山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2021年・第204通常国会

汚染水海洋放出問題について質問しました

要約
  • 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水海洋放出について質問。トリチウムがゆるキャラのように登場する復興庁の広報は、トリチウムが安全かのように意図的に誤解させるもの。復興のために努力を重ねてきた関係者のみなさんはどんな思いでご覧になるのか。広報予算が倍増していること、この広報が電通に発注されたことも明らかに。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今日既に議論がされておりますけれども、政府は昨日、福島第一原発における汚染水、ALPS処理水の海洋放出を決めました。政府や東電は二〇一五年、関係者の理解なしに汚染水のいかなる処分も行わない、文書でこう回答しておりました。
 東京電力に伺います。関係者の理解は得られたんでしょうか。
○参考人(文挾誠一君) 昨日、国から方針が出されております。我々はこの方針に基づきましてしっかり取り組んでまいり、これから関係者の理解を取り付けていきたいというふうに思います。
 以上でございます。
○山添拓君 いや、これからとおっしゃったと、つまり理解は得られていないということをお認めになったわけですけれども、それは約束をほごにするということですよ。
 全漁連、全国漁業協同組合連合会の岸会長は抗議声明を発表し、到底容認できるものではない、福島県のみならず全国の漁業者の思いを踏みにじる行為だと批判し、今後とも海洋放出反対の立場はいささかも変わるものではない、こう強調しています。
 副大臣と東電に伺います。この声をどう受け止めておられますか。
○副大臣(江島潔君) 御指摘のように、漁業関係者を始めとしてこの海洋放出に懸念を持つ方がいらっしゃるというのも強く認識をしております。
 先般、総理と梶山大臣が全漁連の幹部の皆様と一緒に面談した際にも、これ、岸会長の方から反対であるという立場は変わらないとの発言がありました。その上で、安全性についてのこの科学的根拠に基づく情報発信や徹底的な風評対策を行うことが強く求められているという要望もいただいております。
 このような御懸念に応えるために、政府としては、この三本柱ともいうべき、この風評対策の徹底した広報活動、それから風評被害を起こさないためのこの販路開拓等の支援制度、そして、それでもなお風評対策が、風評が起きた場合にはこの丁寧な補償を行っていくということを、今、この三つの柱として今掲げて取り組もうとしているところであります。
○参考人(文挾誠一君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、全漁連あるいは県漁連を始め多くの漁業関係者様の方から反対の御意見というのは承知してございます。
 済みません、繰り返しになりますが、当社は福島第一原子力発電所の事故の当事者であります。ですので、今後、国の基本方針を踏まえた対応を徹底してまいりまして、風評被害を最大限抑制するための対応と、行うということで、漁業者を始め関係する皆様からの御意見を得られるように今後も努力し続けるというふうにしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○山添拓君 今いろいろおっしゃったんですけれども、政府の基本方針を受けてのこの声なんですよね。世論調査で七割を超える方が反対を表明しています。農協、漁協、森林組合、昨年政府が行ったヒアリングでも反対と明言されていたはずです。中国や韓国、ロシアの外務省も重大な懸念を表明しました。国内外で反対や異論、懸念、これだけ表明されております。約束をほごにしての海洋放出は、これ絶対に許されません。
 トリチウムの濃度を一リットル当たり千五百ベクレル未満とする方針とされました。これは国の基準の四十分の一だと、WHOの飲料水水質ガイドラインの七分の一だと、これも基本方針に記されています。しかし、飲料水の基準で比較するのであれば、アメリカは七百四十ベクレルですから、その倍です。EUは百ベクレルですから、その十五倍ということになります。日本にはそもそも飲料水についての基準がありません。
 経産省に伺いますが、トリチウムの健康リスク、これは国際的には定説がないというのが実際のところではないんですか。
○政府参考人(新川達也君) まず、放射性物質の健康被害につきましては、ICRPが定めております年間一ミリシーベルトというところを基準にした策定、基準が各国で定められているというふうに理解をしております。
