山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2020年・第201通常国会

参議院予算委員会、TV中継で総理に質問。桜を見る会招待者名簿は『公開されたこともある』

要約
  • 初めてのTV中継対総理。予算委員会で桜を見る会について、総理に質問しました。 昨晩内閣官房から提出された資料に基づき、招待者名簿は『開示請求の対象にされたことがある』でしょうと追及しました。 政府は資料を開示し、事実を明らかにすべきです。引き続き追及していきます。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
私からも桜を見る会についてお聞きします。
総理は、今日の質疑の中でも、個別の招待者について、個人に関する情報だと言って答弁を拒んでいます。しかし、そもそも桜を見る会の名簿というのは個人情報で開示できないものなのかと。
資料の二枚目、パネルをお示しします。(資料提示)
昨日、政府が私の事務所に開示した資料です。昨年の一月二十五日付け、内閣府が各省に桜を見る会招待者の名簿提出を依頼した事務連絡の文書です。赤線を引いた部分を御覧ください。
「なお、当該名簿については行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき開示請求の対象とされたことがありますので、この点を念頭に置かれた上で推薦されますようお願いいたします。」。
総理、公開が前提じゃありませんか。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答え申し上げます。
今委員が配付をされましたこの推薦依頼の文書でございますが、この招待者名簿は本人にあらかじめ同意を得ているものではなく、外部に対し公表しない取扱いとなってございますが、その開示請求があった場合には、例えば公務員に関する氏名などにつきましては、これは不開示情報を除き開示の対象となる場合もございます。
御指摘の文言についてでございますが、そのことについて一つには各省庁に対し注意喚起を行ったものと承知をしております。
○山添拓君 総理、開示、公開が前提なんですよ。いかがですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 開示が前提ではございません。本人にあらかじめ同意を得ているのではなく、外部に対し公表しない取扱い、これが前提でございます。原則でございます。
○山添拓君 では、伺います。
開示請求の対象とされたことがあると書いてあります。あるんですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 具体的なその事例の有無については確認することができませんでした。
○山添拓君 開示請求の対象とされたことがあると書いてあるのに、ないとおっしゃるんですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 元々が、この推薦依頼に関する文書も一年未満ということで廃棄してございます。過去の確認を今のようなお求めに対してやろうと思いましても限界があることは御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 大塚大臣官房長。
○政府参考人(大塚幸寛君) 失礼いたしました。
確認の範囲をこの場で今正確にお答えすることは困難でございますが、この情報公開請求に関する文書ということでございますと、内閣府の文書管理規則の定めに従い、これは五年保存となってございますが、その所管課である人事課でも五年保存が前提でございまして、その遡った結果として、今お尋ねのような事例につきましてお示しすることができなかったということでございます。
○山添拓君 その説明には到底納得できません。
資料の三枚目を御覧ください。さらに、こんな資料もあります。
昨年一月三十一日付け、参議院の自民党が改選議員宛てに招待者の申込みを案内した文書です。こちらも赤線を引いた部分です。「なお、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づいて名簿全体を公開されることもあります。」。
総理、この文書は御存じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、私はこれは存じ上げておりません。
○山添拓君 内閣官房から総理の事務所や官邸、自民党に同様の文書を送っていたのではありませんか。
○政府参考人(大西証史君) 内閣総務官室から官邸の総理ほか、また与党の方に推薦のお願いを差し上げております。
そういう中で、これは先年も宮本先生から御下問がありましてお答えをしたところでございますけれども、御指摘のような書面につきましては、参議院の自由民主党の方で議員の、所属議員の先生方に流されたものと認識しておりますけれども、そういう依頼を差し上げる中で、内閣官房、済みません、事務的に伝えをさせていただいた内容であると担当者から聞いております。
