山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会報告

2022年・第208通常国会

法務委員会で、名古屋入管死亡事案について質問。

要約
  • 法務委員会で、名古屋入管死亡事案について質問。 2月15日の尿検査結果には、急性肝炎などが疑われるウロビリノーゲン3+という結果も。 その後の対応について「報告書で指摘されていないのでわからない」と答弁する入管庁に対し、「調査自体が極めて不十分。真相究明を徹底すべき」と指摘しました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
ロシアによるウクライナ侵略を受けて、避難を目的に日本に入国する方も増えております。最新では何人になっているでしょうか。また、そのうち、難民認定の申請と認定、また就労可能な在留資格、特定活動への変更申請と認定の状況についてもお示しください。
○政府参考人(西山卓爾君) 避難を目的として本邦に入国された方につきましては、三月二日以降、三月二十七日までで二百八十八人となっております。また、この中で、お尋ねの不法残留者は生じておりません。在留特別許可の対象者もございません。また、ウクライナからの避難民のうち、難民認定申請者数、難民認定者数、あるいは特定活動への在留資格変更許可申請者数につきましては、現在調査中でございまして、この時点ではお答えすることが困難でございます。御了承ください。
○山添拓君 特定活動へ変更された方は把握できていないということですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 現在調査中ということでございます。
○山添拓君 受入れ開始から一か月近くがたちますので、これ迅速に対応していただく必要があると思います。
私が、特定活動、就労可能な在留資格である特定活動への変更について伺いましたのは、もちろん就労という問題もありますけれども、それだけではありません。八日の当委員会でも指摘しましたが、就労可能な在留資格がないと無保険者となり、医療は自由診療で高額の負担を強いられます。
資料をお配りしました。これ、文科省と厚労省に調べていただいたんですが、国立国際医療研究センター病院、国立病院機構大阪医療センターでは、日本人の無保険者は自己負担一〇〇%ですが、外国人は二〇〇%です。東京大学や千葉大学の医学部附属病院、日本人一〇〇%に対して外国人は三〇〇%を請求しています。これは、訪日外国人であれば自由診療などで高額請求して構わないと、むしろ医療ツーリズムとしてもうけの手段にしていこうと、そういう国の施策に基づくものでもあります。一方、名古屋医療センターのように、日本人と外国人で区別せず自己負担一〇〇%としているところもありますが、十割負担でももちろん厳しい負担になります。
戦火を逃れて着のみ着のまま日本までたどり着き、持病の治療ができず、悪化の発見が遅くなるというケースもあるだろうと思います。短期滞在のビザのために医療費が高額となる、そういう事態には対応が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(古川禎久君) それは医療という意味でお尋ねですか。医療について。済みません、もう一度具体的に御質問いただけますか。
○山添拓君 これはこのとおり質問通告しているんですけれども、医療の面で問題が生じるわけです、ビザがどういうビザかによってですね。就労できない短期滞在のビザの場合には、就労資格はなく、無保険となり、自由診療で高額の医療費が掛かっていくと、こういう事態が生じているわけですから、在留資格の付与という点でも対応が必要ではないかという質問です。
○国務大臣(古川禎久君) 今回のウクライナ避難民の方々について、入国時においては、在留を希望する理由を含む個々の事情を踏まえ、発給された査証に基づき短期滞在等の在留資格を付与するように決定しております。一方、入国後において、希望する方々については、個別事情を考慮しつつ、在留資格、特定活動一年での滞在を認めるというふうに、そういう仕切りにしてあります。
したがいまして、お尋ねは、自由診療、つまり保険の適用があるかないかということだと思います。この国民健康保険制度自体は、これはもう法務省の所管外ですからここでコメントはできませんけれども、ただ、三か月超の、今申しましたように、特定活動であったら一年なわけですよね、こういう三か月超の中長期在留が認められる、そういう在留資格の方に対しては保険の適用対象とされるということになっているというふうに承知をいたしております。
○山添拓君 大臣、今、所管外とおっしゃったんですけれども、そういうことが起こらないようにするために連絡調整会議つくられているわけでしょう。ですから、こういう問題起こってくるときにどう対応していくのかと、迅速に対応していくということが必要だと思うんですね。
