山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2021年・第204通常国会

資源エネルギー調査会で「地域偏在など資源を巡る国際動向」をテーマに参考人質疑

要約
  • 資源エネルギー調査会で「地域偏在など資源を巡る国際動向」をテーマに参考人質疑。山添拓 議員は、基礎研究の重要性、新たな資源開発が先進国による資源国からの搾取につながる問題、投資における優先課題としての資源循環などについて質問。開発においても、循環型ビジネスモデルが求められています

○参考人(縄田和満君) 東京大学の縄田です。今日は、このような会にお呼びいただきまして、誠にありがとうございます。
今日特にお話しするのは、レアメタルを中心とした鉱物資源の安定供給に関する件です。実は私、この鉱物資源、レアメタルを中心とした資源の安定供給に関してもう三十年ほど取り組んでおりまして、その一部を御披露できればと思います。(資料映写)
これ、私自身が委員を務めております経済産業省の総合資源エネルギー調査会資源・燃料部会の報告を中心に、まず現状について簡単に御報告したいと思います。
新たに資源エネルギー政策というのが設定されまして、実際にこれを行うJOGMEC等の改正が行われて現在に至っているということです。
特に、私が対象としておりますレアメタルに関しては、レアメタルの、後ほど述べますように、レアメタルの更なる需要拡大が予想されると。特に、これも後ほど述べますが、中国による寡占が進んでいると。実際にあった事件といたしまして、レアメタルの輸出禁止というのが実際に起こっているということで、概要はそうなっていると。
レアメタルといいましても、レアメタルは特に地域偏在性が強いものが存在します。今、二次電池等で非常に重要となっているコバルトについて見ますと、全世界で十数万トンしか使われていないんですが、そのうち半数がコンゴ。必ずしも、政情も不安定であり、さらにいろんな意味で人権問題等が騒がれている、非常にコンゴという国に依存しているというのが現状です。
もう一つ、ここにありますように、レアアースの製錬等を見ますと、圧倒的に中国が大きいということです。
レアメタル、以後はレアアース等も含むものとしますが、は実に多種多様にわたると、二十数種類に国の定義でもわたるということになっております。一番大きいニッケルで二百数十万トン、少ないものにとっては全世界で数十トンしか使われていないというようなものもあります。しかも、それを使わないと製品ができない、まさに産業のビタミンとなっております。製品としては、ここにありますように、多種多様なものがレアメタルがなければ物が作れないと。
次が鉱物資源の値段ですが、後でも述べますが、鉱物資源というのは非常に値動きが激しい。これ、最近のあれなんですが、当然コロナ危機で大きく落ち込んで、また中国の、特に中国が需要が復活してきたので上がっていると。何か物があるとすぐに二倍、三倍、物によっては十倍になることもあるといったことになっています。
かつ、ベースメタルですと、LME、ロンドン・メタル・エクスチェンジ等ちゃんとした市場があるんですが、レアメタルになると、どうやって値段が決まっているか余りにも明らかでないと、メタルズブリテンとかメタルズウイークみたいなところの聞き取りによって決まっているというような実態があります。つまり市場が、まだないというか成熟していないというか、どっちかは分かりませんが、そういう事情があると。で、価格も非常に上下すると。平らなところはないんじゃなくて、メタルズブリテンとかそういうところがそうなっているので、市場があれば本質的には物すごく上下しているということになります。
これまでの影響で、特に一番下の金属、私の専門としている金属鉱物資源について見ると、ベースメタル、後で述べますように、ベースメタルにおいても大きな障害が予想されると。レアメタルにおいては、現状では比較的需要が緩んでおります。ただし、何が起こるか分からないというのが現状です。
次に、カーボンニュートラルに向けた資源エネルギー政策の方針という、十二月に行われた総合エネルギー調査会の資源・燃料部会のものから引用したものですが、これも見たように、資源埋蔵量、要するにリチウム、ニッケル、コバルト等が必要になるんだけど、非常に偏りがある。これは資源国の偏りじゃなくて、製錬も中国に偏っているという現状があります。一国の政策、さらには、今コンゴの例が出ましたが、コンゴ等で何か内乱、内紛みたいなのがあると、世界中の供給に大きな影響が出るということです。
次が、各国における問題ですが、特にアメリカと中国の関係というのが現在問題になっておりますが、将来的にはそれがかなり影響していく可能性があるというのだけ指摘しておきたいと思います。中国、今、一斉に規制を緩めたので造り過ぎになっちゃって、また国家管理に戻そうとしているということがあります。
当然のことながら、リサイクルの取組も必要であると、今後ですね。ただし、これも技術問題と関係するんですが、リサイクルというのは実は鉱石を取り出すのと技術的には一緒なので、製錬所がないと日本でリサイクルができないということになります。そのために、例えばレアメタルを含む製品をよその国に持っていって製錬してもらうというんだと、安全保障上、何というか、安定供給上ほとんど役に立たないというようなことになってきます。
次は、IEAの報告書からですが、今後、レアメタルが大きく伸びるであろうということが予想されます。
これ、電気自動車の伸びなんですが、二〇一七年においては百万台以上の電気自動車の新車が発売されたと、そのうち過半数は中国、半数以上はもう中国であるということになっています。路上で使用されている電気自動車は三百万台を超えて、二〇一六年よりも五〇%増加したということになっていますが。
これが電池の価格なんですが、いろんな各種資料から取ったんでちょっとばらつきがありますが、一応、何というか、電池の価格というのは低下傾向にあるということがあります。
ただし、これ、二〇一七年当時のシナリオです。将来どの程度増えるかと、ハイブリッド等のどれだけ増えるかというのを調べたんですが、御存じのように、カーボンフリー、カーボンニュートラルというのをしていましたし、日本に、我が国においても、菅総理の発言のとおり、もうEVに替える、EVとかプラグインハイブリッドに替えていくんだということを世界各国が始めましたので、恐らく伸びがこんなものでは利かないということが予想されます。
つまり、カーボンニュートラルを実現するためには、レアメタル及び必要な金属類を確保しないとそもそも造ることができないと、これが世界中で起こるということが予想されます。これアウトルックのシナリオですが、こんなものではない、これの最も極端な例とされているのよりも更に多くなるということが予想されるということです。
じゃ、具体的にどの程度必要かというのは、これはベースメタルとはレアメタルは異なって、ベースメタルなんですが、私が日本メタル経済研究所から受託しました研究で、銅の需要ですね、代表的なベースメタルである銅の需要について予測したものです。
これで見て分かるとおり、ハイブリッド、これ内燃機関の普通の自動車では、もちろん大きさによって異なりますが、平均的に二十三キログラム、ハイブリッドでは四十、プラグインハイブリッドでは六十、電気自動車では八十八キロ必要になるということになります。今、御存じのとおり、主に売られているのは普通のガソリン自動車ですので、それがEV等に変わると、銅を見ても四倍になると。それと、銅のようなベースメタルで比較的自由に取引されている製品でも、要するに順調にというか、二〇〇八年の一千八百十一万トンから二千三百四十六万トンに十年間で増えたと。
