山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2023年・第212臨時国会

参院選挙1票の格差 是正の観点で国会は司法に答えよ

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
十月十八日の最高裁判決は、昨年の参院選について結論は合憲としましたが、現在の定数配分規定をそのままでよしとしたものではありません。
法制局に伺います。
判決が国会に対して求めているのは、投票価値の平等が憲法上の要請であることを前提に較差の更なる是正を図ることであり、合区を解消して都道府県ごとに代表を選べるようにという検討を求めているわけではないと認識していますが、いかがですか。

○参議院法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和五年判決は、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大せずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められていると述べ、この前提に立った上で議論を展開しているところでございます。
以上です。

○山添拓君 判決は、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、較差の更なる是正等を求めています。ですから、国会は、この観点で司法に応えるべきだと考えます。
ところが、その国会の姿勢はどうか。判決は、立法府における較差是正の方向性やその姿勢についてどう評価しているでしょうか。三浦裁判官の意見も踏まえて御説明ください。

○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和五年判決は、較差の更なる是正の取組ということでは、本件選挙までの間、参議院改革協議会等において各会派の間での一定の議論がなされたものの、その実現に向けた具体的な検討が進展しているとも言い難いとしております。その一方で、令和二年判決の較差の是正を指向する姿勢については触れておりません。さらに、立法府が較差是正の取組を進めていくには、種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、国民の理解を得ていく必要があり、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれるとしております。
これに対し、御指摘の三浦裁判官の意見では、多数意見は較差の是正の方向性やこれを指向する姿勢についての評価を明示することなく、国会の広範な裁量に属する立法過程における見込みを考慮しており、これは平成二十九年判決や令和二年判決と異なるものであり、較差の是正を指向する状況のいかんにかかわらず、違憲状態にあることが否定される可能性を広げるものだと批判しております。

○山添拓君 三浦裁判官は、国会において較差の更なる是正の方策が講じられる客観的な見込みはないと厳しく評価しているんですね。判決は明示していませんが、国会の不作為が問われていると言えます。判決が述べるように、人口の都市部への集中が続き、今後も不断に人口変動が生ずると見込まれる中では、投票価値の平等という憲法上の要請を満たすことは困難になります。
そこで伺いますが、衆議院議員選挙の小選挙区間における最大較差、比例代表のブロック間における最大較差、それぞれ昨年十二月の改正公選法の施行の前後でどう変化したかを御紹介ください。

○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
衆議院の小選挙区間における較差については、令和二年国勢調査国民人口による場合、改正前の最大較差は二・〇九六倍であったところ、改正後は一・九九九倍となっております。また、比例代表の選挙区間の較差については、改正前は一・三〇六倍、改正後は一・一八七倍となっております。

○山添拓君 小選挙区は十増十減、無理を重ねた区割り変更を行っても二倍近くです。早晩また変更が必要になります。これに対して、比例代表は改正前でも一・三倍です。ブロック制を取る限り較差はありますが、相対的には小さく、定数の変更によって較差は是正できます。
我が党は、多様な民意の正確な反映という点で、参議院議員選挙について比例代表を基本とする全国十ブロック、非拘束名簿方式の選挙制度を提案してきました。一票の較差の是正という点でもこの方向で踏み出すべきです。
そして最後に、そのための検討はこの憲法審査会の任務ではありません。参議院改革協議会の選挙制度専門委員会でこそ速やかに具体的に検討すべきだという点を述べて、発言といたします。

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