山添 拓 参議院議員・日本共産党

国会報告

2021年・第204通常国会

法務委員会で少年法について質問しました。

要約
  • 法務委員会で少年法について質問。 法案は、18歳、19歳を保護処分とする場合、犯情を考慮して上限を定めるとしている。少年院は進級制で、問題を起こせば一月単位で出院が延びる。あらかじめ上限を定めるのは、少年法に決定的なゆがみをもたらすと批判しました。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
あの名古屋入管でのスリランカ人女性の死亡事案について、徹底解明が必要であることは言うまでもありません。そして、それなしに入管法の法案審議が前提を欠くということは私からも指摘をさせていただきたいと思います。
その上で、少年法について今日は伺います。
少年事件を刑事処分とするのか保護処分とするのか、検察に事件を逆送するか否かを判断する調査について、今もお話ありましたが、前回に続いて伺いたいと思います。
最高裁に伺います。
十一日の質疑では、最高裁として、その調査に関わって特定の考え方や方向性を示しているということはないという答弁でした。しかし、私が示しました二〇〇六年司法研修所編集の「改正少年法の運用に関する研究」においては、改正の趣旨を踏まえた運用がされているかどうかを実証的に検討し、その結果を今後の実務に生かそうとするものだと冒頭に書かれています。違うんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
現行法の第二十条第二項ただし書に該当するか否かを裁判官が判断する際の考え方について、委員御指摘のように、裁判官数名による研究報告があるということは承知をしております。他方、先日も申し上げたとおりなのでございますが、裁判官を含む実務家等の論考等におきまして、ただし書に掲げられている事情、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を総合考慮するという考え方等、様々な考え方があるというふうに承知をしております。
いずれにいたしましても、委員お尋ねのその調査に関係する部分につきましては、そうした判断の前提となるものとして家庭裁判所調査官による調査、これは非行の動機、態様、結果等だけでなく、少年の性格、年齢、行状及び環境等も含め、要保護性について十分に調査を尽くさなければならないという点はいずれも共通しているところと認識をしております。
○山添拓君 では確認ですけれども、家裁調査官は、ここの研究に書かれているように、保護処分を必要とする特段の事情が必要なのだと、そういう特定の解釈に基づいて調査する必要はないということですね。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
要保護性についての調査を、必要な要保護性の調査を尽くす必要があるということでございます。
○山添拓君 資料をお配りしておりますが、家庭裁判所から検察に事件を送致する逆送の規定は、現行法では二十条の一項と二項にあります。今度の法案は十八歳、十九歳について、これに加えて六十二条一項と二項で同様の規定を置き、拡大しようというものです。
法務省に伺います。四つの規定にそれぞれ調査の結果という文言があり、下線を引いております。ここで行われるべき調査の内容というのは全て同じものだと理解してよいですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
いずれも同じものだという理解でございます。
○山添拓君 要保護性に関する調査ですので、同じかと思います。要保護性というのは、再犯危険性、矯正可能性、保護相当性、この三つの要素だと整理されております。少年法の九条で調査についての条文がありますが、専門的知識、特に少年鑑別所の鑑別の結果を活用して行うように努めなければならないとあります。徹底した調査ということです。
そこで、伺うのですが、きめ細かく調査する、その調査の結果に基づいて刑事処分か保護処分かを判断すると。そうであれば、保護が不適あるいは不能、保護に適していない、保護ができない、そういう場合は刑事処分だと先ほど刑事局長から答弁もありましたけれども、そういう考え方からすれば、いずれにしてもきめ細かく調査をするわけですから、十八歳、十九歳の事件についても現行法の二十条一項で逆送できるんじゃないですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
おっしゃるとおり、現行法の二十条一項によっても、特定少年の原則逆送の拡大する部分については当然逆送は可能でございます。