 それを日本におきましては、告示濃度基準としまして原子力規制委員会の定めているところと承知をしておりますけれども、それは六万ベクレル・パー・リットルであるというふうに承知をしております。
○山添拓君 健康リスクについては国際的に定説がないと、だからこそばらばらの基準になっているんではないかと伺っているんですが。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 告示濃度基準というのは、人の健康に影響を与えるか否かということについて年間一ミリシーベルトを基に算定されたものであると承知をしております。
○山添拓君 自らお示しになっているWHOの基準との関係でも今は答弁されませんでした。WHO等の七分の一だからいいと書かれているわけですけれども、そういうものでは全くないということを指摘させていただきたいと思うんです。
 資料の四ページを御覧ください。経産省の昨日のプレス発表です。ALPS処理水の定義を変更するとされています。
 伺いますけれども、トリチウム以外は除去できている、だから処理水だと、そういうこれまでの説明は間違いだったということですね。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 ALPS処理水の処分の基本方針を昨日決定しておりますけれども、風評被害を防止するためには、どのような水を海洋に放出するのかということにつきましてしっかりと国民の理解を得る必要があると思っております。
 汚染水を海洋放出するのだというようなことをおっしゃる方もいらっしゃると承知をしておりますけれども、どのような水を出すのかということについてしっかりと定義をする必要があるというふうに考えまして、ALPS処理水の定義について明確化させていただいたというものでございます。
 現在、福島第一原子力発電所のタンクにためている水の約七割には、トリチウム以外の規制基準、トリチウム以外にも規制基準以外の、規制基準値以上の放射性物質が残っている状態にあると承知をしております。これは、事故発生からしばらくの間、ALPSによる浄化処理では、貯蔵されている汚染水が敷地外に与える放射線影響を急いで下げる目的で処理の量を優先して実施したこと等によるものでございます。現在、タンクにためております水につきましては、必要に応じて再浄化を行い、処分前にトリチウム以外の放射性物質を規制基準を満たすまで取り除くこととしております。これまでに実施した再浄化の結果、基準値を上回る放射性物質を含む水は全て規制を下回る水準まで浄化をすることができております。
 加えて、今回決定した政府方針に従ってALPS処理水を海洋放出した場合、一年間に受ける放射線影響を試算すると、日本で自然界から受ける放射線の影響の約十万分の一であるという状態でございます。
 実際の放出に当たっては、当然のことながら、規制の、原子力規制委員会による規制がなされますし、IAEAや地元自治体など第三者の目による監視を入れつつ、万全のモニタリング体制を整備して、周辺環境の安全性がこれまでと変わらないことを確認してまいる所存でございます。
○山添拓君 七割、タンクに貯蔵されている七割がトリチウム以外で規制基準以上だと、そのことが正確に説明されたのは二〇一八年ですよね。トリチウム以外は除去できているといって誤解させてきたのは政府と東電の側だと言わなければなりません。タンクに残留しているトリチウム以外の核種の総量、これも把握できておりません。二次処理をしても、トリチウム以外を除去できるという保証がありません。
 規制委員長に伺いますが、汚染水処理の主要な設備である既設のALPS、本格運転前の使用前検査すらまだ終わっていないんではありませんか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 確かに、東京電力福島第一原子力発電所でその汚染水をいかに処理、浄化をして貯留するかというのは非常に急がれました。そういった意味で、使用前検査等々の手続というのは飛ばしている部分があると思います。
○山添拓君 二〇一三年の運転開始から八年以上、言わば試験運転のままの状態が続いているということです。ですから、処理水だといって、ならば安全かのような話がありますけれども、処理をする条件すら整っていないのが現状です。
 そういう中で、資料の五ページ、六ページを御覧ください。
 昨夜、復興庁のホームページを見て驚きました。トリチウムがゆるキャラのように登場しております。これは親しみやすさのためだと、そういう担当者の発言も報道されておりました。しかし、事故原発から放出されるトリチウムは親しむべき存在ではありません。六ページを見ますと、世界でも流しているといって、ほかの原発の排水と同じであるかのように強調までしているんですね。