これからが私の行った予想になるんですが、二〇三〇年には、今まで、これまでのとおり自動車等のものが変わらないと仮定しましても、各国の経済成長により一〇%ぐらいは増えていくと。問題は、電気自動車等を輸入するとどのぐらい増えるかと。これは、この当時、二年前に行った研究なんで、今とは比較にならないほどEVの導入というのが、一桁違うと思っていただければいいんですが、それによって銅のようなものでも五%程度増えてしまうということが予想されます。
更に申し上げますと、コバルトのような十数万トンしかないもの、全世界で十数万トンしかないものが、言わばEVが、何といいますか、世界中で使われるようになると全く足りない、よほどの新技術が出てこない限り、桁が違うぐらい足りなくなってしまうというようなことがあります。
次が、私の論文で、二〇一〇年に出た論文なんですが、中国の動向について分析したんですが、ちょっと注目していただきたいのは、投稿日が二〇〇八年、つまり、実際に、言わんとしていることは簡単です。現在のままでは中国がレアメタルの供給をポリティカル化、政治のカードとして切ってくるというのを論理的に説明して、その経済的影響を調べた研究です。これが二〇〇八年の秋頃書いた論文なんですが、御存じのとおり、中国国内、もう当時、その当時は中国国内での依存度がもう一〇〇%に近い程度になっていました。
じゃ、レアメタルという、この場合レアアースですが、それほどレアかというと、金属的にはそれほどレアではないと。では、何で中国が独占するに至ったかというと、中国がレアアースをうんと安くして、ほかの鉱山がどんどん潰れていっちゃったわけですね。その結果、中国が独占することになってしまったという常識が、歴史があります。今からつくり直してもまたこれが起こっちゃう可能性があるということがあります。
もう一つは、中国以外で探鉱を行うというのも必要なんですが、さらに製錬技術を中国が押さえていると変わらない、そういうことに、そこがネックになってしまうということがあります。
それに関連しまして、WTO訴訟に関しても研究を行っております。今までWTOは主に輸入規制を主としていたんですが、中国の行動に関して世界各国からWTO訴訟、違反ではないかと、輸出に関する規定、輸出に関する制限に関しての議論があって、実際訴訟になって上級委員会まで行って、これは日本、訴えた方が勝ったということなんです。さらに、日本が関わった訴訟では、レアアースに関する輸出規制で日本が初めてWTOで中国を訴えた訴訟なんですが、これも日本、訴えが、つまり中国の規制は違法とされたということです。
じゃ、レアメタル等を中心とした資源の安定確保に関する指針としましては、まず上流権益の確保があります。当然にそれとペアになるのが資源国との友好関係、互いにウイン・ウインじゃないといけませんよと。もう一つが、資源輸出に関するWTOなどによる国際的な枠組みの導入。それと技術開発ですね。レアメタルというのは副産物として回収されることが多く、その経済的な回収のための技術を確立していかなくちゃいけない。これは、裏を返せばリサイクルということになります。さらに、価格決定メカニズムを含めた市場環境の整備。最後に備蓄ということになるんじゃないかと思います。
国際的な枠組みに関してちょっと簡単に言いますと、今までガットの条項で言うと、ガットの二十条、特に(g)条の天然資源に関する保全が問題となっていたんですが、現在の昨今の状況からしますと、ガット二十一条の安全保障例外を資源国が、特に過去の例では中国になりますが、持ち出してくるおそれがあると。平和維持のために軍備に使われる可能性があると。
今、民生部品と軍事の境というのがほとんどなくなっちゃっていますので、これを持ち出された場合どうするかというのは、もう事前に対策を取っておくべき、日本がそれなりに国際的に発言力を持つためであるということがあります。
それに関して、当然のことながら、日本の唯一の資源、唯一かつ最大の資源である人材、研究、人材育成が必要になる。特に私のように大学にいる人間としては人材育成が重要になるということです。今まで人材というとどうしても技術部門が多かったんですが、こういった国際交渉で枠組みをつくると、そういうことに関して積極的に参加できる、我が国のあれをつくる人間が必要であるということです。
これで最後になりますが、時間ですので、レアメタルの備蓄に関しては、総合資源エネルギー調査会の方で、私も委員の一人となりますが、見直しを行うということになっておりますので。
以上、時間ですので、報告を終わらせていただきます。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
次に、清水参考人にお願いいたします。清水参考人。
○参考人(清水孝太郎君) 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの清水でございます。
レアメタルのお話に関しましては縄田先生が既にお話しなさっていらっしゃいますので、私からは、今、私、ちょうど国際希土類工業協会と、ブリュッセルが本拠地でございますけれども、そちらのちょっとメンバーでありますのと、あと、ISO、国際標準機構でございますが、そちらの委員をサーキュラーエコノミーとレアアースの二つに関して行っているものでございますから、本日のお題にも沿う形で、どちらかというとちょっとレアメタルをケーススタディーにしてという形にはなりますが、そちらの経験などを主に御紹介できればと思っております。
お手元の資料のちょっと三ページ目と四ページ目になりますが、本日御紹介する資源、たくさん資源にはいろいろ種類ございますけれども、特に金属資源、材料資源ですね、こちらをケーススタディーに御紹介申し上げます。
五ページ目は既に縄田先生お話しされていらっしゃいますので、この辺は飛ばさせていただきまして、六ページ目、七ページ目も縄田先生の方からお話ございましたとおり、様々な用途にレアメタル、本当に少量しか使われないんですけれども、こういうものがなければ最後の部品ができずに製品として完成しないと。よく俗に産業のビタミンという言い方もされますけれども、量はないんですけれども、そういうものがないと困るというところで御紹介しております。
よくレアメタル、レアアースというふうに言う言葉がございます。レアメタルというのは実は和製英語でございまして、ただ、その和製英語も、最近使っているうちにだんだん外国の方も使うようになってきたんですけれども、レア、珍しいと、希少であるという意味の言葉でございますが、地球上の存在比で見ますと、八ページ目でございますが、こちらのとおり、大変いずれも少ない量しかないんです。
ただ、レアアースというものに関しましては、縄田先生も御指摘のとおり、レアと名前は付いてはいるんですけれども、実は科学的に見るとそこまでレアではないと。ここの緑色の文字が、九ページ目の緑色の文字がレアアースと言われている元素の存在比でございますけれども、実はこれよりもっと希少性の高いものがたくさんあると。実はさほど変わらない、亜鉛とかコバルトとか、実はそんなに希少性は変わらないというようなものもございまして、名前で引きずられてしまうことが多いのですが、実は地球上にたくさんあると。