今回の改正法は、逆送は可能かどうかという問題の上に、さらに、逆送は原則かどうかということで、現行二十条一項の適用ですと原則は逆送ではございませんので、これを今回、原則逆送を拡大する部分につきまして、逆送を原則とする対象にするという形で改正をするものでございます。
○山添拓君 つまり、原則として逆送とするんだということで、わざわざ規定をするわけですね。ですから、最高裁が調査の中身は変わらないのだと幾ら答弁をされていても、原則逆送事件をわざわざ規定し拡大していくということになれば、その調査の使われ方が変わるわけです。したがって、その性質は変容しかねない。現に二〇〇〇年改正以後、調査が変容したと批判されてきたわけです。
議論を踏まえて大臣に伺いたいのですが、法案は十八歳、十九歳に刑事処分を科す対象事件を大幅に拡大するものです。しかし、犯行の凶悪さやあるいは悪質さにかかわらず要保護性の高い少年については保護処分に付す、それが少年の健全育成という法の目的にもかなうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 一般論として申し上げるところでございますが、家庭裁判所は、実務上、原則逆送事件についても十分な調査を尽くした上で、先ほどの答弁でございますが、刑事処分相当として逆送決定をするか否かを慎重に判断をしているものと承知をしているところでございます。
様々な事案につきましても、十分な調査を尽くした上で、犯情の軽重を含む様々な事情を考慮した上での適切な処分ということでございますので、その構成の仕方というのは変わらないというふうに思っております。
今回、特定少年ということで、様々これに係る部分につきましては一つにした形で記述を規定をしているところでございますが、この六十二条に関しましても、このそれぞれの規定の中で基本的な枠組み、そして少年法の目的に照らした保護処分、そしてその要保護性、そしてまた犯罪の軽重と、こういったことについてのバランス、こういったことを家裁がしっかりと調査をした上で処分を課すということのフレームワークは変わらないものと考えております。
○山添拓君 私が申し上げているのは、家裁がしっかり調査をすると、それはこれまでもこれからも大事なことだと思うのですが、その家裁のしっかりした調査を前提とするのであれば、その上で刑事処分が必要な事案なのか、それともやはり要保護性が高く保護処分に付すべきなのか、その判断は家裁が行うわけですから、現行の二十条一項でも適切に処理されると思うんですね。
しかし、あえて原則逆送事件を追加する、拡大をしていく、そうすると調査は変容するのではないかと、そのことが現場から既に、二〇〇〇年改正の後の経過も踏まえて批判が起こり、懸念がされているわけです。原則逆送事件の拡大は、健全育成という法の目的とは相入れないものだと改めて指摘をしたいと思います。
法案は、十八歳、十九歳を保護処分とする場合、その期間の上限を決めるに当たり犯情の軽重を考慮するとしています。しかし、犯情というのは成人の量刑で用いられる概念です。少年法には初めて用いられる、持ち込まれるものです。
刑事局に伺います。
十八歳、十九歳について、刑事処分ではなく保護処分を選択する。保護処分を選択する以上は、その処遇というのは刑事処分の考え方ではなく保護処分の世界のルールで決めるべきではないんでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
委員のお尋ねは、その家裁が保護処分を選択するときにどういうふうな考え方をするかと、(発言する者あり)ということですよね、そこで保護処分を選択するという判断でございますから、そこは保護処分の考え方に従ってその内容を決するということになります。
○山添拓君 ですから、今刑事局長がお答えになったように、保護処分を選択する以上は保護処分のルールでやるべきなんですよ。ところが、そこに犯情という刑事手続の概念を持ち込むことになる、それは矛盾していませんかと伺っています。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
まさに、今回、特定少年の保護処分に関しまして、責任主義の観点から犯罪の軽重を考慮するということにしたところでございまして、まさにそういったことが新たな保護処分のルールとすべきと考えることから法改正をお願いしているところでございます。
○山添拓君 いや、そうではないんですよ。責任主義、成人ゆえに行為責任の原則と、それは原則逆送事件の拡大によって対応しているはずのことです。従来どおり保護処分の対象事件としたものについてまで刑事処分の考え方を持ち込む、これは決定的な矛盾ですよ。
