山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2017年・第193通常国会

都市公園法の規制緩和に反対 上野公園、宮下公園など民間事業者による大規模開発を批判

要約
  • 都市緑地法等の改正案について、「再生・活性化」の名目で大企業などによる都市公園の開発を拡大するとして反対しました。
  • 上野公園や渋谷の宮下公園で進められている大規模開発を取り上げ、公共の場を大企業のもうけの道具としてはならないことを強調。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
事前にお伝えしていた順序を若干入れ替えまして、都市公園法の改正から伺います。
再生、活性化を目的とするものなんですけれども、これは都市公園の緑を確保するという性質のものではないということなんでしょうか、大臣にまず御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 都市公園は、良好な都市環境を形成し、市民のレクリエーション活動、健康運動、文化活動等の場となるとともに、災害時の避難場所となる場を提供するなど、都市において多様な役割を持っております。個別の都市公園におきましては、その立地環境や周辺住民の利用ニーズに応じまして、求められる機能が高度にバランスよく発揮されることが望ましいと考えております。
今回の法案におきましては、都市公園につきまして、民間活力も最大限活用し、公園の質の向上と利用者サービスの向上を図る制度を盛り込んでおります。
都市公園に具体的に求められる機能は、立地環境や利用ニーズ等に応じて様々でありまして、緑の確保につきましても、こうしたニーズ等を踏まえ、公園の質の向上を図る中で公園管理者が適切に判断するものと考えております。

○山添拓君 ですから、緑の量的観点の法律では少なくともないということなんですね。
私がこういうふうに述べますのは、都市公園で現に住民や利用者の意向を無視して緑が減らされていると、こういう実態があるからなんです。
例えば、東京の上野公園です。東京都が二〇〇九年に上野恩賜公園再生基本計画を策定しまして、現在、JR上野公園口広場の整備工事が行われています。資料の二枚目に図面を示しています。公園口から動物園まで直線化すると、そのために改札口を北へ五十メートル移動させて、駅前道路も整備すると。その際に、邪魔だということでイチョウなどを伐採する計画がありました。昨年十二月に張り紙に気付いた皆さんが上野公園の樹を守る会を立ち上げネット署名を呼びかけましたところ、直ちに二万人を超えまして、現在二万七千人近くが賛同しています。それぐらい愛されている上野公園の緑だと。
結局、仮設道路を設置するために一本伐採され、五本が移植をされました。三枚目、四枚目に写真を載せていますが、私も先日の日曜日に現地を見てまいりました。人は大変多いんですけれども、混乱しているというわけじゃないんですね。そもそも改札から動物園まで真っすぐに行く必要があるのか、木があってもよけて通れるじゃないかと、こういう声もありますが、JRも台東区も事業の全体像を明らかにしておりません。工事で更に伐採が進むのではないか、こういう懸念の声が出されています。
資料の五ページを御覧ください。
東京都は、既に幹回り九十センチ以上の大木二百四十四本、これ上野公園の中で伐採しているんですね。サツキなどの小さい木でいえば一千本以上伐採していると。藤棚やヒカンザクラを切って、そこに大型のスターバックスなどのカフェを設置したりしていると。緑を減らすことが都市公園の再生、活性化とは言えないと思うんですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

○国務大臣(石井啓一君) 個々の都市公園につきましては、公園管理者である地方公共団体が地域の実情や都市公園の特性、ニーズ等を踏まえた上で整備、管理を行うものでありまして、個別の公園についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
一般論で申し上げますと、樹木の管理につきましても、個々の公園に求められる機能が適切に発揮されるよう公園管理者が個別に判断するものでございます。

○山添拓君 行政というのは個々の積み重ねですから、個々の問題だからコメントしないというのは適切ではないと考えます。しかも、この上野公園ですが、二〇一五年の七月に上野「文化の杜」新構想が作られまして、ここには国交省の都市局も検討会のメンバーとして加わっています。だから、個々の問題ということで答弁避ける話ではないと思います。東京オリンピックを契機に年間の来場者数を二倍近い三千万人にすると。今でも上野公園って休みの日に行けば人であふれていますから、これ倍になれば、もう芋の子を洗うような状態になります。
この構想の中には、景観に配慮したホテルだとか大規模休憩スペースの設置なども挙げられています。博物館や美術館はお金を出せませんので外の民間業者に入ってもらう、これを想定していると。さらに、民間活力を導入した大規模な地下モールの整備なども書かれています。ですから、半ば今度の法改正を先取りするような収益施設の大開発が構想されています。
本来、都市公園というのは公共用地で市民の憩いの場でもあります。いざというときには避難場所にもなるオープンスペースだと、単なるもうけのための場ではないと考えますが、大臣はどのような御認識でしょうか。

