて、平成二年度についても、もちろん診療報酬を上げれば保険料負担が上がって国民負担が上がるという側面もありますから、その辺には十分留意しながら、他方で、病院の経営状況あるいは賃金、物価の動向、これらも踏まえて〇・五五%、この中には働き方改革を推進するための部分も入っていますけれども、プラス改定を実施をさせていただいたところであります。
○山添拓君 二〇〇〇年代を通じて消費税補填分を除いた実質改定率はマイナス一〇・五%です。給付費で三・六兆円も減らされた計算になります。
既に医療崩壊を起こし、医療現場に混乱と疲弊をもたらしてきました。そこへコロナが直撃しているわけです。こうした中、融資でしのげというわけですね。医療機関にとっては一月で億単位の赤字です。
総理、いつどうやって返すんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今回の、まだ二次補正、具体的にどういう形で、それぞれの医療機関から見て、自分のところが幾らこうした支援を受けられるのか、これが見えていないというところもあると思いますので、成立をしていただけたら、一日も早く今回の支援措置の中身をお知らせすることによって、当面はそうした融資等を活用していただいた資金繰りをしていただきながら、今後そうした支援が入っていく、そういったことを十分認識をしていただく中で、中期的な意味での経営見通しを持って経営をしていただける、こういう環境をつくっていきたいというふうに思っております。
○山添拓君 もう既に億単位で融資を受けているところがあるんですよね。億単位で支援が受けられるメニューはありますか、今度。
○国務大臣(加藤勝信君) それは、かなり病院ごとによって違っているので、一概には言えないと思います。特に、新型コロナでかなり対応されているところにおいては、空床補償等、四月に遡って適用されますので、それなりの金額が支給されるものというふうに思いますが、ただ、個々幾らかというのはちょっと今手元に持っておりませんから、億を超えるか超えないかについては言及できませんけれども、一定程度の金額が出ていくことになると思います。
ただ、それが、それぞれの今医療機関に自分のところがどうなるのかが必ずしも伝わっていない、まだ我々お示しもしていないわけでありますから、一日も早くそうした内容もお示しをさせていただきたいというふうに思います。
○山添拓君 融資について、減免、まあ減額したり免除をしたり、そうした仕組みはあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の措置については、減免等を前提とした仕組みというのはないわけでありますが、いずれにしても、先ほど申し上げた、一つ一つではなくて全体として維持をしていく、融資をし、当面は資金的、資金繰りをしていただき、中長期的には今回の支援措置等を通じて経営の継続が図っていけるように努力をしていきたいというふうに思います。
○山添拓君 全体として足りないという声が既に上がっているわけです。
総理、十兆円の予備費のうち二兆円は医療のために必要だとしています。二次補正の医療費分では足りないのだと、もう既にそう認識されているわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新型コロナウイルス感染症対応においては、なかなか予見できないところもあるわけでございまして、そういう状況が、更に経営が厳しくなっていくということ、継続していくこの感染拡大、あるいは感染、コロナウイルスの存在が継続をしていくという中において起こり、予見できない中においてですね、予見できない中においてその可能性についてお示しをさせていただいているところでございますが、まずはこの今般の第二次補正予算において二兆円を超える予算を上積みをしておりまして、まずは本補正予算を御承認いただいた後、各種支援策を速やかに執行することで、医療機関が立ち行かなくなることがないように徹底的に支えていく考えでございまして、その上で、今後の事態の推移を見極めた上で、いざというときには予備費も活用しながら、まず、国民の命と健康を守る上においての基本インフラであるこの医療提供体制をしっかりと維持をしていくということで支援をしていきたいと、このように思います。
○山添拓君 予見できないものではなくて、もう現実です。経営難による医療崩壊が懸念される下で、第二波への備えなどできるはずがありません。ですから、直ちに医療機関への支援は強化していただきたい、このことを申し上げて、次のテーマに参ります。
文化芸術への支援について伺います。
映画、演劇、音楽の三団体、セーブ・ザ・シネマ、演劇緊急支援プロジェクト、セーブ・アワ・スペースが文化芸術復興基金をつくろうと運動し、政府にも要請しています。
ミニシアター、小劇場、ライブハウス、総理はこれらはどういう場だと認識されていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今挙げられたミニシアター、ライブハウス、小劇場などの施設については、映画や音楽、演劇など多様な文化芸術の創造、発信を支える一つの場として、我が国の文化芸術をより豊かなものに育てていくために重要な役割を果たしていると認識をしています。