ただ、なぜレアアースがレアであるかと申し上げますと、実は副産物で放射性廃棄物というものが出ます。トリウムというものです。有名なところではウランとトリウムと二種類ございますけれども、トリウムというのは原子力発電には直接は使われませんが、そういう放射性の物質があるので、その処理がなかなか大変ということで採掘が難しいと、そういう元素でございます。
十ページ目は、こちらも、日本は資源の大半を海外からの輸入に依存しているということで、御覧のとおりでございます。
十一ページ目がクリティカリティー評価と。日本語で申し上げますと、クリティカリー、これは要するに資源の重要度と置き換えていただいてもよろしいかと思います。ただいま日本のほかにもヨーロッパ、欧州ですね、欧州連合、米国でも同様の形でこのような評価を行うようになっておりまして、縦軸に供給リスク、いわゆるカントリーリスクとか、どのぐらい供給リスクが高いかというものを取りまして、横軸に産業の重要度、脆弱性という言い方もいたします。もし途絶えた場合には日本経済にどのぐらいダメージがあるのかと。
当然、その二軸を取った場合、右上に来るものが大変重要度の高い、日本経済にとってインパクトも大きく大事なものであるということになるんですが、このような評価は、日米欧、こうした三地域で盛んに今行われておりまして、日本では、今最新のものが十二ページ目にございますけれども、左側が有賀二〇一五と、この十一ページ目にあるもののリバイス版でございます。右側にあるものが、これはちょっと手前みそで恐縮ですが、弊社で評価をいたしました結果でございまして、右側にあるもの、例えば、ここでは元素記号で書いておりますけれども、W、タングステンでございますとか、Ge、ゲルマニウムとか、Pt、白金ですね、自動車の触媒であったり、自動車産業の切削加工には必要不可欠なタングステンであったり、半導体には不可欠なゲルマニウムと、あっ、光ファイバーですね、そういうものが並んでまいります。
ここの原点からの距離をクリティカリー強度として、三平方の定理から距離は出ますけれども、それを棒グラフにしたものが十三ページ目でございます。
順番に並べますと、実はアルミニウムが大変いろんなところに使われておりますので、一見カントリーリスクは余りないというようなちょっと印象も受けるんですが、ただ、実は、自動車であったり、いろんな様々な日用用品にも使われておりますので、重要度は大変高いというものでございます。
こちらを並べて見ていくと、アルミニウム、Alがアルミニウムですね、Ptがプラチナ、白金、Tiはチタンというもので、飛行機の材料などに使われるものですが、並べていくとクリティカリー強度の高いものが見えてくるんですけれども、ただ、今までのクリティカリー強度では見ていないものがございまして、最近盛んに言われているのは安全保障の観点であります。
特に、米国の地質調査所では、名指しをするとあれなんですけれども、中国ですとかロシアといった国々から依存する資源の割合を二五%まで下げようと、そういう具体的な目標を掲げてやっておりまして、日本でも防衛白書には、中国、ロシア、北朝鮮、イランといった国々については脅威であるというちょっと表記もございましたので、それでちょっと色分けをしたらどうなるのかというのが十三ページ目の絵でございます。グラフでございます。
赤色のものが脅威国、今申し上げました四か国からの調達が二五%以上、逆に青色のものは、次のページでも申し上げますが、いわゆる安全な国と、通商上の問題も大変リスクの少ないという国でございますが、アルミニウムは、実はロシアでございますとか、そういった国々からの依存も大きく割合がございまして、実は高いと。Mgというのはマグネシウム、これは中国依存でございますし、Wと書いているのはタングステン、これも中国依存、Fと書いてあるのはフッ素、蛍石でございます。リチウムイオン二次電池の一部の材料でございますとか、身近なところですと御家庭にあるフライパンのテフロン加工の材料とか、ああいうものにも使われます。Vと書いてあるのはバナジウム、これも触媒でございますとか、そういうものにも使われます。Pdと書いてあるのは自動車の排ガス触媒、いずれも少量でございますが、なくなると環境規制を満たさないので、そもそももう自動車が売れなくなってしまうとか、そういう少量ながらも重要性の高い資源でございます。
続きまして、十四ページ目でございますが、今申し上げたような分類で、二重丸、丸、三角、バツとざっくり分類したものがございますけれども、ここで御注意いただきたいものがバツの付いているものでございます。脅威国からの輸入が大変割合が多くて安全国からの輸入も少ないと、つまり脅威国以外に頼る先がない資源ということでございます。
こちらで特徴的なのが、縄田先生も再三御指摘していただいておりますけれども、いずれも中国に依存しているというのが大変特徴的であります。代表的なものがレアアース、希土類とも呼ばれます。あと、タングステン、蛍石、フッ素の原料ですね。アンチモン、これは樹脂が燃えないようにするための難燃助剤として使われるものもございます。あとは自動車の排ガス触媒に使われるパラジウム、これはロシアですね。こうしたものが大変クリティカル、重要度が高いという資源になっております。
逆に、二重丸のもの、これは関係国と連携しながら今後も安定的に供給確保できるんじゃないかという資源もありますが、これは比較的ベースメタルなどに多くございまして、ベースメタルというのは銅とかそういう資源でございますけれども、そういうものに多くなっております。
十五、十六、十七が、我が国が輸入している先の国を資源別に並べたものでございます。
十五ページ目が相手国の輸入シェア、赤色で塗っているものが防衛白書で脅威国とされているものでございまして、多くの資源で中国に依存しているというのが、特にレアメタルでございますが、多いということがこれからお分かりいただけるかと思います。逆に、青色のものは安全国と言っているものでございますけれども、こちらは特定の幾つかの限られた資源に限られるというものがお分かりいただけるかと思います。
では、輸入の依存度が高ければ、じゃ、違う国に振り替えればよいのではないかと、そういうお考えもあろうかと思います。
十六ページ目が、日本は輸入はしてはいないんですけれども生産はしていると、場合によっては日本が新しい購買先になり得る国を入れております。これを御覧いただくと、それでもやっぱり赤色の中国に依存している元素というのが依然として多い、特にレアメタルについては多いというものがお分かりいただけるかと思います。
じゃ、生産が偏っていてほかの国に替えることが難しいのであれば新しい鉱床を開発すればよいのではないかと。まさにJOGMECさん、資源エネルギー庁さんが日本の権益を海外で獲得するためのお取り組みされているところでございますが、その鉱床の埋蔵量の分布を見たものが十七ページ目でございます。
これで、一部、緑色のもの、つまり安全国でも脅威国でもないという国が大分ちょっと増えてはきてはいるんですが、ただ、それでも幾つかの元素は依然として赤い色のものに集中しておりまして、これは何かしら抜本的な対策を取らない限りは、常に安全保障上のリスクを抱え続けるということになってまいります。
いずれの元素も大変ちょっと中国との関わりが深い資源であるということを申し上げたんですが、十八ページ目にちょっと漫画を描いております。
