山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2021年・第204通常国会

総務省接待問題について予算委員会で質問

要約
  • NTT法により政府が3分の1を保有することとされているNTTの株式は、国民の財産。そのNTTが経費で違法接待を行なっていた事実は、国民に対する背信行為であり、政府は株主としてNTTや谷脇氏に返金を求めるべき

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 総務省接待問題について伺います。
 今朝、総務省が発表した中間報告で、NTT等による倫理規程違反の疑いが強い接待が少なくとも四件明らかになりました。NTT法により、政府はNTTの株式の三分の一以上を保有することとされています。これは国民の財産ということであります。そのNTTが経費を用いて違法接待を行っていたということになります。国民に対する背信行為でもあります。
 総理に伺いますが、政府は株主として、NTTの社長や谷脇氏に対して会社に返金するよう求めるべきではありませんか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 総務省における調査において、NTT側にもヒアリングを行うとともに、資料提出の協力を得て、事実関係の確認を進めているというふうに報告を受けています。
 まずは、総務省において十分な調査を行う必要があり、その上で、ガバナンスやコンプライアンスなどについて、株主総会等の機会を捉え、財務省において必要な対応を求めることになると思います。
○山添拓君 ちょっとおっしゃった答弁がかみ合っていないと思うんですけれども、返金は当然求めていただくべきだと思うんですね。
 今、株主総会のことをおっしゃいました。株主総会の招集を求めることができます。情報開示や説明を求めるということもできます。こうしたことは少なくとも行われますか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、総務省における調査において、NTT側にもヒアリングを行うなど、資料提出の協力を得て、事実関係の確認を進めているという報告を受けています。
○山添拓君 既に違法の部分が明らかになっておりますので、それでは甘いと思うんですね。
 二〇一八年八月、当時の菅官房長官が携帯料金四割値下げに言及し、二〇二〇年九月二十九日、NTTはドコモの完全子会社化を表明しました。
 谷脇参考人に伺います。確認された三回の接待はちょうどこの間の時期に当たります。ドコモの子会社化について話題になりましたか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 まず、今回の一連の事案で国民の皆様の疑念を更に招き、また情報通信行政への信頼を損なうこととなりましたことを深くおわびを申し上げたいと思います。
 その上で、委員の御質問にお答えをさせていただきます。NTTと会食をしましたのが、二〇一八年の九月に二回でございます。当時はまだ今回の完全子会社化といったような話は全く出ておりませんでしたので、この二回の会食においてもそういった話題はなかったと思います。(発言する者あり)失礼しました。三回目が令和二年七月の三日でございますけれども、こちらはNTTデータの相談役との会食でございましたので、NTTドコモの完全子会社化といったような話題はなかったと思います。
○山添拓君 携帯電話の競争促進が必要だという自説を述べたと先日国会で答弁をされています。料金値下げについては、では話題となったんですか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 携帯電話料金の引下げにつきましては、私、課長時代の十年ほど前からずっと実は取り組んできたものでございます。自説でございます。そういった意味で、この会食において、具体的にはこの平成三十年の二回の会合において携帯電話料金の話は話題に出たと思います。
○山添拓君 その携帯料金の値下げをどう進めるかということが最大の関心事だったはずであります。ですから、ドコモについて全く話題にならなかったとは考えにくいと思うんですね。
 谷脇参考人は、NTT以外の通信事業者とも会食を行ってきたと答弁されております。パネルを御覧ください。(資料提示)NTTによるドコモの完全子会社化については、昨年十二月、KDDI、ソフトバンク、楽天など、通信事業者三十七社が総務省に要望書を提出し、あるいは賛同、その趣旨に賛同する意向を示しています。
 谷脇参考人に伺いますが、これら意見を申し出た全ての事業者と会食されたんですか。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 ここに出ております事業者の皆様と会食をしたということはないと思います。
○山添拓君 ないということなんですよ。ですから、NTTだけ特別扱いで高額接待に応じていたということになります。少なくとも、明らかになっているのは、NTTによる高額接待があったという事実です。政府が出資するNTTが、ドコモを完全子会社化し市場環境を変えようとするときに、一部の利害関係者とのみ懇意に接していたということになります。
 この要望書では、通信市場における公正な競争環境が損なわれることについて懸念を表明しております。パネル御覧いただきますが、旧電電公社が一九八五年に民営化をされ、それ以後、NTTグループは新規事業者との競争を促すためだとして分割をされてきました。ドコモの完全子会社化はその流れの全く逆を行くものであります。
 それによって何が起きるのかと。5G、第五世代移動通信システムは、基地局同士をつなぐ光ファイバー回線がボトルネックだとされています。その七五%はNTT東西が占めております。携帯各社はその光ファイバー回線を使うために使用料を払ってこれを借りるわけですが、NTTが、完全子会社となったドコモ、そのドコモに対してのみ有利な条件でこれを使わせることになれば、競争環境は大きくゆがみ、場合によってはユーザーの利益を損なう可能性も指摘されております。