その趣旨は、推薦者を御選考いただくに当たりまして、国民から疑惑を持たれるようなことがないよう十分考慮して御選考をお願いしたいという考え方からお伝えをしたものでございまして、個人名とか、そういう個人情報を開示する予定があると、そういうことを意図したものではないというふうに聞いているところでございます。
○山添拓君 何かいろいろおっしゃいますけど、名簿全体を公開されることもありますと書かれています。
内閣官房も、自民党にも総理事務所にも同じように伝えられていたんじゃないですか。
○政府参考人(大西証史君) 今書面は廃棄して残っておりませんけれども、その趣旨は、推薦者の選考につきまして、国民から疑惑を持たれないように十分考慮して選考をお願いしたいという考え方から伝えたものであると聞いております。
○山添拓君 確認ですが、その趣旨は官邸にも伝えられましたね。
○政府参考人(大西証史君) 官邸とおっしゃいますのは、総理、副総理、官房長官、副長官のところと思いますけれども、それぞれの先生方の事務所に推薦依頼をしておりますので、それは同様と考えております。
○山添拓君 つまり、伝えているんですよ。
安倍事務所の推薦分についても開示請求の対象となり得る、そのことが伝えられていた、その認識はおありですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、今、大西さんが答弁したのはそれではないと思いますよ。
言わば、言わばですね、趣旨にふさわしい方を募ってくださいという意味で書いているということでありまして、それは、大西さんがこの紙を出した主体ではもちろんなくて、参議院の、参議院の側に、参議院自民党、もちろん私も自民党総裁ですが、参議院自民党で出したものでありますから、参議院自民党にこの趣旨についてこれ聞かなければ分からないわけでありますが、そこから聞いてきたところによるとということで先ほど大西さんが答えたわけでありまして、ここに書いているように、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいて名簿全体を公開されることもありますということを内閣官房の方から参議院に伝えたということではないということだと思いますよ。(発言する者あり)
○政府参考人(大西証史君) 御説明申し上げます。
先生が御言及なされた中で、招待者名簿について、情報公開請求により公開されることはあり得るということにつきまして、ので、適正に、そういうことをお含みおきいただいて適切に選んでくださいということを申し上げておったようでございます。それは民主党政権のときに作られた御案内状らしきものが、と言われるものが追及本部の中でお示しをいただいて、そういう中で見せていただいたものでございます。
ただ、今は同じものというかそのようなものは見当たりませんので確たることは分かりませんけれども、担当者に確認をいたしましたら、そのような趣旨のことを窓口の方にはお伝えを、党の窓口の方々にはお伝えをしておったということでございまして、ただ、その趣旨は、国民から疑惑を招かれるようなことがないように適切に人選をしていただきたいという趣旨であったというふうに聞いているところでございます。
で、官邸の中の、今申し上げたのは与党への御案内の中にそう書いてあったということをせんだっての宮本先生のときには確認をいたしましたけれども、官邸のそれぞれの御事務所の方にどのように申し上げておったかは今確認をしているところでございます。
後ほど御報告をしたいと思います。
○山添拓君 昨年十一月二十日の衆議院の内閣委員会では、官邸に対しても同様の趣旨を伝えたと答弁されています。
○政府参考人(大西証史君) お時間いただいて申し訳ございません。
今確認をしてもらいましたところ、それぞれお伝えをしているところでございます。
○山添拓君 つまり、趣旨は伝わっているんですよ、総理。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、ですから、趣旨、趣旨については伝わったという話をいたしましたが、この言わば参議院が書いている、この行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいて名簿全体を公開されることもありますということでは来ていないということは申し上げたわけであります。
そもそも、この最初の連絡、事務連絡で書いてあることも、開示請求の対象とされることもありますと、こう書いてあるわけでありまして、対象とされることもありますということと、開示、名簿全体を公開されるということとはこれ請求の対象と、対象ですから、対象とされたということでありますから、そこは違うということだと思いますが、いずれにいたしましてもですね、いずれにいたしましても、言わばそういう方を選んでくださいということについては、それは当然来ているということは先ほども申し上げた、その趣旨については申し上げているとおりであります。
○山添拓君 ちょっとはっきり趣旨が分かりませんけれども。
