2026年・第221特別国会
- 2026年6月25日
- 外交防衛委員会
自衛隊の住民恫喝批判 「沖縄の心に無理解」/防衛省設置法一部改正案 反対討論
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
六月二十三日、沖縄戦から八十一年となる慰霊の日を迎えました。玉城デニー知事は、平和宣言で、恒久の平和と核廃絶を目指すことは責務と述べ、沖縄戦を次の若い世代へ責任を持って正しく伝え、平和について学び考える歩みを続け、平和の懸け橋としての役目を担うと述べました。普天間基地を始め基地負担の軽減については、一方的な押し付けではない、両政府と県の対話による解決を求めていると語っています。
外務大臣に、また防衛大臣には改めて、慰霊の日の受け止めを伺いたいと思います。
○外務大臣(茂木敏充君) 六月二十三日、今週の火曜日でありますが、慰霊の日に開催されました沖縄全戦没者追悼式に私も参列いたしました。多くの戦没者の方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
現在の沖縄及び日本の繁栄が、多くの戦没者の方々や戦後数々の苦難を乗り越えてこられた沖縄の人々の努力の上に成り立っていることを忘れてはならない、改めて強く感じたところであります。
その上で、戦後八十一年を迎えた今もなお、沖縄県民の皆様に大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止めております。改めて沖縄の方々の心情に思いを致し、外務大臣として、沖縄の基地負担軽減に引き続き全力で取り組んでいく考えであります。
○防衛大臣(小泉進次郎君) 先ほど、これは田島先生の御質問にもお答えさせていただいたとおりでありますが、学生さん、小中高生がお手伝いをされていて、私や茂木外務大臣始めとする献花のときにもその高校生の皆さんからお花を受け取って献花をさせていただきましたし、平和のメッセージを中学生の方がすばらしい発表されておりました。静かな、しかし強い平和への願いを受け止めましたし、一方で、対照的に、大声を出して高市総理の御挨拶中にやじを飛ばすという、こういう非常に対照的な大人の姿というのも印象的なことでありました。非常にそこについては残念だなという思いであります。
防衛大臣としては、いずれにしても、決して新しい戦争、新たな紛争起こさせないと、平和を必ず次世代に引き継がなくてはならない、その使命を果たす、その決意を新たにしたところであります。
○山添拓君 私は、沖縄に何を強いてきたかを政治は自覚すべきだと考えます。
基地負担、今も続いていますよね。静かな慰霊の日に、防衛大臣が言われるような静かな慰霊の日に、米軍の嘉手納基地には戦闘機が飛来しています。騒音防止協定では、地域にとって特別な日は最小限にしなくてはならないとしているにもかかわらずです。私は、これ残念がっている場合でなく、抗議すべきような案件だと思うんですけどね。
法案は、沖縄の陸自一五旅団について、人員と装備を強化し、本土復帰後初めて師団化しようとするものです。
昨年八月六日、その陸上自衛隊宮古駐屯地司令兼警備隊長だった比嘉隼人氏が、市民に対して恫喝するという事件が起きました。資料もお配りしています。同日早朝、公道での徒歩防災訓練中、公共の駐車場で休憩していた隊員に対し、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会共同代表の清水早子さんがハンドマイクで控えめな音量で呼びかけたところ、司令が、許可取れ、早く取ってこいなどと声を荒らげ、退去を迫りました。一部始終を撮影した動画が公開されております。そんな大音量でないんですよね。
防衛省に伺いますが、そもそもこの場所、許可が必要だったんでしょうか。
○政府参考人(小野功雄君) 今お尋ねのところ、場所につきましては、当時、宮古島の駐屯地の方で市が土地の所有者等と調整をして、こちらの方で使わせていただいていたということでございます。
○山添拓君 いや、市民の側に許可が必要だったのかということです。
○防衛省 大臣官房長(小野功雄君) あくまでも防衛省側で、自衛隊側でこちらを使わせていただくということで土地の所有者と調整をしていたということでございますので、それ以上については土地の所有者の判断ということであろうと思います。