縄田先生も先ほど御紹介されたところですのであえて詳しく申し上げませんけれども、中国はこのトウ小平の頃から、中国語で言うとこれ韻を踏んでいるんですけれども、中東には石油があるけれども中国にはレアアースがあるということで、寡占を、独占を進めて中国の強みを出していく産業構造に変えていこうと、そういう政策を長年打ってきたわけでございます。
残念ながら、実質的なレアアースの輸出禁輸と、尖閣諸島の問題に起因する実質的なレアアースの禁輸という問題もございましたけれども、それも中国のそうした一連の戦略、政策方針の延長線上にあったものということがここから分かるかなと思います。
先ほど縄田先生からWTOのお話がございました。レアアースのそういう自由貿易をゆがめるような中国の行いに関しては、WTOの中で提訴されて改善をされたところでございますが、ちょうどその裁定が出た後ぐらいに、今度は中国からISO、国際標準機構です、こちらの中でレアアースに関する国際ルールを作っていこうという提案が出されまして、今ちょうど幹事国と議長は、議長国は中国なんですけれども、こういう市場ルールの中で新たに中国の影響力を高めていこうと思われるような行為を新たに打ち出してきているところでございます。
十九ページ目が、今申し上げました国際標準化等を含めた動きでございます。
ISOの動き、本当にいろんな、資源の話もあれば、今これから申し上げるような循環経済の話、あとは環境規制の話、いろんなものが交ざっておりまして、一見妖怪のぬえのような形で、何が正体なのか分からないようなところがございます。
大きくまとめますと、これは私の経験でございますが、一つは輸出管理の強化の観点、あとサプライチェーン再構築の観点、このサプライチェーン再構築というのは、自分の経済圏内で雇用を増やしたりとか技術力を高めて競争力を高めたりとか、ちょっと輸出管理強化とは違う視点での意味合いになります。あともう一つは国際標準化、この三つの観点が、このまさに資源を取り巻く環境では、特に金属資源の分野でございますけれども、大事なポイントになってくるのかなと思っております。
中国、日本、欧州、米国、オーストラリア、カナダと、十九ページ目にはこの六か国を提示をしておりますが、この鉱物資源の分野ではこの六か国が大変鍵になる存在かと見ておりまして、従来は、日本と中国、古き良き時代は日中レアアース交流会議と、まだ中国が経済的に発展しておらず日本に輸出をしたいと、そういうときにはこういうものをやっていたんですが、今はそういうものも途絶えまして、逆に欧州でございますとか米国、今、日米欧クリティカルマテリアル三極会合と、そういう政府間の議論をする場もございますけれども、そうした点が大変重視をされているというところでございます。
二十ページ以降は、これはちょっとまた視点を変えたことを御紹介申し上げたいと思うんですが、資源の安定供給(利用)に向けてという観点でございます。
本日お集まりの先生方は、資源の安定供給、そうした点に大変心を砕かれていらっしゃるかと思うのですが、今回のコロナ騒ぎ、あとそれから循環経済、より少ない資源で豊かな生活を送ろうと、そういう考え方も出てきておりますけれども、今までの延長線上では、必要となる資源の種類でございますとか資源の量というのが今までどおりにはいかないと。逆に言えば、今後はちょっと違った傾向で資源の需要、そうしたものが生まれてきますので、そうしたものを注目しなければいけないという意味で、ちょっとこちら、サーキュラーエコノミー、日本語では循環経済と呼ばれておりますけれども、そちらの動きを御紹介したいと思います。
二十二ページ目は、国連環境計画、俗にUNEPと呼ばれているところでの紹介しているコンセプトでございますけれども、今まで我々人類というのは資源をたくさん消費することで利益を生み出し、国全体ではGDPの拡大というところに結び付けてきたところかと思います。
ただ、そのままですと、どんどん資源を消費しない限りはGDPが上がらない、豊かにならないということにもなりますので、経済発展と資源消費のデカップリング、デカップリングというのは切り離すという意味の言葉になりますけれども、そういう循環経済型の社会に変えていこうという取組を進めております。
ISOの世界でもこのサーキュラーエコノミーという国際ルールがまさに議論されているところでございまして、資源の消費量ですとか採掘量を減らしながら、一方で、民間、一企業であれば利益、国全体で見ればGDPを上げていこう、こういう取組が重視されているわけでございます。
二十三ページ目が、じゃ、従来のビジネスと循環経済型ビジネスではどう違うんだということで、ちょっと簡単な絵を描いてみたんですけれども、従来のビジネスというのが、ある意味、一株式会社の中で利益をいかに最大化するかという観点であったのに対し、循環経済型ビジネスというのは、サプライチェーン横断的に、資本横断的に物をうまく回しながら、つまり、工場を出荷した後も効率よく使われるような仕組みをつくりながら、かつユーザーの方が、ああ、これだったらすごい使っていて楽しい、満足度が高いからお金を払っていこうと、こういう付加価値の拡大を促すものが循環経済型ビジネスというふうに言われております。
こうしたものが普及してくると、当然のごとく資源の需要の形態というのも変わるであろうというのが本日の申し上げたい点でございます。
二十四ページ目、二十五ページ目は、循環経済型ビジネスはどんなものなのかというちょっと絵を描いておりますので、御覧をいただければと思いますが、一番申し上げたい点は、二十五ページ目の契機となるアフターコロナという点でございます。
今日もまさに皆様マスクをしてこういうふうに御参集しているわけでございますが、社会では確実に消費の分散化、今までレストランとか会社とか、集まって皆さん消費活動などしているケースが多かったと思うんですが、やはり確実に自宅、都会ではないところで消費というのが増えてくるかと思っております。あとは、製造業の部分も、一部限界はございますけれども、こうした分散化というものが進んでくるわけでございまして、そうなりますと、今まで必要とされていたような資源の量、種類というのが従来どおりではなくなってくる可能性があるということです。
これに対応するのが実は循環経済型ビジネスであると考えておりまして、このように、生産、消費の分散化が進む社会にも対応できるビジネス形態に変わってくる必要があるかと思います。そうなると、必要となる資源も恐らく変わってくるのではないかという、そういうことを申し上げたいと思います。
二十六ページ目は、こちらは、今申し上げているような社会背景、変化でございますね、そちらに対してどんな取組が必要とされるのかというところで、鍵となるのはやはりIT、IoTでございます。こうした物理的に離れているような人々、あと会社、こうしたものをつなぐことがやはり必要になってまいりますので、そこで鍵になるのがIoTでございます。
二十七ページ目、二十八ページ目は、一つちょっと私の発表のまとめという形になりますけれども、やはり資源のない日本、安定供給が大変大事な課題でございますけれども、ただそれだけ追いかけていては、当然、製造業とかそういう産業の変化に対応ができないわけでございまして、今回、コロナ禍というのが一つのきっかけであるとは思うんですけれども、そうした産業の変化に応じて資源の調達というものも改めて考え直さなければいけないのではないかと、このように思っております。