情報公開法で開示の対象となる、請求の対象となり得る文書というのは、行政文書ファイルの管理簿に記載されているのが普通です、そうじゃないと国民が探せないですから。
公文書管理法上、管理簿に記載する文書の保存期間はどのような定めになっておりますか。
○政府参考人(渡邉清君) 公文書管理制度を担当する立場で御説明をさせていただきます。
行政文書ファイル管理簿につきましては、公文書管理法第七条で、公文書管理、行政文書ファイル管理簿への記載というものが義務付けられておりまして、その中にいつから保存を始めていつ保存が満了するか、何年間保存をするかと、そういうことが定める、記載をするというふうになってございます。(発言する者あり)あっ、期間の。期間につきましては、あっ、よろしいですか。
期間につきましては、基本的には原則として跡付け、検証が可能になるようなという目的で一年以上を原則とするということにしておりますが、中には一年未満のものも、昨日も答弁で大臣が答弁しておりましたけれども、七類型というのがございまして、一年以内、一年未満で廃棄するということも内容としては認められているところでございます。
○山添拓君 それは例外にすぎないんですね。
開示され得る文書というのは一年は保存しなければならないということだと。いかがですか、官房長官。
○政府参考人(渡邉清君) 恐らく、私、直接情報公開法の担当をしておりませんけれども、行政文書、現有文書という考え方で、既に持っているものについて請求がなされた場合はこれを廃棄するのを延長するというような形になるのではないかと思います。
○山添拓君 つまり、開示請求に基づいて開示をし得るという文書については、一年以上保存するのが原則だということになっているわけです。
そこで、先ほどの問いに戻りますけれども、桜を見る会の招待名簿について、開示したことがありますでしょう。確認できましたか。もう一度答弁いただきたい。
○政府参考人(大塚幸寛君) 元々、先ほどの文書も開示請求の対象となり得るということでございまして、実際にその受けたことがあるかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、今の、私ども、その文書管理規則の定めでこの開示請求文書は五年保存となってございまして、その五年保存の範囲におきましては、そうした事例はございません。
○山添拓君 私の手元には、二〇〇三年に氏名など特定の個人を識別することができるものを除いて一部を開示した例があるというものがあります。いかがですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。
先ほど申しましたとおり、私どものその開示請求対象の文書の保存期間は五年でございますので、あくまでもこの保存期間の範囲内で今確認できる範囲で確認した結果として、そういったものはなかったというお答えが全てでございます。
○山添拓君 今の説明では到底納得できないので、改めて確認をいただきたいと思います。理事会で協議を願います。
○委員長(金子原二郎君) じゃ、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○山添拓君 政府は、招待名簿はルールに基づいて廃棄済みだと、これを繰り返しております。しかし、その説明自体が極めて不当だと思います。
パネルをお示しします。
桜を見る会招待者名簿の保存期間の定めが二〇一八年四月一日の前後でどう変わったのか、官房長官、御説明ください。
○政府参考人(大塚幸寛君) その三十年、二〇一八年の四月一日でどう変わったかというお尋ねだと理解してございますが、まさしくこの文書の保存期間、公文書管理法や政府全体のガイドラインに基づきまして、それぞれ各省庁において保存期間が設定されると定められております。
で、この保存期間、まさしくその二十九年のガイドライン改正によりまして一年未満というその保存期間の規定が追加をされ、これを受けて、内閣府におきましては、この招待者名簿につきまして、大量の個人情報を含む文書の管理が負担となるといったような御事情もありますし、また会の終了をもって使用目的等を終えるということもございまして、この三十年から一年未満の保存期間としたものでございます。
このように、あくまでも政府全体のルールの改正を受けて新たなルールにのっとって保存期間を設定し、適切な時期に廃棄等の手続を行っているものでございます。
○山添拓君 御覧いただければ分かりますように、わざわざ「平成○年桜を見る会」と明記して一年未満に変えたわけです。
では、伺いますけど、ガイドラインの改定というのはそもそもなぜ行われたんですか。
○政府参考人(渡邉清君) 平成二十九年にガイドラインの改正を政府全体、政府を挙げてしておりますが、背景といたしましては、公文書法に関する不適切な取扱いの事案があったということを踏まえて、政府全体の閣僚会議などで検討した結果でガイドライン改正に至ったものと承知をしております。
○山添拓君 総理に伺います。