現に、私、医師の皆さんから伺うと、来日したウクライナ人で困っている方がいると、既に高額の医療が必要になるということで困っている方いらっしゃるということを伺っているんですね。ですから、直ちに在留資格の変更を案内して、速やかに対応するべきだと指摘をしたいと思います。
これは、同様の問題はウクライナからの避難者には限らないですから、在留資格が認められずに仮放免で就労が禁止される、そういう多くの方にも共通するわけですね。入管庁は、先ほど大臣のお話にもあったように、厚労省の問題だということをおっしゃるんですけれども、こういう問題、厚労省にも担当部署がないんですよ、私、伺うんですけれども。だから、これは入管行政の問題として対応いただきたいと。
大臣、答弁ありますか。
○国務大臣(古川禎久君) 先ほど私は、法務省の所管外で厚生省の問題だというような趣旨で申し上げたのではなく、制度としては、厚労省においてこの中長期滞在の者に対しては保険の加入ができるというような制度になっているということを御紹介をして、その上で、それに対応するべく、法務省としては適切な在留資格を付与する用意があります、そのことを申し上げているんです。ですから、委員が御指摘になりましたとおり、調整をしながら進めているということでございます。
○山添拓君 進めていただきたいと思いますが、特定活動への変更をされた方の人数も把握されていないということがありますから、実際には現場で困っている人がいるということはお伝えしたいと思います。
名古屋入管、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件について伺います。
報告書によれば、名古屋入管は、亡くなる約三週間前、二月十五日、ウィシュマさんが拒食者に該当し得ると認識したとあります。
前提として伺いますが、被収容者を拒食者と認定する基準はあるのでしょうか。また、いかなる事実に基づいてこれを認定するのでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 入管庁におきましては、当該被収容者が官給食の摂食を拒否する場合、拒食者として取り扱っております。摂食の拒否には、官給食その他一切の摂食を拒否する場合のみならず、官給食の摂食を拒否しつつ、自費購入品や差し入れ品は摂取する場合も含めております。
入管庁では、被収容者が拒食を行った場合、拒食中の被収容者への対応に係る通達及び同通達の実施等に関する指針を示す通達に基づきまして、職員が面接をするなどして拒食に至った理由の把握に努め、拒食が生命や健康に危険を生じさせることを説明の上、拒食をやめるよう説得を行うとともに、状況に応じて医師の診察を受けさせているところでございます。
○山添拓君 入管庁の言う拒食というのは、いわゆる摂食障害のことではありません。一九五八年七月二十五日付けの「被収容者がハンストを行った場合の措置について」という通達があります。つまり、拒食というのはハンストのことなんですね。
ウィシュマさんはハンストしていたんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) そのような事実は把握はいたしておりません。
○山添拓君 二月十五日、摂食状況を見ますと、官給食について、朝食のかゆを半分食べたものの、昼食は食べない旨、夕食は自費購入したものを食べるので下げてほしい旨述べ、食べなかった。そのほかに、A氏は、ウィシュマさんは、バナナ、ロールパン及び砂糖を食べたと。OS―1、コーヒーや水を飲んだだけです。
ハンストではありませんね。
○政府参考人(西山卓爾君) いわゆるハンストとは把握しておりません。
○山添拓君 名古屋入管が拒食者として扱うことを決定したのは十七日です。十六日も三食とも食べず、体調不良を訴えています。十六日ですね。十七日も三食とも食べず、食べることができない、歩けない、体がしびれている感じがすると訴えました。看護師には、食事ができず、食べると吐いてしまうとも述べています。
ハンストではない者をハンストと扱い、拒食者として扱ったと。これ、どういうことですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員も御指摘がございましたように、拒食者はイコールハンストではございません。
○山添拓君 いや、入管の通達では、拒食者とはハンストのことを指していると思います。それは従前の通達をそのように改めてきているからです。違いますか。
ちょっと止めてください。ちょっと止めてください。
