2026年・第221特別国会
- 2026年4月2日
- 外交防衛委員会
ミサイル基地は攻撃対象 「不安に向き合わない」
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
三月三十一日、防衛省は、熊本健軍駐屯地、静岡富士駐屯地に初めて長射程ミサイルの配備を強行しました。
防衛大臣に伺います。なぜ熊本と静岡なのでしょうか。
○防衛大臣(小泉進次郎君) 我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している中、侵攻する敵の艦艇や上陸部隊を早期かつ遠方で阻止し排除することが可能なスタンドオフ防衛能力をより迅速に構築できるよう取り組んでいるところです。
そして、今先生が御指摘のとおり、先月三十一日には、二五式地対艦誘導弾を熊本県の健軍駐屯地に、二五式高速滑空弾を静岡県の富士駐屯地にそれぞれ部隊配備しました。
スタンドオフ防衛能力を着実に整備していくことにより、我が国を守り抜くという強固な意思と能力を示すことにつながるものと確信しています。
その上で、二五式地対艦誘導弾の配備先については、我が国を守り抜くという強固な意思と能力を示すことによる抑止力の強化、艦艇や上陸部隊の脅威を早期かつ遠方で阻止、排除等が可能な対処力の強化、そして訓練環境や整備基盤の確保などを総合的に勘案して健軍駐屯地への部隊配備とすることとしたものです。
また、二五式高速滑空弾の配備先については、新規の装備品であり、要員の教育所要が大きいこと、要員の養成を速やかに開始することが必要であることなどを総合的に勘案した上で、装備品の運用に係る教育を担う富士駐屯地への部隊配備とすることとしたものであります。
○山添拓君 私は、それでは説明になっていないと思います。総合的にとおっしゃるわけですけれども、なぜ熊本、静岡を選んだのか。
これ、予算も掛けて体制を組んで配備をするものですから、その理由については、改めて防衛省から当委員会への報告を求めたいと思います。
○委員長(里見隆治君) 追って理事会で協議をいたします。
○山添拓君 この長射程ミサイルは、日本が攻撃されていなくても他国への攻撃を想定する憲法違反の兵器です。専守防衛とも相入れず、住民の懸念や反対の声も無視した暴挙に断固抗議いたします。
今年度は、さらに北海道上富良野、宮崎えびのにも配備を計画し、海自や空自の護衛艦、戦闘機での運用も計画されます。トマホークを搭載したイージス艦「ちょうかい」の改修と乗員の訓練も終えたとされます。全国の弾薬庫の強化も進めています。文字どおりミサイル列島化だと指摘しますと、大臣は、中国が不透明な軍備増強を続けている、国防費を増やしているなどと反論してこられました。大臣、この長射程ミサイルの配備は、つまり中国に対抗するためのものだということでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、我が国のスタンドオフミサイルは、反撃能力にも活用し得るものですが、そもそもの目的として、我が国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊などを早期かつ遠方で阻止、排除するためのものです。当然、先制攻撃に使用されることはなく、また、その数量も侵攻してくる艦艇や上陸部隊などを阻止、排除するのに必要となる量を積み上げているもので、他国に脅威を与えるようなものではありません。
その上で申し上げれば、一般的に各国・地域とも、自らのミサイル保有数といったものは手のうちに当たることから自ら公表するようなことはしませんが、アメリカ政府の公表資料などによれば、例えば、中国は射程三百キロ以上のミサイルを地上発射型のみで現在三千発以上保有していると指摘されています。また、対地攻撃用巡航ミサイルを現在一千発保有しており、二〇三五年には五千発を保有すると指摘されています。加えて、戦略ミサイル部隊は十二万五千名を超える兵力を擁するとされており、その規模は、それだけで陸上自衛隊の全隊員数に匹敵します。
北朝鮮なども御紹介できますが、よろしいですか。
○山添拓君 というように、中国の話を大臣が必ず出されるので私は聞いているんですよ。
もう一度伺いますけれども、長射程ミサイルの配備は中国抑止を念頭に置いたものなのですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 特定の国とかではなく、この地域に新たな戦争、紛争を起こさせない、その抑止力をしっかりと持つことが大事であります。