森友問題、当時の佐川理財局長は国会で、近畿財務局と森友学園の交渉記録はない、保存期間一年未満なので事案終了で廃棄したと説明していました。その反省から、一年未満文書というのをなるべく少なくするためにガイドライン改定したんじゃなかったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に事務方から答弁させていただいているとおりでございますが、政府全体のガイドラインでは、保存期間表において保存期間を一年未満と設定することが適当なものとして業務単位で具体的に定められた文書等が保存期間一年未満に該当するものとして掲げられたわけであります。
この規定に基づいて、桜を見る会の招待名簿は、会合の終了をもって使用目的を終えるほか、大量の個人情報を含む文書の管理が負担となるなどの理由で、平成三十年から一年未満の保存期間とされたということでございます。
○山添拓君 総理も二〇一八年の桜を見る会ではおっしゃっているんですね。うみを出し切るためなんですよ。うみを出し切るとおっしゃっている。そのためにガイドラインまであえて改定したわけです。にもかかわらず、その改定を受けて、なぜあえて桜の名簿は一年保存を一年未満に短くしてしまったのですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) まさしく、その二十九年のガイドライン改正によりまして、逆に一年未満文書とするきちんとした考え方が言わば類型化として示されたというふうに理解をしてございます。
その類型に当てはめたときに、これまでも御説明しております、私どものやはりその桜を見る会の名簿、非常に大量な個人情報が保有され、やはりその保有し続けることで様々なリスクにさらされます。一方で、その使用目的を終えればまた逆にその保存する意味もなくなるということでございますので、そうしたことを勘案いたしまして、ガイドラインの改正も踏まえ、一年未満文書として、あくまでもルールにのっとって位置付けたということでございます。
○山添拓君 規制改革担当大臣に伺います。
ガイドラインでは、一年以上の保存期間を定めるべき文書をどのように定めていますか。
○国務大臣(北村誠吾君) お答えします。
行政文書ファイル管理簿は適正な文書管理を実現するための重要なツールでありますけれども、その一方で、行政機関においては日々の業務を遂行する中で多種多様の大量の行政文書を作成いたしております。このため、行政文書管理法の目的である行政の適正かつ効率的な運営という理念を踏まえ、行政機関の事務負担の観点から、歴史的に重要な文書に該当せず、かつ意思決定過程等の合理的な跡付けあるいは検証に不要な保存期間一年未満の行政文書については行政文書ファイル管理簿への登録を不要としているところであります。
以上です。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 北村担当大臣。
○国務大臣(北村誠吾君) お答えいたします。
行政文書の管理に関するガイドラインにおきましては、事務事業の実績の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書に該当すれば、原則一年以上の保存期間となされております。
桜を見る会につきましては、例えば予定どおりの運営を行うことができたかを示す当日の運営等に関する資料、あるいはどういった性格の方々がどの程度の人数参加したかを示す内訳表などが該当する一方、単に招待者の氏名を列挙した招待者名簿については該当しないと考えられます。こうしたことも踏まえ、招待者名簿は一年未満の保存期間を設定しております。
以上です。
○山添拓君 意思決定過程や合理的な跡付けに、検証の必要となる行政文書は一年以上だと。
そうであれば、総理、少なくとも、昨年の春、桜を見る会について疑念を持たれた時点で、名簿についても一年保存に戻すとか、保存期間を延長するとか、当然必要だったんじゃないですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 北村大臣の御答弁を補足させていただきますが、この合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書、こちらは、桜を見る会に関しましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げました、予定どおりの運営を行うことができたかを示す当日の運営等に関する資料ですとか、それから、どういった性格の方々がどの程度の人数参加したかを示す内訳表、これはまさしく私どもも行政文書に該当すると考えてございますが、一方で、単にその招待者の氏名を列挙したこの招待者名簿、こちらにつきましては、跡付けや検証に必要となる行政文書には該当しないと考えているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 大塚官房長。