○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(西山卓爾君) 平成十三年の通達と、先ほど御答弁申し上げたように、それと、令和二年の三月、これを併せまして、先ほど申し上げたような拒食者に対する対応を取り扱っているということでございます。
○山添拓君 後から説明をいたします。
その後もウィシュマさんは体調不良を訴えていますが、二十二日、名古屋入管は本庁に対して拒食者として扱う旨を報告しています。
資料をお配りしました。二枚目以降を御覧ください。
二〇〇一年十一月二日付けの「拒食中の被収容者への対応について」という通達です。三ページを御覧ください。留意事項の(6)、本庁への報告に当たっては、拒食者の身分事項、退去強制手続状況、拒食理由、健康状態及びその他参考事項を報告するとされています。
ウィシュマさんについて、どのような情報が報告されていたのでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 名古屋局からは、二月の二十二日、本庁に対して拒食者としての報告があったというふうに把握しております。その後、二十三日に官給食の摂食を再開したということで、翌二十四日、名古屋局から当庁に対して拒食者ではなくなったとの報告があったと承知しております。
○山添拓君 拒食の理由、健康状態についてはどう報告があったんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 済みません、そこについて、現時点で私としてつまびらかではございませんので、お答えが困難でございます。
○山添拓君 これは報告書に記載がありません。この通達によると、報告というのは電話等でするとされています。報告について記録はありますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 電話等による報告ということでございまして、今、記録があるかどうかについて、現時点で、今、私、把握しておりませんので、お答え困難でございます。申し訳ございません。
○山添拓君 記録があるか探して、委員会に報告をお願いし、提出を求めたいと思います。
○委員長(矢倉克夫君) 後刻理事会で協議をいたします。
○山添拓君 留意事項の(2)を御覧ください。
拒食中の被収容者の動静には特に注意を払い、飲食物の摂取状況、看守勤務者等による説得状況、発言内容、特に摂食、診療の拒否に係る発言等について勤務日誌に記録するとあります。
こういう記載からも分かるように、拒食とはハンストのことを想定しているんですね。ウィシュマさんについて、名古屋入管、どういう記録をしていたんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 記録内容につきまして、ここでつまびらかにすることは個人情報にも関わることでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○山添拓君 いや、今更個人情報ですか。どういう記録をしていたのか。そんなこと言い出したら、これ全部個人情報ですよ。
○政府参考人(西山卓爾君) ただいまその記録が私の手元にございませんので、内容について御説明が可能かどうかも含めて、お答えすることが今時点では困難でございます。
○山添拓君 拒食者として扱う決定をしておきながら、どのような対応を行ったのかについて報告書には何の記載もありません。
この期間の看守勤務日誌の開示を求めたいと思います。
○委員長(矢倉克夫君) 後刻理事会で協議をいたします。
○山添拓君 ちなみに伺うんですけれども、全国の入管で拒食者は過去何人報告されたか把握していますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 拒食者について網羅的な統計は取ってございませんので、お答えすることは困難でございます。
なお、ここで御紹介できる把握している数字として、全官署において官給食の摂食を拒否している者の人数について、いずれも年末時点の数としては、令和元年が四人、令和二年が五人、令和三年が〇人となっております。
○山添拓君 今挙げられた数字は、十二月三十一日時点に何人いたかというだけですね。つまり、これまで拒食者が全国の入管でどれぐらい報告されたかについて網羅的な把握はされてないという答弁でした。本庁への報告事項としているのに、これまで何人が拒食者として報告されたかすら分からないと。報告についても、電話等とされていて、記録があるのかないのかもよく分からない。
これでは報告を求めていても本庁は何もしていないのと同じだということになってしまうと思います。いかがですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 当庁に報告を受けていることはそのとおりでございますけれども、それを数字で統計として把握していることでは、あっ、把握はしていないということをお答えした次第でございます。
