山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2022年・第208通常国会

憲法審査会で、参議院選挙の合区問題について意見表明しました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
参議院選挙の選挙区の合区問題について意見を述べます。
選挙権は参政権の中心を成す基本的人権であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹です。参議院議員の選挙制度は、投票価値の平等を求める憲法十四条一項、選挙権を国民固有の権利とする十五条一項、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項など、憲法の要求を満たすことが求められます。
二〇〇九年の最高裁判決は、投票価値の平等の観点から、参議院選挙区選挙の仕組み自体の見直しを提起しました。ところが、自民党は二〇一二年に四増四減で先送りし、一五年には二つの合区を含む十増十減で取り繕い、一八年には合区で立候補できない自民党の議員候補者を事実上救済する比例代表特定枠を導入し、党利党略を優先したのです。
我が党は、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平であるとして反対し、多様な民意を議会に反映させる比例代表を中心とした選挙制度への抜本的な見直しを提案してきました。格差是正に向けた議論こそ必要です。
一五年改定公選法の附則七条は、「抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」としていました。自民党が一八年の改定について、一方で抜本的な見直しの一つであると強弁しながら、憲法改正こそが抜本的な見直しだと述べ、抜本改革に背を向けるばかりか、改憲の口実にしたのは言語道断です。
一九年参議院選挙について、二〇年の最高裁判決は、結論こそ合憲としたものの、都道府県を選挙区制度の要素とすることは、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて認められるとしています。また、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、参議院議員選挙については直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難いとし、国会に更なる較差是正を求めています。
元最高裁判事で、いわゆる定数訴訟にも関わってきた千葉勝美氏は、昨年十二月の参議院改革協議会の参考人質疑で次のように述べています。参議院議員も、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国を代表して国政に携わることが要請されている、都道府県を単位とする地方代表制は憲法が許容しているとは言い難い、定数配分が人口比例と関係なく行われるため投票価値の較差は増大する、憲法十四条等の許容範囲と言えるかどうかは難しい、では憲法改正で都道府県を単位とする地域代表制の選挙区を憲法自体に規定することはどうか、それ自体は一般的には可能だが、アメリカやドイツの州と同様に、我が国の都道府県が独立性を付与されるだけの歴史的、社会的、政治的実態があるのか、それがなければ改憲自体の合理性に疑義が生じてくる。
同じ改革協で只野雅人参考人は、憲法上、参議院に衆議院にも対等に近い強い権限があるということになると、衆参共にその権限にふさわしい民主的な基盤を備える必要がある、参議院にも権限の正統性が問われ、投票価値の平等が求められる理由も十分にあると述べています。いずれも傾聴すべき意見です。
憲法は、選挙制度を設計する前提として投票価値の平等を要求しています。一方、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はありません。現在の仕組み自体を見直すべきです。
なお、二〇一八年の自民党改憲草案は、参議院について、都道府県単位での選挙区を認めると同時に、両議院の選挙区を人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して定めるとし、衆参双方で投票価値の平等を選挙制度構築に当たって考慮する一要素に格下げしようとするものであり、看過できません。
格差解消のために人口比例原則を重視すると、地方の声が国政に反映されにくくなるといいます。しかし、自民党政治の実態はどうか。沖縄の本土復帰から五十年、今年新たに決定された建議書は、復帰時、沖縄県と政府が共有した沖縄を平和の島とするという目標は、五十年経過した現在においてもいまだ達成されていないとし、日米地位協定の抜本的見直しや辺野古新基地建設の断念、憲法に基づき、民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重することを求めています。地方の声を反映するどころか、無視し踏みにじってきた歴史と現実を直視すべきです。
問われているのは、合区による一時しのぎでも合区解消のための改憲でもなく、ましてや改憲論議を推進するために憲法審査会を動かすことでもありません。民意を反映する選挙制度への抜本改革と、地方を含め民意を受け止め、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められているということを強調し、意見とします。

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