○政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しの部分がございますが、あくまでもその実績の合理的な跡付け、検証に必要となる行政文書等は、これはまさしくその原則として一年以上の保存期間ということでございますが、要は何がこの該当する行政文書に当たるかということに関しまして、先ほど申し上げたとおり、桜を見る会の文書でも当然これに該当するものがあるというふうに我々も考えてございますが、事名簿に関しましては、単にその列挙したものでございますので、該当しないと考えているところでございます。あくまでも一年未満という整理にさせていただいたところでございます。
○山添拓君 予算を超える執行が問題になり、そのことを国会で検証することが必要だったんですよ。ですから、このときに少なくとも一年保存にし、延長するということが当然必要だったと思うんですね。
大体、内閣府は元々保存一年にしていたんですよ。以前は必要もないのに一年持っていたとおっしゃるんですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答え申し上げます。
かつては、そのガイドライン等におきましても、その一年未満の文書が一体どういうものを一年未満として位置付けるのか、こちらの概念が今の現行ほどそれははっきりしていなかったというふうに記憶をしてございます。それが、この二十九年の改正によりまして、その一年未満というのはこういう類型でこういう文書を基本的に一年未満と位置付けるのだということが明確になりました。
そこで、私どもは、その明確になったガイドラインの規定を一方に見ながら、一方で、この招待者名簿の性格、位置付け、繰り返し申し上げておりますが、やはり大量の個人文書から成っていること、そして使用目的を終えれば、その本来の、会の終了をもってその使用目的を終えるということから、私どもあくまでも一年未満文書として位置付けたものでございます。
○山添拓君 談笑しておられますけど、麻生政権の時代には三年だったんですよね。ですから、一年未満に変えるというのは、これガイドラインの悪用としか言えないと思います。
官房長官、伺いますけれども、東日本大震災追悼式の招待者名簿は今何年分保存されておりますか。
○国務大臣(菅義偉君) 東日本大震災の対応については、国家、社会として記録を共有するべき歴史的な重要政策事項であることから、ガイドラインにおいて、関連文書を原則として国立公文書館に移管することとされております。
このため、東日本大震災追悼式の参加者名簿については、保存期間を一年と設定し、保存期間満了後に国立公文書館に移管することとしております。(発言する者あり)あっ、今までですか。今、私申した、保存期間一年として、保存期間満了後は国立公文書館に移管しているということです。(発言する者あり)
ちょっとよろしいですか。
○委員長(金子原二郎君) はい、どうぞ。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけど、保存期間を一年として保存期間満了後は国立公文書館に移管しておりますので、そこで確認しなきゃ分からないというふうに思っています。それはそうです。
○山添拓君 内閣府に何年分あるかと伺っているんです。
○政府参考人(大塚幸寛君) 申し訳ございません。遅くなりました。
今、内閣府には四回目以降で八回目までの四、五、六、七、八、五か年分、五回分が内閣府においてまだ保存をされているということでございます。
○山添拓君 保存期間が一年なのに、現在も一年以上にわたって保存されているものがあります。同じ内閣府の所管です。三月開催と四月開催、近接する時期です。なぜ片や保存期間を超えて保存され、片や全部廃棄済みなんでしょうか。(発言する者あり)やじはやめてください。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答え申し上げます。
先ほど官房長官からも答弁申し上げました。元々そのガイドラインによる位置付けが異なっているということが最も大きな理由でございます。
東日本大震災の方は、そもそも、その東日本大震災関連の資料そのものがこの政策単位での保存期間満了時の措置として、国家、社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項であってということで、必ずこれは原則として移管をするということになってございまして、その中に災害及び事故事件への対処ということで、例えば阪神・淡路大震災あるいはオウム真理教対策等とともに、この東日本大震災関連ということが明確に位置付けられ、その上で、この名簿につきましても保存期間は一年、ただ、それで期間満了後は国立公文書館に移管というルールになっているところでございます。その点、桜を見る会とはガイドラインにおける位置付けが基本的に異なるということでございます。
○山添拓君 先ほど申し上げたように、ガイドラインにおける位置付けはあえて変えたんですよね。そして、必要なものは残しておくのが当然です。
この東日本大震災追悼式の資料については面白い事実も出てきております。資料を御覧ください。