処遇の選択に当たって犯情が優先されるとどうなるかと。衆議院の参考人質疑で、元家裁調査官の須藤明氏は、社会調査や心身鑑別が従前と同様に行われたとしても、調査官の処遇意見や心身鑑別の判定意見に反映されない結果、分析結果と意見との乖離が生じ、結果として社会調査と心身鑑別の形骸化をもたらすと述べています。
最高裁に伺いますが、十八歳、十九歳の事件は、調査や鑑別をどれだけきめ細かに行っても犯情の軽重で処遇が決まる、それでは調査や鑑別というのはやはり形骸化してしまうのではありませんか。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
先ほど法務当局から御答弁がありましたように、犯情の軽重によって相当な限度を超えない範囲内ではありますけれども、その上で、犯した罪の責任、あっ、申し訳ございません、訂正させてくださいませ。対象者の要保護性に応じて保護処分を選択するということになりますので、その選択については要保護性をきちっと調査をした上で検討する必要があるというところと認識をしております。
○山添拓君 しかし、その際、犯情が上限になりますね。まず犯情があって、その中で要保護性ということになるわけです。ですから、要保護性に関する調査もどれだけやっても犯情という上限が掛かることになる、違いますか。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 家裁調査官の調査の目的としましては、要保護性の検討が主たる内容になるわけですけれども、そこではその非行メカニズムを分析、解明し、その非行の促進要因、抑止要因というのを分析、検討していくということになるかと思われます。
相当な限度を超えない範囲ではありますが、その要保護性に即した処分を、処遇を選択しようとすればそのような調査は必要だということであると理解しておりますので、そのような趣旨でお答えを申し上げました。
○山添拓君 ですから、調査をどれだけやっても犯情が先立ちますから、その範囲内でしか要保護性に関する調査は生かされないということになりかねないと。
新たに原則逆送の対象となる十八歳、十九歳の例えば強盗事件について見ますと、二〇一五年から一八年の統計では、少年院送致が五六%、保護観察が三二・六%でした。一方、二十歳と二十一歳の強盗罪について、全部執行猶予の割合は五二・一%だといいます。執行猶予されるというのは、まさに犯情による判断です。すると、法案の下では十八歳、十九歳についても犯情を優先すると、自由を拘束するべきではないということになると思うんです。
刑事局長はおとといの質疑で、こういう場合に直ちに少年院送致を選択できないことには必ずしもならないと答弁されました。では伺いますけれども、犯情が軽くて成人なら執行猶予になる事件がどういう場合であれば少年院送致を選択し得るとお考えでしょうか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
お尋ねは、具体的に家裁がどう判断するかという判断に関わるものでございますので、法務当局としてはお答えを差し控えたいと思います。
○山添拓君 刑事局長自身が必ずしもそうはならないと答弁されたわけですから、想定されているはずですよ。そうでないと答弁できないことですよ。いかがですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
私の答弁として、まず十八歳以上の少年の保護事件について、具体的にいかなる保護処分を選択するかという問題は家庭裁判所が個別の事案に応じて判断すべき事柄であり、一概にお答えすることは困難であるという、まずこの一般論を前提としまして、私が申し上げたのは、必ずしも少年院送致処分、御指摘のような事案において少年院送致処分が選択できないということには必ずしもならないということでありまして、それを超えて具体的にどういう事案ならというところまで御答弁した趣旨ではございません。
○山添拓君 では、逆に伺いますけれども、殺人未遂罪のように犯情としては比較的重いものの、少年が真摯に反省して被害者も許している、受入れ環境も整っている、こうした場合に裁判所は短期の処遇勧告をすることもあり得ますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
それは、保護処分の具体的内容としてどうなるかということでございまして、一概にはちょっとお答えすることは困難でございます。