○山添拓君 司令は、許可を得たのかと、我々は許可を得てやっている、こうまくし立てたのですが、住民連絡会が市に確認したところ、市民の側が許可を取る必要はありませんでした。また、陸自の側からも、そもそも正式な届出のようなものはなかったことが確認されております。この件については、当時、中谷大臣が記者会見でわざわざ言及し、過度な抗議活動、妨害行為などと非難しました。しかし、過度な抗議、妨害とは言い難いだろうと思います。
そもそも沖縄防衛局は、宮古島への陸自の配備に当たって、基地の外での訓練はしないと住民には説明していました。また、訓練は必要だと理解を示している市長も、迷彩服を着た隊員の訓練は地域住民に事前に説明をと要望しております。ましてや清水さんが指摘するように、事実に反して許可云々と持ち出して、市民をどなりつけ排除しようとする、これは不当ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○政府参考人(小野功雄君) まず、当時の沖縄防衛局の約束云々の話につきましては、日頃から、沖縄防衛局あるいは宮古島の駐屯地、市等と非常に緊密に連携を取っておりまして、様々訓練をやるに当たっては御理解を得ながら対応してきているということでございます。
その上で、今、山添委員からの御指摘の件につきまして、これは、現在、国と当時の宮古島駐屯地司令を被告といたしまして損害賠償を求める民事訴訟、これが提起をされていると。つまり、訴訟の係属中の事案でございますので、それ以上の細部についての評価等は今差し控えをさせていただきたいと思います。
○山添拓君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、小野官房長が申したとおり、これ以上の詳細については係属中の訴訟に関することですからお答えを差し控えさせていただきますが、その上で、一般論として申し上げれば、防衛省・自衛隊の様々な活動については、国民の皆様の中にも様々な御意見があると承知しており、反対の立場も含め、こうした御意見を持ち、それを表明すること自体を否定するものではありません。
一方で、自衛隊の活動に対する一部の過度な抗議活動や心ない言動により、隊員のみならず隊員の御家族におかれても肩身の狭い思いをされているという現場からの声も直接耳にしています。自衛隊員一人一人とその御家族を守り抜くことは防衛大臣の重大な使命です。国を守り、国民を守る崇高な国防の使命を持つ隊員とその御家族は、国の宝であり、誇りであります。
こうした自衛隊への思いを社会全体で共有し、隊員と御家族の皆さんが肩身の狭い思いをされることのないように、今後もあらゆる場面で発信してまいりたいと思います。
○山添拓君 この件は、心ない過度な抗議なんですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) この件はということは、国と当時の宮古島駐屯地司令を被告とし、当時の宮古島駐屯地司令の言動は違法な恫喝であるとして損害賠償を求める民事訴訟が提起されている状況でありますので、そうした詳細については係属中の訴訟に関することですから、お答えを差し控えさせていただきます。
○山添拓君 比嘉氏自身が、八月十九日、住民連絡会との面談で、威圧的だと捉えられたのであれば本意ではなく、そのことは申し訳ありませんと述べているんですね。それが真摯な反省や謝罪とは言えないだろうと私は思いますが、本人がこう述べているのに、大臣は、当時の中谷大臣は住民の側を非難したと。これが防衛大臣のやることなんでしょうか。
大体、この宮古島では、保管庫と言いながらミサイルを置いていたり、建設しないとしていた弾薬庫を民家のすぐ近くに建設したという経過もあり、だまし討ちのような対応が続いてきております。住民をないがしろにしてきた実態があると、それを踏まえるべきだと思います。
抗議行動は平和を希求する強い願いからのものです。玉城知事が式典で述べたように、九割が沖縄戦を体験しない世代となっておりますが、県民に語り継がれ、受け継がれているからにほかなりません。私は、今日の大臣の答弁も含めて沖縄の心への無理解が過ぎるのではないかと思います。