このため、政府としては、今般の感染拡大の影響を受けて活動自粛を余儀なくされたこうした施設も対象に含めまして、持続化給付金、雇用調整助成金や、文化イベント中止の際のチケット代の税制特例、税や社会保険料の猶予など、あらゆる手段を尽くして文化事業の継続と雇用の維持のために取り組んできたところでございます。
引き続き、こうした取組を通じて、我が国における多様な文化芸術の発展に影響が及ばないようにしっかりと支援をしていきたい、支えていきたいと考えております。
○山添拓君 規模は小さくても、文化全体の土壌となり、また才能を育てる場でもあります。総理は、創造、発信を支える場だと、こうおっしゃいましたけれども、文化の創造や発信そのものの場所だと思います。
文科大臣に伺います。文化庁の二次補正案でミニシアターやライブハウスも支援するのですね。
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の第二次補正予算案において計上している文化芸術・スポーツ活動の継続支援では、文化芸術関係団体等が、今後、一層の感染対策を行いつつ、活動の再開に向けた準備を進める必要があることを踏まえ、活動の継続に向けた積極的取組等への支援を新たに行うこととしております。
現在、制度の対象等の詳細を検討中でありますが、小規模事業者が運営するライブハウス等については、事業再開に向けて経産省の小規模事業者持続化補助金の対象となることから、文化庁の事業との重複が起こらないようにするとともに、今回の文化庁の事業は実演家や技術スタッフなどの活動継続や技能向上等の取組を支援するものとして、制度設計の詰めの作業をしています。
なお、文化芸術・スポーツ活動継続支援においてライブハウス等を利用するフリーランスや団体を支援することによって、当該施設の活用につながるなどの効果もあると考えております。
また、今回併せて実施する文化芸術収益力強化事業ではこれらの施設が行う新たな収益力向上の取組を制度の対象としており、今回の緊急総合支援パッケージ全体でこれらの施設の活動を支援してまいりたいと思います。
○山添拓君 経産省とのすみ分けという話がありましたが、要するに、箱物なら経産省、あるいは事業者なら経産省と、こういう話なんですね。
しかし、単なる箱だとか事業者ということではないと思うんです。どういう作品を上映し、どういうバンドでどのようなライブを組むのか、このキュレーションと呼ばれる作業にはミニシアターやライブハウスの独自性が現れます。文化の担い手にほかならないと思いますが、大臣はその認識おありでしょうか。
○国務大臣(萩生田光一君) 同じ認識を持っています。
そこで、今回文化庁の方で作らせていただいたメニューなんですけれど、第一次補正の予算のときにも先生方から様々な現場の声いただきました。率直に申し上げて、文化活動に従事されている方々の勤務形態というのは本当に多種多様なものですから、なかなか第一次補正で作っていただいたメニューではタッチができない人たちがいる。だけど、その人たちも日本の文化を支える大切な担い手でありますから、今回のこの新しい文化庁の支援では、様々な工夫の中でその人たちに応援をできるようにさせていただきました。
さっき、あえて経産省の制度を前もって申し上げたのは、それ両方申し込めないかという意見が中にはあるんですけど、そこは国民全体様々な立場の中で申請をしておりますので、そっちが使える人はまず使ってもらいたい。しかし、そこへタッチできない人たちについては今度の新制度の中で、さっき申し上げたような形の中でしっかり応援をしていきたいと思っていますので、いずれにしても、日本文化を支えていく大事な施設であり、大事な担い手であるという認識で応援していきたいと思います。
○山添拓君 それでは、経産大臣に伺いますが、持続化補助金では新たにどのような支援を行うのですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 緊急事態宣言発動後に、営業自粛要請の影響などにより、ミニシアターやライブハウスについては売上げが大きく減少しているところがたくさんあると思っております。
また、我々も、その産業全般ということで、このミニシアターやライブハウスにもヒアリングを何度かしているところでありますが、これを踏まえて、持続化補助金では、三月以降、広告費などの事業者が新たな販路開拓に取り組む費用については最大五十万、補助率三分の二を支援し、五月には、例えばミニシアターやライブハウスがオンライン配信設備を導入するなど、非対面型ビジネスへ転換する場合には上限を百万まで引き上げるなどの措置を講じました。
さらに、五月以降も緊急事態宣言が延長され、厳しい経営環境が続くことを踏まえて、五月二十二日には私から事業再開支援パッケージを発表させていただき、第二次補正予算案では、補助率を四分の三に引き上げるとともに、施設の消毒やアクリル板の設置等、業種別ガイドラインに沿った形で感染対策を講じる場合には別枠で最大五十万円の定額補助を実施することといたしました。さらに、特にクラスター対策が必要となるライブハウスには、上限を五十万引き上げることにより、全体で最大二百万円の支援を可能としたところであります。