私からの説明は以上でございます。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
次に、西澤参考人にお願いいたします。西澤参考人。
○参考人(西澤淳君) こんにちは、三菱商事の西澤でございます。私は、三菱商事で天然ガス、LNG事業の責任者をしております。
本日は、ちょっと本日のこのお題の「地域偏在など資源を巡る国際動向」というところから少し離れるかもしれませんが、お手元にお配りしておりますカーボンニュートラルの実現に向けた天然ガスの役割ということでお話をさせていただきたいと思います。
パワーポイント、全体で十四枚でございまして、前半は、ちょっとおさらいになりますが、グローバルなエネルギー消費の概観と整理をさせていただきたいと思います。後半は、これSDGsの十七のテーマのうち、特にエネルギーが深く関わる三テーマ、これ貧困撲滅、それから健康、温暖化、こういう三つのテーマでありますが、このテーマの解決に向けて天然ガスが果たすべき役割、それから政策の支援についてのお話をさせていただきます。
一番困りますのは、こういった話をしようとしますと、昨今、天然ガスもやっぱり化石燃料なんだろうと、何だかんだ言って、化石燃料を引っ張ってもうけたいんじゃないのと、こういう御批判が特に一般の方々の中からは出てくるわけであります。
私どもとしましては、これ、目標を掲げた以上、エネルギー消費の現実やそのテクノロジーの進化のスピード、こういったことを見極めながら、できるだけ迅速にカーボンニュートラルに到達することが重要だと考えております。同時に、いかにリアルにコストを下げるか、そうしたコストを下げながら目標の達成を着実に進めるか、地に足の付いた議論をする必要があると思っております。そういった観点からお聞きいただければ幸いであります。
それでは、右下二ページをお進みください。
左下の、左の円グラフを御覧いただきたいんですが、世界の一次エネルギーの消費でありますが、これは原油換算で日量三億バレル。バレルというのは、お聞き及びと思います、これ、たるのことです。大体百五十九リットルのたるのことを指します。昔はたるで原油を運んでいたのでバレルを使うんですが、三億個の石油、原油のたるに相当するだけの一次エネルギーを世界が毎日毎日消費しているわけであります。内訳としましては、石油が三分の一で一億、石炭が四分の一で七千万、天然ガスが五分の一で六千万バレル、以上、これが化石燃料でございまして、現在でも八割を占めています。
ちなみに、グラフにバイオマス八%とございますが、これはまきとか牛ふんなどの原始的な燃料を含んでおります。実は、途上国ではいまだにこうした燃料が煮炊きとか暖房で使われておりまして、これ、シリアスな健康被害を引き起こしています。これを入れれば実に八割以上、数え方次第ですが、九割近くが実は燃やすとCO2が排出される燃料だということになります。これが世の中の実態であります。
バイオマスの横に再エネがございますね。再エネは、過去二十年間で約四兆ドルの投資がなされましたが、残念ながらいまだに一次エネルギーに換算しますと三%にすぎません。コスト削減が日進月歩で進んでおりますので、今後、もちろんこの再エネ、大きな伸びが期待されますが、それにしても莫大な投資が必要になります。また、再エネというのは、これ、伸びれば伸びるほど、自然頼みであるがゆえのその間欠性という弱点、これが露呈いたします。これを補うために、蓄電池の技術開発、そしてまた莫大な投資が必要となると。
右の円グラフは、世界第五位のエネルギー消費国である日本の状況でありまして、日量約八百万バレル、三億のうちの八百万、世界の三%弱であります。再エネが大分増えてきたとはいえ、化石燃料の割合は八四%と、世界と同等かそれ以上であります。
ここで、最大のメッセージは、カーボンニュートラルを実現するということが実はいかに途方もなく壮大なプロジェクトであるかということ、これを想像していただくことであります。一日に三億個の大だるを人類は消費していると。その九割が化石燃料を始めとするCO2を排出するエネルギー源であると。たるの高さが一メートルだとすれば、三億個でございますから、これ九割、二十七万キロに積み上がります。地球を七周半する距離になります。カーボンニュートラルは、これ、人類がいまだに挑戦したことのない壮大なプロジェクトだと思います。であるからこそ、この壮大なプロジェクトの達成に向けてしっかりとした道筋を持たなければいけないと考えております。
右下三ページを御覧ください。今後の一次エネルギーの見通しを示しております。
一次エネルギーの需要は、実はアジアで大きく伸びます。これはもう一目瞭然でございますが、グラフから、アジアの経済成長なくして日本も世界も成長はないと言っても過言ではないと思います。そのアジアの経済成長を支えるエネルギーをいかに確保するのか、そして同時に、カーボンニュートラルに向けての歩みを着実に促すことができるのか、これが問題だと思っております。
右下四ページを御覧ください。インターナショナル・エナジー・エージェンシー、IEAが想定しております今後十年間の一次エネルギーの需要増、これをエネルギー源別に色分けで示しています。
右側は日本と欧州でありまして、省エネの効果もございまして、エネルギー消費そのものがこれ減少していることを見ていただけるかなと。かつ、この化石燃料消費も石炭を中心に減少すると。これが日本や欧州の状況です。
左側は、二〇三五年にかけての中国、インド、そのほかアジアの見通しでありますが、石油と石炭は中国で横ばいか微減ということですが、インドとほかアジアでは大きく伸びていくことが見て取れます。再エネなども伸びますが、経済性、技術、インフラ、これらの克服すべき課題は多く、今後も石炭、石油、天然ガスに依拠せざるを得ないという実情が見て取れるかと思います。
次のページ、右下五ページをお願いいたします。
ガスの話ですが、この世界の一次エネルギーの、先ほど申しました五分の一を占める天然ガス、これについてもう少し詳しく見ます。
天然ガスというのは、これ、LNG換算いたしますと、LNGというのは液化天然ガス、天然ガスをマイナス百六十二度にすると気体のガスが体積が六百分の一になって液体になります。この液体を魔法瓶のような特殊な船で運んできて、再気化して導管で流して使っているのが日本の天然ガスであります。
この右のグラフを見ていただきたいんですが、世界の天然ガスの需要は二十九億トンですが、そのうちLNGは一二%にすぎません。マーケットとしてはまだ小さいんですね。大分成長してきましたが、まだ小さい。そのLNG、三・六億トンですが、これは日本は、公害対策を主な背景として、一九六九年にアラスカから輸入してもう五十年以上たちます。現在、世界の最大のLNGの輸入大国です。ただし、中国やインドなどアジア諸国が大きくこれから輸入を増やしていきますので、恐らく一、二年以内に中国の輸入量は日本を抜くことになると思います。
右下六ページを見てください。
これ、アジアのLNG市場の成長予測、まあアジアといいますか、これ世界なんですが、約三・六億トンから大体五・五億トンまで二億トン、今後十年で成長すると想定しております。その七割がアジア、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、あるいは東南アジアのような国々、これらが牽引します。特に中国とインドが牽引するわけでありまして、昨今、このコロナの状況下でも両国のLNG需要大幅に伸びておりまして、結果として、昨年の世界のLNG需要はプラス成長を維持しました。