○山添拓君 刑事局長はそうおっしゃるんですけれども、おとといの質疑では、具体的な判断基準は裁判所による運用の集積の中で徐々に形成されていくということも述べられました。それは結局、個々の少年の問題性に応じた個別具体的な柔軟な対応ということではなく、量刑相場の形成と、そういう発想につながっていくと思うんです。犯情の軽重を考慮するのは、重い罪なら重い処分を、軽い罪なら軽い処分を、応報的な考え方に基づくものかと思います。
しかし、保護処分というのは思想が根本的に異なります。大山参考人が述べていたように、少年院というのは進級制で、問題を起こせば一か月単位で出院が延びていきます。罪が重いから長く入るということではなく、要保護性が高いから長期処遇で教育するわけです。こうして、少年院における処遇というのは刑務所における懲役とは異なって、教育的措置として行われてきました。大臣はその意義をどのように認識しておられますか。
○国務大臣(上川陽子君) まさに少年院でございますが、可塑性を有する少年を対象とする保護処分、これを執行する機関でございます。
そこにおきましては、安全、安心な生活環境の下におきまして、在院者の健全な心身の成長を図るとともに、その自覚に訴えて改善更生の意欲、これを喚起し、自主、自律及び協同の精神を養うことを目的として、在院者に対しまして矯正教育のほか、その健全な育成に資する処遇、これを実施しているものでございます。
具体的には、在院者が他者への不信感を有するなど資質上及び環境上の様々な問題や困難を抱えていることを踏まえまして、法務教官との深い信頼関係、これを基盤として、個々の在院者が抱える課題に応じて矯正教育を計画的に実施するわけでございます。
これらの矯正教育でございますが、担任によりましての個別指導、また小規模の集団指導、こういったものを組み合わせて余暇時間を除く起床から就寝まで行っておりまして、再非行防止に一定の効果を上げているものと認識をしているところでございます。
○山添拓君 大臣の答弁はそのとおりだと思うのですが、今度の法案は、そうした教育的措置である保護処分に犯情という異質の概念を持ち込んで、その性格をゆがめるものだと言わなければなりません。
矯正局に伺いますが、教育的な措置であることから、少年院での処遇というのは柔軟に行われています。少年院に収容され、収容が継続となった件数、そして、なぜそうした継続が申請されるのかについて御説明ください。
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
令和元年に少年院を出院した者二千六十五人のうち収容継続を行った者は六百三十四人おります。
その内訳とその理由につきまして申し上げますと、二十歳に達する保護処分在院者に対して、保護処分決定日から起算して一年に限り少年院の長が決定できる収容継続として百十一名、保護処分在院者の心身に著しい障害があり、またその犯罪的傾向が矯正されていない場合、家庭裁判所が決定する二十三歳までを限度とする収容継続、これにつきましては五百二十三人、保護処分在院者の精神に著しい障害があり、医療に関する専門的知識及び技術を踏まえて矯正教育を継続して行うことが特に必要である場合、家庭裁判所が決定する二十六歳を超えないまでを限度とする収容継続についてはございませんでした。
以上でございます。
○山添拓君 ありがとうございます。
少年院を出ても、家庭に問題があって帰れない少年もいます。出院後の保護観察期間を確保してスムーズに社会復帰できるように柔軟に運用するなどされておりますが、犯情の軽重を考慮するということになりますと、こうした期間というのは犯情に照らせば余計な期間と、そして認められないということにならないでしょうか。法務省、いかがですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
今回の改正案で、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲でとする理由でございますが、保護処分は、施設への収容を含む対象者の権利、自由の制約という不利益を伴うものであるために、民法上の成年とされ監護権の対象から外れる十八歳以上の少年について、犯した罪の責任に照らして許容される限度を超える処分を行うことは、成年年齢引下げに係る民法改正との整合性や責任主義の要請との関係で問題があり、法制度としての許容性、相当性の点で慎重であるべきと考えられるところでございます。そのため、本法律案では、十八歳以上の少年に対する保護処分は犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲で行うものとしております。これが今回法改正をお願いすべきと考えた理由でございます。