こうした対策を通じてミニシアターやライブハウスの事業の継続を支援をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 今、追加で支援が行われると説明があったのは感染拡大防止策の実費の支援です。これは文化庁の支援とは必ずしも重なるものではないと思いますので、両方で支援を受けても経産省としては特段不都合はないんじゃありませんか。
○国務大臣(梶山弘志君) 文部科学省とすり合わせをしながら、今後、考えてまいりたいと思います。
○山添拓君 すり合わせをしないで、それぞれ使えるものはなるべく使えるように広げていただきたいと思うんですよ。文化庁は文化振興として支援をするべきです。とりわけ、継続し、再開し、そして向上できるような支援、大臣、これ約束していただきたいと思うんです。
○国務大臣(萩生田光一君) 大切な日本の文化の灯を消すわけにはいかないと思っています。
一律の制度でなかなか応援しづらいというのは経産省も同じだと思うんです。ですから、そこは、この人にはこういうメニュー、この施設にはこういうメニュー、それで隙間が開いちゃったら、このさっき申し上げた文化庁のこういうものを使っていただくというようなことで、皆さんに満遍なく応援ができるような環境は私たちとしてはつくってきたと自負をしております。
ワークしてみて様々な不備があれば、これは各省庁間できちんと調整をして、応援体制は努めていきたいと思っています。
○山添拓君 隙間だけじゃなくて、もっと前面に立ってやっていただきたいと思いますが。
文化庁は、文化芸術復興創造基金を創設しました。しかし、民間拠出だけです。芸術団体からも文化芸術振興議員連盟からも官民共同の基金が求められてきました。なぜ国費を支出できないんでしょうか。
○国務大臣(萩生田光一君) 文化芸術復興創造基金は、厳しい状況にある文化芸術活動を継続していけるよう、民間からの寄附金を募り、支援を行うために創設されたものです。
今般の第二次補正予算では、文化芸術活動の再開に向けて、我が国の文化を支える担い手である実演家や技術スタッフの方々や文化芸術団体に対し、その活動継続や技能向上に向けた積極的な取組や収益力を強化するための取組への支援を行うこととしています。こうした政府の支援と本基金による支援を総合的、効果的に実施することにより、官民で力を合わせ、国民全体で文化芸術を支える機運の醸成を図ることが重要と考えているところです。
○山添拓君 民間だけ募ったところ、最新で百三十三万円しか集まっていないということなんですね。これ、どうやって配るんですか。
○国務大臣(萩生田光一君) 通常、国といいますか、国の外郭団体がこういう基金つくるときというのは、少し、当てにしている財団法人ですとか企業ですとか、こういうところが少し、種銭といいますかね、ぼんと出していただいた上に一般の方たちもというのが慣例なんですけど、やっぱりこのコロナの状況の中で様々経済的に厳しい状況にありますので、そこは、必ずしもこの基金に国のお金は一銭たりとも入れないんだということを前提につくったわけじゃなくて、さっき申し上げたように、しっかりその選定、総合的な支援をしていこうと、官民の役割分担していこうという中でスタートしましたから、まだPR不足のところもありますので、これから多くの皆さんのお心を頂戴しながら、国としても国の役割を果たしていく、そういう準備をしていきたいと思います。
○山添拓君 国の役割を果たすことが大事だと思います。
文化芸術への国の支援は元々乏しいものがあります。国家予算額に占める文化予算の割合、日本とフランス、韓国を例に御説明ください。
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘の文化芸術関係の諸外国の予算額につきましては、国によって行政組織や制度、文化予算の範囲等が異なりますので、単純比較は困難であるということだと思いますけれども、引き続き、文化芸術立国の実現に向けて必要な予算に努めていきたいと思っております。
新型コロナウイルス感染症に関わる文化芸術活動への支援としては、各国感染状況に違いがあるものの、例えば、フランスは四千三百九十四億円です。韓国は三千十五億円でございまして、ただ、これ他の分野も入っていたりするものですから、一概に文化だけという計算ができないということを冒頭申し上げたところでございます。
○山添拓君 フランスの九分の一、韓国の十分の一であります。日頃から支援の厚い国というのは、緊急時には予算を前倒しして活動を支えているんですね。
総理に伺いますけれども、最前線で活躍する歌手や俳優、映画監督の多くがミニシアター、ライブハウス、小劇場の出身です。自らの原点が今失われようとするのを黙って見ていられない、こういう思いで声を上げておられます。コロナ禍でどれだけの人が映画や音楽に救われたでしょうか。その時間というのは、日常の様々な苦痛を忘れさせてくれる、そして人生を豊かにしてくれるものであり、それが文化であり芸術だと思うんです。