なお、中国については、核弾頭なども二〇二四年時点で六百発台前半で推移しておりますが、二〇三〇年までに一千発を超える軌道に乗っている旨指摘をされておりますし、北朝鮮についても申し上げれば、弾道ミサイルを合計七百発から一千発の保有、ロシアはICBM三百五十発を含めた各種ミサイルを保有しており、ウクライナ侵略では約一万三千発ものミサイル攻撃を実施したとされております。
このように、我が国周辺の国、地域は、既に数千発以上にも及ぶ規模で他国への攻撃が可能なミサイルを保有しており、更にその保有数を増強させていると指摘されているのが現実です。
したがって、あくまで我が国を防衛する観点から進めているスタンドオフ防衛能力の強化のための取組について、ミサイル列島といった、あたかも我が国が率先して地域の緊張をあおっているかのような主張は、今申し上げたような背景を全く無視したものであり、適切ではないと考えます。
○山添拓君 また関係ない話で答弁されるんですけどね。
私は、大臣が中国を持ち出すので、中国を抑止するものなのかということを聞いたんです。そうしましたら、特定の国や地域を念頭に置いたものじゃないという答弁でした。委員の皆さんからもそうだという声が上がったぐらいでした。ところが、その後、すぐにまた中国、北朝鮮、ロシアと。つまり、要するに特定の国や地域を念頭に置いて厳しい安全保障環境と言われていることは、これはもう否めないと思うんです。
私どもも、例えば日本共産党としてもですよ、中国に対して緊張を高めるべきでないということは直接にも求めてきました。同時に、昨年……(発言する者あり)いや、求めてきたんですよ、中国に対して、中国の党に対しても政府に対してもですね。同時に、昨年来、日中関係が極度に悪化しているのは総理の台湾発言が原因であるということは、これは自覚されるべきだと指摘しておきたいと思います。
長射程ミサイルの配備に当たって、住民が求める説明会さえ行わず、知事や市長を対象に装備品展示会を開催しただけでした。住民の一番の不安は、有事には標的になるという現実的な懸念です。大臣、ミサイル基地が攻撃対象になり得るということはお認めでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) よく私もこの点については答弁させていただきますが、その配備をもって、その後の運用の形というのは、そこに置いたからといってそこでということだけではなく、その運用というのは様々な形があるという御説明はさせていただいております。
また、住民の皆さんの中で様々な御意見があることも承知をしておりますので、防衛省として、知事、そして市長、また地域の方々、そういった方々もこの前お招きをする形で健軍駐屯地においての装備品の展示、そしてその中で御質問に対してお答えをさせていただいたことなども含めて、熊本県知事、熊本市長からも一定の御評価をいただいたものと受け止めております。
引き続き、地元の皆様に丁寧な御説明や適切な情報提供にしっかり努めていくことが大変重要であると考えています。
○山添拓君 私にも丁寧に説明いただきたいんですよ。
ミサイル基地が攻撃対象になり得ることがあると、これはお認めでしょうか、大臣。
○国務大臣(小泉進次郎君) それは一般的に、戦闘が、もし戦争が起きてしまったときに、様々なところが敵国からはターゲットとなり得ると。
そこについて、今、ロシア、ウクライナ、またイラン情勢を見れば、このリスクというものは敵がどのような意図を持ってということはありますが、そういった戦争を起こしてはならないからこそ、その抑止力を構築をするというために我々として自前の防衛力も構築をしている努力を御理解いただけるように御説明を続けたいと思っております。
○山添拓君 いや、私の質問は、ミサイル基地が攻撃対象になることはあり得るかという質問です。それは今お認めになったように伺えるのですが、そうならないように戦争させないための対策だとして抑止力強化だと、こういうこともすぐに付け加えられました。
ところが、政府は一方では、例えば、三十一日、ミサイル攻撃などを想定して避難用シェルターの確保に向けた基本方針を決定しています。私、これ全住民を収容できるような数を確保するというのは荒唐無稽だと思いますが、少なくとも、抑止が破られる、攻撃されることを想定した対策だと思うんですね。
ミサイル基地だけは攻撃されないということは、これはあり得ないですね、大臣。
○国務大臣(小泉進次郎君) シェルターについては、むしろ、各国の中でも強化をされていて、日本はそれを遅れている中でしっかりと強化をしなければいけないと。それは国民の皆さんを守るために必要なことだと思っております。