その上で、委員が現行の実務との比較をおっしゃっておられますので、お答え申し上げますと、現在の少年事件における実務の運用上も、一般的には、犯罪事実の軽重と処分との間の均衡を考慮して処分選択が行われているとされており、また、一般的には犯罪事実の軽重と要保護性は対応、相関されているとの指摘がなされているものと承知しております。
そういたしますと、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内で処分を行うものといたしましても、実務上、家庭裁判所が要保護性に応じた適切な処分選択を行い、それに基づいて処遇機関において処遇を行うことに直ちに支障が生ずるものではなく、本改正が、これまで行われてきた保護処分による教育的措置の意義を失わせ、効果を損ねるものではないと考えております。
○山添拓君 私が伺ったのは、今は収容が継続されるような件数も結構あるというのが矯正局からの答弁でした。
刑事局長、改めて伺いますけれども、そうした社会復帰のために一定の期間収容を継続する、そういう期間を犯情の軽重を考慮するという考え方からすれば余計な期間ということになって認められない、許容されない拘束だということになりはしませんか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
委員は現行の少年法を前提におっしゃっておられますが、私ども、今回改正をする理由として、先ほどお答えを申し上げましたけれども、特定少年に関しまして、先ほどお答えしたように、十八歳、民法上の成年とされ、監護権の対象から外れる十八歳以上の少年について、保護処分というのは施設への収容を含む対象者の権利、自由の制約という不利益を伴うものでございますので、こういった十八歳以上の少年について、犯した罪の責任に照らして許容される限度を超える処分を行うことは先ほど申し上げたような観点から許容されないと考えたものでございますので、そういった形で今回の改正をお願いしているところでございます。
○山添拓君 全然お答えいただけないんですけれども。
少年院における処遇、保護処分一般についてそうかと思いますが、教育的処遇ですよね。そして、法案の下でも保護処分を残すわけです、少年院送致も残すわけですから、その保護処分に付した以上は保護処分のルールの中で教育的措置として行うべきではないかということを本日一貫して質問をしています。
大臣に伺います。
現行法では、裁判所が処遇期間について処遇勧告を付します。少年院がそれに基づいて処遇計画を立てています。しかし、処分そのものの上限が決められているわけではありません。だからこそ、教育的措置としての実効性があり、有効に機能してきたのではないかと考えます。その意義について大臣はどのように認識されているでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) この在院者の処遇の現状ということでございますが、家庭裁判所調査官におきまして社会調査、また鑑別の結果等を踏まえまして、在院者ごとに個々の特性に応じて、矯正教育の目標、内容及び教育予定期間等を盛り込んだ個人別の矯正教育計画を策定した上で計画的に行っているというところでございます。
在院者に対しましては、個々に定められた目標の達成状況に応じまして定期的及び総合的に成績評価を行っております。その結果に応じまして、三級から一級の処遇の段階を向上又は低下させ、本人の矯正教育を進めていくということでございます。そして、処遇の最高段階に達したことをもって仮退院の申出を行うこととしているところでございます。
このように、少年院におきましては、少年院法で規定された年齢及び収容継続により定められた期間の上限の範囲内におきまして、矯正教育の目標の達成程度を見極めて、これに応じた柔軟な運用を行うことで在院者の自覚に訴え、改善意欲を喚起し、なるべく早く矯正教育の目的を達成させようとするものでございます。
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますけれども、個々の特性に応じてと大臣がおっしゃったのは大事だと思うんです。大山参考人のお話を皆さんもお聞きになったと思うんです。立ち直りの場として、内省を求められる場として、法務教官との人間同士の触れ合いを通した成長発達の場として重要な機能を果たしてきた保護処分です。そこに刑事処分の犯情という概念を持ち込むのは少年法制に決定的なゆがみをもたらします。そのことを指摘して、質問を終わります。
ありがとうございました。