支援の在り方、日常的な支援の在り方も含めて抜本的に転換するべきじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小規模文化施設においても、文化芸術の灯を絶やすようなことがあってはなりません。あらゆる手段を尽くして文化事業の継続と雇用の維持を図っていく方針であります。
今後、文化芸術を含め、含めたですね、イベント、エンターテインメント事業を対象とした大胆な消費喚起策にも取り組んでいくこととしておりますが、加えて、第二次補正予算では、文化芸術活動の本格的な再開に先立って、先ほど大臣からも答弁させていただきましたが、実演家や技術スタッフの方々、文化芸術団体に対し、その活動継続や技能向上に向けた積極的な取組や収益力を強化するための取組等への支援を行うこととしておりまして、さらに、感染拡大に特段の配慮が必要となるライブハウスなどについては、持続化補助金の上限を上乗せをし、必要な感染拡大策を最大二百万円まで支援することとしております。
こうした、今委員がおっしゃったように、厳しい状況の中においても、人々の心を癒やし、そして勇気付ける、それはまさに文化芸術の力だろうと、こう思っております。
政府としては、こうした取組を通じて、文化芸術の灯を絶やすことなく、必要な支援が速やかに行き渡るように努めるとともに、コロナ後を見据えまして、新たな市場開拓や事業構造の改革を促すことで文化芸術を更に盛り上げてまいりたいと思います。
○山添拓君 多様性を育む重要な社会的なインフラだと、そういう位置付けをし直していくということが今求められていると思います。
医療、雇用と営業、現に必要とされる支援が十分行われていないという中で、十兆円もの予備費を白紙委任することはできません。総理は、予期できない事態に備えると言います。しかし、予期できないのであれば、国会で野党の指摘も踏まえて三次補正を組むべきではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後起こり得る様々な事態に対して時機を逸することなく迅速かつ十分に対応して、国民の皆様の健康と、そして雇用、事業を何としても守り抜いていくために必要十分な予備費を計上したものでございます。
国会審議との関係においては、この予備費の使用について適時適切に国会に御報告することとしておりまして、具体的な報告の在り方については今後よく相談をしていきます。
なお、今回の予備費については、予算総則で、あらかじめ国会の議決をいただいた範囲内にその使途が限られることとなっておりまして、国会の審議を通じた予算統制が働く仕組みとしているところでございます。
○山添拓君 予備費の執行であれば、野党の指摘を踏まえることがなかなか難しいと思うんですね。国会審議が開かれないわけですから。
そうした中で、新たな予算案を作っていくと、この考えはおありじゃないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この国会を通じましても、様々な御指摘もいただいたところでございます。この予備費の使途に当たりましても、先ほど申し上げましたように、予算総則で、あらかじめ国会の議決をいただいた範囲内にその使途が限られることとなっているところでございますが、そうした際、この予見し難い出来事が起こったときに対応するわけでございますが、そういう際にも、こうしたこの国会でいただいた御指摘等も十分に踏まえて、この国会で既にいただいていること等も十分に踏まえながら対応していきたいと、こう思っております。
○山添拓君 十万円の現金給付や家賃支援や学生支援、どれも政府・与党が当初は行おうとしなかったものであります。補正予算組むと時間が掛かるという話もされるんですけれども、時間の問題ではなく、国民世論と野党の論戦で実現に踏み出したものであります。国会で審議してこそ、現場の必要に応じた予算となります。それが財政民主主義です。巨額な予備費に賛成することはできません。
しかも、今、コロナで苦難にあえぐ中小業者、個人事業主に支給される持続化給付金で不透明な委託費が大問題となっております。広告最大手の電通などが設立した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が国から七百六十九億円で受託し、大半の業務を七百四十九億円で電通に丸投げ、さらに子会社五社に六百四十五億円で外注する。電通には管理、運営などの名目で百四億円が入る計算です。
総理、なぜこの問題で疑念を持たれていると認識していますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 持続化給付金については、制度開始から一か月余りでこれまでに百四十万件の中小企業、個人事業主の皆さんに合計で、今まで一兆六千億円と申し上げていたんですが、現時点では一兆九千億円を超える現金をお届けしています。多くの事業者の皆さんが明日の支払にも御苦労されておられる中で、この事業で最も求められているのはスピードであろうと、こう思います。