ここまでが世界の一次エネルギーの概観と天然ガス、LNGの見通しであります。
本日私がお話を申し上げたいのは、つまり、この世界のエネルギー需要が大きく伸びる、化石燃料も残念ながら伸びる、特にアジアでは石油、石炭の需要も相変わらず伸びていくと、こういうことが想定されている中で、その持続的な経済成長を支えるエネルギーとして、LNG先進国である日本が今後いかなる役割を果たし得るかということであります。
右下七ページを御覧ください。
もうおなじみの絵でありますが、国連が掲げる十七の持続的成長目標、このうち天然ガスの供給を進めることが、具体的にこの下段に抜き出しました三つのテーマと深くリンクしていると考えております。貧困、健康、環境でございます。次の三ページで一つ一つ深掘りをしたいと思います。
まず、右下八ページ。
貧困撲滅でございますが、これ、SDGsの中でもイの一番のテーマであることは皆様御存じのとおりです。ここで申し上げたいのは、その貧困撲滅のための解は経済成長、その経済成長を支えるにはやはりエネルギーが必要であり、そのエネルギーには合理的な価格、つまりアフォーダブルであるということと、かつ信頼できるということ、リライアブルであるということが重要であると。
では、そういった二つの要件を満たすエネルギーは一体何かということであります。特に、安価である、安価で豊富にあると言われているこの石炭、石油ですね、これとの競合が大事でありまして、発電においても、自動車の燃料や家庭や工場の熱需要、そういう意味でもガスが最も有効な代替エネルギーだと思います。
左上のグラフは日本における発電単価でありますが、ガス輸入のインフラが不足しているアジア諸国では石炭に優位性があるというふうに考えられますが、それでもガスはこの石炭に十分競合し得る発電燃料であります。また、ガソリンとかディーゼル、非常に大きく需要がこれからアジアで伸びていきますが、これに代わるクリーンで安価な自動車用の燃料としても天然ガスが急成長をしております。
右に示しています表は供給の信頼性を簡潔に示すものであり、円グラフは、日本が輸入するLNGソースが石油に比べていかに地域性に富むものであるかを示しております。また、右下のとおり、天然ガスは世界中に広く大量に分布しておりますので、それも御理解いただければと思います。
右下九ページを御覧ください。
二つ目のテーマであります。これ、健康というテーマでありますが、冒頭も少し触りましたが、途上国でSOx、NOx、いわゆる硫黄酸化物とか窒素酸化物ですね、これらの排出が多い石炭、石油のみならず、これ、牛ふんとかまきとか、原始的な燃料がいまだに大量に実は使われています。それで、呼吸器系の疾患による犠牲者が、実は毎年五百から六百万人というふうに言われております。
左のグラフにありますとおり、大気汚染のランキング上位というのは全てアジアの都市でありまして、これらの都市、国々に、日本が六〇年代以降導入したLNG、これを導入していくということが何よりも有効な解決手段であり、また喫緊の課題であるというふうに考えております。もちろん、一足飛びに再エネを導入するという考え方などもあるんですが、大規模で安定的な電力供給システムがなければ経済発展や安定した生活への道のりは険しいものになるというふうに言わざるを得ないと思っております。
右下十ページを御覧ください。
三番目、大トリでございますが、いよいよこれ出てきました、環境問題、つまりカーボンニュートラルの話であります。
左上は、よく新聞などでこれ目にするCO2排出量の比較表であります。これ、左上グラフで一目瞭然ですが、天然ガスが、前ページのこのSOx、NOx、これのみならず、CO2排出という面でも石炭、石油に比べて非常に有効であるということが見て取っていただけると思います。実は、ここで書いているよりも、最新鋭の天然ガス発電は最新鋭の石炭発電と比べても更に大幅にCO2の排出量が少なくなりますので、石炭との比較においては半分以下というふうに申し上げていいのかなというふうに思います。
さらに、重要なことですが、これ右側の図に示しておりますが、太陽光や風力などの再エネの利用促進と天然ガス発電、これは不可分であるということであります。いわゆる間欠性の問題であります。御存じのとおり、コストの問題を度外視したとしても、自然を相手にする太陽光とか風力、これに電力の供給の四番打者を任せるということでは野球には勝てないということです。蓄電池で補完するというのが理想ですが、蓄電池の技術はいまだに発展途上でありますし、コストも含めて、未知のものに依拠するだけではエネルギーの安定供給、再生エネルギーの普及はままならないと考えております。
したがって、現実的には、緊急時の調整電源としての即応性も含めて、ガス火力をクリーンナップの一角として堅持すると、あるいは拡大ということがどうしても必要不可欠であります。
右下十一ページを御覧ください。
このグラフは、再エネと蓄電池だけで、あるいは巷間言われております再エネ電源を利用して、グリーン水素だけでカーボンニュートラルなどのSDGs目標を達成することは極めて難しいと。今御説明したとおりですが、そこに至るまで、いわゆる橋渡し役として、現実的かつ最適な解を模索するということが必要になると考えております。このグラフは、二〇五〇年断面でのカーボンニュートラルに至るまでの具体的な道筋をイメージしたものでありますが、再エネ拡大に努力を傾注する一方で、この緑の吹き出しのところにブレットが四つございまして、こういった天然ガスを活用した現実的な手法、手段を進めるべきだと考えております。
一つ目は、コール・ツー・ガス、オイル・ツー・ガスと、いわゆる石炭、石油の消費をできるだけ天然ガスに置き換えていく努力をするということであります。
二つ目は、天然ガスやLNGのカーボンニュートラル化を図るということでありまして、これ、天然ガス、LNGの生産と消費の過程で生じるCO2、これをいわゆるCCS、地下貯蔵ですね、こういった手法や、あるいは植生手法とかカーボンリサイクリングで得られるところのクレジット、これらと相殺して、いわゆるLNG、天然ガスのカーボンニュートラル化を進めるということであります。
三つ目は、火力発電のゼロエミ化でございます。私どもの会社ではこれゼロエミ火力というふうに総称しておりますが、もちろん古いタイプの石炭発電をこれ廃止するという方向、これは一応もう当たり前のこととしまして、それでも、今後操業を継続する高効率の石炭発電、これらに、天然ガスから生産されるブルーアンモニア、あるいは天然ガス発電そのものに、天然ガスから生産されるブルー水素、これらを混焼して火力発電のカーボンニュートラル化、ゼロエミッション化、ゼロエミ化を図っていくということであります。
右下十二ページを御覧ください。
化石燃料のカーボンニュートラル化で重要となりますのは、CCU、それからJCMであります。この左側の海外の方でまず御説明したいんですが、この生産地でできる、生産地でLNGとか、それから今申し上げましたブルー水素やブルーアンモニアを造っていくわけですが、こういったものを製造する過程で出てくるCO2、これをCCSにて永久的に地下貯留すると。
