山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2017年・第193通常国会

ODA特別委員会で質問。日本企業の利益獲得に留まらないODAのあり方をお聞きしました。

要約
  • 先日参加した東南アジアでのODA調査を受け、外務大臣に日本企業の利益獲得に留まらないODAの本来のあり方について質問しました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
私も、岩井委員を始め第三班のメンバーとして調査派遣をさせていただきました。感謝いたします。
既にされた質問とも少し角度としては重なるかもしれないんですが、外務省とそれから可能であればJICAの方にもお答えいただければと思っています。
私もカンボジアやまたミャンマーに伺って、円借款、貸付けの場合に、とりわけ日本が支援した案件については日本企業が落札できるのが望ましいんだと、こういうような意見を伺いまして、今日は四班の御報告の中にも中国のプレゼンスの大きさを感じたと、そうはならないようにというような趣旨の発言があったのを拝見したんですけれども、しかし、ODAというのは本来、援助国の経済成長のためのものではないだろうというふうにも思います。ODAの目的というのは、途上国が自立した発展を遂げられるように支援し、貧困と格差を解消していくと、こういう本来の目的があるだろうと思います。しかも、こういう中で日本が仮に案件を獲得して得られるのは日本企業の言わば短期的な利益が中心であって、本物の、本当の経済成長にもつながるものではないというようにも感じます。
また、実際には、日本企業が仮に落札をしたとしても、自前では全部を担えないという現実もあると伺ってきました。先ほどJICAの方から御説明のあったミャンマーのヤンゴンからマンダレーまで六百キロの鉄道の設備更新が計画されているという話も伺いましたが、もう六百キロに及ぶような鉄道の設備更新は日本では案件がないので、日本でやったとしても既にそういう生産ラインが追い付かないんだというような話も伺いました。
また、建設業について言えば、国内でも担い手不足が言われていて、災害復旧だとか、あるいは東京オリンピックに向けて、また老朽インフラの更新など需要も増えています。そうすると国外で指揮を執る人材についてもなかなか担い切れないところもあるんだろうと思います。
私は、こういう状況の下で、とにかく日本がたくさんの案件を取れるように、日本企業がもうかるようにすべきだと、こういう考え方には若干の疑問があります。ODAの本来の在り方に立ち返って、どのような支援が必要とされているのか、誰がどのように関わって実施をすべきなのか、支援に関わる複数の国で真摯に議論をすると、その上で必要な役割分担を行っていくというような、そういうやり方の旗振り役をむしろ日本が率先して担っていくべきなんじゃないかと感想を持ちました。
そういう意味で、例えばシンガポールと行っているようなJSPP21での取組などもそういうことに当たるのかもしれませんが、単に日本企業が獲得するということだけにはとどまらないODAの今後の在り方ということについて、お考えのことがありましたら是非伺いたいと思います。

○副大臣(薗浦健太郎君) 先生御指摘いただきましたように、ODA関係の案件の形成においては、我々からこれやりたいという話じゃなくて、まず相手国からこういうものがやりたいと、じゃ、こういう案件ということで、一緒に案件を形成していくということを我々は非常に重視をしております。
一方で、円借款の供与というのには、当然OECDのルールもありますし、DACのルールもあります。これを始めとするいろんな国際ルールにのっとって、これに加えて相手国の法令とか規制もありますから、こういうものを全部クリアしながら入札においては競争性とか透明性というものを確保した上でやっているということをまず御理解をいただきたいなと思います。
その上で、今先生がおっしゃったように、やはり途上国の方々の暮らしというのを中長期的に見て豊かにするという観点、そして我が国が途上国とともに成長していくということで双方に資するような案件というものが我々の目指すものであります。
こういう認識の下で、ODAを活用しながら、日本企業の技術やノウハウ、こうしたものも、やはり質の高いインフラというものを出していくことが相手国にも利益になるという認識の下で、途上国の様々な経済の発展とかを後押しする意味で、ODAの本来の趣旨に合致したものについて、そうした支援を行っているというふうに認識をしております。
いずれにしても、今後とも途上国のニーズと我々の持っている高いノウハウ、そして技術というもののマッチングを行って、途上国の開発に貢献はしながら、我が国の国益にも資するような支援をやっていきたいというふうに考えております。