具体的な事業の執行に関しては担当の経済産業大臣から答弁をさせますが、委託に当たっては、そうした事業目的に照らして、ルールにのっとったプロセスを経て決定されたものと承知をしておりまして、その上で、費用については事業終了後に精算を行い、真に必要となった経費のみを支払うものと承知をしております。
無駄が生じることのないように、経済産業省において適切な執行に努めていきたいと、こう思っております。努めさせたいと思います。
○山添拓君 疑念が持たれているのは、事業丸投げで国民の税金を分け合っていると、だからにほかならないと思うんですね。スピードさえあればあとは何でもいいというわけじゃないと思うんです。
今クローズアップされておりますのが、発注側である前田泰宏中小企業庁長官と受注側であるサービスデザイン推進協議会の平川健司業務執行理事、元電通社員の癒着関係であります。週刊誌では前田ハウスが取り上げられました。しんぶん赤旗日曜版も今週号でお二人の関係を報じております。
長官に改めて聞きます。平川氏とは、いつから、どういう関係ですか。
○政府参考人(前田泰宏君) お答えいたします。
私、今、中小企業庁長官でございますけれども、その前が次長でございまして、その前が大臣官房の商務情報政策局担当の審議官というポストをいただいておりました。その前に大臣官房の政策評価広報課長というのが、いうポストにあったと思うんですけれども、多分、はっきり覚えていないんですが、その頃から知り合いであったんではないかというふうに思います。(発言する者あり)ええっとですね……
○委員長(金子原二郎君) ちゃんと尋ねてください。(発言する者あり)山添君、いや、まだ指名していなかったから。
山添君。
○山添拓君 何年頃の話ですか。
○政府参考人(前田泰宏君) あたふたして申し訳ございません。
二〇一五だったと思います。一六ですかね。その辺ちょっとはっきり覚えておりません。申し訳ございません。
○山添拓君 お二人の関係は、二〇〇九年、家電エコポイントの時点で既に始まっていたのではないか。平川氏は当時電通社員で、政府エコポイント事業のプロジェクトマネジャーでした。
前田さん、当時の役職は何ですか。
○政府参考人(前田泰宏君) 私、商務情報政策局の情報経済課長の職にあったように思っております。
○山添拓君 エコポイントの申請サイト管理システムを担当されていましたね。
○政府参考人(前田泰宏君) 管理システムでございますか。(発言する者あり)いえ、それは担当しておったという認識がございませんが。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) やり取りしない、やり取りしない。答弁だけ。
山添拓君。
○山添拓君 エコポイント関係の担当をされていなかったということなんですか。
○政府参考人(前田泰宏君) エコポイントの担当ではございませんでした。
○山添拓君 平川さんと面識がありましたか、当時。
○政府参考人(前田泰宏君) その当時は面識なかったと思います。
○山添拓君 当時、この事業を電通などの企業連合が事務局を受託した、この事実は御存じですか。
○政府参考人(前田泰宏君) 存じておりません。
○山添拓君 電通側の中心にいたのが平川氏です。
エコポイント事業の申請サイト管理システムは電通からアメリカのセールフォース・ドットコムに外注されました。前田さんが紹介されたんじゃありませんか。
○政府参考人(前田泰宏君) そういう、そういうのは記憶にございませんけれども。
○山添拓君 二〇〇九年九月十五日、セールフォースが都内で開いたイベントで、前田さん講演されたんじゃありませんか。
○政府参考人(前田泰宏君) 講演、講演したと思います。
○山添拓君 その講演でエコポイントのシステムはセールフォースのサービスだと紹介されたんじゃありませんか。
○政府参考人(前田泰宏君) そういう記憶ございませんですけれども。今そういう記憶はございません、その講演の中では。
○山添拓君 インターネットに今も記事が出ていますので御確認いただければよいかと思いますけれども。
ですから、当時平川さんと面識がないというのはちょっとにわかに信じ難いと思うんですね。その後もお二人は幾つもの事業で一緒に仕事をされてきました。
二〇一六年にサービスデザイン推進協議会が設立をされて、最初に落札したのがおもてなし規格認証事業で、更に次々と事業を受注しました。その発注は経産省商務情報政策局サービス政策課です。
当時、前田さんの役職はどこですか。
○政府参考人(前田泰宏君) 大臣官房審議官の商務情報政策局長担当だったと思います。
○山添拓君 平川氏は当時、電通の社員でもありました。電通への再委託は当然御存じでしたね。
○政府参考人(前田泰宏君) 認識しておりません。知りませんでした。
○山添拓君 大臣官房審議官にありながら電通への再委託、知らないような事業が行われていたと、こういうことなんでしょうか。