 復興庁に伺いますが、この広報、どこに幾らで発注したものですか。
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
 御指摘のALPS処理水について知ってほしい三つのことの動画とチラシは、令和二年度放射線等に関する情報発信事業により作成してございます。
 本事業は、風評の払拭に向け、ラジオ、インターネット等、多くの媒体を活用し、情報発信を行う事業でありまして、内容は、ALPS処理水に限らず、放射線に関する正しい知識や福島の現状等について広く情報発信していくことを目的にしてございます。
 御質問いただきました点、当該事業全体額、すなわち事業者の契約金額は三億七百万円でございますが、お尋ねのありました動画及びチラシ作成に掛かった金額につきましては、不開示情報のため詳細な金額は申し上げられませんが、今申し上げた金額の内数として大体数百万円程度でございます。(発言する者あり)これは電通でございます。
○山添拓君 電通に発注されていたと。
 この広報予算というのは、昨年度は四・七億円でしたが、九・七億円に今年度増額を、倍増されております。海洋放出を前提として、更にこうした広報をしていくということなんでしょうか。
 土地や水や生産物や、その汚染状況を調べて、事業の再建や復興に努力が重ねられてきました。そういう方々がこのトリチウムをゆるキャラ化した広報を見て、これはどんな思いで御覧になるだろうかと私は思います。これこそ、トリチウムは安全だと言って、意図的に誤解を広げるものなんじゃありませんか。
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
 放射線というテーマは専門性が高く分かりづらいことから、できるだけ多くの幅広い国民の皆様に関心を持ってもらい、科学的根拠に基づく正しい情報を知ってもらうため、イラストなどを用いながら分かりやすく解説していくことは大変重要でございます。
 御指摘のキャラクターについては、いわゆるゆるキャラということではなく、科学的根拠に基づく正しい情報を分かりやすく解説するためのイラストの一部と考えております。三重水素であることや水と一体であることなど、トリチウムの性質を理解していただきやすいよう、イラストで表現したものとなってございます。
 ただ、いずれにしましても、御指摘の点も含めまして、様々な国民の皆様方、市町村の声や感想などを参考にしながら、より良い内容になるように適切に見直しを進めていくことは大変重要だと考えてございまして、今後、検討を重ね、リスクコミュニケーションを適切に行ってまいりたいと考えております。
○山添拓君 これ、正しい内容でもないと思うんですね。
 先ほど更田委員長が、福島原発の水とほかの原発の水とは違うのだと、炉心損傷を経ている、検出限界以下だとしても、他の核種についても含んでいるので違うということをこの場でもお話しになった。ところが、ここでは、世界でも既に海に流しています、こういう表現の仕方をされている。正確にとおっしゃるのであれば、その辺りも含めて見直すべきだと指摘をしておきたいと思います。
 今後、東電は海洋放出を行う前に規制委員会の認可を得る必要があるとされています。更田委員長に伺いますが、いかなる申請と認可が行われることになるんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。
 まず、貯留されている限りにおいて、その濃度に対しては規制があるわけではありませんので、今度は、その貯留されているものを二次処理なりなんなりの処理を加えてどれだけトリチウム以外の核種を下げることができるか、そして、今度は希釈のプロセスですね、希釈のプロセスが適切になされるかどうか、そしてどのような濃度でどのような希釈率で放出される仕組みになるのかというのを審査していくことになります。
 東京電力はおおよそ三か月でこの申請をすると言われていますけれども、技術的に極めて難しい審査というわけではないというふうに見ておりますけれども、申請がありましたらしっかりとその内容を確認していきたいと思いますし、また申請前であっても、枢要となるポイントについては東京電力との協議を公開の場で行いたいというふうに考えております。
○山添拓君 原子炉等規制法六十四条の三第二項、実施計画を変更していくと、そういう認可に、申請、認可になっていくかと思いますが、ここでは、特定核燃料物質の防護のための措置を実施するための計画、こういう計画を変えていくことになるのだろうと思います。