その上で、どこが標的となるかとかそういったことについては、まさにこれは戦争が始まって、相手が、敵がどのような意図を持って作戦を、その目標を達成することを考えるか、これはまさにつまびらかにされることではない中で、一番大事なことは、我々、専守防衛の中でその新たな戦争、紛争をこの地域に起こさせないための努力の一環として、相手を思いとどまらせるためのスタンドオフ防衛能力の確立をすると、こういったことを御理解いただきたいと思います。
○山添拓君 答えていただいていません。
ミサイル基地は標的とならないと大臣はおっしゃるんですか。標的となることは想定し得ますよね。現に、おっしゃったように、イランでもウクライナでも同様のこと起きていますから。ミサイル基地が標的になることはあり得ますよね。
私が言っているのは、そのことを住民に説明されたかということなんです。
○国務大臣(小泉進次郎君) しっかり必要な情報提供などはさせていただきたいと思いますし、これ、繰り返しますが、新たな戦争、紛争をとにかく起こさせない、その努力をしっかりと行うことが我々が進めている防衛力整備であるということを御理解いただきたいと思います。
そして、地元の住民の皆様の代表である熊本市議会と熊本県議会におきましては、熊本市議会でミサイル配備に反対する意見書が四十六名中反対二十九名で否決、熊本県議会でも同様の意見書が四十六名中反対四十二名で否決をされたとも承知をしております。
○山添拓君 説明会を実施されない理由にはならないと思います。攻撃を受けるリスクが高まるのではないかという住民の不安に全く向き合おうとされません。リスクを語らず強行などということは許されません。
静岡県の東富士演習場は、全国の多くの基地と違って六割が民有地や公有地です。基地や訓練の在り方をめぐって繰り返し協議が持たれて、使用協定を中心に自治体や住民との合意が積み重ねられてきました。
資料の二枚目を御覧ください。一九六七年七月二十五日、県知事の紹介に防衛施設庁長官が答える形で、東富士演習場又はその周辺をミサイル基地化しないことなど合意しています。
防衛省、伺います。この合意は現在も生きているものですね。
○防衛省 地方協力局長(森田治男君) お答え申し上げます。
東富士演習場につきましては、昭和四十二年当時、陸上自衛隊が三〇型ロケット弾の試射を行うに際しまして、東富士演習場又はその周辺をミサイル基地化しないことなどを静岡県との間において確認したものと承知をしております。
その上で、東富士演習場につきましては、昭和四十二年の当時のやり取りのみならず、演習場の使用目的、武器及び演習行為の規制等について地元自治体及び権利者と締結いたしました東富士演習場使用協定及び関連文書にのっとって使用してきているところでございます。
今般の二五式高速滑空弾の富士駐屯地への配備につきましても、配備の意義等のほか、二五式高速滑空弾の東富士演習場内での訓練は展開訓練など射撃を伴わない形で実施する予定であること、また、二五式高速滑空弾は移動式の装備品であり、一般論として、状況に応じて平素の配備先から必要な場所へ移動して任務に当たることになるため、特定の場所への配備をもってその場所で運用することになるわけではないこと、こういったことを含めまして、地元自治体等に丁寧に御説明をした上で、今般、富士駐屯地に配備をさせていただいたところでございます。
こうしたことから、防衛省としては、今般の配備につきましては、東富士演習場の使用に当たってこれまで地元自治体との皆様との間でやり取りをしてきた内容には反しないものと考えているところでございます。
○委員長(里見隆治君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○山添拓君 はい。
それは詭弁だと指摘しなければなりません。
時間ですからもう終わりにするしかありませんが、東富士演習場をめぐって防衛省は、米軍の国道越えロケット射撃訓練を実施したいと、こういう要請も今地元に行っています。
昨年十月、同様の訓練の際には、地元自治体、地権者団体と今回限りという約束だったんです。それを僅か半年で翻して、年に数回今後は実施する、こういうことを伝えています。
六十年前の合意も半年前の約束もまるでなかったかのように配備や訓練強化を進める、これでは住民の理解など得られるはずがありません。私は、厳しい安全保障環境、これマジックワードにしちゃいけないということを指摘して、質問を終わります。