今回の持続化給付金、担当は中小企業庁で……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
○山添拓君 長官が前田さんです。平川さんと前田さんというのは、そして、電通と経産省というのは、十年以上に及ぶずぶずぶの関係です。前田さんが責任者の部局から平川氏が役員を務めるサービスデザイン推進協議会へ合計一千五百億円以上のお金が流れました。大臣、これ異常な関係だと、癒着だと言われても仕方ないと思うんです。
なぜこんなことが続いているんでしょうか。
○国務大臣(梶山弘志君) まず、前田長官の件でありますけれども、報道では知っておりまして、今の時点では、事務方から、前田長官から確認している事実関係の限りでは倫理法上問題はないと報告を受けております。
ただ、一般論として幹部公務員、特に職責が、職位が上がれば上がるほど、これは国民の疑念や不信を持たれないように日頃から行動や言動には十分注意すべきであるというのが私の考え方であります。
また、電通のその受注ということでありますが、選定プロセスは一般競争入札により適切に実施をされているということでありまして、今回の事案をめぐっては様々な指摘をいただいているところであり、経産省の予算事業の執行体制の在り方について、有識者による第三者委員会を立ち上げて点検をしていただき、見直すべき点があれば見直してまいりたいと思います。
先ほど総理が申し上げましたけれども、最後には業務委託というのは確定検査というものをして精算をいたします。ただ、今執行中であるにもかかわらずいろんな疑念を持たれているということで、これは六月中に中間検査というものをしたいと思っております。しっかりとその契約の方向性、例えば単価であるとか、そういうものもしっかり皆様に表すことができればと思っております。
○山添拓君 総理に伺いますけれども、国民の目から見れば、こうして長年にわたって経産省と電通、前田さんと平川さん、この関係というのはやっぱり異常だと思うんです。遡ってその調査を行うべきではありませんか。今回のことだけじゃなくてですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今のやり取りを伺っておりましても、例えばエコポイントについてはそもそも担当ではなかったというふうに答弁をしていた……(発言する者あり)いや、こういうふうに私は聞いていたわけでございますが、いずれにいたしましても、今、山添委員がおっしゃったようなことは所管官庁において判断すべきものなんだろうと、こう思います。
○山添拓君 経産大臣に伺いますけど、持続化給付金について中間検査をすると言いますけれども、それだけではなく、遡ってこの関係を明らかにするべきじゃありませんか。
○国務大臣(梶山弘志君) これまでも確定検査というものはしておりますし、会計検査院の検査対象にはなっているということでありますので、これまでのことにつきましてはしっかりと検査が終わっているものと承知をしております。
○山添拓君 改めてやらないのかと伺っています。
○国務大臣(梶山弘志君) まずは、今執行中のこの持続化給付金について疑念を持たれているということであり、まずはこの中間検査を過ぎ、また、最終的にも外部の目を入れた上で執行体制、経産省の予算の執行体制についてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○山添拓君 これは遡ってやるべきです。
平川氏と前田さん、電通と経産省というだけではありません。背景に、政府・自民党と電通との癒着もうかがわれます。
政治資金収支報告書によれば、電通から安倍首相が支部長を務める自民党山口県第四選挙区支部に、二〇一一年、一三年、一四年に合計三十万円が献金されています。電通が国会議員の支部に献金するのは余り例がないということなんですけれども、なぜでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この、私への政治献金等々でございます。これは、あっ、支部にですね、それはいずれにいたしましても法令にのっとって対応しているということでございまして、もちろん全く問題がないものと思っているところでございます。(発言する者あり)それは、私自身、何でと言われてもですね、私の政治活動に対して支援をしていただいているんだろうなと。たくさんありますから。まあこんなことを申し上げるのもなんでございますけれども、多くの会社に御支援をいただきながら今日まで政治活動を続けているということでございまして、それは、私の政治活動に対して支援をしようということで御支援をいただいているんだろうと、こういうことではないかと思います。
○山添拓君 なぜかよく分からないお金をもらっているということなんですけれども。
安倍首相の妻の昭恵氏は……(発言する者あり)いや、だって、なぜ笑っているのかというのは、なぜかとおっしゃったでしょう。