しんぶん赤旗日曜版の情報開示請求で出てきたものです。二〇一二年、一周年のときの受付票、印刷・ナンバリング内訳です。これを見ますと、受付区分十は国会議員、二十は大臣や最高裁長官、三十は遺族代表。これ、桜を見る会の受付票とそっくりですね。この区分番号、八年間同じですか。
○政府参考人(大塚幸寛君) 突然のお尋ねでございまして、その今過去の資料を持ち合わせてございません。お答えができない状況でございます。
○山添拓君 これ、八年分全部同じなんですよ、改めて調べていただきたいと思いますけれども。なぜ同じなのかと。赤旗日曜版の取材には、前例を踏襲するのが通例だと回答されているそうです。それが普通だと思うんですね。
ですから、桜を見る会でも、受付番号六十、先ほどのジャパンライフの元会長に送られたという招待状に記載された番号、これ確認できる資料があるだろうと思うんです。廃棄済みではないと思います。
ですから、是非、これ事務的に必要な資料すらないというのはおかしいと思うんですよ。総理の責任で改めて調べていただきたいんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、また事務方からも答弁をさせていただいているわけでございますので、五年経過しているということでですね、これをまた調べるのは困難ではないかと、このように考えております。
○山添拓君 ないと言い、調べるつもりもないとおっしゃいます。
桜を見る会の招待名簿は全く存在しないわけではありません。私ここに持ってきましたけれども、二〇一九年の三千九百五十四人分の名簿があります。
官房長官、この名簿はなぜ存在しているんですか。
○国務大臣(菅義偉君) それは、各省が推薦した名簿だからじゃないでしょうか。
○山添拓君 名簿を取りまとめた内閣府はシュレッダーに掛けてデータを廃棄したと言うんですが、推薦元の各省には残っているんですね。御覧ください。残っていなかったのは、保存期間を一年未満としていた内閣府と内閣官房の一部の部署だけであります。
官房長官、改めて伺いますが、推薦者名簿が廃棄済みだったのはどこですか。
○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
桜を見る会につきまして、内閣官房のうち、先生の御下問は内閣官房のうちということだと思いますけれども、桜を見る会に関する名簿の保存期間一年未満としており、廃棄済みで資料要求に対応できなかったのはどこかという御趣旨だと思いますけれども、内閣官房及び内閣府におきまして保存期間一年未満と設定いたしまして、昨年十一月に国会のお求めに対しまして推薦者名簿を提出いたさなかった部局は、内閣官房内閣総務官室及び内閣官房内閣広報室と認識しております。
○山添拓君 内閣広報室というのはマスコミ関係者を推薦します。ここは内閣記者会の会員名簿があるので、余り毎年確認する必要はなかったということです。
総理を始め政治家枠の推薦者名簿を取りまとめていたのは、この内閣総務官室ですね。
○政府参考人(大西証史君) 御指摘のとおりでございますが。
○山添拓君 総務官室というのはどういう機関なんですか。
○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
内閣官房の一組織でございまして、主に内閣の庶務を取り扱う組織でございます。
○山添拓君 総理大臣や官房長官を直接補佐する機関でよろしいですね。
○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
庶務を中心としまして、例えば閣議の諸準備でございますとか、宮内庁関係ですとか、そういうものを中心としまして庶務を中心に担当するところでございます。
○山添拓君 官邸直結の政治家枠を扱うここだけ残っていないというのは異常じゃないでしょうか、官房長官。
○国務大臣(菅義偉君) まず、この行政文書の保存期間は、公文書管理法や政府全体のガイドラインに基づいて各省庁において保存期間を設定するように定められております。
この保存期間については、平成二十九年のガイドライン改正によって一年未満の保存期間の規定が追加され、これを受けて内閣府において招待者名簿については、大量の個人情報を含む文書の管理が負担となるなどの理由で平成三十年から一年未満の保存期間とされております。
あくまでルールに基づいて保存期間を設定し、内閣府の判断で適切な時期に廃棄した、こういうふうに思います。
○山添拓君 お答えになっていないと思いますけれども、ここだけ残っていないというのはどう考えても不可思議なんですね。しかし、説明できるとすれば、総理の地元の安倍晋三事務所に残っているからだろうと思います。
総理、お答えください。何年に誰を推薦したのか、その名簿がありますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の事務所にはもうそれは残っていないということでございます。
○山添拓君 では、桜を見る会、後援会ツアーの案内文書をどんなリストに基づいて発送されたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、どんなリストということで今お尋ねでございましたが、これは、内閣府からのこの依頼がありまして、幅広く推薦をさせて、趣旨に合うような形で幅広く推薦をさせていただいたということでございます。