本土の〇・六%しかない沖縄に七割の米軍基地が集中し、そのために深刻な被害をもたらし続けています。その特徴的なものが米兵による事件、事故、中でも性犯罪です。県内で相次ぐ女性暴行事件を受け、日米協議のフォーラムが設けられ、五月二十八日、第二回の会合が開かれました。外務大臣、内容を御説明ください。
○国務大臣(茂木敏充君) 先月、五月二十八日に、米軍と地元関係者の間の意思疎通を強化をし、相互理解を促進することを目的として、沖縄県と在日米軍沖縄事務所の共催によりまして、第二回の沖縄コミュニティ・パートナーシップ・フォーラムが開催され、外務省の関係者も出席をいたしました。
このフォーラムでは、地元の安全、安心を高めるべく、様々なテーマについて議論が行われたと聞いております。在日米軍の綱紀粛正を始め建設的な議論が行われたこと、評価をいたしております。このフォーラムが日米双方の利益及び地元の方々の思いに沿った具体的な協力を生み出していけるような場となるよう、政府としても引き続きしっかり協力をしていきたいと考えております。
○山添拓君 ということなんですが、米兵による性暴力は続いております。五月二十二日には県警が、知人女性に対する不同意性交致傷などの疑いで二十代の在沖縄米陸軍兵士を書類送検しました。昨年、米軍関係者が刑法犯で摘発されたのは百一件、百件を超えたのは二十二年ぶりといいます。
外務大臣、根絶どころでない実態をどう受け止めていますか。
○外務省 大臣官房参事官(山本文土君) お答えいたします。
まず、このフォーラムでございますけれども、これですね、先ほど言ったように、在日米軍の綱紀粛正と再発防止に向けて建設的な議論が行われていて、玉城県知事も含めて沖縄県も前向きに評価をしているものというふうに考えております。
その上で申し上げれば、やはり米軍関係者による事件、事故というものは地元の皆さんに大きな不安を与えるものであり、これは決してあってはならないというふうに考えます。
引き続き、政府としても、個別の事件、事故に厳正に対処するとともに、強い切迫感を持って再発防止に取り組んできているところでございます。
○山添拓君 あってはならないと、再発防止、綱紀粛正と米側も日本側も繰り返しますけれども、実効性がないに等しいと、私は米軍基地があるがゆえの被害だと認識すべきだと指摘しておきたいと思います。
法案の自衛隊の宇宙活動について伺います。
先ほど平木委員からもありましたが、米国はバイデン政権時代、二〇二二年四月、衛星攻撃兵器ASATの発射実験を今後実施しないと宣言しました。ミサイルによって物理的に衛星を破壊するタイプの攻撃実験です。これ、他の同盟国に対しても倣うように求めて、日本も賛同を表明し、国連総会でも同様の決議案が採択されています。
外務大臣に、改めて、この米国の宣言や国連決議はどのような経緯でされたのか、日本の対応も含めて御説明ください。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、二〇〇七年に中国、そして二〇二一年にロシアによりますASAT実験と、それによります大量の宇宙デブリ拡散などに端を発しまして、米国は二〇二二年四月に破壊的な直接上昇ミサイルによります衛星破壊実験を実施しない旨宣言を行うとともに、他国に対しても同様のコミットメントを行い、これを国際機関にすべく協力を要請したところであります。
対衛星兵器攻撃実験は、持続的かつ安定的な宇宙空間の利用を損なう行為でありまして、米国の提案は、宇宙空間における責任ある行動の規範の形成に向けた前向きな一歩であると言えると思います。
かかる認識の下、我が国は同年の九月に、破壊的な直接上昇衛星破壊実験を行わない旨の意思表明を世界に向けて行ったところであります。このような動きは同志国にも広がりまして、同年の十二月に、この種の実験を行わないように求める国連総会の決議に結実をしたわけであります。
宇宙空間の持続的な利用のための多数国間の国際規範の形成に我が国の技術であったりルール作りの知見を生かしつつ、引き続き注力してまいりたいと考えております。
○山添拓君 ありがとうございます。
今御紹介いただいたように、二〇〇七年中国、二一年ロシア、ハリス副大統領は当時、向こう見ずで無責任な実験が多くの残骸を生み出したと非難いたしました。もっとも、その米国も二〇〇八年、軍艦からミサイルを発射して衛星を破壊しています。インドも二〇一九年に実施しています。こうした実験による破壊が大量の宇宙ごみ、デブリを発生させて長期間漂うこととなり、衛星や宇宙飛行士の安全を脅かすというのが米国の宣言の理由でした。