 通信事業政策を改めるということは、これはもちろんあり得ることだと思うんです。しかし、NTTのこうした経過を含めた特殊性を踏まえれば、いかなる事実に基づいていかなる政策変更を行うのか、これは事前の検証を行うことが必要だと思います。
 総理に伺いますが、NTTの在り方について、ドコモの完全子会社前に、その表明の前にこういう議論がされたかどうか、御承知でしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) それは承知していません。
○山添拓君 総務大臣、そういう検証はされていませんね。
○国務大臣(武田良太君) ルールにのっとってなされたことと承知しております。
○山添拓君 いや、検証がされたのかどうかと、NTTがドコモの完全子会社化を表明する前に、そうした議論が公の場でされたかどうかということを伺っています。
○参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 NTT持ち株によるドコモの株式公開買い付けが行われたのが、九月の二十九日から十一月の十七日でございます。それに先立ちまして、私どもがこのTOBを行うということについて、法的にこれを止めるということはできない仕組みになっております。
 また、このTOBが行われている、行われているというときには、私どもコメントも一切しておりませんので、事後に検討会を立ち上げたということでございます。
○山添拓君 今お話しになったように、事後に検討会は行われました。
 NTTがドコモの子会社化を発表した当日の電気通信市場検証会議で、総務省の職員が、そんなことは初耳だと、報道で知ったとコメントをしています。発表前には検証などされていないわけです。谷脇参考人はこの会議の担当者でしたが、裏ではNTTの高額接待で情報を得ていたかもしれない、あるいはアドバイスをしていたかもしれない。結果、日本最大級のTOB、株式公開買い付けでドコモは子会社化をされ、新料金プランの発表につながりました。
 総務大臣、違法接待が行政をゆがめた可能性、ドコモの子会社化による携帯料金値下げとの関係性を否定することはできないですね。
○国務大臣(武田良太君) 今回の通信事業者との会食につきましては、国家公務員倫理法に基づき調査をまさに開始したところであります。
 本日、現時点で確認できた事実関係について御報告をさせていただいたわけでありますけれども、引き続き、NTT側にもヒアリングを行うとともに、資料提出の協力を得て、正確に、徹底的に真相究明を図ってまいりたいと、このように考えています。
○山添拓君 いや、ですから、行政をゆがめた可能性、あるいは競争環境をゆがめた可能性、それについては今の時点で否定する材料をお持ちでないでしょう。
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のような事実については確認ができておりません。
○山添拓君 確認できていないということは、否定することもできないということですよ。だから検証するわけでしょう。これから調査しないと分からないということではありませんか。
 谷脇参考人は、事業者との会食で意見交換をするのはさも当然であるかのように述べています。もちろん、携帯料金の値下げというのは多くの国民の願いでもあると思います。独占、寡占による高止まりは改める余地があります。
 しかし、だからといって高額接待を含めた癒着も談合もいとわない、求められる議論のプロセスも省略して構わないというのでしょうか。総理が掲げた政策の下でこうした事態が蔓延しております。総理の政策に反対する者は左遷する、その反面、従う者は何をやっても許されるような空気をつくってきた。私は、三月五日の本委員会でもこのことを指摘しましたが、総理は、それは短絡的だと反論されました。
 では、総理は、携帯料金値下げの発言、自らの発言、NTTドコモの完全子会社化の動き、それらと同時期に行われたこの違法接待、なぜ起きたと説明されるんですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身の携帯引下げというのは、政策で、国民の皆さんの大事な電波を、その提供を受けて営業しているのが当時携帯三社でしたから、その三社が九割を超える寡占状況を、長年に寡占状況でありながら何らの競争も働いていない、そのうち世界で一番高い料金水準になっていたことも事実じゃないでしょうか。そうしたことを何としても打ち破るために、私はこの携帯電話の大幅引上げを提唱して、実現をしてきたところです。(発言する者あり)
 大変失礼しました。引下げです。
○山添拓君 それは全然説明になっていませんよ。従来の政策を大きく転換するときに、いや、目的は多くの人の願いかもしれない。しかし、大きく転換をするときに十分な検証や議論なく、あるのは夜の会食による意見交換だと言います。
 行政の在り方として、これはゆがんでいるんじゃないかということを問うています。
○内閣総理大臣(菅義偉君) いや、ですから、私、この間短絡的だということを申し上げさせていただきました。
 私自身が引下げを提唱したのは今から三年ぐらい前ですよ。そこから政策が実現するまで時間掛かってきたんですよ。それは、一つ一つ手順を踏んで行ってきたからこうなってきたと思いますよ。
○委員長(山本順三君) 時間来ていますから、おまとめください。
○山添拓君 いや、それ全然お答えになっていないと思います。
 総理が掲げたことだから、規制改革だからと結論ありきで進める、特定の事業者とは密室協議を行う、これでは行政のプロセスが検証できません。学術会議の任命拒否やコロナ対応の迷走ぶり、どこでも共通した菅政治のプロセス軽視が表れています。それが違法接待まで常態化させている。こんなやり方は民主主義に反するものだということを重ねて指摘し、質問を終わります。
 ありがとうございました。