○国務大臣(石井啓一君) 先ほども申し上げましたが、個々の都市公園に具体的に求められる機能はその立地環境や利用ニーズ等に応じて様々でございまして、公園管理者が個別に判断をするものであります。
一般論として申し上げれば、都市公園は、良好な都市環境を形成し、市民のレクリエーション活動、健康運動、文化活動等の場となるとともに、災害時の避難場所となる場を提供するなど、都市において多様な役割を果たすべきと考えております。
また、今回の法案には、民間事業者が収益施設の設置と周辺の広場、園路等の整備を一体的に実施することで民間活力により公園のリニューアルを図る、公募による収益施設の設置管理制度を盛り込んでおりますが、このように民間事業者が設置する施設自体が利用者のニーズに応え、また、その収益を公園整備に還元をし都市公園の質の向上を図ることができれば、民間事業者が収益を上げる事業を行うことは利用者の利便を向上させ、公園の魅力を高める観点から意義があると考えているところでございます。
なお、委員御紹介の上野の杜新構想につきましては、この構想の実現につきましては各施設管理者が今後検討を進めていくものであり、地下モール等の整備につきましては、上野公園を管理している東京都からは現段階で具体的な検討は行っていないと伺っております。

○山添拓君 収益性追求する余りに住民無視、あるいは利用者の意向を軽視する、こういうことがあってはならないものです。ですから、上野のお山と呼ばれた緑がそういう中で姿を変えさせられてきているということは是非御認識いただきたいと思っています。
〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
大臣は、衆議院の質疑の中で、都市公園の整備に当たって住民の意見を聞く仕組みを法的に担保すべきだという我が党の本村伸子議員、清水忠史議員の質問に対し、これ、あらかじめ学識経験者の意見を聞くと、また、公園管理者と地域の関係者による協議会を活用することが望ましい旨を運用指針等で示す、それによって利用者や住民の理解を得ながら進めるんだと答弁しております。
協議会は、制度上は必須のものではありません。運用指針にも強制力はございません。上野公園でもそうですが、住民の声に耳を傾けない行政に対しては、国交省がこれ指導するということなんでしょうか。

○国務大臣(石井啓一君) 上野公園の整備につきましては、現在、構想が取りまとめられた段階でありまして、構想を踏まえた具体的な公園の整備計画につきましては、公園管理者である東京都が、地域住民等の意見も踏まえつつ検討をしていくものと認識をしております。
なお、今回の法案の公募制度では、民間事業者の選定に当たりまして、都市公園の機能を損なうことなくその利用者の利便の向上を図る上で最も適切な者を選定するために、公園管理者はあらかじめ学識経験者の意見を聴くとしております。このことによりまして、都市公園の整備、管理の公平性、透明性が増すことを目指しております。
また、今回の改正案の中では、公園管理者と地域の関係者による協議会を設置できる制度を創設することとしております。公募制度の運用に当たりましては、この協議会を積極的に活用していただくことが望ましいということを法律の運用指針等で示したいと考えております。
こういった措置を通じまして、各公園管理者が公園利用者、地域住民の理解を得ながら、本制度の活用が推進されるように促してまいりたいと考えております。