安倍首相の妻の昭恵氏はかつて電通の社員でした。総理は電通の幹部と会食や懇談をされたことはあるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 電通の方と、今、言わば特別に何回も会食をしているという方はおりませんけれども、今、この政治、この今までの人生の中で会ったことがあるか、いろんな方と会ったことがあるかないかと今言われても、それはお答えのしようがないんですが。
今までですね、例えばCMを、党のCMを撮る際には現場にたくさんの電通の方々が来られておりますから、お目にかかることもあります。そうしたことはあったんだろうと。これは、電通ほどの会社になれば、これは与野党問わず、たくさん、電通の方と知り合いがいるという人はたくさんおられるのではないかと、こう思います。
○山添拓君 まあ幹部の方とというのを伺ったんですけどね。
電通は、自民党の政治資金団体、国民政治協会に毎年献金しています。二〇一二年から一八年まで、七年間で三千六百万円。これは総理、御存じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身は、国民政治協会にどの団体がどれぐらいということをつまびらかには承知をしていないところでございまして、今御指摘があったということで、ああ、そういう献金が国民政治協会に対して行われているんだなということを承知をした、今承知をしたところでございます。
○山添拓君 二〇一三年度から一九年度にかけて、政府が電通に支払った政府広報費、これは幾らでしょうか。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答えいたします。
政府広報では、新聞、テレビなどの媒体を用いて国民への周知を行っておるところでございまして、政府広報費における広報事業の契約先については、原則として、競争性のある調達手続により、厳正な審査を行った上で選定しているところでありまして、その結果、請負先が決定しているというところでございます。
それで、御質問の額でございますけれども、各年度の集計作業に時間が掛かるため、現在手元にある三年度分の数字を申し上げますと、各年度の予算額につきましては約百十数億円でありますところ、令和元年度の株式会社電通への支出額は約四十一億円、平成三十年度は約五十一億円、平成二十九年度は約四十三億円ということでございまして、したがって、過去三年度分足し合わせた額ということになりますと、約百三十五億円ということでございます。
○山添拓君 何かもっと出していただいているんですけど、なぜか余りお示しになりたがらないと。
その上、今数々の委託事業です。コロナ禍に苦しむ中小業者、個人事業主の命の綱とも言える給付事業です。その予算を一部の大企業が分け合うなど、決して許されないものです。これ、国会で徹底解明をしていくべきだということを指摘したいと思います。
残りの時間で、黒川弘務元東京高検検事長問題について伺います。
黒川氏は、二〇一六年九月、法務事務次官に就任しました。二〇一七年には、過去三度廃案になった共謀罪法案が強行され、カジノ推進会議で法務省の従来の見解を百八十度変えて、民間賭博を合法化しました。一八年には、官邸肝煎りの外国人労働者受入れ拡大法案が押し通されました。
総理、伺いますけれども、世論の批判がある政策を安倍内閣が実行する際、重要なポストにいたのが黒川氏だと、こういうことですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 黒川氏につきましては、これは、我々政権交代をする前から、例えば官房長という要職を務めておられたというふうに承知をしているところでございます。
いずれにいたしましても、今回の処分につきましては、必要な調査を行った上で、法務省及び検事総長において事案の内容等諸般の事情を総合的に考慮して決定したものと承知をしているところでございます。
○山添拓君 処分のことは私伺っていないんです。
パネルを御覧ください。
二〇一八年、我が党の辰巳孝太郎参議院議員が暴露した文書です。森友文書改ざん事件をめぐり、五月二十三日の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している、官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているとあります。
当時の法務省、つまり法務事務次官は黒川氏ですね。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘のとおりでございます。
○山添拓君 刑事処分が五月二十五日夜という話はなくなりそうで、翌週になりそう。事実、不起訴処分は翌週の五月三十一日でありました。
官邸は、黒川氏に巻きを入れたのですね、総理。
○国務大臣(麻生太郎君) 通告全然ありませんので。(発言する者あり)いえ、ありませんし、今初めて見た文書でもありますので、私どもが作った文書でもないようでありますので、お答えのしようはありません。
○山添拓君 これ、今初めて示した文書じゃないですよ。麻生さん、何度も御覧になったでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 私自身の記憶としては、私、この書類を見たのは初めてです。