○山添拓君 これは当然把握してしかるべきだと思います。
名古屋局が拒食者ではないかと疑ったまさにその日に尿検査が行われています。先ほど来議論のある、資料六でお示ししています。ケトン体三プラスについて、報告書では飢餓状態を示唆していると書かれています。
有田委員の質問にもありましたウロビリノーゲン三プラスという記載もあります。これはどういう意味ですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 今委員御指摘の意味付けといいますか問題点について、調査チームの有識者から特段の御指摘は受けてございません。
○山添拓君 それ自体が大問題だと思うんですよ。急性肝炎、赤血球が壊れて起きる溶血性貧血などの疾患が疑われる数値です。これだけでも、すぐに採血などして異常の有無を確認するべき結果です。
報告書によれば、二月十八日の施設内での診療の際、看護師はこの結果を医師に伝えたとされています。どのように伝えたのですか。
○委員長(矢倉克夫君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(矢倉克夫君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(西山卓爾君) 報告書によりますと、看護師によれば、この診療の際に甲医師に対し、前記9、(10)記載のということで、尿検査結果でございますが、二月十五日に実施した尿検査結果を伝えたとのことであるというふうになっております。
○山添拓君 尿検査結果の異常さについてどのように伝えたと看護師は言っているのですか。
○政府参考人(西山卓爾君) そこまで現在のところ、私としてはつまびらかではございません。
○山添拓君 報告書に書いていないんですね。看護師のメモにもありません。
なぜ看護師に確認していないんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 検査結果を伝えたということは、お尋ねをして、伝えましたという、あっ、伝えましたというか、伝えた旨回答があったということでございます。
○山添拓君 これは看護師も含めて、この尿検査の結果についてどういう認識を持っていたかということを示す大事な問題です。
看護師自身に確認をしていただいて、この委員会にも報告をいただきたいと思います。委員長、お願いします。
○委員長(矢倉克夫君) ただいまの件、後刻理事会で協議をいたします。
○政府参考人(西山卓爾君) 補足でございますけれども、調査過程で、御説明を漏らしたかもしれませんが、庁内医師と看護師の双方については、複数回調査の上でこのような報告書の結果になっているということを御理解いただければと存じます。
○山添拓君 それではその調査自体が極めて不十分だということです。
資料五ページ。ケトン体は既に一月二十六日の尿検査でも陽性と出ています。どんな対応をされたんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 一月二十六日の。
これにつきましては、ここにお示しの資料にもございますように、混濁等の、粉のようなものが沈んでいるということもありまして、尿の再検査を指示したということでございます。
○山添拓君 生理中のために再検査の指示になったんですが、しかし、ケトン体の数値には関係ないと医師からは伺います。
ケトン体というのは、脂肪が分解されてエネルギー源として利用される際に出てくる物質です。普通に食べているときは、炭水化物などの糖質がエネルギー源として代謝されますので表れないと。食べられない、あるいは食べられたとしても嘔吐して、炭水化物など糖質が不十分なときに体内の脂肪がエネルギー源として分解されて出てくると。これ、陽性と出ただけで異常を認識すべき数値とされていますけれども、入管庁としてはそういうものとして認識されていますか。
○委員長(矢倉克夫君) 時間ですので、簡潔にお願いをいたします。
○政府参考人(西山卓爾君) 調査報告、あっ、失礼、調査チームに加わっていただいた医師を含む有識者からは、この点について問題点を指摘されていないところでございます。
○山添拓君 問題点が指摘されていないことが多過ぎると思います。
本来、この経過を踏まえれば、改めて確認しなければならない点、医学的にも問題点、指摘するべき点が多数あります。ですので、ビデオの全面開示とともに、今日お願いをしました看守勤務日誌などの開示を改めて求めて、真相究明をより徹底するべきだということを指摘して、質問を終わります。

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