 しかし、この核物質防護という点について言えば、柏崎刈羽原発をめぐって重大な問題が発覚しています。更田委員長は、本日のこの調査会の場でも、先ほど青木委員の質問に対して、東京電力の核セキュリティー文化、あるいは組織的な背景の支障、さらには安全文化の劣化などが問われていると発言されておりました。また、菅総理は、原発を扱う資格に疑念を持たれてもやむを得ないと、東電に対してそういうふうに評価をしています。
 原発を扱う資格を問われる東電が、事故原発の汚染水については正しく処理できるというふうにはとても考えられないと思うんですね。少なくとも、海洋放出のための認可を審査する、その前提を欠く状況なんではないでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 東京電力には、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉をしっかりやり遂げてもらう責任があると思っています。これの主体として東京電力がどうであるか、東京電力に代わる主体というのはなかなか考えにくい中でこれを進めてもらうためには、確かに委員御指摘のように、その技術的な能力や認識の正しさが問われている主体ですので、監視の目というのは通常以上に、特段にその監視を強める必要があるだろうというふうに思ってはいます。
○山添拓君 いや、特段に監視を強めるというだけではなく、そもそもその前提を欠くのではないかと、欠く状況にあるのではないかと。
 先ほど更田委員長は、福島第一と柏崎刈羽は切り離されることのないようにとおっしゃっていました。関係するわけですよ、同じ原子力事業者として。そういうところにこのまま申請をさせ、認可するというプロセスをそのまま予定どおりやるということでよいのかということを私は伺っているんです。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 委員のお持ちになっている疑問は、規制委員会も疑問に思うところです。正直に申し上げると、共有しているところです。
 で、切り離されてならないというのは、東京電力が福島第一原子力発電所の廃炉をトカゲの尻尾切りのように切り離して、柏崎刈羽の再稼働に邁進してしまうことを恐れたものではあります。
 一方で、柏崎刈羽で深刻かつ重要な案件を東京電力が今起こしているのは事実です。ただ、やはり廃炉をここで暗礁に乗り上げさせる、止めてしまうわけにはいかない、東京電力以外に福島第一原子力発電所の廃炉を進めていく組織というのはなかなか見付かるものではない、東京電力にしっかりやってもらう以外の選択肢がないからこそ、厳しい目できっちり監視をした上で東京電力にやり遂げてもらう以外にないというふうに規制委員会としては考えております。
○山添拓君 私は、東京電力がやること自体は当然求められることではあろうと思います。しかし、そのときに、では、海洋放出という様々な影響をもたらすことをそのまま進めさせるのかということです。
 更田委員長はこれまで、海洋放出が最も現実的手段だと述べてきました。しかし、今後は東電の申請を中立的な立場で審査することが求められます。政府方針だからといって海洋放出ありきで審査を進めることはないと、このことは今お約束いただけますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、東京電力からの申請が規制に反するものであれば当然認可することはできませんし、さらに、政府方針にのっとったものでなければこれも認可することはないというふうに御理解いただいていいと思います。
○山添拓君 中立的な立場は当然求められると思います。
 資料もお配りしております。二ページ、三ページにありますが、原子力市民委員会の声明は、現実的に実行可能な代替案も提言しています。トリチウムは半減期が約十二年です。ですから、保管を続けること自体に意味があります。堅牢な大型タンクによる保管の継続やモルタル固化処分も提案されています。海洋放出を決めても、三十年から四十年掛けるとされています。
 ならば、海洋放出ありきではなく、ほかの方法を引き続き検討するべきではないかと考えますが、経産省、いかがですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 ALPS小委員会では、長期保管の継続や技術的に可能性がある五つの処分方法について、技術、制度等の観点で評価をいただいております。
 まず、長期保管の継続に関しましては、廃炉を安全かつ着実に進めていくためには、今後、燃料デブリ等の一時保管施設や、廃炉作業に伴い発生する廃棄物の保管施設を設置するためのスペースが必要である。こうした中で、タンクの敷地を大きく占有している状況を踏まえれば、廃炉作業に影響を与えない形で長期保管用のタンクを更に増設する余地は極めて限定的と考えております。