○山添拓君 都合の悪いものはすぐお忘れになる。
法務官僚として、検察の捜査にまで介入したという疑いは重大なものです。官邸の守護神と言われ、だから定年を延長し、続投させ、検事総長に据えようとしたと言われております。
安倍内閣の下で、黒川氏に限らず、勤務延長は濫用的に運用されてきました。今回、解釈変更を問題なしとした法制局長官、次長時代に勤務延長し、その後、長官に就任されましたね。
○政府特別補佐人(近藤正春君) お答えします。
私自身が勤務延長を決めたわけではございませんで、当時の長官からの勤務延長の、に承諾をしたということでございまして、平成三十年の三月三十一日付けと、さらに、その三十一年三月三十一日付けで更に一年、これは人事院の承認を得て延長の手続が取られております。
○山添拓君 前任の横畠氏は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を認めた人物です。この方も勤務延長で長官に就任したんじゃありませんか。
○政府特別補佐人(近藤正春君) 横畠前内閣法制局長官は、法制次長、内閣法制次長として勤務していた際に、平成二十六年三月三十一日付けで一年間の勤務延長の手続が取られております。
○山添拓君 あの安保法制当時の自衛隊統合幕僚長河野克俊氏も三回も勤務延長を繰り返しています。
安倍内閣は、こうして政権にとって都合の良い人物を長くとどめる、そのために勤務延長を活用してきたんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 勤務延長については適切なプロセスを経てこの決定をしているものでございます。
○山添拓君 総理が検察官も行政官だと強調されるのは、検察官についてもこうした恣意的な人事を可能にしたいという宣言にほかならないものです。
○委員長(金子原二郎君) 時間参りました。
○山添拓君 しかし、それは、準司法官だという検察官の特殊性を踏まえず、三権分立を脅かすものです。閣議決定、検察庁法案、撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で山添拓君の質疑は終了いたしました。(拍手)
これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
以上をもちまして、令和二年度第二次補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
─────────────
○委員長(金子原二郎君) それでは、これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。山添拓君。
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二〇年度第二次補正予算案に反対の討論を行います。
新型コロナウイルス感染症の暮らしと経済への影響が長期化する中、本補正予算案には一定の前進というべき支援策の強化が盛り込まれました。雇用調整助成金の上限額の引上げ、事業者への家賃支援、学費負担軽減策の強化など、国民世論と野党の論戦が実現に導いたものであり、不十分さや改善すべき点があるものの、賛成できます。
反対する理由は、三分の一を占める十兆円もの予備費です。憲法八十三条は、国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならないと定め、八十六条は、内閣は、予算を国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならないとしています。
内閣の裁量で執行できる予備費は例外であり、現に従来、小規模なものに抑えられてきました。巨額の予備費を政府に白紙委任することは財政民主主義に反します。
政府は、予備費十兆円のうち五兆円について、大枠を明示したと言います。しかし、内訳を示しても、予備費であることに変わりはありません。既に必要性が認められる予算であるなら、その使途と費目、金額を明らかにし、国会で修正すべきものです。また、残りの五兆円については、長期戦に備え万全を期すためと言いますが、それは速やかに第三次補正予算案を編成することで対応すべきであります。
本補正予算案は医療機関への減収補填がなく、学費の減免や文化芸術団体への支援など、求められる支援には程遠い内容です。第二波に備え、医療と検査体制を抜本的に強化し、新しい生活様式の下での新たな自粛要請と一体の補償を急いで現場に届けるべきです。
持続化給付金をめぐる不正常な委託費は、自民党と特別の関係にある電通などがコロナ予算に群がり、山分けしようという疑惑であり、直ちに解明が必要です。巨額の予備費で国会を閉じ、政府に万事委ねるなどということは到底できません。
国会を延長し、予算の執行状況と更なる支援策に向けた審議を行うことが政治の責任であることを申し上げて、討論といたします。

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