山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2024年・第213通常国会

UNRWAへの資金再開「速やかに」/大阪万博 イスラエル参加再検討を 二重基準を批判

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
法案については賛成です。
外務大臣に伺います。
昨日、UNRWAフィリップ・ラザリーニ事務局長と面談をされたと報じられています。資金拠出再開の最終調整で合意したということです。速やかに進めていただきたいと思いますが、いかがですか。

○外務大臣(上川陽子君) UNRWAへの拠出金は、日本国民の税金を原資とする貴重なものでございます。このUNRWAの問題につきましては、UNRWAがより確かな形で信頼を取り戻し、その役割を果たせるような具体的な取組をUNRWA自身が進めることが何よりも必要と考えております。
こうした考えの下、昨日、私自身、訪日中のラザリーニUNRWA事務局長と会談を行いました。
事務局長からは、UNRWAのガバナンス強化のための改善策として、本部による現場へのグリップ強化や、またガザの復興事業における女性のリーダーシップ重視等の取組につきまして説明がございました。これに加えまして、日本がUNRWAを通じて実施するプロジェクトの透明性、またトレーサビリティーを確保するために、日本との間でプロジェクト管理やモニタリングを行う新たな枠組みを設けるといった取組も示されたところでございます。
これらを踏まえまして、日本の拠出再開のために必要な取組につきまして、最終的な調整を行っていくことで一致したところでございます。
今後一層のスピード感を持って進めてまいりたいと考えております。

○山添拓君 それは直ちに進めていただきたいと思います。
大臣は、この間、イスラエルによるガザでの無差別攻撃に関わって、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守られなければならないと、均衡性の要件は満たされなければならないと述べています。
そこで伺いますが、現在のイスラエルの攻撃はこの均衡性を満たしているんでしょうか。

○国務大臣(上川陽子君) 先般来申し上げたところでございますが、我が国といたしましては、イスラエルがハマスの攻撃を受けまして、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有するとの認識をしているところであります。同時に、全ての行動は国際法に基づいて行わなければならず、いかなる場合におきましても国際人道法の基本的な規範は守らなければならないと考えておりまして、いずれにせよ、均衡性の要件を満たさなければならないということを随時申し上げてきたところであります。
イスラエル軍の行動に関しまして、今次事案の個別具体的な事情、また関連の情報につきまして事実関係を十分に把握することが現状困難であることから、確定的な法的評価を行うことは差し控えさせていただきますが、これは、我が国としてイスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるとの法的評価を行っているわけではございません。
民間人の犠牲者がますます増加している中にありまして、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかにつきまして、当事者による一層の説明が求められるような状況になってきているということにつきましては確かであると考えております。

○山添拓君 国際法と整合的だと評価しているわけではないという答弁は、つまり国際人道法違反がないと断言することもできないという状況であろうということだと思います。また、安保理が初めて停戦決議を採択しました。その決議違反も許されるものではないと考えます。
そこで、今日、大阪・関西万博担当の副大臣においでいただきました。
昨年十一月、ロシアが参加の取りやめを表明しました。その際、松野官房長官は、ロシアによるウクライナ侵略は大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念と相入れないと述べ、現下の状況が変わらなければロシアが参加することは想定されないと表明しました。
万博のテーマと相入れないというのはどういう意味でしょうか。

○内閣府万博担当副大臣(上月良祐君) お答え申し上げます。
大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念につきましては、二〇二五年日本国際博覧会協会が策定した二〇二五年日本国際博覧会基本計画におきまして、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を国際社会が共創していくことを推し進めるものとしております。
ロシアによるウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反でありますことから、現下の状況を踏まえれば、当該理念と相入れないと考えております。

○山添拓君 昨年三月、イスラエルが大阪・関西万博への参加を表明しています。
現在のイスラエルは、「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念と相入れるのでしょうか。

○副大臣(上月良祐君) 万博への参加につきましては、各国が自ら判断することではありますが、ロシアは令和五年十一月に大阪・関西万博への不参加を公の場で表明したのに対しまして、イスラエルは現在も参加の意向を維持しているところであります。
その上で、先ほど申し上げましたように、ロシアによるウクライナ侵略は武力、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反であります。これに対しまして、今般のガザ地区におけますイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものでありまして、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないと考えております。

○山添拓君 ロシアのときも、ロシアが参加取りやめを表明する前に、自見大臣が、現下の状況が変わらないなら万博に参加することは想定されないと、ホスト国としてそう述べておられたわけです。
そして、イスラエルについて、今、外務大臣の答弁をお聞きいただいたように、国際人道法と整合的であるという評価はできないと、日本政府としてそう言っているわけです。ですから、こういう下で、ロシアは相入れないと言う、イスラエルは容認する、これはダブルスタンダードだと思うんですね。やっぱり検討し直される必要があるんじゃないかと思います。
私は、カジノと一体、巨額の建設費がますます膨張し、工期の問題も続く大阪万博は中止すべきだと思いますが、参加国への姿勢というのは他の参加国に対してもメッセージとなります。
態度を改めるべきだと思いますが、改めていかがでしょう。

○副大臣(上月良祐君) 先ほど上川大臣からもお話しいただき、御答弁いただきましたように、確定的な法的評価を行うことは差し控えるが、我が国としてイスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるとの法的評価を行っているわけではないという状況であります。
我々としましては、今後の状況を見つつ適切に対応してまいりたいと考えております。

○山添拓君 時間が来ましたので質問を終わりたいと思いますが、私は、やっぱり、何より多くの子供が、女性が日々命を落とし、苦しんでいると、そういうときに「いのち輝く未来社会のデザイン」と、それにふさわしいかということはやはり改めて検討が必要だということを指摘して、質問を終わります。

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