 また、五つの処分方法についての評価の結果としまして、地層注入や水素放出や地下埋設については、更なる技術開発や新たな規制の在り方の検討が必要となる可能性がある、こうした対応には時間を要するとの指摘がなされております。このため、規制面や技術面、時間制約の観点で、国内外で実績のあります水蒸気放出及び海洋放出が現実的であり、この中でも、国内で実績があることに加え、放出設備の取扱いやモニタリングが比較的容易であるといった観点から、海洋放出がより確実に実施可能とされております。
 このような専門家の評価も勘案した上で、最終的に処分方法として海洋放出を選択したものでございます。
○山添拓君 もう検討しないということなんですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 本日の午前中の討議でも官房長官からお答えがありましたように、これから長期の放出という行為でございますので、その間に何らか技術進歩等ございますれば、当然考えて、検討していくべきものというふうに理解をしております。
○山添拓君 重要なことは汚染水そのものの発生を止めることだと、海洋放出には反対だという意見が自民党の議員からも出されております。海洋放出の方針は撤回するよう改めて求めます。
 柏崎刈羽原発をめぐっては、規制委員会が東電に対して是正措置命令を行い、事実上の運転禁止命令を発しました。東電が弁明しませんでしたので、今日それが確定をいたしました。
 私は、東電の責任もちろん重大だと思いますが、規制委員会が十分役割を果たしてきたかどうかも問われると思うんです。テロ対策の侵入検知装置が故障し、十分な代替措置が講じられていなかったために、昨年三月以降、複数箇所で不正な侵入を検知できなかったとされています。遡って、二〇一八年一月から昨年三月までの間にも機能喪失が複数発生し、復旧に長期間要していたとされています。
 一方、規制庁は、従来、検査官による核物質防護検査を定期的に行ってきていました。資料の最後のページ、表にまとめました。機能喪失が確認されている二〇一八年と一九年も、検査結果は柏崎については特に問題なかったというものです。
 更田委員長、規制庁は三年以上見逃してきたということになるんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは旧検査制度でも新しい検査制度でも同じことですけれども、この核物質防護設備の定期的な管理や保守点検について、原子力規制庁の検査というのは全数の検査を確認をしているわけではありません。むしろ、その仕組みであるとか管理体制についてチーム検査が行っているところであります。したがって、個々の機器の検査について規制庁が検知していないものはあったんであろうというふうに思います。
 それから、今後は全数を確認するという検査を行うという意図を持ってはおりませんけれども、常駐する検査官等の立入り等によって、より監視の目を強化するということは考えております。
○山添拓君 しかし、今回指摘があったように、重大な検知装置の故障が見逃され、あるいは代替施設が機能しないという状況があったわけです。それを規制庁の検査では見抜けていなかったと。このことについては、つまり、なぜ規制庁の検査ではこうした機能喪失を把握できなかったのか、東京電力からそのことの報告を受けることができていなかったのか、それは少なくとも検証すべきなんではないでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今回の一連の事案に関して、多数であり長期間であった、で、これを把握することができなかったことに関しては、これはその検査を通じておのずと検証していくことになると思っています。
 なぜかというと、これは、代替措置が、まさか代替措置が極めて不十分なものではないだろうというような思い込みがあったんではないかと。これは代替措置がとられていることを見に行って初めて確認ができることですので、当然のことながら、核物質防護そのものに対する教訓ではなくて、核物質防護に対する規制というものに関しても問いかけはあったし学びもあったと思いますので、それはきっちり議論を続けたいというふうに思っています。
○山添拓君 時間ですので終わりますけれども、思い込みという発言がありました。適切に対処することができない事業者と、これを見抜くことのできなかった規制行政であることが浮き彫りになっていると思います。ですから、どちらも資格が問われていると思うんですね。
 この下で海洋放出や再稼働を進めるなど言語道断であるということを指摘して、質問を終わります。
 ありがとうございました。