このデブリが存在するのは、地上百六十から二千キロ、地球低軌道と呼ばれる宇宙空間で、情報通信や気象観測、軍事偵察衛星など、人工衛星の大半がこの範囲に打ち上げられます。宇宙空間で戦争が起きるとすればこの領域とも言われます。
ただ、仮にそんなことが起こればどうなるかと。衝突で生じたデブリは拡散し、別の衝突が起きてデブリが増え、しかも高速で動き続けて次々に衝突し、制御不能な連鎖反応をもたらすとされます。人工衛星を破壊するだけではなく、この領域を世界の誰一人使えなくなってしまう。したがって、地球上の市民生活と経済活動を脅かす。
大臣が、持続的、安定的な利用ができなくなるというふうに指摘されたとおりです。ならば、軍事化ではなく、こうした事態を引き起こさないための国際秩序こそ必要だと考えます。
一方、トランプ政権が進めているのがゴールデンドーム構想です。米本土を守るために、地上配備型の迎撃システムに加えて、発射直後のミサイルを探知、迎撃する装置を宇宙空間に配備し、衛星とAIによって迎撃するというものです。
これは防衛大臣に伺います。
衛星を破壊する先ほどのASATとは確かに違いますが、宇宙空間に迎撃ミサイルシステムを置けば、このシステム自体が攻撃対象とされて、新たなデブリを増やすことになりかねないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、先生が外交が大事だという話ですけれども、外交か防衛かではなくて、外交も防衛も大事だという認識で取り組んでおりますので、そこは認識違うかもしれませんが、御理解いただければというふうに思います。
そして、先生御指摘なのはゴールデンドームについてでありますが、昨年アメリカ政府が公表した国家安全保障戦略においては、アメリカ国民とアメリカの在外資産に加えて同盟国を守るため、世界で最も強力で信頼性があり、現代的な核抑止力とともに、ゴールデンドーム構想を含む次世代ミサイル防衛を追求していく旨の記載があると承知しています。この構想の一部に位置付けられている新型の迎撃ミサイル、GPIについて現在日米間で共同開発を進めているところです。
我が国としては、統合防空ミサイル防衛分野を含む幅広い日米間の防衛協力を着実に進め、日米同盟の抑止力、対処力を強化してまいります。
○山添拓君 三月の首脳会談に当たって、総理もこのゴールデンドーム構想に参加を表明する見通しとも報じられておりました。要するに、日本も参加していくということなんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 三月の日米首脳会談で、高市総理とトランプ大統領でゴールデンドーム構想、こういった形の報道がありました。その中で、我々としては、このゴールデンドーム構想の一部に位置付けられている新型の迎撃ミサイルのGPIの日米共同開発という形で関与しているということであります。そういった御理解をいただければと。
○山添拓君 その先についても否定はされていないということだろうと思いますが。
米議会の予算局によれば、ゴールデンドームの整備費用は一・二兆ドル、約百九十兆円掛かる可能性があるといいます。しかも、それによりロシアや中国の大規模な攻撃を完全に阻止できるわけではないということもいいます。
先ほど防衛大臣は、外交か軍事的な分野かどちらかではないのだという話がありましたけれども、私は、宇宙領域について先ほど指摘したように、ここでの軍拡競争が続いて、破壊が続きデブリが更に増えるような、あるいはそれを誘発しかねないような事態をつくるということは、軍事であれ、民事で、民事といいますか、民間の利用であれ、宇宙空間の利用そのものが人類にとってできなくなる危険性があると。ですから、やはりそれは避けなければならない、このためには外交的な国際秩序をつくる方向での努力が日本には求められていると思います。
○委員長(里見隆治君) 時間ですので、おまとめください。
○山添拓君 はい。
宇宙空間を不可逆的に利用できなくしかねない、そういう軍拡競争はやめるべきだと指摘して、質問を終わります。