このCCSの適地は、実は日本には極めて乏しいというのが現実です。もちろんいろんな実証実験されておりますが、日本ではかなり厳しいと、海外に多く存在するというのがこれ現実であります。したがい、日本としてCCS適地を海外に確保するということが、ある意味新たな資源戦略として必要になってくるというふうに考えております。具体的な適地というのはいろいろございますが、地層的な安定性とかやはり政治的な安定性も考えますと、豪州、アメリカ、カナダ、中東といった地域になってくるのかなというふうに考えております。
続きまして、これに加えまして、例えば日本の火力、右側にちょっと目を転じていきます、日本というところですが、火力発電所からCO2はやはりそれでも出てくるわけでございまして、ここから出てくるCO2を、さらにこれオフセットするわけですね。例えば、ここに書いてあります植生CCS、この植生のプロジェクトから出てくるところのCO2をここで吸収して、そこのクレジット。それから、例えばコンクリートにCO2を封じ込める技術、私どもの会社でも幾つか投資しておりますが、こういったところから出てくるクレジット。こういったクレジットと日本で出てくるCO2をオフセットすると、こういう手法が大事になってくる。
その際に必要なのがジョイント・クレジッティング・メカニズムということで、これはパリ協定の中でもう既に強く認識されておりますし、次回のCOP26でより具体的な話がされるというふうに理解しておりますが、よりこういったJCMメカニズムをしっかりと日本として確保していくということが現実的な手法として求められるというふうに考えております。
右下十三ページをお願いいたします。
これは、コロナとかそれから油・ガス価の昨年の下落、これの影響もあるんですが、カーボンニュートラルに向けた化石燃料への風当たりというのがどんどん強まってきている中で、昨年、皆さん御存じかと思いますが、石油メジャーなどが軒並みこのオイル・アンド・ガスの開発への投資、これをかなり大幅に削減をすると。かなりこの削減も、一過性のものではなくて、場合によってはこれは継続するということが起こっております。
このグラフで一目瞭然なとおり、探鉱活動、資源発見量の鈍化、それからLNGプロジェクトの投資決定、これらはそれぞれ、三三%、九三%、九四%、前年比で減ってきております。
こういった状況が継続しますと、やはり、石油もそうなんですが、特に天然ガス、LNGの生産というものが将来的に危ぶまれてくる、需給がかなり逼迫してきて価格が大幅に上昇するというようなリスクを招きかねません。そういった意味でも、政策的により強く資源開発を推していくということが求められているのではないかなと思います。
あと二分ほどお時間もらっておりますので、まとめのページを御覧ください。最後のページ、十四ページであります。
二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成するということ、これは今や人類共通の重要な政策目標であります。必ず達成しなければならないと思っております。一方で、先ほど申しましたように、三億バレル近い一次エネルギーの需要、これを全て再エネとそれを補完する蓄電池、あるいは再エネ由来のグリーン水素といったピュアグリーンなエネルギーだけで賄うのは現実には困難と言わざるを得ないと考えております。いまだ技術は開発途上であり、コストが天文学的になりますし、何よりも、それだけに頼ろうとすると時間的に間に合わないことは自明であります。今やるべきことは、目標を達成するための現実的な方法とプロセスについて議論し、検証し、理解を広めるということが大事かと思います。
そこでの天然ガスの役割、これが極めて大きい。具体的には、まずは、特にアジアの経済発展を担う発展途上国において石炭や石油の消費を減らし、SOx、NOx、そしてCO2の排出がはるかに少ない天然ガス、LNGへの転換を進めると。そして、既存の石炭やガス火力発電という既に存在しているインフラの低炭素化、脱炭素化をするというこういったゼロエミ化を進めることで、こういった設備を、既存の設備を最大限有効活用することで無駄な投資を減らし、目標達成を早め、かつコストを削減することが可能になると思います。
あと、ちょっと一分ほどお話しさせてください。
今申し上げましたように、カーボンフリー化ですとかブルーアンモニアですとか、ブルー水素の話は割愛しまして、一点、こうした構想を支える天然ガスの開発のためにやはりLNGの投資決定を増やしていかなければいけないということを申し上げました。急速に需給が逆転した場合、石油やガス価格が高騰を招くということを申し上げましたが、そうなると、ますます、ますます石炭に傾斜する国が現れてくるということが現実かと思います。そうならないように、総合的に資源開発の政策的なサポートをする必要があります。
それから最後に、これはパワーポイントの中では述べていないことですが、日本を含めまして、アジアの事情というのは、やはり今お話ししましたように、必ずしも他のエリア、地球上の他のエリア、例えば欧州とは異なります。そういった、要すれば諸条件に恵まれた欧州と異なるアジアの現実と、こういうことを踏まえまして対応していかなければならないんだという、このアジアの状況をアジア諸国が一つとなって国際社会に訴求していくということが極めて重要であると考えております。
以上、私の陳述とさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

 

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
参考人の皆さん、本日はありがとうございました。
西澤参考人にまず伺いますが、日本のLNG火力発電について、エネルギーの利用効率が必ずしも良いとは言えないのではないかと。旧型の場合には四〇%ぐらいの利用率だということも指摘されたことあったかと思います。利用率を高めて廃熱の二次利用なども含めて効率を良くすることによって燃料消費を減らし、CO2の排出削減にもつなげるということが非常に重要だと思うんですけれども、そのために、現在課題となっていることや改善に必要なことがありましたらお聞かせください。
○参考人(西澤淳君) 非常に難しい御質問ですが、天然ガスの発電、LNG発電というものは実はなくて、LNGから一旦気化しますので、ガスを、天然ガス発電なんですが、古い型のものもまだ動いていて、四〇%くらいというのはまだ残っているのかもしれません。ちょっと私が正確に把握しておりませんが、ただ、今、新しいものですと五五%、六%、場合によっては六〇に届かんというような技術がどんどん出てきておりますので、そういったものにどんどん切替えが進んでいるというふうに認識しております。
古いものについて言うと、石炭も同じですが、やはり旧型のものはどんどん替えていくという政策誘導が必要なのかなというふうに思います。余り、済みません、ちょっとお答えになっていないかもしれませんが。
○山添拓君 ありがとうございます。
清水参考人に伺います。
経産省が、二〇一九年の十二月に、国内外四十八の機関投資家を対象にしてESG投資に関する調査を行ったようですが、そこでは、投資判断で考慮すべき環境問題として、約二割の投資家が廃棄物、資源循環を中長期で考慮すべきだと答えていたそうであります。リサイクルやリユースなど、廃棄、循環までを見越した開発が国際的な投資の判断要素となっていくと、今後ますますそうなっていくと思われるんですけれども、その際、国政上の、政治上としての課題として何が必要とお考えか、お聞かせください。