○山添拓君 前の年と重複しないようにとか、こういう注意をされていたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全く重複しなかったということにはなっていなかったというふうに聞いておりますが、なるべく重複しないようにですね、それぞれの府省、あるいは推薦する方々にお願いをしていたと聞いております。
○山添拓君 重複しないようにするにはリストがなければできないんですね。むしろ、官房長官は、過去に招待した方をお呼びしないのは難しいという場合もあったのではないかと会見で述べておられます。重複があるから膨れ上がったんだと思います。
何らかのリストがあるはずです。後援会の名簿で、桜を見る会にお誘いしたかどうかチェックしていないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後援会の方々、関係者であれば、事務所の職員は大体名前を、名前と顔が一致をしておりますので、その中でそれぞれ名前を挙げたということでございますし、それぞれまた、地域の方々に推薦をお願いする中において、それぞれの地域の方々にも重複しないようにということでお願いをしていたということでございます。
○山添拓君 とにかく広く募って、何らのチェックもなく集めていたと、こういうことなんですね、結局。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ、趣旨に合うような形で募っていたということです。
○山添拓君 総理は昨日、蓮舫議員に対し、後援会の誰かの推薦があればふさわしいだろうという認識だとお答えでした。要するにノーチェックです。
安倍事務所から推薦されながら、結果として招待されなかった例もあると、総理、答弁されています。これ何人ぐらいですか。どんな方だったんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう、人数等についてはこれは内閣府の職員に確認をしたところでございますが、これは、人数等については明らかではないということでございます。
○山添拓君 事務所に記録はないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 招待されなかった人物ということでの記録はございません。
○山添拓君 記録がなくても、事務所のスタッフには御記憶はあるんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 誰が招待されなかったかということについての記憶は、記憶について確かめたことはございませんが、誰が招待されなかったかということについて言わば、についても、それは定かではないということでございます。
○山添拓君 安倍事務所で推薦をしたのにはねられたとなったら大事件だと思うんですね。これは強く印象に残ると思うんですよ。
確認をしていただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについてはですね、この七年間のことでございますので、確認するのは難しいと思います。
○山添拓君 昨年のことだけでも結構ですよ。事務所のスタッフに確認してくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 誰が出席したかというリストそのものが残っておりませんので、確認のしようがないということでございます。
○山添拓君 いや、ですから、記録がなくても記憶はあるでしょうと。内閣府の皆さんはいつもそうやって記憶をたどって確認されるじゃないですか。それすら拒否されるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはですね、なかなかこれは難しいということでございます。
○山添拓君 総理、これでは国民は到底納得できないですよ。七割、八割の人が総理の説明には納得できないと言っています。なぜこんなにも隠すんですか。これ元々、隠す必要のあるような行事じゃありませんよ。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○山添拓君 それをこんなに隠すのは、やましい実態があるからだとしか考えられません。うそとごまかしの数々を認めて、国民と国会に事実を明らかにすることを強く求めまして、私の質問を終わります。
20200131パネル②推薦依頼文書 (1)

20200131パネル④保存期間表新旧 (1)

20200131パネル⑤行政文書の管理に関するガイドライン (1)

20200131パネル⑥追悼式典new (3)

20200131パネルパネル➀ (1)

20200131パネル⑦府省保存記録等

20200131パネルパネル③

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