○山添拓君 指針を周知させるというだけでは現実にはなかなか効果がないんですよね。
二〇〇四年の法改正で導入された立体都市公園という制度がございます。資料の六に概要を示しています。都心は土地代が高いので立体化する、都市公園の地下を駐車場とするなどして効率化を図りまして整備を促す、こういう制度です。新たに都市公園を造るケースを念頭に置いていました。
ただし、これ既存の都市公園でも適用は可能でして、都市公園法の運用指針、この中では、既存の都市公園に立体都市公園制度を適用するケースとして、原則としてこうだということを書いています。既存の都市公園に立体都市公園制度を適用するのは、原則として既存都市公園の地下を利用とする場合になるものと考えられると。ですから、地下を使うのはぎりぎりいいけれども、建物の屋上を公園にしたり、人工地盤を造って新たに造り出す、こういうのは想定外だということです。
ところが、この制度を悪用しているのが渋谷区の宮下公園の整備事業です。資料の七枚目、八枚目を御覧ください。
現在、一階が駐車場で、その上が都市公園となっているんですが、官民連携のPPP事業で、三十三年間、三井不動産に貸し出すと。地上三階、延べ床面積一万六千平米の商業施設を造って、地下に駐車場を造ると。公園は屋上十七メートルの高さに持ち上げるというものです。さらに、公園の敷地の一部を三井に貸し出して、原宿方面には十七階建ての二百室のホテルも建設すると。区の都市計画変更原案には九十八件の意見が寄せられましたが、ほとんどが反対でした。ところが、渋谷区は、三月二十七日には解体工事のために公園を締め切り、もう利用もできなくしてしまったと。都市計画決定はその後の四月七日に行われました。
既存の公園について、こういう運用指針に反するような屋上型、人工地盤型の立体都市公園が現に造られようとしています。大臣、これ御覧になって、これが公園だと言えるでしょうか。運用指針では歯止めにならないということがもう明らかになっているんじゃないかと思います。渋谷区に対して、運用指針に従うように指導されるでしょうか。大臣、お答えください。

〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
○政府参考人(栗田卓也君) 今、立体都市公園制度の運用指針につきましての言及がございました。
確かに、運用指針の中には、既存の都市公園に立体都市公園制度を適用するのは、原則として既存都市公園の地下を利用とする場合になるものと考えられる、こういうふうに触れております。ただ、その前段として、いろいろな比較考量をしてほしいということも書いておりまして、若干紹介いたしますと、既存の都市公園と区域変更後の立体都市公園の機能、効用について、樹林地等の環境面、利用者のアクセス条件等の利用面、地震災害時の防災面等を総合的に勘案して比較することが必要だということで、この比較の結果として、原則として地下を利用する場合になるというように指針では述べております。ただ、この指針の考え方は、樹林地等の環境面、利用者のアクセス条件等の利用面、地震災害時等の防災面等を総合的に勘案して、これらについて都市公園の機能が十分に確保される場合にまで地下利用以外の既存公園の立体都市公園化、これを妨げるというものではないと、そういう方針の記載の内容と理解しております。
なお、都市公園に求められる機能や周辺を含めた土地利用の在り方は地域により異なります。個別の都市公園に立体都市公園制度を適用するに当たっては、公園管理者である地方公共団体において適切に判断されるべきものと考えておりまして、御指摘の事例も渋谷区の都市計画審議会等を経て判断されたものというように承知をしておるところでございます。

○山添拓君 大臣の御答弁が、運用指針を周知徹底していって利用者や住民の意見を反映させる、こういうことでしたから伺ったんですけれども、大臣から御答弁いただけなかったのは非常に残念です。
今、環境面や利用面あるいは防災面を勘案すべきだと、こういう話がありましたが、地上四階の高さに、その屋上に公園を持っていく、これで果たして防災上大丈夫だということになるのか。あるいはアクセス、避難するときにしても通常の利用にしても、四階まで上がらなければいけないわけです。これで果たして総合考慮した結果と言えるのか、そもそも運用指針に従うようなものとなっているのかということです。
違法でなければ構わないという事業者は当然出てまいります。ちょっとしたカフェを造るとか芝生を整備するとか、そういう牧歌的な話じゃないわけです。こういう大型の開発をする。
宮下公園でも、これは有識者の意見聴取がされて、運用指針では想定されなかった事態が生じて、法解釈を駆使して言わば大企業がもうけの種にしていると。国交省もそうした事態認識されているはずですが、今度の提案では住民意見の反映というものが法制度としては取り込まれていないと。
都市公園を、その公共の場を大企業が大もうけする道具にしてはならないということを最後に強調しまして、時間が参りましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

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