○参考人(清水孝太郎君) 今、山添先生おっしゃってくださった点はまさにおっしゃるとおりでございまして、国際標準化の世界ではタクソノミーと、タクソノミーというのは要するに分類という言葉の単語でございますが、何が投資の対象になり得るか、そうじゃないのかというのを今まさに国際標準でつくっていこうという議論がなされているところです。
この議論がなされているのはISOでございますけれども、ISOのTC322、サステナブルファイナンスと、第三百二十二専門委員会の持続可能な投資というところで議論されているんですけれども、こちらでは、まさに循環経済にのっとったもの、その前に一番大事なのが、気候変動に対応しているかどうかというのがまず第一番の優先議題となっていると聞いております。
ただ、それだけやっていても偏りがございますので、循環経済にものっとったようなビジネスモデル、そういう流通がちゃんとできているかどうかとか、そういうものを持続可能な投資の対象として機関投資家の方などにも促していこうと。当然、ですから、循環経済にのっとったビジネスを展開しなければ、なかなかそういう国際資本調達とかそういう面では課題が出るものと認識しております。
○山添拓君 ありがとうございます。
次に、縄田参考人に伺いますが、中国の輸出抑制政策への対策の一つとして、参考人が従来、従前書かれている論文などの中には、代替材料の開発、使用量を減らす技術開発を通じて、レアアースの需要自体、その伸びを抑制していくことも挙げられておりました。
新たな埋蔵資源の発掘のみに頼るのではなく、代替材料の開発を視野に入れていくというのは重要なことだと思うのですが、そのためには、やはり広く基礎研究を行っていくということが必要ではないかと考えます。参考人、先ほど人材育成についても触れておられましたけれども、その際、選択と集中だといって直ちに事業や収益に結び付く研究開発に特化した予算ではなく、大学であれ民間であれ、基礎研究の支援を強めていくということが求められると思いますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(縄田和満君) ええ、まさにおっしゃるとおりだと思います。
所詮、何といいますか、日本は資源も何にもない国ですので、じゃ、日本のある最大の資源はやはり人材ですので、それにちゃんと対応できるレベルの人材を、民間なり、私も大学人の一人として育てていくということが非常に重要だと考えております。
○山添拓君 次に、縄田参考人、清水参考人に伺いたいのですが、レアアースやレアメタルを始めとして、日本はその資源の多くを中国からの輸入で賄ってきましたが、そこで、中国のみに依存しない供給源をという話にもなっております。しかし、仮に新たな資源国が見付かって輸入先を変更したとしても、その国が中国のように経済発展もして主権も主張する、強調していくということになれば、同じ事態を招くこともあり得ると思います。
資源の少ない先進国が資源を求めて原産国で乱開発をし、場合によっては住民を追い出して劣悪な労働環境で酷使し、環境を汚染すると、こういうケースは過去繰り返されてきたことだと思います。それが先進国による途上国への開発援助の実態となってきた面が否定できないと思います。
こういう歴史を繰り返さないためには何が必要だとお考えでしょうか。
○参考人(縄田和満君) やはり、そういうことまで考えて、環境や搾取等まで考えて、先進国は開発なり投資なりを行わなくちゃいけないということになります。
あと、資源国が資源管理を強めるというのは、中国に限らず、例えばインドネシアのニッケルの最近件がありますが、鉱石としての輸出はやめて地金以上じゃないと輸出しちゃいけないというのは、将来的にも当然のことながらそういう動きは強まる。資源国も当然のことながら付加価値の高いものを売りたいということになりますので、そのとき、じゃ、そういう技術をサポートできないとそういう国には売りませんよということになってしまうので、その意味でも、そういった意味での国際協調、技術開発が重要じゃないかと思います。
以上です。
○参考人(清水孝太郎君) どうもありがとうございます。
今御指摘の点は、大変資源開発の分野では悩ましく思っている点であるかと思いますし、あと、今、環境問題ももちろんそうなんですけれども、ちょうどちょっとJOGMECさんと最近、責任ある調達という観点でいろいろ、資源国の方とも議論する機会があるんですが、環境保全ももちろん大事なんですが、それよりも、やっぱり現地の方が、後日もし中国以外に資源を調達して何か衝突問題が起きるとすれば、やっぱり自分たちの国の資源を先進国に持っていくだけ持っていかれて我々には何もメリットがないと、産業も発展しない、人材も全然高度化しないと、教育も高度化しないとか、そういう問題がやはり一番足下では、環境問題ももちろん大事なんですが、やっぱりありまして、その点、どの国とは申し上げませんけれども、資源だけ買うだけ買ってお金だけ払えばいいというのではなくて、やっぱり日本は、それこそ外務省さんとかJICAさんとかでいろいろと現地国のキャパシティービルディング、人材育成とかで貢献をされていらっしゃるかと思うんですが、あれは資源国から大変高い評価が得られておりまして、日本はやっぱり違うということがちょっと資源国の方からも声が聞こえてきておりますので、そういう資源開発ももちろんやるんですが、現地の環境保全はもちろんですし、その資源開発によってその現地の人々がどんなふうに豊かになれるのかというプランを現地の方と一緒になって作っていくようなのがやっぱり大事なんではないかなと、そのように思います。
○山添拓君 ありがとうございます。
最後に、清水参考人の本日の資料の二十八ページを拝見いたしますと、その中に、国内の製造業が取り組むべき変化というタイトルの中で、強制力を伴って直ちに対応すべきものと、対応まで猶予はあるけれども課題となるものと書かれております。プロットされています。
右端の下の方に資本主義の限界ということも書かれておりまして、ちょっとその心を御紹介いただければと思います。
○参考人(清水孝太郎君) こちらでちょっと御質問いただくとは思っていなかったんですが、こちらでちょっと申し上げたかったことというのは、循環経済型ビジネスと従来型ビジネスの一番の違いというのは、やはり、資本単独で利益を最大化しようとするかどうかという点にあるかなと思っております。
山添先生の前で、ちょっと釈迦に説法になるかもしれませんけれども、やはり現在の資本主義というのが無限のリソースを利用できることを前提に発達してきたというのが大前提にあるかと思います。ただ、ここに至って資源の制約があるということで、無限にとにかく資源を消費して利益を上げればいいというのがやはり限界があると。
さらに、循環経済型ビジネスでいうと、そういう資本横断的な、ですから、従来の連結決算の範囲外の事業者も含めてサプライチェーンとか、ものの設計を見直さないといけないということがまさに言われているんですけれども、そうなりますと、多分今の株式会社の理論の中の枠の外側の話も含めてこういう取組を進めていかないといけないという意味で、ちょっと資本主義の限界ということを書かせていただきました。
○山添拓君 ありがとうございました。終わります。

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